ほんとにあった!呪いのビデオ54レビュー

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆
恒例の3部作「失われた仔ども達」編最終章だが、メチャクチャに終わった。
演出過剰なエピソードが多い中、初期テイストの「老人ホーム」が意外といい感じ。

 

 

 

<私は誰>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★★
女子高生がSiriで遊んでいる様子を撮影した映像。
友人が遊び半分で「私は誰?」と聞いてみると、「イイダ ケイコ」と返ってくる。
もちろん自分の名ではないため、若干戸惑いながらもまた聞いてみると、今度は問題が発生したと返ってくる。
すると友人の背後に髪の長い生首のようなものが浮いており、投稿者はカメラを捨てて逃げ出す。
カメラがちょうど真上を映すのだが、友人のすぐ近くに人影が映り続け、最後はノイズと共に録画が停止する?

 

ここ数作のレビューだと舞台が整いすぎている劇場型と言いたいところだが、その完成度は他を凌駕しており、Siriを使うというセンスや最後まで映り続ける霊など見所たくさん。
ラストのカメラアングルが惜しいな。あとちょっとで友人の(ry

 

 

 

<見えぬ踏切>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
学生寮のロッカーに隠されていたというミニDVテープの映像。
大学生と思われる3人組が、旅行の帰りに住宅街をドライブしている様子が記録されている。
道に迷い、行き止まりに突き当たったため戻ろうとすると、突然踏切の音が鳴り響き、車が動かなくなってしまう。
そんなイレイザーのラストみたいな状況にパニクっている中、フロントガラスの向こう側に数人の人影が現れ、電車の通過音と共に映像が途切れる。
投稿者によると、行き止まりの場所は元々踏切で、自殺者が絶えなかったとか。

 

これは良くない方の劇場型だな。
特にラスト、明らかに電車が通過中ぐらいのところで終わってるんだけど、その直前でカメラを下ろすのは、その後を想像させようとし過ぎててなんだかなぁ。
ってかお前にズームすんのかwww人影しか気付いてなかったから笑ったわ。

 

 

 

<霊界電話>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
投稿者が幼い頃に撮影されたホームムービー。
団地の主婦仲間とその子ども達で遊んでいる様子が記録されている。
すると突然、老人が誰かと電話をしている声だけになり、「ゆみちゃんは、今どこにいるの」と聞くと、「おはか」と返ってきたところで元に戻る。
この声の主は隣に住んでいた老人で、この映像が撮られる前に亡くなっていたらしい。
また、身寄りがいないにも関わらず子供や友達がきたと妄言を繰り返しており、別の存在が見えていたのではとのこと。

 

はっきり言う。これはひどい
岩澤演出の音声物自体クサ過ぎるのもあるが、「今どこにいるの」の返事が「おはか」なのがとにかくクサい。
それに、映像は何回か途切れているのに音声は途切れてないし、元の音声が消えているというのもあり、作った感しかない。
ってか何回繰り返すねん。しつこいわ。

 

 

 

<失われた仔ども達 後編>
 エピソード:★
3部作の最終章。
前回のあらすじはこんな感じ。

  • 似たような事象、体験談を持った投稿映像が2本届き、それを探ると「怖い話」を聞いたという情報を得た。
  • その話は梅木さんの彼女(安部さん)が発信源で、人知れず出産し、何かしらの理由で失った実体験からできたのだろうか?
  • 安部さんに会うことはできたが、男3人で取り囲み尋問するという通報待ったなしなことをしたせいで、発狂し逃げられてしまった。
  • 安部さんからもらったDVDには、元カレ(誰か不明)との心霊写真と赤ちゃんが数秒だけ泣いている姿を記録した映像が入っていた。

 

これで終わりかと思ったら、パート52でコインランドリーで怖い話を聞いたと証言した草間さんから、手紙と2本のミニDVテープが送られてきた。
手紙の内容は、あの証言は嘘で、本当は大学時代の同級生である影山さんが出処だという。
↑じゃあ井ノ上の似顔絵は最初から意味なかったのかwwwそもそもそんな状況で安部さんに辿り着いたのも無理あるが。

