PICマイコンの書き込み環境を作る~PICerFT編~

今まで使用していた自作PICライターにガタがきたため、e電子工房さんの「PICerFT」を自作した。

 

 

 

<はじめに>

筆者は今まで、大学時代に自作したPICkit2のクローンをPICライターとして使用していた。

回路図はどこかで拾った書き込み特化型の簡略版で、部品も日本で入手しやすいものにアレンジされていた。

 

部品面はこんな感じ。

基板サイズとコネクタの位置を最初に決めてからレイアウトを作ったため、部品の密集具合に偏りがある。

あと、680uHのインダクタが無くて、100uH×2+470uHという格好悪いものになっている。

 

透かして見るとこんな感じ。

確かトナー転写法初挑戦だったため、エッチング中にトナーが剥がれたりして、パターンが所々切れかかったり薄くなっている。

 

はんだ面はこんな感じ。

はんだメッキのせいでめっちゃ汚い。

ちなみに、ユニバーサル基板でも製作可能なように、2.54mmピッチに斜め配線を禁止して配線を作った。

ってかレイアウト図作成に使用したDIY Layout Creatorってソフトはユニバーサル基板前提のソフトのため、斜め配線とかピン間配線をやるのは難しい。

こんなのマネするやつはいないだろうから、レイアウト図は公開しないでおく。

ってかこれをアップしている時点でけっこう恥ずかしい。

 

これでも一応動いてくれているが、自作品のせいか電源供給に問題があり、別電源を使用しないと書き込み失敗率が高かったりと、使いやすいとは言えない状態だった。

一応、VDDを制御していたPNPトランジスタをPch MOSFETに変更したところ成功率が上がったが、最近Pickit2自体が認識失敗することが多くなり、そろそろ寿命っぽいので新たなPICライターを探すことにした。

 

 

 

<PICライター探し>

まずは純正のPICKit4を調べてみた。

akizukidenshi.com

※執筆時12,800円

 

今こんなに高いの?2018年時は5,700円だったらしいから、2倍以上じゃないか。

基本書き込み以外使用しないため、これは却下。

 

 

次はPICkitの廉価版と言われているMPLAB SNAP。

akizukidenshi.com

※執筆時3,700円

 

これも2018年時は1,740円だったらしいので2倍以上になっている。

あと、PIC12,16,18に非対応のデバイスが多く、筆者の手持ちもいくつか非対応だったためこれも却下。

 

 

PICkit3の中華クローンもいらんもんが付いて3,000~4,000円になっていたためこれも却下。

 

 

仕方ないからPICkit2を作り直すか・・・と思っていたところ、e電子工房さんの「PICerFT」を見つけた。

einstlab.web.fc2.com

部品も秋月のUSBシリアル変換モジュール以外手持ちであったため1000円以下で作れる!

という訳でPICerFTを自作することにした。

 

 

 

<回路・レイアウト>

回路図については上記サイト内にあるので省略。

2021/4/24から回路の変更があったみたいなので、他の人の製作例とは回路が違うかも。

 

レイアウトもサイト内に載っているが、回路図の変更が反映されていなかったり、抵抗等の部品が1/6Wサイズ用で1/4Wサイズだと立てないといけなかったり、ピン間配線があったりするため自分でレイアウトを作成してみた。

レイアウトはこのようになった。使用ソフトはDIY Layout Creatorで、赤は電源、緑はGND、黒は信号線と区別している。

また、下の配線図は製作時に見やすいように反転している。

27×17穴のCタイプ基板に収めた。

こだわりポイントとしては、リード部品は全て寝かせるようにしたことと、ジャンパーを極力使用しなかったこと。

あと、12V or 9Vの切り替えをスライドスイッチで行えるようにした。

DIY Layout Creatorは部品に透明度設定できるのとスルーホールを自由に設置できるのが強みだと思う。

部品ライブラリは少ないけど、他の部品や図形ツールとかでそれっぽいものを作れば十分。

例えば上記のレイアウト図だと、スライドスイッチとICSPコネクタはSIP ICにしているし、インダクタはセラミックコンデンサを色変えてそれっぽくしている。

 

これが実際に製作した基板の部品面。

ジャンパーを極力使用しなかったため、悪くない仕上がりになったと思う。

 

こちらがはんだ面。

ブログにアップするため、できるだけきれいに見えるようにしてみた。

きれいに見せる配線のコツとしては、はんだ面でリード線の足を折り曲げないこと。

あれ、どうやっても見た目がぐにゃぐにゃするし、ミスった時の修正がし辛いから嫌いなんだよね。

あと、配線は穴を避けるようにすると思うけど、その方向を統一するときれいに見えると思う。

個人的に1番NGはビニール線でジャンパーしてるやつで(しかもたいてい太い)、あれが1個あるだけでかなり汚く見えてしまう。

やるならエナメル線にすれば、見た目も悪くないしスマートになると思う。

 

手持ちのPIC12F1822で書き込みテストを行ったところ、無事一発成功した。

PICkit2(ソフト)と比べると操作は簡単だし、書き込み速度も問題なかったので、今後はこれをメインに使用すると思う。

 

 

 

<改善案>

よく考えたらダイオードは1/6Wサイズのため、幅をもう1マス分短くできる。

また、部品面のリード線は出来るだけ短くした方がスマートなので、レイアウトを以下のようにすればよかった。

詰めれば基板をもっと小さくできるけど、C基板の時点でけっこう小型なので、変に詰める必要はないかな。

 

 

 

<おわりに>

追加費用1000円以内でPICライターを製作できたので満足。

AVRマイコンを使う予定はないけど、エナメル線のジャンパーを使えば簡単に増設できそうなので、その内追加してみようかな。

次回はICSPアダプタ編の予定。