5年以上前に自作した小型ギター/ベースアンプの紹介をしてみる。
こちらが正面。
箱はセリアで売っていた10cm×10cm×11cmの木箱を使用していて、ニス塗りをしている。
スピーカーは秋月電子の300円スピーカーで、これもコーンにアルミ箔を付けて高音質化改造している。
スピーカーをカバーしているメッシュは、100均の園芸コーナーにあった、プランターの底に敷いて土が流れにくくするやつ。
こんなにピッタリなやつがあるとは思ってなかった。
普段見ないようなコーナーにも行ってみると、発見があるものだ。
つまみは左側がゲインで、右側がボリューム。
イヤホンジャックはAUX入力で、音源を流しながら練習できるようになっている。
こちらが背面。
上にある大きいのは持ち運び用の単三×6の電池ボックス。
中段のスイッチはクリッピング切り替えスイッチで、音色を変えることができる。
下段は左からDC入力、電源スイッチ、ギター/ベース入力となっている。
お待ちかねの中身はこちら。
当時のトレンドではんだ付けしている。
唯一コネクタを使用しているのはスピーカーケーブルだけど、これは線が太すぎて穴通らなかったためで、当時の筆者ははんだ付けにしたかったはず。
にしても、クリッピング切り替えスイッチの固定方法が面白いな。
割りばし短くしたのを当て木にして釘打ちしてるという、当時の創意工夫が見て取れる。
基板部品面はこんな感じ。
ケーブルが多くていい写真が撮れなかった。
ICを直付けしているのが当時の自分らしいなぁ。
あと、ケーブルが全体的に太い。
多分AWG22で、この基板に入るギリギリの太さにしてたと思われる。
はんだ面はこんな感じ。
まさかの全面ホットボンド埋め。
これは一応理由があって、基板の収納スペースが電池ボックスの裏で、振動とかで動いちゃってもショートしないようにするための工夫。
ケーブルのクセが強くてそこにしか配置できなかったんよ。
回路図やレイアウトは紛失して分からないが、回路構成は覚えているため、ブロック図を書いてみた。
箇条書きで説明すると、
- ディストーション回路は筆者が電子工作するきっかけとなった、「ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作」に記載されている回路をほぼ流用している。
- ゲインつまみによって入力信号を増幅していて、その増幅率は1~214倍(+0 ~ +46dB)となっている。
- クリッピング切り替えスイッチによって、クリッピング方法を変更している。
- ボリュームつまみで最終的な音量を調整している。AUX入力にボリュームはないので、プレーヤー側で調整する。
- 加算アンプでAXU入力(L/R)とギター/ベース入力をミックスする。
- LM386アンプはほぼデータシート通り。ゲインは20倍(+26dB)固定。
クリッピングについて補足すると、このような回路になっている。
ダイオードは三角の方向に電流が流れるようになっていて、原料や製法によって流れ始める電圧(順方向電圧)が異なる。
信号レベルが順方向電圧以上になると流れる、つまり順方向電圧以上にならないため、これによって信号がクリッピングされ音が歪む。
シリコンダイオードは0.5~0.6V、ゲルマニウムダイオードは0.2~0.4V、ショットキーバリアダイオードは0.3~0.5V、LEDは色によって1.8~3.0Vぐらい(赤外線や紫外線はもっと広範囲)と異なるため、組み合わせによって音色を変えることができる。
今回はこれをスイッチで切り替えできるようにしていて、左は整流用と小信号用のシリコンダイオード、中央はクリッピングなし、右はショットキーバリアダイオードとゲルマニウムダイオードの1N60を使用した。
クリッピングはどちらも非対称にすることで、音色がワンパターンにならないようにしたつもり。
音としては、左はクランチ系、右はディストーション系の歪み方で、手持ちを色々試して選んだ記憶がある。
まぁゲイン自体を214倍までできるので、目一杯上げればどれも同じような音になってしまうが。
ちなみに、LEDを使用するとクリッピングした際に光るから、外に見えるように配置すると視覚でも楽しむことができるので、やってみることをお勧めする。