呪われた心霊動画XXX_NEO 16レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
30分クラスの長尺エピソード含む3エピソードのパート。
最後の2分がそれ以外を全て吹き飛ばすヤバさ。

 

 

 

センチメンタル・ジャーニー
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
去年の11月に彼女(亜子さん)が自殺したという投稿者。
自殺の理由は分からず呆然としていたが、亜子さんの葬式の時に両親からスマホを見せてもらったところ、関東のとある海沿いの街に行っていた。
古びた駅や神社、海などの写真がいくつも残っていたが、亜子さんにそのような趣味があったとは思えなかったため、年明け後に彼女の巡った場所に行き、自殺の真相を確かめに行ったようだ。

 

写真の日時とGPS情報を頼りに、同じ順番で亜子さんの軌跡を追う投稿者。
最後に行った場所は、とある岬の自然公園内にある洞窟で、中に小さな鳥居と祠を発見する。
いかにも何かありそうだし、投稿者も何かの気配を感じたのかビビりまくっているが、残念ながら不発。
亜子さんはもう1ヶ所、洞窟の内部から外を写したような連続写真を撮っていたが、それだけGPS情報がなく、場所を特定できないでいた。
洞窟の外の沖には鳥居の上に鳥居があり、最後の2枚は亜子さんの後ろ姿が写っている。

 

一通り探索を終え、近くのホテルで休憩していたところラップ音が鳴り響き、ビビりながらとっさに撮影をした。
ラップ音というよりも壁ドンで、押し入れから鳴ってたため意を決して開けるが誰もいない。
今度は照明が点滅し、テーブルの上にあったものが落ちたりと、さまざまな怪奇現象に見舞われる。
最後は内線電話が鳴り、出てみると亡くなったはずの亜子さんの声で「助けて、外に来て」と聞こえたため外に出ると、(合成丸出しで超浮いている)亜子さんを見つけ追いかける。
だが物陰に隠れると消えてしまい、真っ暗になりながらも(合成丸出しな)亜子さんの幻影を追い続けると、昼間通った洞窟に辿り着く。
途中、カメラライトが切れてしまい、真っ暗な中奥に進み続けると、突然外が明るくなり、連続写真の場所にいる。
すると、天井を這いながら近付いてくるナマケモノみたいな生命体が現れ、ビビって転倒したところで終了。

 

幻影ってことを表現したいという意図があるのかもしれないけど、亜子さんの合成丸出し感は何とかならなかったのか?
登場するたびにスロー&ズームが入るけど、セルフネガキャンにしか見えないぞ。
ナマケモノみたいな生命体については、変な特撮怪人みたいなのよりはマシかな。

その後、記憶はないがホテルの前の路上で気絶していたという。
あの場所は異世界だったのではと考えた投稿者は、納得はしていないが諦めはついたようだ。

 

改めて投稿映像を見直したところ、写真と同じ場所で(のっぺらぼうだったり半透明だったり血色が良かったりする)亜子さんの幻影が随所に現れていた。
そのことを投稿者に報告すると、ストーカーっすねと笑いながらも、ずっと一緒にいてくれたことを喜んでいる様子。
ってかテンションおかしくない?ということで最近何かあったか聞いてみると、彼女(亜子さんかは不明)といるようだ。
電話を代わってもらうと、「お久しぶりです、うふふ」ととだけ言い残して切れてしまい、それ以降投稿者と連絡が取れなくなった。

 

あの洞窟は弁天の洞窟呼ばれていて、2里(約8km)先まで続いているとか、天狗がいるとか噂されているようだ。
最後に、あの連続写真が少しずつ変化しており(何で変化前のが残ってる?多重バックアップでもしてるのか?)、亜子さんの横に投稿者が浮かび上がってきていた。
投稿者も彼女の元へ行ってしまったのだろうか・・・

 

正直、長い割には平凡と言うか、XXXシリーズにありがちな話の羅列って印象が強かった。

 

 

 

<二重鳥居>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
あの鳥居は二重鳥居という実在するもので、それを頼りに調べたところ、かつては全国に見られたが、明治時代の神仏分離政策によって多くが失われたという。
現存するものに同じようなものはないようだが、スタッフはXXX_NEO14「アナログテレビ」で似たようなものが映っていることを思い出した。
テレビの砂嵐を撮り続け、いくつかの奇妙な画や記号が現れていたが、その1つを180°回転させると二重鳥居になっている。
そこで、投稿者の前田さんに電話したが連絡が付かず、勤めていた会社も辞めており、会社の人からはなぜか冷たくあしらわれてしまった。

