ほんとにあった!呪いのビデオ42レビュー

評価:★★★★★☆☆☆☆☆
あの岩澤が演出になって帰ってきた!
色々な意味で問題あるエピソードが多いが、「正彦シネ」は必見。

 

 

 

<大震災>
 エピソード:不謹慎(ゴミ)
東日本大震災にまつわるエピソード。
激しい揺れに恐怖を感じた投稿者はアパートを脱出し、商店街に出る。
そして、揺れが収まった後に周辺被害の様子を撮影している。
事象は、外に出た後に空を映すと、ガイコツのような雲があるというもの。
こんなん勘違いにもならんわ。
それ以前に、いくらなんでも不謹慎ネタやるには早すぎないか?
当時まだ3ヶ月も経ってないぞ。
そのくせつまらないとか、1番やっちゃいけないやつだわ。

 

 

 

<母の思い>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:不謹慎(★)
母と共に新宿御苑を観光している映像。
池?を眺めている母親を撮影していると、映像がフリーズしたように硬直し、母親だけがこちらを向き「さよなら」とつぶやいている(投稿者談)。
これは撮影時や昔見返した時は起きていなくて、変化したもののようだ。
また、母親はこの映像を撮影してから約半年後に、事故で亡くなっているという。
正直、変化系というだけで萎え要素になるんだが、さらに2連続で不謹慎ネタくるか。
こういうのはあまり評価したくない。

 

 

 

<沈める者>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
懐かしの8ミリフィルムによる投稿。
ってかインタビューの声岩澤じゃん!とうとう復帰したのか。
それはともかく、実家の倉庫の隅に置かれていたもので、母親は記憶になく、亡くなった父が撮影していたと思われるらしい。

 

肝心の映像は、家族で福島の海で遊んでいる様子が記録されている。
まだ赤ちゃんの投稿者を抱きながら海水浴を楽しんでいると、水中から見下ろしているような女が映像に重なってくる。
また、その女は妙に赤みがかっている。
投稿者はこの日、海に溺れたようで、その時の景色だろうか?
とりあえず気になるのは、女の容姿が現代的すぎない?という点。
まぁインパクトはあるので悪くはない。
ちなみに、投稿者とは連絡が取れなくなったようだが、まぁいいや。

 

 

 

<追跡録 前編>
 エピソード:★★★★
今回の3部作で、菊池の追跡録。
まずはパート32〜34「Twenty Seven」編のあらすじから。
超簡単に説明すると、

  • 演出補の菊池は、誕生日になると奇妙なビデオを送りつけられていて、26歳の誕生日後、そのビデオを持ち出して失踪した。
  • 菊池は小児誘拐事件の被害者で、その関係者は戦国時代の祟りにより27歳で死ぬ呪いにかかった。
  • 当時演出補だった岩澤は製作委員会を離れ、独りで菊池の追跡を行った。

 

とりあえず手がかりを探すため、さまざまな場所に飛び回る岩澤。懐かしの大谷君も登場するよ。
渡邉から連絡があり、ローリング事件の後から同じ夢を見るようになったという。
夢の中には山道ですれ違った男のような人物が登場するほか、「やわいやこをもやせ」みたいなことを言っているようだ。
で、例の山荘跡地に行くと夢に見た場所があり、ビデオテープが落ちていたという。

 

という訳で2人で行き、ビニール袋含めやたらきれいなビデオテープを回収。
中身を確認すると、菊池が持ち出した投稿映像8本と、見覚えのないテープ1本だった。
そのテープには退行催眠をかけられている男性が記録されており、その男性は山道ですれ違った男に似ているという。
音声がノイズだらけのため研究機関(音響粒子学研究所か!?)に解析を依頼したところ、この男性の前世は幼女で、呪いの発端となった戦国時代に起きた事件の被害者のようだった。
以上より、この男は誘拐事件の3人目の被害者である日向さんであると仮定した。
そして、日向さんの元同僚に会いに行ったところで次へ。

 

ところで、独りで調査と言っておきながら、渡邉を思いっきりパシリにしてるな。

 

 

 

<霊園>
 エピソード:炎上
都内で有数の心霊スポットと言われている霊園で、男数人が肝試しをしている映像。
荒れた墓などを見て回っていると、友人の背後に友人を睨み付ける顔があり、これに気付いた撮影者は一目散に逃げる。
また、その直前、墓石に青白い手がかかっていた。

 