 

ここで1本目のミニDVテープの映像。
影山さんと思われる人物が酒の席で「怖い話」をしている様子が記録されている。
この映像に心霊現象は起きていないが、影山さんの隣にいる人物は安部さんの元カレだった。
そしてこの元カレは約1年半後に自殺したという。
あまりにも急展開なため草間さんに電話するが繋がらない。
インタビュー時に隣にいた同僚に話を聞いてみると、臨月だった奥さんに暴力を振るって流産させ、その罪で逮捕されたという。
その後スタッフ会議を開き、影山さんに会うことにしたところで次へ。

 

普段この段階では感想を書かないんだけど、今回は書かせてもらう。
ぶっちゃけストーリー破綻してねーか?世間狭すぎだろ。
元々無理があり過ぎる展開だったけど、今回は嘘の証言だったという禁じ手のせいでそれすらなかったことになり、ポッと出の人物が最重要人物になるとか、1クールのドラマやアニメだったら炎上間違いなしだぞ。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 老人ホーム>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★★
老人ホームの廊下に設置された防犯カメラの映像。
画面奥から無人の車椅子がゆっくり現れ、停止する。
そして、車椅子からゆっくりと立ち上がる人影が現れ、車椅子が放置されていることに気付いた職員が慣れた手つきで移動させたところでリプレイとなる。

 

こういうのでいいんだよシリーズ監視カメラは。
地味に終わり方も良くて、シリーズ監視カメラって「四六時中見てる訳でもないだろうに何で心霊現象に気付くんだよ」という疑問を抱くことが多いけど、これは車椅子を戻した職員がその後チェックしたんだろうなと想像できる。
あえて初期のようなテイストにして成功した例だと思う。

 

 

 

<タワーパーキング>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
タワーパーキングに格納される様子を撮影した車載カメラの映像。
彼女が車内に置き忘れたもので、車から降りた直後から勝手に録画されていたという。
その後、駐車しようとした際にバックモニターに子供が映り込んだり、高速の料金所で後部座席に誰かいるようなそぶりをされたそうだ。
この現象はレンタカーを借りていた時だけ起きており、その車に何かあったのではとのこと。

 

肝心の映像は、所定の位置へと淡々と移動する中、画面右奥に子どもが現れる。
その後暗がりに入る際、子どもがフロントガラス越しに現れる。
タワーパーキングの無機質な感じとかが雰囲気あっていいが、子どもの顔を無駄に怖くしようとしてスベった感じ。
せめて最初の方だけだったらもっと良かったな。

 

 

 

<今はもうない・・・>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
友人の行きつけのバーに初めて行った際、撮影された映像。
ガラスケースに片手を上げているような人影が映り込んでいる。
このバーは数年前に閉店となり、その原因は店長の失踪だったという噂があるとか。
店内BGMがうるさくて何も聞こえないし、何なら実際にこんな奴がいたんじゃない?程度のハズレ。

 

 

 

<失われた仔ども達 続・後編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:胸糞(ゴミ)
影山さんの自宅を特定し突撃するが出てこない。
そこで、交代しながら自宅マンション前で張り込みをしていると、なんと菊池が現れた!
井ノ上が人手を増やすために呼んだようで、岩澤のツンデレが発動www
近況を聞いたところ、修行(笑)は順調とのこと。
ちなみに、菊池の出番はこれだけ。マジで。
そもそも全員車内で待機してるだけなんだから増援要らんし。
井ノ上、お前寝たかっただけだろ。

 

