ほんとにあった!呪いのビデオ61レビュー

評価:★★★★★★★★☆☆
メインは約55分の大ボリュームで、Special1の「大山家」を彷彿とさせる緊張感。
菊池演出第3の武器:狂気が登場する。

 

 

 

<野鳥観察>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
カップルが野鳥の鳴き声を撮るために雑木林に行った映像。
大学の実習で使うようで、マイクにバケツのようなものを付けた自作の集音マイクを持ってきている。
真っ暗な雑木林の中を彼女がどんどん進み、投稿者はビビりながら後をついて行くと、彼女が鳴き声とは違う音がすると言い出す。
すると、彼女の後ろから頭しかない男が投稿者の元へ走ってきて、投稿者は彼女を置いて全速力で逃げるのであった。
この付近の駅は、飛び込み自殺の名所だとか(それ関係ある?)。

 

自殺者の男性の霊っていうと、今まではサラリーマンや浮浪者だったりで哀愁を感じることが多かったけど、こんなファンキーな幽霊さんは今までになかったな。
こいつも明らかに走っているような挙動をしているので、顔以外は黒過ぎて見えてないだけかも。

 

 

 

<終焉>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
演劇の稽古風景を撮影した映像。
モザイクかかっている男性が稽古中に倒れて緊急入院したが、心臓発作によって亡くなってしまったという。
って増本くんいるじゃん!前回の死亡フラグは何だったんだwww
それはともかく、亡くなった男性はその1週間前にバイク事故を起こしており、トラックと接触してバイクは大破したのに、本人は奇跡的にかすり傷程度で済んだようだ。
で、それを映画の「ファイナル・デスティネーション」に例えているが、ほぼ内容合ってないぞ。お前ら本当に映画見たことあんのか?

 

肝心の映像は、亡くなった男性が(ガチムチ度が足りない)男と浮気しているという、時代を先取りしたドロドロ劇の稽古をしている。
和解したのか、3人で面接の練習をしている場面になると、後ろからどう見てもスライドしている女が現れ、男性は気を失ったように倒れる。
だが鏡に映る男性は立ったままで、急にピントがズレると女は消え、鏡の中の男性も倒れている。
上にも書いた通り、どう見てもスライドしているのは何とかならなかったのか?
あとこの女なんだけど、カマ掘ろうとしてない?

 

 

 

<人形ノ家 前編>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
今回のメイン。
演出補森澤の大学時代の友人から相談があり、スタッフルームに招くところから始まる。
友人の友人の夫(萩谷さん)が駅のホームから転落して電車に轢かれ、一命は取り止めたものの意識がないという。
状況から自殺未遂かと思われているが、その直前に妻に電話をかけており、出れなかったようだが、留守電には電車に撥ねられる瞬間の音が記録されているようだ。
萩谷さんは数日前から、髪の長い女性が着物姿の人形をあやしている夢を見るようになっていたとか。
また、元々不倫関係にあり、前妻と離婚時にもめていたようだ。
・・・森澤が超暇そうで草。話聞いてやれよ。
ちなみに、萩谷の読みはオギヤなんだけど、ハギヤじゃないと変換できない。頼むぜiPadOS。

 

音声を研究機関に送り解析してもらったところ、編集した形跡はなく、声は携帯電話のすぐ近くから発せられているようだ。
だが、妻が監視カメラをチェックしたところ、萩谷さんの周辺に人はいなかったというのだが・・・

 

今度は前妻に話を聞いてみることに。
いい気味としか思っていないようで、「オシラサマ」に祟られたんじゃないの?というあからさまなヒントを残して切られてしまった。
という訳で、一同は「オシラサマ」について調べることに。
東北地方の養蚕業や農業を営んでいる家庭を中心に祭られている神様で、その御神体は、桑の木で作った棒に布を巻いて着物を着せ、人形のような形にするという。
そして、命日(オシラサマにとっての祭日)に神棚から御神体を下ろし、着物を交換したり、女の子が揺すんだりして遊ぶという風習(オシラ遊び)があるようだ。
また、名前の由来には地震などを予知をする「お知らせ様」という説があるとか。
そして、粗末に扱ったり、決まり事を破ったりすると祟られると言われているようだ。

 

