ほんとにあった!呪いのビデオ50レビュー

評価:★★★★★★★★☆☆
ナンバリング50作目で、中村さんが久々に登場。
投稿映像も良いが、エピソードが特に気合入っている。

 

 

 

<13年の呪い>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
製作委員会にコンパクトビデオカセットという古いビデオと、「降旗祐介が亡くなりました」と書かれた手紙が投稿されてきた。
データベースを調べてみると、ほん呪発足当初の13年前に降旗さんから投稿映像が送られていたが、不採用だったため詳細は書かれていなかった。
倉庫を探すと見つけたが、テープには視聴厳禁という貼り紙がついており、当時の演出で現ナレーターの中村さんに当時のことを聞くことにした。

 

中村さん、約11年ぶりの登場!当時の映像も出てくるよ。
中村さんによると、当時としては破格の怖さだったので取材を申し出たが、降旗さんが階段から転落して骨折してしまったため、会ったことはないが電話で取材していた。
前に住んでいたアパートで撮影されたホームムービーで、撮影直後から両親の離婚や自身に不可解な事故が相次ぐなど、不幸に見舞われたという。
その後、採用する気だったので編集作業をしていたところ、父親から息子が病院の屋上から落ちたと連絡が入り、採用を見合わせてほしいとお願いされたようだ。
また、スタッフが映像を見た時刻と降旗さんに起きた事故の時刻がほぼ同時だったため、誰が見ようと降旗さんに不幸が訪れる映像ではないかと仮定し、視聴厳禁の貼り紙をつけ封印したという。
つまり、今回送られてきたのは、13年前に投稿されたビデオのオリジナルと言うことか。
当時の連絡先を元に父親を探したが、電話は繋がらず、家は取り壊されており足取りを掴むことはできなかった。
また、住民票を頼りに捜索しても、戸籍を売ったのか全く別の人物に行き当たった。

 

肝心の映像は、ソファーの上で母親が赤ちゃんを抱き、お兄ちゃんと遊んでいると、窓の奥から半透明の着物を着た女性が通りかかる。
その直後、下の方に老婆のような顔が睨み付けるように現れる。
確かに、当時採用されていれば破格の怖さだろうな。
でも、妙に現代的過ぎる気がする。
レースカーテンが不自然に開いているところとか、半透明でモノクロな幽霊さんとか、2段オチとか明らかに最近のトレンドだよな。

 

 

 

<警察人形>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★
友人達とドライブした帰り、助手席にいた女性が、道路脇にいた警察人形が動き出したと言い、面白半分で撮影した映像。
警察人形は妙にリアルで、その背後には馬頭観音と書かれた石碑がある。
カメラを下ろすと謎の声が聞こえ、それに反応して再びカメラを上げると、人形の顔はノッペラボウのようになっており、その背後に分裂したような顔がある。
ちなみに、馬頭観音とは江戸時代以降、運搬に活躍した馬が突然死した場所に、供養の意味を込めて立てたものだという。
警察人形の雰囲気がいい感じだが、事象自体はそれほどでもない。
声のせいで事象のタイミング丸分かりだしね。
それでも十分高レベルなエピソード。

 

 

 

<アフンルパロを視る女1>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
今回のメイン。
友人とサシで飲み会をし、酔った勢いでナンパしたという投稿者。
その女性は何と、半年ほど前にスタッフルームに押しかけて来た女性だった。
という訳で、まずは応対した川居から当時の状況を聞くことに。
ずっとブツブツ言っており、問いかけても「私じゃないんです」としか言わなかったという。
そして、岩澤に連絡しようと奥に行った隙に逃げられたようだ。

 

次に、投稿者に話を聞くことに。
ほとんど話が通じなかったが名前だけは聞けた他、突然友人の方を向き「近いうちに死ぬ」と予言をしたという。
そして約1ヶ月後、友人は資材が頭に落ちて亡くなってしまった。

 

ここで、その女性(押野さん)がスタッフルームに押しかけてきた際の映像。
押野さんが押しかけてきたあたりから、映像にフラッシュのようなノイズが割り込んでくる。
にしても、押野さんは吉田さん(パート24「ダビング」参照)ばりに挙動不審で、投稿者はよくこんな奴ナンパしたな。
後、川居もほん呪パーカー着てるじゃん!やっぱあれ見るとテンション上がるわ。
押野さんについて、本格的に調査することになったところで次へ。

