ほんとにあった!呪いのビデオ51レビュー

評価:★★★★★★★★★★
間違いなくシリーズ最高傑作。
インパクト満載で圧倒的完成度。

 

 

 

<夜警>
   恐怖度:★★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★★
若者数人が心霊スポット巡りをしている映像。
いくつかのスポットを回った後、自殺者の多い吊り橋に向かう途中に恐怖の体験をする。
一方通行で歩行者は入れないようなトンネルを走行中、助手席に乗っていた投稿者が警備員のような男に気付き、車を止めてもらう。
投稿者以外は気付いていない様子で、おかしいなーを思いながらもカメラを前に向け、ナイトモードに切り替える。
すると、「オオォォォ〜〜〜〜」と言う声が聞こえ始め、先ほどの警備員のような男が投稿者に向かって全力疾走してくる!!!
これも投稿者しか気付いていない様子で、投稿者は1人、我を失ったように「早く逃げろ!」を叫び続けるのであった。

 

叫び声を上げながら全力疾走する様はSpecial5の「疾走」を彷彿とさせ、先にチラッと事象が起きるのはパート29の「白面の女」を彷彿とさせる、歴代のいいとこ取りをしたような内容。
そして、スローにしてみれば凄まじい表情をしており、車をすり抜けて向かってくるのもポイント高い。
寸止めなのは・・・この際しょうがない。
1本目からこれを持ってくることに、今回の気合を感じる。

 

 

 

<悪戯>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
玄関前にゴミを捨てられる悪戯に悩んだ投稿者が、友人と一緒に玄関で待ち伏せし、犯人を捕まえて問い詰めている映像。
犯人は若者の男性で、うつむいたまま何も答えず、一瞬の隙をついて逃げ出してしまう。
事象は問い詰めている途中、犯人の首元に髪の毛のようなものがまとわりついており、それが退いた直後、犯人の脇腹あたりから女性の顔が姿を現す。
ブレがひどくて分かり辛いが、その顔はかなり痩せ細っているように見え、黒目が異様に大きくて不気味のため、悪くはないエピソード。

 

 

 

<空中楼閣>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★
若者3人が貸別荘へ釣りに行った際に撮影した映像。
貸別荘に思い出帳があり、その中に子どもの字で「ユウレイ イルバショ」と書かれていたため、その場所に向かってみると、浮遊する奇妙なものを見たという。
後日、再びそこに行ったが何もなかったようだ。

 

と言う訳で、投稿者と一緒にその場所へ行ってみることに。
途中、川居が動物の頭蓋骨含む骨を発見!
岩澤「ちょっと川居、触って、ひっくり返してみて」
川居「これ触って大丈夫なんですか?」
岩澤「いいから早く(煽り)」←岩澤さぁ〜(呆れ)
鹿みたいな頭蓋骨だったけど、何の意味もなかったぞ。
これをこじつけるのはVer.X(ボツ)のセンスだわ。
撮影場所に到着すると、左側は森の斜面、右側は崖となっており、事象のようなものが現れるのはあり得ない場所だった。
で、川居に事象の真下へ行ってもらうのだが、岩澤は「急いで」とまた煽る。←これだから岩澤は・・・
例のものは7階ぐらいの高さに現れたということは分かったがそれだけ。ほぼ収穫ゼロ。

 

今度は貸別荘に行ってみた。
思い出帳を見つけ、書かれていたページを見つけるが、そこに例のメモは書かれていなかった。
ここで気になるのは、手書きの地図があったんだから、それを誰か写真撮らなかったの?って点。
マップで場所分かったから撮らなかったのかな?

 

肝心の映像は、メモに書かれていた場所に辿り着き、周囲を見渡していると、友人の1人が何かに気付く。
そこにカメラを向けると、7階ぐらいの高さに点滅するものがあり、ズームするとそれが窓であることが分かる。
そしてその中には、大人の女性と少女のような人影があり、少女は手を振っているような仕草をしていた。
この辺りはある有名事件の現場であり、幼児の遺体が見つかったことがあるという。
怖さはないけど、部屋が現れるという斬新さや、ズームすることで分かる事象、意図が分からない人影の仕草など、高レベルのエピソード。

 

 

 

<むげねぇ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
廃墟探索が趣味の投稿者が、海沿いにあるホテルの廃墟で撮影した映像。
薄暗い廃墟の一室に懐中電灯を当てると、そこに半透明の女性が立っていて、少しずつこちらに向かってくる。
投稿者も何かを感じたのか、2度見のようにカメラを戻すと、すでに消えていた。
また、再度カメラを向けた時、この女性と思われる「むげねぇ」という声が収録されていた。
むげねぇとは大分県の方言で、「かわいそう」とか「ひどい」という意味だとか。
本作の中では埋もれるけど、悪くはない。

 

 

 

<溶解 前編>
   恐怖度:★★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★★
今回のメイン。
見覚えのない映像が記録されていたということで、投稿者(小野寺さん)に話を聞いてみることに。
同僚と飲み会をし、別れた後も飲んでいたところ、そこで出会った女性と意気投合し、そのままホテルにINしたという。
だが小野寺さんはその記憶がなく、起きたら自宅にいて、その女を撮影したと思われる例の映像が保存されていたという。

 

