ほんとにあった!呪いのビデオ60レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
相変わらずやり過ぎだったり蛇足だったりで、もどかしい投稿映像が続く。
メインは長いが興味深く、菊池演出第2の武器:探検が登場する。

 

 

 

<もう半分>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
カップルがドライブがてら、地元で有名な心霊スポットの橋に行った映像。
バチが当たったのか、彼女はその後元気がなくなり、軽度のうつ病だと診断されたようだ。
その橋では、柵に激突してカップルが亡くなったことがあるという。
女性の方は真っ二つになり、上半身は橋から転落したとか。
にしても、インタビュー中の編集下手じゃない?
切れ目で何回かザッって音入ってるぞ。

 

肝心の映像は、橋の中腹で花束を発見し、更に進んでいくと、彼氏が人がいることに気付く。
ライトを向けると確かにいるが、ロングスカートと足しか見えておらず、上半身が無い。
そのまましばらく硬直しているとこちらを振り向き、投稿者達は急いで逃げる。
そして、彼氏が慌ててエンジンをかけている最中、窓に貼り付くように女の顔が現れる。

 

下半身しかない人影は良かったと思う。
投稿者達の硬直っぷりとか、その後慌てて逃げようとする所とかね。
でも顔の方は良くない。
立体感ないし、何なら彼氏より顔デカい。
今回はタイトルで2段オチに意味を持たせようとしているけど、それこそもう半分が蛇足。

 

 

 

墓所
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
男3人で墓地に行き肝試ししている映像。
マイクを手で塞いでるのかってぐらい、こもって聞こえるな。
それはともかく、ふざけながら墓地を歩いていると、投稿者が何者かに足を掴まれ転倒する。
カメラが落ちた先に悪魔みたいな紫色の生首があり、溶けるように消える。
帰宅後、足に掴まれたようなアザがあり、友人達にもあったとか。

 

妖怪が現れることはあったけど、悪魔は初っぽいな。
まぁ「飛ぶカメラ(パート55参照)」のオチが最初から見えてる版と言ったところか。

 

 

 

<蛭子 前編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
今回のメイン。
大学の女友達2人と夜釣りをし、投稿者が1度車内に行き戻ってみると、2人が持ち物をそのままにして行方不明になり、水難事故として処理されたが見つかっていないという。
その海岸では過去に水難事故が何件も発生しており、ダイバーの方なら何か情報が得られるのではという事で、そこから当たってみることにした・・・増本くん眠りかけてて草。

 

海岸でフリーのダイバーに話を聞いてみると、水難事故が多発するような場所ではなく不思議だという。
また、元漁師で現在はフリーのダイバーである宇梶さん(50代男性)が、ここ1年間の遺体発見率が異様に高く、本人曰く「蛭子(ヒルコ)様が教えてくれる」と言っていたようだ。
蛭子様はこの海岸の神様で、近くに洞穴があり、そこに祀られているという。
また、宇梶さんは約1年前に娘を水難事故で亡くしており、遺体はまだ見つかっておらず、そのせいでどこかおかしくなったとか。
・・・この時点でオチが見えているけどまぁいいや。

 

宇梶さんは留守のため、洞穴に行ってみることに。
増本くんが道間違えたこともあり、辺りはすっかり真っ暗。
ようやく海岸に出て洞穴を見つけると、そこには「蛭子命ヒルコノミコト)」と書かれた立て札がある。
増本くん「”エビス”様・・・」菊池「”ヒルコ”でしょ?」
↑増本くん話聞けよwww余談だけど、筆者の環境だと”ヒルコ”で変換できないから”エビス”って入力してる。紛らわしい。


で、増本くんが勝手に入ろうとするがライトを忘れており、しまったァ(ションボリって顔をしていると、3バカを見つけた宇梶さんが怒鳴り込んできた!
菊池が「捜索のスペシャリスト」とご機嫌を取ろうとするが、森澤が蛭子様のことを口走ったせいでモリを突きつけられ、「今度来たら殺すぞ!」と追い出されてしまった。
森澤切り出すの早いよー。まずはタバコ差し上げないと(笑)

 

