ほんとにあった!呪いのビデオ47レビュー

評価:★★★★★★★★☆☆
恒例の3部作「死返」編がスタート。
投稿映像は相変わらず演出過剰だが、パターンが豊富でインパクト強め。

 

 

 

<泥人形>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
女友達3人組で旅行に行った際、旅館で撮影された映像。
寝支度を済ませトランプで遊んでいると、友人の携帯電話に着信が入る。
投稿者からの着信だったようだが、投稿者の携帯電話はテーブルに置かれており、恐る恐る出てみると子供の泣き叫ぶような声がしたという。
そして、友人の背後に泥を被ったような浴衣姿の子供が映っていた。
この旅館の付近に古い石碑があり、かつて口減らしのために多くの子供が捨てられたという。

 

投稿者のリアクションはいいんだけど、典型的な劇場型だなこれ。
それも舞台が整い過ぎてるタイプで、「どうせカメラを上げたら友人の背後に霊がいるんでしょ?」と思ってたらドンピシャだった。
フラグ立てがあからさま過ぎると、身構えちゃうから怖さ半減なんだよなぁ。
あと、着信そのものもだけど、それが投稿者からだったという意味あった?というのが正直な感想。

 

 

 

<マヨヒガ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★★
男4人で温泉地にある廃墟を探索している映像。
投稿者によると、道に迷って辿り着いたらしい。
そしてその帰りに、ファミレスで店員が5人分の水を持ってきて、友人(梶原さん)の隣に置いたようだ。
梶原さんはその後おかしくなったようで、カラオケ店のバイト中、誰かと一緒にいるようなそぶりでボックスを使い、そのまま辞めてしまった。
実家に連絡すると、精神的におかしくなり実家で療養していたようで、見舞いに行った際には「約束」とボソボソ呟き続けていたという。

 

という訳で、投稿者と共にその場所へ行ってみることに。
梶原さんの指示でその道に入って行ったようで、近道と言っていたようだが、地図に載っていないような林道だった。
泥にハマってしまったので徒歩で探してみるが、記憶違いだったのか、その廃墟を見つけることができなかった。
地元住民に聞いてみても誰も知らないようで、やはり記憶違いかと思われたが、あるはずのない建物を見たという言い伝えがあるようだ。
これを柳田國男の『遠野物語』にある「マヨヒガ」のようだとしているが、実際のところは分からん。

 

肝心の映像は、投稿者らが廃墟を探索していると、梶原さんの背後に女性が2度映り込む。
ナレーションが「実在感があり・・・」って言っちゃってるけどいいのかそれ?
怖さはあまりないけど、都市伝説と絡めたエピソードは結構好き。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 公衆トイレ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
公園に設置された監視カメラの映像。
画面左手にある公衆トイレの、女子トイレの照明が急に明滅し、もがき苦しむような人影が現れたり消えたりしている。
かつて、このトイレで焼身自殺を図った若い女性がいたとか。
ガニ股に見える場面でズームするのは草。
初期だったら、この女性はただ立ってただけなんだろうな。
時代の変化を感じるエピソード。

 

 

 

<漫才の練習>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
大学生の投稿者が、学園祭で披露する漫才の練習を撮った映像。
例に漏れず寒い漫才の練習をしていると映像がフリーズし、友人だけ半透明になったり、その友人の背後に手招きするような男が映っている。
この友人は、映像が撮影された数週間後に自宅で亡くなっていたようだ。
岩澤演出になってからこのパターン多いな。
慣れもあるのか、このパターンに怖さを感じなくなってきた。

 

 

 

<心の闇>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★★
会社の友人らとゴルフの打ちっぱなしに行き、そこで撮影した映像。
打つときにカメラを90°傾けているのが見ててキツい。
女の子が打った後、同僚の男性にカメラを向けると、その頭部が北斗七星みたいな形になっている。
それに気付いた投稿者は「えっ」となり、思わず録画を止めてしまった。
この同僚はその後、ノイローゼになって自殺を図り、一命を取り留めたが今も植物状態になってしまったとか。
事象に気付いてから、録画を止めるまでが早過ぎるのが惜しい。
そのせいで余韻はあまりないけど、素の反応が出た感じは結構好き。

 

 

 

