ほんとにあった!呪いのビデオSpecial3レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
質も量も悪くはないがSpecialシリーズということもあり、取材が多くテンポは悪い。
シリーズ代表作の1つ「中古ビデオ」だけでもみる価値はある。

 

 

 

<首都高の霊>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
初めて首都高を通った際に撮影した映像。
東京タワーを映そうとした辺りで少年のような人影が映っている。
また、その後に「殺すぞ」という声が聞こえる。
どちらも、何度もリプレイしてようやく分かるレベルで掴みとしては弱い。

 

 

 

<巨大団地>
※評価は後編に記載
オカルト好きの女子中学生とその友人が、自殺が多いという巨大団地で撮影した映像。
にしてもこの子のオカルト趣味はちょっとヤバい。
守護霊のイラストが何枚も貼ってあるし、謎のアイテムがいくつもある。
投稿者らと一緒に団地に行くのだが、団地がデカ過ぎる上に似たような構造のため現場を特定できないまま後編へ。

 

 

 

<最後の一人>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
演劇部の講演の様子を撮影した映像。
3年半前に問題の映像が撮られてから、関係者の怪我や事故が次々と起こり、気味悪がってどんどん辞めてしまったという。
また、残った4人の内、投稿者以外が半年前、公演日と同じ日に更なる災難に遭ってしまう。
そして、投稿者本人にも耳鳴りや人の気配を感じるようになってきている。
肝心の映像は、阿波踊りを踊っている2人組と、3人のカウボーイが会話しているという意味不明なシーン中に、バックスクリーンに巨大な顔が映るというもの。
結構な時間分かりやすく映っているが、カメラは特にブレたりはしていない。
演劇をしっかり撮影するというプロ意識の表れか、もしくは撮影時には映っていなかったのか・・・
それはともかく、表情は怖くエピソードも良い。
ただ、投稿者は霊障が怖いなら、製作委員会より神社に行った方がいいよ。解決したことないし。

 

 

 

<人影>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
自宅で物が勝手に動いたり、物が壊されるなどのイタズラを受けていたという投稿者。
証拠として物を保存したり写真に撮っていたりして、焦げたやかんや刃が潰れた包丁などを見ることができる。
だが警察は、事件性は低いとして取り合ってくれなかったため、ヤケクソ気味に8ヵ所も監視カメラを設置し、決定的瞬間を撮影することにした。
肝心の映像は、階段に座っている人影が立ち上がり登っていく姿と、壁を透過して物置部屋に入る姿が映っている。
イタズラがやりすぎのため評価し辛いが、監視カメラものとしての完成度は高い。
ちなみに、霊が消えた部屋を調べると古い和鏡があり、これを部屋に飾るようにしたところ、今までの現象は起きなくなったという。

 

 

 

<漂流する霊>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
防災用に設置された河川の監視カメラの映像。
映像が撮影された3日前に、この川で行方不明になった中学生がいるという。
肝心の映像は、テトラポット付近に水死体のようなものが浮かび上がり、十数秒後に再び沈む。
本物(どざえもん)かもしれないリアルな怖さがある映像。

 

 

 

<霊公園>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
公園で撮影されたホームビデオ。
この映像が撮影されてから、娘の元気がなくなり、ボーッとしていることが増えたという。
なぜか一緒にいた霊媒師と共に公園に行くと、滑り台付近によくない気配がしているようだ。
ところでこの霊媒師、声的に女性か?童顔の男性にしか見えなかったからビックリした。
投稿者の友人に聞いてみると、その公園でよく遊んでいた子供が虐待の末に亡くなったという。
ただその子供は公園を占領したり噛み付いたりする奴だったし、母親は水商売、父親(再婚相手)は虐待ヒモ親父だったりと、問題のある家庭だったようだ。
肝心の映像は、滑り台の下に地面から這い出すような手が映っている。
色が生気を感じないため不気味さはあるが、あまり怖くはない。

 

このエピソードには後日談があり、父親が怪しんで部屋に隠しカメラを仕掛けたところ、母親が娘を虐待していたことが発覚する。
元々なのか映像が撮影されてからなのかは分からないが(たぶん後者)、色々と胸糞悪いエピソード。

 

 

 