スタッフルームに戻った一同は、10数冊の本とネットを駆使して蛭子様について調べ、プレゼン大会をすることにした。
要約すると、

  • ヒルコはイザナギイザナミの第一子で、五体不満足(そう言えば両手両足と後1つどれ?)に生まれたため、海に流された。
  • 七福神のエビスは、海からの漂着物(人間含む)を祀る神で、字が同じだからヒルコと同一視されたとか。
  • あの地域には蛭子(ヒルコ)信仰があり、水死体を神様として祀っている。
  • 伝承によると、お坊さんが漂着し、腹が減ったと言うので子どもの両手両足を動物の肉と嘘をついて食べさせた。
  • お坊さんは満足してくれたが子供は亡くなり、遺体を海に流すと、蛭子様が慈悲の心で子供を生き返らせた。
  • これで終わりではなく、相応の対価を求めるかの如く水難事故が相次ぎ、それ以来、貢物として亡くなった人の体の一部を海に流すようになった。

 

ここで肝心の映像。
投稿者が車に戻った後、女友達2人が釣りをしながらカメラを回している。
すると遠くから叫び声が聞こえ始め、最初は投稿者のイタズラかと思っていたがそうでないことを悟り、緊迫した空気になる。
カメラを持っていない方の女友達が悲鳴を上げ、そちらにカメラを向けると、崖から足元にしがみつく女?がいて、一瞬カメラがブレた隙に女友達ごと消える。
その後、カメラを持っている方の女友達も悲鳴と共にカメラを落とし、姿を消してしまった。
まぁこれはストーリーの裏付けみたいなもので、そんな怖いものではない。
個人的にはせっかくしがみついているんだから、消すのではなく引きずり込んでほしかったところ。
ってか、よく見たら右手の位置関係ミスってんなこれ。

 

 

 

<空手大会>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
投稿者が参加した空手大会の様子を撮影した映像。
通路にあるベンチで、武道精神のかけらもないくつろぎ方をしている後輩を撮影していると、右に映る後輩の両肩に、アダムスファミリーのハンドくんみたいな手が這い出てくる。
霊能者によると、ストーカーの生き霊だとか。
挙動がカワイイ、以上。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 駐車場>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
レストランの駐車場に設置された監視カメラの映像。
近くに自殺の名所として知られる滝があり、よく無断駐車をされているようだ。
この日もカップルが肝試しに向かい、しばらくして戻ってくる。
エンジンをかけて少し動いたところで停止し、5体もの霊が車に吸い込まれる。
ようやく動くようになり、慌ててその場を後にするのであった。

 

またバーゲンセールか。
とはいえ、今回はシリーズ監視カメラでは珍しい劇場型で、助手席に映る彼女のパニクり方がいい感じ。
後、よく見ると奥からくる女性は軌道ズレてる。

 

 

 

<風の便り>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
高校時代の同級生4人で宅飲みしている映像。
その中でイジメにより不登校になった女生徒の話になり、後日確認したところ、最近自宅で亡くなり、自殺という噂があるようだ。
また、約1週間後、イジメに加担していた友人が登山中に転落して大怪我を負ったという。

 

肝心の映像は、その女生徒の話題となり、イジメに加担してた奴がそれをちゃかす。
そして、そいつがトイレに行こうと立ち上がると、背後に女生徒と思われる人物が立っている。
また、トイレに向かう途中の壁にも同じ女生徒と思われる人物が立っている。

 

だから2つ目が蛇足なんだって。
せっかく1つ目は立体感あって、タイトル通り風の便りで来たって感じで良かったのに、2つ目は立体感ゼロで台無し。
ここまで蛇足が続くと、センス無いとしか言いようがない。

 

 

 

<ついてくる>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
アルバイト先の友人達と、心霊スポットで有名なトンネルで撮影した映像。
投稿者は1人車に残り、友人達は奥まで進む。
しばらくすると友人達が戻ってくるが、足のない霊をつれてきちゃったというもの。
まぁ凡作なのだが、蛇足がないだけでも評価したくなっちゃう自分がいる。

 

 

 

<蛭子 後編>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★
女友達2人が、海の中から遺体として発見されたという連絡がきた。
発見者はもちろん宇梶さんで、蛭子様の洞穴付近で見つかったようだ。
いくつか気になることがあるようで、

