PICマイコンの書き込み環境を作る~PICkit2クローン編~

以前の記事でPICerFTを製作したが、その中で晒したPICkit2クローンの出来が余りにひどかったため、リベンジすることにした。

 

 

 

<はじめに>

問題の記事はこちら↓

monaruka.hatenablog.com

 

その中で晒しているPICkit2クローンはこちら↓

うん、これはひどい

まず汚いし、パターンもいくつか切れかかっている。

さらによく考えてみると、USBのD+とD-は差動信号なので配線長を出来るだけ合わせる必要があるのだが、ミアンダ配線無しな上にジャンパー等を使用しているせいで8mmぐらい差がある。

USB2.0だと5.0mm以内にする必要がある(規格書を見たわけではないから正確かは不明)のため、調子が悪いのはこれのせいの可能性もある。

 

まぁPICライターはPICerFTを作ったのでもう必要ないのだが、このままにする訳にはいかないという使命感と創作欲により、PICkit2クローンのリベンジを行うことにした。

 

 

 

<回路・レイアウト>

以前の記事ではどこかで拾ったと書いていましたが、そのブログ記事を見つけました。

こちらの記事です↓

yuukijapantechnology.blog.fc2.com

 

この記事でもCタイプ基板を使ったレイアウトを載せているが、筆者のこだわりでジャンパーを極力使わないようにレイアウトを作成してみた。

こういうレイアウト作成って製作者によって個性が出るから好き。

以下のような工夫とこだわりをしている。

  • LEDはφ3mmの抵抗内蔵型にして実装スペースを大幅削減。
  • USBのD+とD-はエナメル線ジャンパーにした(ジャンパーはここだけ!)。配線長差は誤差入れても1mm以内になったはず。
  • 抵抗は2本しか立たせていない。
  • ICSPコネクタは以前はL型メスにしていたが、ストレート型オスに変更。また、1ピンを左(PICkit2と同じ)から右にすることでクロス配線を減らした。
  • 基板サイズの関係より、縦は17マスに収めたかったが無理そうだったので、GND線だけ18マス目を使用した。
  • スライドスイッチと9Vツェナーダイオードを追加し、Vppを9Vに変更できるようにした。

ちなみに、秋月電子のUSB miniB DIP化基板ならピン配置が逆になるのでストレートに配線できるが、USB microB DIP化基板が3枚ほど手持ちであったためUSB microBにした。

 

 

これが実際に製作したもの。

これぐらい部品が密集しているとやりがいがあって楽しい。

製作時間は2時間半ぐらいだった。

ユニバーサル基板の実装・配線は背の低い部品からとよく言われるけど、個人的には中心からというのも重要だったりする。

部品の固定は逆作用(離すと閉じる)ピンセットを使っているので、外側を先に配線するとうまく固定できないんだ。

 

 

 

<評価>

新旧PICkit2クローンを並べてみた。

基板サイズは約半分で、無駄がなくスマートな感じになったと思う。

特にはんだ面の汚いはんだメッキが無くなっただけでもだいぶ良くなった。

 

書き込みテストをしたところ、設定でちょっと戸惑ったが無事書き込みできた。

まぁ回路的に5V専用なので、低電圧品には使えないが。

 

 

 

<おわりに>

実質的にPICerFTの下位互換のため、早くも作品箱に眠っている。

何で作ったの?と思われるかもしれないけど、バックアップは重要だし、何よりリベンジと自己満足はできたので後悔はしていない。