区画整理
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
新しく買ったビデオの試し撮りで、バブル期の地上げ後、不景気により廃れてしまった地区を撮影した映像。
映像に映っている住居は壁一面がツルに覆われていたりして、悲壮感が漂う。
問題の箇所は、鳥避けのペットボトルが並んでいるところを映した場面の右側に、着物姿の少年のような人影が映っている。
色が薄いのと、どんどんピンボケしていくせいで停止するまで分からなかった。
本作で1番印象の薄いエピソード。

 

 

 

<コンビニの噂>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★
 エピソード:★
ある町のコンビニで幽霊店員がいるという噂を確かめるために撮影された映像。
その町ではかつて、コンビニ強盗により亡くなった女性がいて、犯人はまだ捕まっていないという。
幽霊が現れたというコンビニは強盗のあったコンビニではなく、現場となったコンビニは既に潰れていた。
肝心の映像は、ドライブしながら見えたコンビニを撮影していると、コンビニのガラスに反射して人影が映る。
いやこれよく気付いたな。筆者は最後のブラックアウト中にようやく気付いたぞ。

 

ちなみに、スタッフらがコンビニ内を撮影した映像に、カメラに向かう人影が映っている。
明らかにこっちの方が分かりやすく、パート12で言及されている。

 

 

 

<子供の声>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
カップルで散歩しながら撮影された映像。
映像中、ずっと子供の声が聞こえており、彼女にカメラを向けた時はそれが大きくなっている。
なんて言っているかは分からないが、1回だけハッキリと「痛い」と聞こえる。
不気味ではあるが、音声物の時点でどうにでもできるし評価としてはイマイチ。
実は彼女に中絶経験があり、その子の悲痛の声みたいなオチを予想してたけど特に言及なし。

 

 

 

<中古ビデオ>
   恐怖度:★★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★
フリーマーケットで購入した出処不明のビデオテープ。
テープには手書きのラベルが貼られていて、ポセイドンアドベンチャーと書いてある説が有力。
投稿者はインタビュー後、ビデオに現れた謎の女のような人に線路に突き落とされ、大怪我を負ったという。
肝心の映像は、カップルが沖縄と思われる場所で撮影されたもので、劣化が激しく、全体的に緑っぽくなっている。
土手を散歩中、ハブ取りの箱を見つけて探している場面で映像が途切れ、モノクロのカラーバー(矛盾)と低めのテストトーンに差し変わる。
その映像も乱れまくっていて、ノイズの中に女性の顔が数回現れ、最後にはドアップで現れる。
出処不明という点や劣化の激しい映像、映像が差し代わってからの意味不明さなど、とにかく深層心理に訴えかけるような不気味さがあり、シリーズ代表作の一つ。

 

ちなみに、そこ以外にもいくつか事象があると言われていて、筆者が確認したところ以下の事象を発見した(下2つは勘違いかも)。

  • 最初の場面が切り替わる際に、数コマだけまた違った場所を映しており、その画面中央に浮遊する上半身のようなもの。
  • 向こう岸にあるハブ取りを映した場面で、木に寄り添うような人影。
  • ガジュマルという木を映した場面で、右側に人影。

 

 

 

<続・巨大団地>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
団地を調査中、投稿者の友人の具合が悪いことに気付く所から始まる。
まあ過去にこの団地に住んでいて、仲の良かった友達が交通事故で死んだというトラウマがあり、そこに電波な友達に連れて来られたりしたらそうなるわな。
その後、調査再開し何とか現場を特定したところで投稿映像へ。
投稿映像はやたら長く、夜の団地を探索する映像が延々と続いている。
鉄格子で封鎖された屋上へと続く階段の場面で、合成ブレとは違ったブレまくりの人影が映る。
また、全編通して謎のノイズ音が鳴っており、屋上へと続く階段の場面でより一層激しさを増している。
やたら引っ張った割には弱い。

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
3代目演出の坂本氏によるほん呪デビュー作。
質と量は悪くないがテンポが悪く、メリハリがない。
「中古ビデオ」がなかったら★4ぐらいの凡作になっていた。
それぐらい「中古ビデオ」のインパクトが強く、これだけでもみる価値はある。
一応都市がテーマのようで、都会の哀愁漂う場面が多いのも本作の特徴。