  • 毎回その場所で発見されるし、他のダイバーによってすでに捜索済みなのに、宇梶さんがそこに行った時だけ見つかる。
  • 水難事故に遭うのは毎回若い女性。
  • 遺体は腕や脚など、体の一部が損傷している。

という、もう答え分かってるじゃんって感じの情報と、宇梶さんの姿が最近見えないという情報を得た。

 

宇梶さんのアパートに行くが不在で、隣人によると深夜にドアの開閉音が聞こえるぐらいで生活している感じではないという。
また、元々娘と2人暮らしをしていて、娘を失ったことで1人暮らしになったはずだが、若い女性と話しているような声が聞こえることがあったようだ。

 

という訳で、2手に分かれて待ち伏せをすることに。
菊池・森澤はアパート前に駐車だからいいけど、まっすん(命名:菊池)は洞穴付近でバレないようにライトを消して、岩影にホフク姿で待機とか拷問かよ。
約3時間後、車内でぬくぬくの2人が野良猫を見て和んでいると、増本くんから宇梶さんが洞穴に入っていったと連絡が来た!
という訳で、洞穴付近で待機していた増本くんと合流。
増本「洞穴に入っていきましたァ」
菊池「声かけなかったの?」
増本「ハイッ」
菊池「何で?」
増本「何かあったらッ勝手な行動はせず、電話で指示を仰ぐよう言われてたから待ってました(キリッ」
菊池「洞穴に出口とかあったら出ていっちゃうじゃん」
増本「あっ、そうかァ(ションボリ」
↑なんだこの会話wwwそもそも相手はモリを突きつけてきて「今度来たら殺すぞ!」とか言ってきた奴だぞ、無理に決まってんだろ。
という訳で、3バカは宇梶さんを追って洞穴に入ることになった。

 

洞穴内部は大量のフナムシがお出迎えなので、虫嫌いの人は注意。
分かれ道で待機していた森澤が一瞬人影を見たため、そっちに行ってみることに。
奥には階段があり、そこを登っている途中で例の叫び声がこだまする!!
それでも進み続けると最深部まで辿り着き、蛭子様の祠を発見した。
だが入っていったはずの宇梶さんはいない(菊池、増本くんを責めるな)。
また、祭壇の下には手足がないような胎児のミイラがあり、再び叫び声がこだましていると、ガスが溜まっていたのか、増本くんが息できなくなりダウンしてしまう!!!
なんとか洞穴を脱出した一同は、増本くんを病院へ連れて行くのであった。
増本くんは急性気管支炎で入院することになり、容態は安定していないとか。
ちなみに、もう1度祠に行ったところ、胎児のミイラは無くなっていた。

 

ここで、増本くんが宇梶さんを捉えた映像。
宇梶さんが洞穴に入ろうとしていると、後ろから女性が宇梶さんに近付き、一瞬ブレた隙にいなくなる。
まぁこれはオマケ。ってか増本くんこれ報告しなかったの?

 

最後に、蛭子の伝承についてある新事実を入手し、カギを握る人物に接触したと締めるが、残念ながらボツになった模様。
「黒狐」もこれぐらい潔くボツにすることができていれば・・・

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
投稿映像については相変わらずな内容。
まぁ坂本演出以外、最初からキレキレだったことはないからそんなもんかもしれないが、それでも相変わらずの蛇足やほとんどが劇場型(というかもはやショートコント)だったりと、「恐怖」や「インパクト」を感じない映像が続くのがもどかしい。

 

メインについては、パート29の「カラギノ(占い師)」を彷彿とさせる内容で、あちらは謎解きがメインで現地ロケはアッサリだったが、こちらは謎解きは一瞬で終わり、現地ロケに力を入れた感じ。
蛭子信仰については興味深かったし、洞穴探索の緊張感はパート23の「廃神社」以来。
まぁ菊池演出初の試みだったからか、謎解きがあっさりしすぎで、最初のダイバーのインタビューでオチまで見えちゃうのは惜しいな。
途中から分かってないフリをする一同がアホに見えたし。
もっと想像を掻き立てられるような展開にすれば、メインだけでお釣りがくると思う。
本作以降、菊池演出は緊張感のある探検をメインで取り入れるようになる。