<廃墟の演奏会>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★
廃墟で拾ったビデオテープの映像で、ピアノの演奏会の様子が収められている。
投稿者は廃墟好きが集まるサイトに所属をしており、今まで情報がなかった廃墟を見つけ、その子供部屋で見つけたらしい。
投稿者はこの映像を見た後、友人と電話すると誰もいないのに女の声がすると言われるようになったとか。
スタッフが調べたところ、その民家は両親と娘が暮らしていたが、娘が幻聴を聴くようになり、自分の耳に刃物を突き刺して亡くなったという。

 

肝心の映像は、1人目の女の子が演奏を行い、その終了間際に半透明の女性が歩いてくる。
ドレスを着ているというのもあり、半透明じゃなかったらただの進行の人と勘違いするレベル。
映像はまだ続いており、カメラを膝の上に置いたようなアングルとなる。
すると、演奏のピアノとは別の旋律と、女性っぽい声が聞こえ始め、それがどんどん大きくなる。
最後に、映像にノイズが乗り、画面左上から女がカメラを覗き込むように降りてくる。
特に後半はかなり不気味で、降りてくるところはパート29の「面接」を彷彿とさせる恐怖性の高い映像。
一方で情報量が多過ぎて、どちらかだけで良かったんじゃないか?とも思う。

 

 

 

<死返(まかるがえし) 前編>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:シ⤴︎ネ⤵︎(★★★★)
3部作の序章。
製作委員会に、友人同士で撮影したと思われる投稿映像が立て続けに2本届いた。
1つは鈴川さんという人が投稿したものであり、もう1つは斉木さんという友人が撮ったもののようだが、現在は行方不明になっており、投稿映像が入った封筒にも連絡先が記載されていなかった。
鈴川さんに当時の様子を聞いてみると、水族館でお互いに撮影し合い、その後斉木さんが電話をかけに席を外し、そのままいなくなってしまったという。
斉木さんは派遣モデルをしていて、水族館に行く数日前に嫌なことをされたようだが、それが何なのかは教えてもらえなかったようだ。

 

まずは、派遣バイトでされた嫌なことについて調査することに。
依頼者は男で、女1人で都内にあるレンタルスタジオに来るように依頼されたという。
個人情報の関係でこれ以上の情報は得られなかったが、そのレンタルスタジオに入ることができ、中を調べてみると、事象に映っていたソファーと同じものが見つかった。

 

ここで鈴川さんの投稿映像。
斉木さんと一緒に水槽を映していると、唐突に別の映像が割り込まれる。
その映像はソファーに座っている斉木さんと、その奥に特殊メイクか!ってレベルのヤマンバみたいな老婆が映されているが、鏡にはあるはずのカメラが映っていない。
また、老婆はよく見ると半透明になっている。
これ自体にあまり霊的なものを感じないが、なかなか不気味。

 

それからしばらくして、レンタルスタジオのバイト君が顔を出さないことを条件に、その日のことを話してくれた。
アゴまで映しちゃってるからどう考えてもバレると思うが、まぁいいか。
依頼者は田沼さんという40〜50代の男性で、終わったら連絡する約束だったが来なかったためスタジオ内を見てみると、カエルの死骸が大量に転がっていたという。
しかも、カエルの足がなく、血のような液体がぶちまけられていたようだ。
明らかな規約違反なので連絡をしたが、電話番号は偽りで、名前も偽名の可能性が高いとのこと。

 

ここで斉木さんが撮影した映像。
鈴川さんの投稿映像の事象が起きたのとほぼ同じタイミングで、音にエゲツないノイズが入り、直後にさっきの老婆がドアップで割り込んでくる。
目がないように見える他、「お前の体にしよう」と言っている。
タチの悪いビビらせ系だけど、これはインパクトがあってかなり怖い。
レンタルスタジオで行われた謎の儀式?のことも含めて、過去最高の引きとなっていて、次回にも期待が持てる。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★☆☆
投稿映像は相変わらず演出過剰だが、1つ1つの恐怖性やインパクトは強く、高レベルだった。
特にメインはエピソード、投稿映像共に高レベルで、今回も次回に期待が持てるいいスタートだった。
いつもは最後に失速してしまうが、今回こそは最後まで突き抜けていただきたいところ。

 

余談だけど、筆者はこのパートを初めて見た時、死返辺りから寝落ちしてしまった。
で、斉木さんの方の投稿映像の老婆に起こされたので、めっちゃビビった記憶がある。
XXXにありがちだけど、爆音でビビらせようとするのは自重してもらいたい。