今度は、萩谷さんが電車に飛び込む数日前に、一緒に出張に行ったという人(岩松さん)から話を聞くことに。
同じホテルで泊まったようだが、萩谷さんは飲み足りないと言って夜の街に消え、次の日の朝には戻っていたが、2日酔いになっていた。
昨晩のことを聞いてみたところ、ホテル近くの路上で髪が長く足の悪い女性に声をかけられ、その女性の家で飲んでいたようだ。
その家は人形が大量にあり、我が子のようにあやしていたとか。
また、萩谷さんはかなり女癖悪いようだが、その女性には流石に手を出さなかったと思われる。

 

ここで例の留守番電話の音声。
電車到着のアナウンス、線路に落ちた音、警笛音に衝突時の爆音と続き、緊急のアナウンスに紛れてザマァwwwって感じの笑い声が聞こえる。
まぁこれはエピソードの味付けみたいなものだ。
中村さんの「死のダイブ」が皮肉っぽくて好き。

 

ここで調査が行き詰まったため、萩谷さんが出会った足の悪い女を探しにいつもの3バカが向かったところで次へ。

 

 

 

<露天風呂>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★
 エピソード:★
野郎2人で温泉宿に宿泊し、貸切状態の露天風呂で撮影した映像。
この投稿者頭大丈夫か?
まぁ女子風呂の明かりがついたことに興味津々だったことから、こいつらもバイなのかも。
女子風呂の照明はすぐに消え、その後の湯煙に紛れて顔のようなものが映る。
なんか曰くがあるっぽいこと言ってたけど、どうでもいいや。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ コインロッカー>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★★
入口のないコインロッカーに設置された監視カメラの映像。
外が真っ暗の中、伊藤誠が入ってそうな黒いカバンを持った女が、周囲を警戒しながら入ってくる。
ロッカーを開け、それを奥に押し込むと、ポケットからナイフと思われるものを取り出し、カバン目掛けて何度も突き刺す。
他の利用客が来たため慌てて隠し、金を入れてその場を逃げるのだが、隠した辺りから赤ちゃんのような顔が覗き込んでくる。

 

赤ちゃんの幽霊はどうでもいい。
この映像は女の狂気に尽きる。
上では伊藤誠と書いたが、真面目に考えると赤ちゃんが入っていたのだろう。
当時は赤ん坊を育てることができなくなった親がコインロッカーに放棄する、いわゆるコインロッカーベビーなるものが社会問題となっていたが、これはさらに発見を遅らせるため、その場で殺そうとしたと思われる。
日本のどこかで行われているかもしれない、社会の闇を描いた狂気のエピソード。

 

 

 

<BBQ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
夜の公園で男女4人が集まりBBQをしている映像。
酒と食料が足りなくなり、投稿者と女性の2人が買い出しに行くことになったが、雑木林が茂る沼に行ってしまう。
そこには木に首吊り用の縄がいくつも括り付けられていて、気味悪くなって引き返したが、一緒にいた女性は次の日から音信不通になったという。
近隣住民によると、4〜5年前から少しずつ増えているようで、イタズラではないかとのこと。
実際、括り付けられているのは細技ばかりで、首を吊ろうとしたら折れてしまうだろう。
誰が何の目的でこのようなことをしているのだろうか・・・

 

肝心の映像は、縄が括り付けられた木を映していると、その幹に顔のようなものが浮かび上がり、口をパクパクさせている。
また、音信不通になっていた女性は、交通事故に遭い入院していたとか。
これも顔はどうでもよくて、誰が何の目的で縄を括り付けているのかという狂気に尽きる。

 

 

 

<入学式>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
息子の入学式の帰りに撮影した映像。
入学式にランドセルは持っていけなかったため、自宅前で記念撮影をしている。
母親が息子の写真を撮っている姿を後ろから撮影していると、画面左端に半透明の女の子が現れ、そこにカメラを向けるが姿はない。
不思議そうにしながらも息子の方にカメラを向け直すと、半透明の女の子が息子を見つめていて、すぐに消える。
投稿者宅の裏山では数年前、土砂崩れによって亡くなった家族がいるとか。
そういえば今回、2段オチはこれだけだな。
どっちも初見ではアテが外れて分からなかった。
もっと修行しないとな。

 

 

 

<人形ノ家 後編>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★★
まずは出張先だったという山林に行ってみることに。
ただの山林で周辺に何も無かったので、今度はホテル周辺を調査する。
近くにスナック街があるようで、そこで聞き込み調査をしていると、増本くんが外国人女性に絡まれてるwww
慌てて駆け寄ってみると、何があったのか分からないが、だいぶ興奮している様子。
ある程度は日本語分かるようだが、誰も英語喋れないので、とりあえず日本語で話すことに。