 

だが、その5日後に同僚だったという市川さんに会うことができた。
どうやら、顔出しで出演したことやテレビを処分せずに勝手に投稿したことが問題視され、辞めさせられていたという。
その直前から鬱っぽくなっていたようで、「シラズモリ」に行くと言っていたとか。
不知森のことだとしたら、禁足地に行くということになるが・・・
また、インスタに奇妙な動画が投稿され、とっさに画面録画したという。
その動画は30分ぐらいで削除されていた。

 

前田さんの住むマンションに行ったが応答はなく、諦めて帰ろうとした矢先、マンション近くで前田さんらしき人影を見つけ、数分後に公園にいるところを発見。
深夜のコンビニに行くような格好で俯きながらブツブツ呟いており、インスタにアップした動画のことを聞くと「嘘つき」とだけ呟いた。
結局、両親に連絡し、精神病院に短期入院することになった。
この取材映像に不可解なノイズが入っており、撮影時にはなかったとのこと。
爆音と共に逆さになった骸骨のようなものが映っているが、詳細は不明。

 

続いて、インスタにアップされた奇妙な動画。
森の中をブレまくりながら走っている映像に、笑う不気味な女の映像や二重鳥居を見上げるように撮った映像が割り込まれている。
前シリーズの警告映像って感じ。
この女は確実に見たことあるけど、どのエピソードに出てきたのかは忘れちゃった。

 

約3ヶ月後、前田さんの体調が回復したため会うことができた。
インスタにアップしたことや公園でインタビュー受けたことの記憶はないという。
また、同僚と名乗っていた市川さんに心当たりがなく、会社にいたはずないとのこと。
という訳で市川さんに連絡するが繋がらず、あの動画にあるインスタのアカウントも、前田さんのものではないとのこと。
市川さんの正体や目的は何だったのだろうか・・・

 

最後に、前田さんは現在無職で、スタッフは自分たちがこうさせてしまったと負い目を感じている様子(どう考えても前田さんのコンプライアンス違反のせいだが)。
という訳で、初の顔出しスタッフとして採用しましたとさ。めでたしめでたし(笑)
・・・市川さんのくだり要らなくね?前田さんの記憶喪失かホラが一番しっくりくるレベルで信憑性がなく、意味深にしようとして意味不になってる感じ。

 

 

 

<多幸感(ドラッグ・ビデオ)>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★
友人らと、頭のおかしくなった女が隣人を殺したという廃アパートに行ったという投稿者。
酒やクスリをキメてないのに妙な興奮状態になり、廃墟内のものを壊していたところ、壁の中からビニールに包まれたビデオテープを見つけた。
それを友人と鑑賞会したところ、やはりクスリをキメたようになったとか。
1週間後に友人が兆候もなく自殺したようで、次は自分たちかもといいながらゲラゲラ笑っていた。
トリップしてる投稿者はどうでもいいとして、廃アパートの噂は間違っており、自殺願望の女性が闇サイトで依頼し、嘱託殺人により亡くなっていたようだ。
正直、投稿者がおかしくなる系のバリエーションが無さすぎて、展開読めちゃうから要らんと思う。

 

恒例の警告映像。
「二重鳥居」の笑う女と思われる女性が、遠方に住む両親に向けて撮影したビデオメッセージと思われるもので、やたらハイテンションで近況報告や帰ったら食べたいものをリクエストしている。
すると、「センチメンタル・ジャーニー」の亜子さんと思われる「助けて」などの声が割り込まれていく。
次第に音がループしたり、「苦しい」「死ぬ」「死ね」「死ねよ」と暴言へと変化する。
最後に手を振り、急に真顔になって録画を止めるが少しだけ続いており、真顔のドアップや黒目が急に広がったりしながら、嘲笑うような声が聞こえて終了。

 

タチの悪い音声系だけど、本能的に見続けるとヤベェと感じるぐらい危険な映像。
映像がラスト以外ほぼ普通なのが、かえって音声のヤバさを際立たせていて良かったと思う。
だからこそ、最後の目は正直余計かな。
録画止めようとして急に真顔になるところの方が、この女性の二面性や闇を表現できていた。

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
今回は3エピソードで、その配分は30分、18分、7分と極端になっている。
一方でインパクトは逆転しており、特に最後の警告映像はそれまでのエピソード茶番を吹き飛ばすヤバさだった。
やっぱり、筆者は狂気とかヤバさのある映像を見たいんだなと再認識した。