 

 

 

<河原の狂気>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
大学時代のサークル仲間と共に、河原でキャンプした際に撮影された映像。
オレンジ色のシャツを着た男性が、吸い込まれるように河原に入ろうとし、友人達が取り押さえている様子が記録されている。
彼がこのようなことをした原因が、直前に記録されていた。

 

5人で輪になって談笑中、例の男性がある時から急に無言になり、一点を見つめている。
次に彼が映ると、その顔は老人のように変化していた。
そしてこの数十分後、河原に入ろとしたという。
この河原には滝があり、自殺者が絶えないとか。
ぶっちゃけ色々と浮いているのでクオリティーは高くないが、時系列を遡る演出はGOOD。

 

 

 

<アフンルパロを視る女2>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
押野さんの行方を追うべく、投稿者がナンパした場所で調査をすることに。
すると、風俗関係の仕事をしている人物から情報を得ることができた。
押野さんはこの界隈で有名なソープ嬢だったようで、関わった人に次々と不幸が訪れたという。
また、霊感体質だったり情緒不安定だった結果、職場を転々としていたようで、最近では売春に手を出していたとか。
また、ブログを書いていたが最近は更新がなく、ヤバいところとつるんでいたという噂から、死亡説が出ているという。
電話番号はすでに使われなくなっていたため、ブログについて調査をしてみると、北海道出身だということが分かった。
そして、岩澤も北海道出身で、ブログにアップされている写真の場所を知っていた。

 

ここでようやく投稿映像。
押野さんが揚げポテトを使って顔(曰くお母さん)を作ったり、後ろの壁をマジマジと見たかと思ったら笑ったりと電波を垂れ流し、投稿者らは半笑いしながらツッコミ入れている。
すると突然黙り、パセリ?をいじり出すと画が硬直し、すぐに直るが画残りしている。
そしてその中に紛れて巨大な顔が映り、友人の方を睨みつけている。
この顔何だ?ターミネーターの骨格みたいだぞ。
あと、カメラのノイズによるシミュラクラ現象だと思うけど、全編に渡って押野さんの周囲に顔っぽいものが何回も映り込んでいる。

 

押野さんの足取りを探るため、岩澤、菊池、川居の3人が北海道へ飛び立ったところで次へ。
ロクな情報ないのに飛行機使って北海道まで行くとは・・・儲かってんな製作委員会。

 

 

 

<貸切風呂>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
友人カップルと一緒に旅行に行き、貸切風呂で混浴している様子を撮影した映像。
モザイク有りだが、友人のアレが映るので注意。
何で野郎は裸なのに彼女は水着なんだ?
ってか投稿者場違いだし、彼女が水着着てるのお前のせいだろ。
更に言うと、途中から彼女がカメラを持つから野郎の裸しか映らねぇ。エピソードゴミにしたろか?

 

それはともかく、湯船に浸かる野郎2人を映していると、浴槽から水死体のような上半身が投稿者に近づき、消えた直後から投稿者の左肩にアザのようなものが浮かんでくる。
投稿者は、この翌朝から発疹のようなものができ、1週間近く消えなかったという。
邪念が多過ぎてまともに評価できなかった。すまん。

 

 

 

<不気味な置物>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★★
製作委員会に謎の映像が送られてきた。
赤ちゃんの代わりに兵隊?の首を右手に、胴体を左手に抱えている西洋の人形を延々と映したもので、所々ノイズが入っているものの、特に異常は見当たらない。
という訳で、投稿者に話を聞いてみることに。
実家の蔵の壁が、地震によってひび割れたため改築することになり、中を整理していたらこの8ミリビデオテープを見つけたという。
この映像に映っている置物は昔、実家で飾られていたもののようで、当時からそのような状態だった様子。
そしてこの映像を早送りで見ていたところ、人形の表情が変化していることに気付き、投稿したようだ。
撮影者はおそらく投稿者の父親で、この映像が撮影された翌月に不慮の事故で亡くなったという。
また、この人形は蔵の中になく、父親が処分したかも知れない。

 

肝心の映像は、事象を分かりやすくするため60倍速で再生されている。
確かに、少しずつ口が開き、目もカメラの方に動いている。
事象自体はあまり怖いものではないが、人形自体がかなり不気味だし、それをひたすら撮影していること、テープの劣化などにより結構怖い。