 

女性「TV?」
菊池「テレビではなく、呪いのビデオっていうDVDの取材なんですけど・・」
女性「呪い?」
女性「お分かりいただけただろうか?」
森澤「あぁそうですそうです」
女性&森澤「お分かりいただけただろうか(和解)」
↑何だこれwww歴代トップクラスに笑ったわwww
これについてありえないだろって意見をよく見るけど、ホラーは宅飲みの定番だから、知り合いの日本人に見せてもらったんだろうな。
その人とほん呪語ってみたいわ。
どうやら足の悪いホステスについて知っているようで、詳しく知っているオーナーを紹介してもらえることになった。
・・・なんで増本くん怒られてたのwww

 

オーナーから聞いた話では例の女性と別人っぽかったが、知り合いに当たってくれることになり、有力な情報を得ることができた。
その女性(貝守順子)は青森出身で、父親に虐待されていた上、父親の浮気が原因で両親が離婚したという。
また、駅のホームに落ちて骨折したが(父親の故意の可能性がある)、病院に連れて行ってもらえず、その後遺症で足が悪かったようだ。
ホステスとして普通に働いていたが3年ぐらい前に無断欠勤し、数日後に連絡がきたが、彼氏のDVが原因で入院し流産もしてしまったという。
また、彼氏が借金持ちで、風俗関係をさせられていたようだ。
退院後は目に見える怪我が原因で働き口が無く、売春に手を出すようになっていたが腰痛が悪化して歩けなくなり、アパートを追い出されホームレスになったという。
その後は親の分からない子を妊娠し、ある廃墟で生活していたが、去年餓死しているのが見つかった。
そしてその場所は、最初に向かった山林にあるという。
岩松さんに確認したところ、萩谷さんと一緒に山林を見て回った人を紹介してもらい、話を聞いてみた。
廃墟を見つけ、夜に記録用カメラを持って中に入ると、萩谷さんは人形が置かれた押し入れを見入っていたとのこと。

 

という訳でその映像をもらう約束をし、廃墟に行ってみることに。
廃墟は壁がボロボロの平屋で、玄関は閉まっていたが別のドアが開いていたため、とりあえず侵入する。
奥へと進んでみたところ、萩谷さんが見入っていた人形を発見。
ほとんどが既製品のぬいぐるみだが、その中には手作りのような人形が2体あり、側面の壁には日付と名前が2人分彫ってある。
貝守順子が妊娠した子の名前だろうか・・・

 

人形はやたら臭っており、ハエやウジのようなものが付着している。
菊池「動物的な、何て言うのその、有機物みたいなそういうものが入ってるっていう・・・」
↑何だその回りくどい言い方は。
つまり、貝守順子の子(胎児?)の遺体が入っているかも知れないと言うことだろう。
そうなると、この人形は非常に危険だと思われる。

 

そう言えば、菊池が27歳で死ぬ呪いにかかったのは、子どもの血が入っているという柳筥を誘拐犯が開けたことが原因だったな。
あの時は色々なことがあった。

  • 誘拐犯はその場で発狂し、全身を掻きむしって自殺した。
  • 柏木さんは取材中に首吊り自殺してしまった。
  • 日向さんは家族を交通事故で亡くしたし、その後呪いの解呪に貢献したが、結局実家で首吊り自殺してしまった。
  • 佐久間さんは日向さんに関わったことで娘を亡くしてしまった。
  • 菊池は約1年間失踪し、その過程で脱いだり、巨乳好きということを晒された。
  • 岩澤は一時的に製作委員会を抜け、菊池を探すために強引な調査を行い、佐久間さんにしばかれた。
  • 渡邉は発狂してローリング渡邉の異名を持ったり、殴られて失神した。
  • 川居は当時は新入りだったのに殴られて失神した。
  • 児玉演出本人はノーダメだったが、有能な部下達を失った。

これだけの大騒動になったんだ。菊池演出もその辺りの心得はあるはず。

 

菊池「ヤバくない?」
増本「・・・ぇぇ・・・」
森澤「はぃ・・・」
一同「・・・」
そうそう、今度こそあの時どころじゃない即効性の呪いにかかるかも知れないもんな。
特に増本くんなんか前回死亡フラグ立ったばかりだし、今度こそトドメになってしまうかもしれない。
今までに何度も呪いを受けては乗り越えてきた製作委員会だけど、わざわざこんなことに首を突っ込む必要なんて・・・

