ほんとにあった!呪いのビデオ35レビュー

評価:★★★★★★★★★☆
児玉演出新体制となったパート。
投稿映像、エピソード共にかなりレベルが高い。

 

 

 

<中古ビデオ>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★
フリーマーケットで購入したビデオカメラのオマケでもらったビデオ。
どこかの観光地で撮影された映像で、野外ステージのダンスを撮影していると唐突に映像がバグり、振動するようにループする。
そして、画面が焼き付いたように黒くなっていく中、男の顔のようなものが現れる。
これは初見かなりビビった。
バグり方が絶妙で、例の情報番組の放送事故をさらに怖くしたような感じ。
その後の男についてはハッキリ言って蛇足。

 

 

 

<海岸>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★★★
海岸で遊ぶ男女の映像。
グラビアアイドルのPV撮影か?ってぐらいナイスバディーな子しかいない。
デッキチェアに寝転ぶ女の子を撮影していると、その足元に黒く焦げた手が映っている。
なんか太平洋戦争時に空襲の被害が起きた場所らしいけど、そんなのどうでもいいレベルで女の子達に目が行って集中できなかった。すまん。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 河川>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
河川の増水確認用に設置された監視カメラの映像。
上の橋を通る自転車に乗った男性の背後に、女性のようなものがくっ付いている。
ぱっと見だとただの2人乗りで、半透明じゃなければ霊に見えないレベル。
なので怖さはないけど、エピソード自体は悪くない。

 

 

 

<肝試し 前編>
 エピソード:★★★
今回のメイン。
投稿者はアルバイト先の友人(宮前さん)と心霊スポットの公園で肝試しを行い、その後色々なことがあったようだ。
という訳でスタッフルームに招いてインタビューすることに。
宮前さんが心霊スポット行こうぜ!ってノリで行き撮影したようだが、その後宮前さん宅に行くと無言になり、寝込んでしまったようだ。
そして、チャイムが鳴ったが誰もいなかったりと不可解なことが起こり始め、宮前さんが突然起き上がり「そういうことから始まったんだ」と意味深なことを言ったという。
その後、朝起きたらいなくなっていて、それ以来連絡が取れなくなってしまったようだ。
公園は結核病院の廃墟だったようで、今は取り壊されて面影は全くなかった。
しばらくしたら投稿者から連絡が来て、宮前さんは実家に帰り、病気の療養中だとか。

 

ここで前編終了なんだけど、このエピソードの見所をいくつか紹介。
・この公園は江古田の森公園という場所のようで、今でも心霊スポットとして有名だとか。
・新演出補、長田さん登場。時々関西弁のイントネーションが入る、どこか垢抜けてない感じの人で、児玉演出後期のレギュラー演出補として活躍する。
・岩澤と菊池の写真を遺影みたいに飾るなボケwwwわざわざ白黒にしやがってwww

 

 

 

<家族旅行>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
家族旅行の旅館で撮影した映像。
カニで有名な場所らしく、料理がとても美味しそう。
チェックアウト前?に周囲や部屋を撮影していると、窓の外から半透明の女性がこちらを睨みつけている。
窓の外に足場はないため、そこに人がいることはあり得ない。
この手のパターンは何度も見てきたが、女の表情や、ちゃんと立体感があるのは高評価。
また、霊が現れる辺りから「ウゥゥーウゥゥゥー」という甲高い声が聞こえるのもいい。

 

 

 

<黒い物体>
   恐怖度:★★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
ラブホテルで彼女を撮影した映像。
元カノと久しぶりに逢い、その場のノリでラブホに行ったようだ。
そして、○○撮りしようとしたが拒否され、諦め切れずにシャワーを隠し撮りしていたらしい。
これを聞かされる長田さんの気持ちを考えてやれ児玉演出。
どうやら、このラブホテルは心霊スポットとして有名な場所だとか。

 

肝心の映像は、シャワーを浴びている元カノをガラス越しに撮影し、バレそうになったので戻ると棚に女性の生首があり、直後にカメラを横切る。
そして、部屋の奥にその生首が浮いていて、ものすごい速度でこちらへ向かってくる。
画質が悪いがびっくり度はかなり高く、投稿者が情けない声を出して腰を抜かすのもいい感じ。

 

ちなみに、投稿者は取材の数日後、電車に飛び込み自殺したとか。

 

 

 

<暗闇から・・・>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★★
息子が花火している様子を撮影した映像。
何でこんなフレームレートが不安定なんだろう?
自動でナイトモードに切り替わっているのか?
それはともかく、ずっと母ちゃんと花火をして飽きてそうな息子を撮影していると、その右肩に青白い手がかかっている。
手首から先がないので、アダムスファミリーのハンドくんに見える。
後日、息子の首元に湿疹ができ、打撲と診断されたとか。

 

このエピソードの見所はインタビューにある。
母ちゃんが明らかにほん呪シリーズのファンで、息子に霊障っぽいのが起きているのにウキウキで喋りまくる。
その隣にいる息子が早く帰りたそうな表情をしていて、無理矢理連れて来たんだろうなというのが伝わってくる。
長田さんもそんな投稿者へのファンサービスなのか、背中に大きく「呪」と書かれたほん呪Tシャツを着ているのがシュール。
そのTシャツめっちゃ欲しいわ。

 

 

 

バナナの叩き売り
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★
 エピソード:★
バナナの叩き売りを見つけ、物珍しさから撮影した映像。
テーブルの下に白っぽい何かがあるが、これを霊とするのは苦しい。
本作唯一のハズレ。

 

 

 

<肝試し 後編>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
宮前さん彼女にインタビューすると、撮影日の2日後にデートをすっぽかされ、部屋に行くとどこか上の空だったようだ。
そして、そのまま連絡が取れなくなったという。

 

後日、宮前さんが心霊スポットで撮影したと思われる写真が送られてきた。
その中に1枚だけ、2人を撮影したような写真があり、肌が赤紫っぽくなっている他、顔が歪んでいるようにブレていた。

 

肝心の映像は、投稿者がビデオカメラで、宮前さんはデジカメで写真を撮りながら心霊スポットを回っていると、ノイズが3回入り込む。
そのノイズには顔のようなものが紛れている他、何かの声が聞こえる。
3枚を合成すると顔のように見えるというが、1枚目以外は線があってもよく分からん。
声の方は繋げてみると、「見せ て やる」と言っているように聞こえた。
これはどっちかって言うと、声がデカくてビックリした。
まぁまぁ怖いけど、こんな長々とインタビューした意味はあったのか?っていうのが正直な感想。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★★☆
岩澤、菊池が抜けたことでどうなることかと心配していたが、レベルの高い投稿映像と新人演出補長田さんの頑張りにより、ここ数作以上の完成度だった。
また、随所にシュールな笑いが仕込まれていて、岩澤と菊池の遺影みたいな写真、長田さんのほん呪Tシャツ、息子に霊障が起きているのにインタビューされて嬉しそうな母ちゃんなど、最後まで楽しめる内容だった。
唯一残念だったのはメインのエピソード。
投稿映像との裏付けが弱く、ただインタビューで聞いた話をダラダラと流しているだけのような印象を受けた。
とはいえ投稿映像は悪くなかったので、次回もこの勢いで突き進んでほしい。