インパクトあっていいんだけど、この映像には問題があるため評価しないでおく。
というのも、ある俳優が自身のブログで「ほん呪42に出演しています」と宣伝し、無事炎上しているのだ。
しかも当時はmixi全盛期のせいか、その後の謝罪文もどこか誠意が欠けたやつだったため火に油を注ぐ結果となり、ほん呪史に残るタブーとなってしまった。

 

 

 

<腹切りやぐら>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
鎌倉観光の際に撮影した映像。
同行者の女性が東勝寺跡に行きたいと言い、その流れで腹切りやぐらを観光したという。
スタッフの調べでは、腹切りやぐらで北条家が村民と共に集団自決し、多くの骨や五輪塔が発見された場所のようだ。
また、この映像が撮影された約2ヶ月後に、同行者の女性が失踪してしまった。

 

肝心の映像は、腹切りやぐらに到着し卒塔婆を撮影していると、映像にノイズが紛れる。
それが収まると同時に、卒塔婆の奥からこちらを見つめる男の姿が映り、すぐに隠れる。
他の投稿映像にも言えるんだけど、本作は狙い過ぎのものがかなり多い。
今回もその1つで、要素を詰め込み過ぎじゃないかな。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 病院>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
深夜の病院を映した監視カメラの映像。
5秒毎に映像が切り替わる中、階段を映したカメラのレンズが突然割れる。
次にこのカメラの映像になると、階段を降りる足だけが映っている。
王道に一捻り入れたような映像で、悪くはない。

 

 

 

<邪願>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★★★
通称「正彦シネ」
カップルが神社で撮影した映像。
絵馬に書いてある願い事を見ていると、その中に「正彦シネ」と書かれた絵馬を見つける。
そこにカメラを向けた直後に、奥から女がカメラを覗き込み、投稿者は声を出せずにカメラを下ろす。

 

これは素晴らしい。
発見系では投稿映像の前フリが長くなり、オチが予測できてしまう問題が時々発生していて、特にパート50ぐらいからはそんなのばかりになってしまうのだが、これは視聴者が「正彦シネ」と読めた直後に現れるため、不意打ち感が歴代随一となっている。
女の登場が1秒でも遅かったら凡作になっていたであろう、タイミングの重要性がよく分かるエピソード。

 

 

 

<続・追跡録 前編>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★★
日向さんの元同僚にインタビューしてみると、交通事故後に急に暗くなり、いつの間にか仕事を辞め引っ越したという。
次に交通事故現場に行ってみると、そこには花が添えられ、電柱には例の印があった。

 

今度は日向さんの元カノから話を聞くことに。
会社を辞めると同時に別れ、その後は連絡がつかなくなっていたが、3年前に突然手紙が来たという。
その内容は、車の中で父親と揉み合いになり、それが原因で事故に遭い、両親が亡くなったことへの後悔と自殺を仄めかす内容だった。
また、日向さんは都内のメンタルクリニックに通っていたという情報を得た。

 

今度は日向さんの実家(廃墟)に行くことに。
勝手口が開いていたため岩澤が侵入すると、渡邉が突然逃げだす。
どうやら、岩澤の背後に何者かが通ったように見えたらしい。
にしても岩澤、渡邉に対する当たりキツいな。
菊池のことになるとすぐコレだから・・・

 

ここで例の退行催眠映像。
音はノイズまみれだが、これでもノイズ除去後のようだ。
日向さんが幼女(死体)に乗り移られたように当時の状況を話していると、映像にノイズが入る。
但し、この部分はただのダビングミスっぽくて、再生とか3倍とか表示されている。
事象が起きたのはその後で、「助けて」と言った辺りで映像が明滅し、一瞬真っ黒の女が現れる。
こいつは菊池らに送られた映像の女と同じかな?
一瞬ではあるが、やっぱり不気味だな。

 

最後に、再び日向さんの実家に侵入すると、首、胴、足に分解された人形と例の印を見つけた。
やはり一連の騒動は、日向さんが深く関わっているのだろうか・・・
今回はここで終了。次回に続く。

 

 

 

<総評>
★★★★★☆☆☆☆☆
本作の注目すべき点は何と言っても、岩澤が菊池追跡録を引っ提げ、演出として復帰したことにある。
リアルタイムだと約2年ぶりで、新たな謎が出てきたものの、前回では中途半端だった部分がうまく繋がっており、次に期待が持てる内容だった。

 

一方で、投稿映像は色々な意味で悪いものが多い。
狙い過ぎて逆に怖くない映像が多いだけならまだしも、震災から3ヶ月も経たない内につまらない不謹慎ネタに走ったり、モラルのない俳優によるヤラセばれなど、地上波だったらお蔵入りしてもおかしくない内容だった。
「正彦シネ」とメインに救われたな。