 

後日、父親の死について、本当は飛び込み自殺であり、首が切断されて見つかったという情報が入ってきた。
また、パート52に続報があり、新たな映像が見つかる。

 

 

 

<アフンルパロを視る女3>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★★
北海道に到着した一行は、ブログにアップされていた海岸に行くことに。
海水浴をするような場所ではないようで、誰もいない。
また、川居が電話帳を調べていたが、押野さんと同じ名字の人はいないようだ。
今度は周辺住民に聞き込みをしてみるが、3日経ってもロクな情報が得られない。
明らかに行き当たりばったりのせいだが、意図的に何かを隠しているように感じただのと言い訳し、しまいには内輪揉めをする始末。

 

これが最後と聞き込みを再開したところ、ようやく押野さんを知る人物に出会うことができた。
押野さんの家で火事が発生し、父親と息子が亡くなり、母親と娘(押野さん)は生き残ったという。
放火だった可能性があるようで、押野さんはアイヌの家系で、いじめや差別的な扱いを受けていたようだ。
その後しばらくして引っ越したようだが、押野さんはそれまでの間、海岸にある洞窟によく行っていたらしい。
また、当時から霊感体質だったようで、霊が映っているビデオを持ってきた同級生の死を予言したことがあるという。
アイヌの言い伝えでは、人間には誰しも憑き神(トゥレンカムイ)が存在し、中には巫術(予知や降霊を行うこと)を行えるものもおり、それをトゥスクルと呼んでいたようだ。
押野さんは呪いをばらまいていたのではなく、トゥスクルを宿していたのかも知れない。

 

ここで、例の洞窟へ行ってみることに。
海岸のすぐ近くにあり、看板にはあの世への入り口「アフンルパロ」と記されていた。
その後、引っ越し先と母親が亡くなっていたことは分かったが、押野さんの足取りは掴めず、東京に戻ることになった。

 

東京に戻った後、菊池がスタッフルームの監視カメラに映った閃光について、あることに気付いた。
どうやら、パズルのように繋がっているようだった。
という訳でそれを繋ぎ合わせてみると、アフンルパロの前に佇む3人の姿があった。
押野さんは取材班が来ることも予知していたのだろうか・・・どう見ても別人だけど。
菊池(仮)はともかく、川居(仮)はそもそも性別違うっぽいし、岩澤(仮)は頭の骨格違うでしょ。

 

ここで再びアフンルパロの取材映像。
カメラが菊池の方に向く際、人魂のようなものが映り込んでいた。
怖さはないけど、まぁそういう次元の話じゃないからねこれは。

 

最後に、押野さんのブログがいつの間にか削除されていた。
本人が消したのだろうか。
押野さんの行方は未だに分かっていない・・・

 

 

 

<呪われたホーム・ムービー>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
エンドロールも流れたので終わりかと思ったら、もう1つあった。
「アフンルパロを視る女3」で話題になった、霊が映っているビデオのコピーが製作委員会に送られてきたのだ。
ちなみにこれを見た3日後、スタッフは追突事故に遭ってしまった。

 

という訳で、肝心の映像は警告付き。
幼児が母親と公園で遊んでいる様子が記録されている。
グローブジャングルという、回転するジャングルジムっぽいもので遊んでいると、幼児の奥に人影が見え、次に映ったときにはすぐ近くまで来ている。
そして映像がフリーズし、目だけがカメラを睨み付けるように見開く。
岩澤演出になってから何度も見てるパターンだな。
演出過剰なのと立体感ゼロなのはマイナスだけど、それでもなかなかの怖さ。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★☆☆
記念すべきナンバリング50作目だからか、凝ったエピソードが多かった。
シリーズ発足当初のエピソードが登場したり、メインは北海道ロケやアイヌの伝承、発掘された警告映像など盛りだくさんで、満足感が高かった。
個人的に気になるのは、古い投稿映像が増えてきたけど、その内容が現代的すぎる点。
今回はいずれも封印されていたということでそれなりに説得力を持たせているが、古い映像なのに派手に映っていると「何で今まで投稿してなかったん?」という疑問が先に浮かんでしまう。
それに、岩澤演出自体が演出過剰気味なので、余計浮いているように感じる。
いっそのこと初期のような事象の方が、かえって雰囲気あるかもね。