そんなこんなで待機していると、とうとう影山さんが帰ってきた!!
まーた男3人(菊池は帰りました)で取り囲み、岩澤が「あなたが怖い話を言い始めたんですよね。あなたのせいでみんなおかしくなったんですよ」といきなり説教モードwww
裏で話すことになったが、シラを切る影山さんと熱くなる岩澤、影山さんを撮り続ける下っ端2人という地獄のような光景が続く。
岩澤が「あんたのせいで自殺したり、暴力振るって流産させて捕まった人がいる」と一線を超えたことを言い出したため、とうとうキレて通報すると言い出す影山さん。
俺が認める。しばいていいぞ。ってかもうそれしか期待できん。
そもそもこれで演出13作目だし、それまでも演出補として色々な人にインタビューしてきたのに、何を学んできたんだ岩澤は。
そしてとうとう母親のこと(後述の理由で明らかに禁句)まで言い出したことで、影山さんは傘を武器にスタッフを払いのけ、自室に逃げてしまった。
また今回も戦犯岩澤だよ。なに悔し泣きしてんだコイツ。

 

取材がダメになったので、ここでもう1本のミニDVテープの映像。
影山さんの小学校時代の担任教師から、影山さんの母親について証言している様子が(なぜか隠し撮りで)記録されている。
その内容は、母親が影山さんよりも前に奇形児を産んでしまい、そのショックで頭がおかしくなり、影山さんが奇形児として生まれるのではと思って堕胎しようとしたり、出産後も何度も殺そうとしていたという。
それが原因で母親は精神病院に入り、父親は(関係ないと思うが)震災後、病気で亡くなったようだ。
もしかしたら、「怖い話」のモデルが影山さんの母親だったかも知れない(だとしたら母親から聞いたという発言と矛盾するけど)。
母親については、何も情報を得ることはできなかった。

 

ここで、先ほど紹介した「怖い話」を影山さんが語っている映像。
「10代の娘」の辺りから、シャッターを切るような映像効果と共に影山さんの背後に女性が浮かび上がり、一瞬だけズームアップする。
その顔自体歪んでいるが、更に子どもの顔のようなものが2体貼り付いている。
このパターン飽きた。なんでズームするか分からんし。
そもそも「怖い話」のモデルとか幽霊が影山さんの母親とは限らないし、仮定で物事を進めすぎじゃないか?

 

最後に、パート52で登場した新婚の外村さんが妊娠したようで、製作委員会から今回の件を知らされたが(嫌がらせか?)、子どもを産むつもりだと連絡が来て終了。

 

 

 

<総評>
★★★★☆☆☆☆☆☆
最初の「私は誰」は典型的な劇場型ではあるものの、その完成度は素晴らしく、最高の滑り出しだった。
それ以降は相変わらずの演出過剰が鼻につくが、「老人ホーム」はあえての初期テイストがうまくハマり、個人的に1番良かったと思う。

 

今回はメインがダメ。
今までは話が長く複雑ながらも、筋は通っていて考察しがいのあるものだったが、今回は最初から最後までこじつけ感が強い。
特に問題なのは、

  • 安部さん特定の経緯→偶然が過ぎるし、結局連絡取れて会えたから意味なし。そもそも偽名使ってた意味が分からん。一応、偽名ではなく旧姓(またはその逆)だったと考えればありえなくはないが。
  • 草間さんの嘘の証言→これのせいで何でもアリになったし、そもそも嘘つく理由なくね?
  • 2本目のミニDVテープ→何で影山さんが隠し撮りした映像を草間さんが持ってた?
  • 影山さんが語った「怖い話」の経緯→作中でも言っている通り致命的な矛盾があるし、そもそも影山さんの母親がモデル説自体こじつけ。さらに言うと、影山さんの母親を勝手に殺すな。
  • 怖い話に霊障があることを影山さんは本当に知っていたのか?さらに言うと飲み会の席で話したとき(おそらく最初)は妊婦どころか女性自体いないし、最初のターゲットを友人にするか?
  • 岩澤の取材の仕方→話にならん。菊池と一緒に修行してこい。
  • 菊池来た意味あった?

完全に岩澤演出に飽きちゃったな。でもあと1作だから頑張ろう。

 

ちなみに、DVD版のみ投稿映像募集中、3コマだけブロックノイズに紛れて赤ちゃんが現れる。
嬉しいサプライズと言いたいところだけど、メインがこの出来じゃあなぁ。