ほんとにあった!呪いのビデオ49レビュー

評価:★★★★★☆☆☆☆☆
恒例の3部作「死返」の完結編で、かなり尺を取られてる。
投稿映像は短いが、その中に内容を詰め過ぎてて逆に怖くない。

 

 

 

<樹海のテープ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
樹海を探索中に、無人のテントで見つけたというビデオテープ。
カップルが車を運転中に撮影されたもので、劣化のせいかノイズが入り込んでいる。
車を運転していると、事故に遭ったのか強い衝撃が入り、画面が乱れてブルースクリーンになる。
映像が戻るとレンズが割れ、中央の各種操作パネルを映した状態となっており、画面左上から逆さになったゴリラみたいな顔が現れる。
テント内には他に、「死んでください」と書かれたメモがあったとか。

 

ここまで狙いすぎだとやっぱり怖くないな。
そもそもビデオテープにブロックノイズみたいなノイズって入るっけ?っていう疑問もあるし、レンズが割れてるのにピントが変わってないのも不自然。
あと、事象が反転していることに気付かず、口元と鼻にしか見えてなくて、回った瞬間「ゴリラじゃねーか」と笑ってしまった。

 

 

 

<扉の向こう>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
投稿者の家で宅飲みした際に撮影された映像。
投稿者が酒を取りに扉を開けると、その奥には見覚えのない景色が広がっており、カメラを下ろして再び上げるといつもの光景に戻っていた。
その景色は廃墟のように陰湿で、布のようなものが大量に垂れ下がっている他、首を吊ったような男も確認できる。
この土地は昔廃墟で、地元で有名な心霊スポットだったとか。
斬新なのはいいけど、布っぽいもののせいで首吊った男が分かりにくいのが残念。
それ以上に、投稿者の視界どうなってんの?FPSなの?

 

 

 

<シリーズ監視カメラ ドアホン>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
ドアホンに記録された映像。
チャイムが押されてから、30秒間自動で録画されるらしい。
不審な男が何度も訪問している様子が記録されており、この男と話した主婦仲間によると「自分は被害者」だの「自分の話を聞かないと神に呪われて殺される」と電波垂れ流していたという。
また、数日後にその主婦仲間の家が全焼し、出火元は玄関だったようだ。
それ放火じゃね?この○○○○が犯人じゃねーの?

 

肝心の映像は、○○○○が周囲をキョロキョロしながらドアホンをジロジロ見る様子が記録されている。
3度目の訪問時に、出てくれないからか苛立っているようで、謎の祈りっぽいことをしている。
4度目の訪問時もかなり苛立っており、膝を曲げた際に、背後に女性の顔のようなものが映っている。
幽霊さんはどう見てもこいつを睨んでるんだよなぁ。
キングボンビーをなすりつけようとしてたのか?

 

 

 

<リハーサル室>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
インディーズバンドのリハーサル光景を撮影した映像。
男性ボーカルを映していると、その左肩から灰色の手が伸びてくるが、鏡には映っていない。
また、映像の終盤で女性の鼻歌のような声が聞こえるが、この部屋に女性はいない。
このボーカルはその後、1ヶ月近く高熱にうなされたとか。
また、鼻歌は80年代後半、インディーズに存在した女性歌手の音楽で、その女性は精神を病んで自殺したようだ。
怖くはないけど、少しずつ登るような手の動きがアダムスファミリーのハンド君っぽくてカワイイ。

 

 

 

<死返(まかるがえし) 後編>
 エピソード:★★★
3部作の完結編で、前回のあらすじはこんな感じ。

  • お互いを撮影し合っているような投稿映像が送られてきて、その1人である斉木さんが行方不明になってしまった。
  • 斉木さんは派遣モデルをしていて、投稿映像が撮影される数日前に、田沼と名乗る男から儀式めいた仕事をさせられていた。
  • 同じような被害に遭った篠田さんという女性がいて、既に自殺してしまったが、彼女が結核病棟の廃墟を探索している映像が見つかった。
  • 岩澤、菊池、3代目横田の3人はその廃墟へ向かった。

 