 

中村「我々は人形の中身を確認してみることにした。」←テレタビーズかよwww*1
菊池「確認するしかないか(開き直り)」←言うと思った・・・
森澤「・・・増本くん・・・確認して・・・」←オイお前www
という訳で、地獄の解体ショーが始まった。
まぁ中は藁と髪の毛が入っていただけなのでセーフ。
冷静に考えれば、貝守順子はホームレス状態となっていたので中絶なんでできるとは思えないから、少なくとも胎児が入っている可能性はほぼないか。
さらに言うと、亡くなったのは去年なので、第三者が何か入れた説もあると思う。
最悪のパターンは免れたが、神棚にあった人形が落下する!!
これは貝守順子による警告なのだろうか・・・
その後も廃墟内を探索してみたが、増本くんが床を踏み抜くぐらいで、大して得るものは無かった。

 

ここで萩谷さんらが廃墟を撮影した映像。
萩谷さん、モザイク越しだけど10円ハゲできてない?
それはともかく、2体の人形が動いており、特に右側のは気付けよってレベルでゆらゆらしている。
また、ピンボケになりそれが収まると、穴の空いた天井から人間の顔のようなものが見える。
まぁこれは、エピソードの裏付けみたいなもんかな。

 

後日、改めてオーナーに話を聞くと、貝守順子も東北出身だったようだ。
そのため、あの人形は失った我が子を供養するために作ったのかもしれない。
このエピソードの本命は、やはり貝守順子の半生と廃墟探索にある。
なぜ2人で廃墟に行ったのに萩谷さんにだけ霊障が起きたのか、それは萩谷さんの女癖の悪さによって妻と子を捨てたことにあると思う。
自分の父親と同じようなことをした萩谷さんが許せなかったのだろう。
そう考えると、製作委員会の面々も浮気とかしてなければセーフかもな・・・大丈夫だよね!?

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★☆☆
今回の投稿映像は最初以外控えめで、やたら多かった2段オチも1つしかなかった。
まぁここ数作は派手なだけで「恐怖」を忘れた投稿映像が多かったことから、控えめながらも悪くはない出来だったと思う。

 

今回は約88分とSpecialシリーズ並みの長さで、メインはその内の約55分も占める大ボリュームとなっている。
そのエピソードは前回同様、日本の一部地域に伝わる伝承がテーマとなっており、特に終盤の廃墟探索の緊張感はSpecial1の「大山家」を彷彿とさせる。
まぁ肝心のメンバーが緊張感の無い3バカトリオなのが欠点。
特に菊池の声が無駄にデカく、緊張感をぶち壊しているだけでなく、妙な圧を感じた。
あと、前妻が「オシラサマ」とあからさまなヒントを言う意味は全くなかった。
そんなヒントがなくても貝守順子に辿り着いただろうし、前妻はいい気味と思っているだけで何もしてないからね。
そのせいで、「オシラサマ」自体も空気気味になってしまったと思う。

 

今回はメインが中心となるパートだったが、菊池演出第3の武器である「狂気」が多く登場した。
パッと思いつくだけでも、

  • 「コインロッカー」では、コインロッカーベビーを題材としただけでなく、母親が我が子をその場で殺そうとする狂気が描かれた。
  • 「BBQ」では、誰が何の目的で設置されたのか分からない首吊り用の縄が掛けられており、それが現在も増え続けているという狂気が描かれた。
  • 「人形ノ家」では、かつて自身に周囲を巻き込む呪いにかかったのにも関わらず、柳筥よりもヤバいかもしれない人形を「開けてみるか」と開き直った菊池演出と、さらっと増本くんに押し付けた森澤の狂気(笑)が描かれた。
  • 「露天風呂」では、男2人で露天風呂を撮影した時点でアレなのに、大した事象がないにも関わらずそれを投稿したという、投稿者の狂気(笑)が描かれた。

菊池演出の狂気が本領発揮するのはもう少し後だが、その片鱗を垣間見ることができたため、個人的に結構お気に入りのパートである。

 

 

*1:テレタビーズでは、ナレーターの言うことは絶対という暗黙のルールがある。それに対して不満げだったり、逆らうエピソードもある。