という訳で、そのホテルに行ってみることに。
当然のように川居にアポ取らせる岩澤www菊池とか阿草、横田はどうしたんだよ。
なぜか映像を見てもらったようだが、心当たりはないとのこと。そりゃそうだろ。
取材もできなかったため、次に女と出会った店を探すが、小野寺さんの記憶は曖昧で見つけることはできなかった。

 

今度は、小野寺さんと一緒に飲んでいた同僚から話を聞くことに。
飲んだ約2週間後、小野寺さんが女性と一緒にいる姿を見て、後日そのことを聞いてみたところ、1人でいたと言われたという。
また、女性社員が小野寺さんに内線をかけたところ、聞き覚えのない女性の声が聞こえた他、周囲の音が全く聞こえなかったようだ。
スタッフルームに戻り、そのことを小野寺さんに聞いてみるがはぐらかしている様子。
女に取り憑かれたのではないだろうか・・・

 

肝心の映像は、スッピンでベッドに横たわる女性の顔をドアップで撮影し続けている。
目が見開いたままカメラを見続けているが、その顔はすこしずつ溶け、よく分からない声も少しずづ聞こえ始める。
そして、約2分後には原型をとどめない程ドロドロになっていた。
これは超不気味。
顔が溶けていくという事象や謎の声も怖いが、何よりこの女自体が怖い。
というのも、ほぼ全編に渡って目を見開いているが、1度だけハッキリとまばたきをする。
そのタイミングが約45秒後といやらしく、すでに顔は明らかに溶けており「全然動いてないし、これ人形だよね?そうだよね!?」という、ちょっとでも怖くないように自己暗示をかけたタイミングでまばたきするため、絶望を感じた。

 

小野寺さんが取り憑かれていることを懸念した菊池が、付きっきりで撮影することを提案したところで次へ。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 古本屋>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
古本屋の入り口に設置された監視カメラの映像。
入り口の正面と横にカメラが設置されており、5秒間隔で切り替わっている。
正面のカメラに、着物を着た下半身が半透明の女が、後ろ歩きしながら入ってくる。
その女はカメラに背を向けている訳だが、横のカメラから見ても背を向けている。
そして、何回か切り替わる内に、一瞬にして消えてしまった。
まぁ過去にも同じ場所を映していたのに事象が異なることがあったから、これも同じようなものなのだろう。
個人的に、シリーズ監視カメラが斬新さを求めるジャンルになってきていることに危機感を抱いている。

 

 

 

<ベッドの下 開かずの部屋>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
前に住んでいたアパートで、就寝時にベッドの下から何かが動き回る音がしたため、カメラを設置して撮影した映像。
後日、カメラが倒れていた他、奇妙なものが映っていたため、現在は引っ越したという。
また、隣の部屋は空室で、封鎖されていたとか。

 

肝心の映像は、画面左奥の物陰から影が現れ、隠れるように消える。
その数秒後、画面右上から首の家のあいつ(パート45参照)みたいなのがこちらを振り向き、カメラがひとりでに倒れる。
岩澤演出らしい情報量のエピソードと言ったところ。

 

 

 

<溶解 後編>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
小野寺さんの休日を利用して、ビジネスホテルを借り、カメラを設置することにした。
ここで、人手確保のために井ノ上が追加となる。だから阿草と横田は?
特に異変はなく、2日目の夜となった。
ちなみにこの時、岩澤演出らは「空中楼閣」の取材中だった様子。
すると菊池から電話が入り、小野寺さんがいなくなったと連絡が入った。
菊池によると、コンビニに行きたいと言い許可したところ、携帯電話を部屋に置いたままいなくなってしまったという。
付いて行かなかったのか菊池・・・
直前の小野寺さんの様子を確認すると、誰かと話しているようなそぶりを見せていた。

 

小野寺さんが失踪してしまったため両親に捜索依頼を出してもらい、菊池は参ってしまったため今回の調査から外れてもらうことになった。
後日、ホテルの清掃員からあのホテルに関する話を聞くことができた。
203号室の噂というものがあり、入室時は男女2人なのに退室時は男1人だけのことがあったという。
また、203号室だけ空気が重く、暗い感じがするようだ。
あの女は、203号室に現れる霊だったのだろうか・・・

 

ここで、小野寺さんがコンビニに行きたいと菊池に話しかけている映像。
井ノ上、ガッツリ寝ている件。
それはともかく、廊下に白いコートを着た女が立っているが、菊池は見えていなかった様子。
まぁ取材中に何か映ったって言うのはほとんどオマケだ。

 

最後に、菊池が今回の一件で責任を感じ、製作委員会を離れて修行(笑)をしたいと言い出す。
これに岩澤は戸惑いながらも、「戻ってこいよ、絶対」とエールを送るのであった。
まぁこんなの腐向けの茶番だ。
菊池はこの間、別作品のホラー物で監督やってたし。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★★★
圧倒的完成度。
今までの岩澤演出作品は情報量の多さと細かな伏線が売りだったが、そのせいで肝心の「怖さ」や「不気味さ」があまり感じられないことが多かった。
しかし今回は、前振りや取材はほどほどにして、「怖さ」や「不気味さ」を意識したエピソードが多く、求めていたものを見ることができた。
特に「夜警」と「溶解 前編」のインパクトはすさまじく、補正有りとはいえオール★5が2本登場するのは後にも先にもこれしかないだろう。
最後だけ身内ネタ感があるが、最初から最後まで恐怖を感じれる、最高傑作だと言い切れる完成度だった。