車が通れる道ではないので、徒歩で向かうことに。
結核病棟は倒壊寸前まで朽ち果てており、横田が床を踏み抜いてしまうwww
それを菊池が助けようとするが、菊池もこけてしまったwww
ってこれ初代横田と籐屋敷のコントじゃん(パート15「責任」参照)。
菊池が若干根に持っているのか、階段上らせずに外の斜面登らせるのがシュール。
収穫はなかったので、今度はトンネルに入ることに。
フェンスが張られていたが、3代目横田は越えられた模様(初代についてはパート11「廃線トンネル」参照)。
だが出口は半分以上土砂で埋もれており、3代目横田はここで脱落www
2人で行こうとしたが、道が途切れていて雑木林はなかったため、引き返すことに。
行き詰まったかと思われたが、横田が廃墟にあった道と繋がっていることに気付く。
岩澤「最初から気付いてたんですか?」
横田「はい」
岩澤「何で今言うんですか?」
岩澤「最初から言えばいいじゃないですか」
岩澤「菊池知ってた?」
菊池「いえ・・・」
全員「・・・」
↑嫌味ったらしいな岩澤www
で、着いてからも「よく気付きましたね・・・言ってくれたらもっとよかったんですけどね」
↑いい加減にしろ岩澤www
老婆が映った場所を発見したが、こちらも収穫はなかった。

 

今度は地元の図書館で調査することに。
廃墟付近は国道が作られるまで手付かずの森であり、30年以上前の大地震で崩落するまで、トンネル付近では不自然な程、交通事故が多かったという。
地元住民に聞いてみたところ、周辺をよく知る人物と話をすることができた。
あの場所は禁忌の森と言われていたようで、結核病棟があったのも天然の隔離所になっていたという背景があるようだ。
交通事故が多いのは道路事情もあるが、地元住民は祟りがあると言い伝えていたとか。
また、トンネル付近にイタコのようなことを生業としていた老婆がいたようで、死者を生き返らせる術、死返(まかるかえし)を行えるという噂があったとのこと。
その老婆は大地震で家が倒壊し、行方不明になったという。
老婆の写真を見せてもらうと、あんなヤマンバみたいな感じではないが、盲目のようだった。

 

老婆には孫兄妹がいたようで、その兄が田沼だと仮定したスタッフは、預けられていた養護施設の方から話を聞くことに。
2人とも身寄りがなく、地震のショックで記憶を失っていたらしい。
兄は高校卒業と共に福島の会社に行ったが数ヶ月で辞め、その後行方不明になっていたが、先月、凍死しているのが発見された。
遺品は妹が持っているようで、住所を見せてもらったところ、差出人不明の投稿映像(斉木さんが撮ってたやつ)と同じ消印で筆跡も似ていた。
ここでスタッフは、斉木さんのカメラが田沼に渡り、その遺品を受け取った妹が投稿したのでは推測し、妹の家へ向かったところで次へ。
ところで、時系列的に1ヶ月前後でここまで物語が進むのは無理がないか?

 

 

 

<繰り返す男>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
動画サイトにアップするために撮影された、車載カメラの映像。
高速道路を走っていると、その路肩に少し猫背の男性が3回に渡って現れる。
この車は中古車で、時々誰かに見られているような気配を感じていたとか。
低スペPCでゲームやるときみたいに急に現れているな。
まぁパネルかよってレベルで立体感がなくてハズレ。

 

 

 

<頭のおかしい女>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
カップルが、地元の廃線路跡のトンネルへ肝試しに行った映像。
このカップルは付き合いたてのようで、3回目のデートでこことか彼氏は何考えてんだ?
彼女はもっと頭おかしくて、ここで○する?とか言い始める。
だが彼氏は萎え萎えではぐらかしていると、何かが聞こえたようで沈黙する。
そして、彼女の方にカメラを向けてピントが合うと、奥に首が90°曲がった女がいて、彼氏は情けない声をあげて逃げるのであった。
頭のおかしい女が2人登場する、インパクトに全振りしたギャグエピソードってところ。
真面目に評価すると、舞台が整い過ぎで怖くない。
幽霊だけで怖くするのにも限度がある。

 

 

 

<祖母の家で・・・>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
幼い頃に祖母の家で撮影したホームビデオ。
お兄ちゃん?とプロレスごっこをしていると、背後にある日本人形の頭が一瞬消えている他、少女の顔のようなものも映っている。
撮影者は祖父で、この半年後に飛び降り自殺をし、顔が判別不能なほど損傷したとか。
坂本演出期〜福田演出期辺りにありそうな映像で、目星は付いてたけど初見では分からなかった。

 

 

 

<続・死返(まかるがえし) 後編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
家の近くまで着き、岩澤と菊池の2人で歩いて行くことに。
その場所は、斉木さんの目撃場所のすぐ近くだった。
呼び出したところ出てくれて、かなりオドオドしているが、ドアを開けたままにしたり座布団を敷いてくれたりと取材OKな様子。
飲み物もくれるが、「消費者金融(パート21参照)」のダメ男よりもはるかに怪しいし、タバコに火付けようとして髪を燃やしちゃってる。
投稿映像について問い詰めるが、タバコを吸うだけで十数分間何も答えてくれない。
そこで話題を変え、斉木さんのことを話し、「心霊現象を調査するだけでなく、被害に遭った人を助けたいという気持ちもあるんですよ」と力説する。
でも君達、誰も助けたことないよね?児玉演出なんかマスコミばりに映像見せて、話聞かせてしか言わなかったことあるし(パート36「嫉妬」参照)。
という訳で最終手段、投稿映像強制視聴を決行。
しばかれることはなかったが(パート24「ダビング」参照)、いきなり発狂して気絶してしまい、救急車を呼ぶことになった。

 

ちょっと話逸れるけど、この部屋の中にレンタルVHSテープがあるね。
2012年にもまだあったっけ?レンタル終了品を買ったとかかな?
あと、初期型PS3があるのが意外。
この時は例の件でおびえていただけで、普段は腐女子(ってか喪女)してたのかもね。

 

菊池が病院に連れ添い、深夜になってスタッフルームに帰ってきた。
パニック障害だったみたいで、目を覚ましたため話を聞くことができたようだ。
子供の頃から繰り返しみている夢があり、その中で兄が知らない老婆を刺し殺しているという。
そしてその老婆は、投稿映像の老婆と同じだったようで気が動転したとか。
また、投稿映像は確かに本人が送ったもののようだ。

 

ここでスタッフの推論。

  • 老婆は地震で亡くなったのではなく、田沼(当時10歳な!)が殺したのが真相であり、妹はそのショックで記憶を失っていたのではないか。
  • それから約30年後、老婆は自らを復活させるために田沼を操り、斉木さん(と篠田さん)を犠牲にしたのではないか。
  • 田沼が行動を起こしたのは東日本大震災直後からで、地震によって当時の記憶が蘇ったのではないか。
  • 田沼は儀式を終えたあと、用済みとなって消されたのではないか。

どう考えても2個目と3個目が繋がらないし、10歳で殺人する?って話だし、篠田さんのことを忘れてるガバガバ推論だなこれ。

 

最後に、田沼の遺品が届けられて、その中に8ミリテープがあった。
老婆が女性の遺体を前に祈祷している様子が記録されている。
巫女が貢ぎ物を持ってきて、それを手に取り何かを唱えているとモヤが何回か現れ、その中に顔のようなものがある。
その顔は、SlipknotのMick Thomson(マスク有り)に酷似していた。
8ミリフィルムなのにカタカタ音鳴ってないのは寂しいなぁ。
まぁあれは、映写機使って映したものをカメラで撮ってたらしいから、専用の機械使って取り込むと鳴らないのは当然だけど、そのせいで怖さと雰囲気が半減したと思う。

 

最後に、スタッフはあることが気になった。
儀式の様子から察するに、儀式の実行者は本当は妹だったのではないか?
嫌な予感がしたスタッフは、再びアパートに行くがいなくなっており、隣人によると数日前に若い女性に連れられたという。
その女性こそが、斉木さんを乗っ取って復活を遂げた老婆なのではないだろうか・・・

 

 

 

<総評>
★★★★★☆☆☆☆☆
メインがやたら長い関係で投稿映像は短かったが、逆に内容は詰め込み過ぎってぐらい濃かった。
そのせいで逆に怖くなかったのが残念。


メインについては正直、今回は書いてて疲れた。
初期だと要らないと思ったらバッサリ切ってるけど、最近はどこか関わってくるんじゃないかと思って全部書いちゃうんだよなぁ。
特に岩澤演出は情報量が多くて、追跡録の時にカットして痛い目見たから、かなり慎重になってる。
それでも兄妹の記憶喪失のくだりは書きそびれてたから、こうしてレビューでも書いてなきゃストーリーを全然覚えられなかった。

 

余談だが、今回のメインは過去作のオマージュがやたら多かったと思う。
廃病院のくだりは明らかに「責任(パート15)」とか「廃線トンネル(パート11)のオマージュだし、それ以外にもいくつかあった。
まぁ大部分は筆者の遊び心だけどね。