ほんとにあった!呪いのビデオ66レビュー

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆
妙に業界関係者からの投稿が多いパート。
メインは3部作になれるポテンシャルを持っていたが、中途半端に終わった。

 

 

 

<ぎょうさん>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
雑誌ライターの投稿者が、インターネット上で募集した2人と心霊スポットツアーをしている映像。
パワースポットの巨石を見た後、心霊スポットであるトンネルを進んでいくと、参加者の女性が声が聞こえたと言い出す。
だが他2人には聞こえておらず、投稿者が2人を映していると、その背後に巨大な顔があり、悲鳴をあげて逃げ出す。
この地方には「ぎょうさん」という顔だけの存在がいて、死期が近い人間の前に現れるとか。

 

とりあえず言いたいことが2つある。
・ぎょうさんってタイトルだから、バーゲンセールくるかと思ったらお前かい!
・クソデカくて草。ゲームのトラウマ(笑)演出かよ!

 

 

 

<声>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
大学生3人で宅飲みしている映像。
投稿者によると、隣の部屋から女性の○○○声が聞こえることがあるようで、今回も聞こえたため友人らが悪ノリし、自撮り棒を使って覗いたという。
すると色々あったようで、後日大家さんに聞いたところ、2年以上前から誰も住んでいないようだ。
アパートに曰くはないようだが、投稿者の同級生の男性が最近、首吊り自殺したという。
投稿者と仲良かったが、同級生がイジメを受けてから疎遠になっていたとのこと。

 

肝心の映像は、隣の部屋から○○○声が聞こえ、友人達が面白がる。
そして、自撮り棒を用意しベランダ越しに隣人の部屋を映すと、首を吊っている髪の長い人物と、ガラス越しに顔が映っている。
同級生は髪を伸ばしっぱなしにしてたようなので、同級生の霊である可能性が高い。
○○○声と窓に映る顔はよく分からん。○○の妄想が具現化したのか?

 

 

 

<六十六 前編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
今回のメイン。
映像製作会社に勤める投稿者が、先輩(城崎さん)が失踪したと相談してきた。
先輩は家族で行った誕生日祝いの映像に異変が起き、その後、仕事上がりを最後に失踪したようで、この映像が何か関係があるのではないかとのこと。
まずは奥さんに話を聞いてみることに。
失踪に関して心当たりは全くないが、夫は失踪前、自宅の外から度々お経の声が聞こえると言っていたようだ。

 

城崎さんの身辺について調べてみると、前職の映像製作会社(シネワイズ)が1年前に倒産していたようで、倒産前に社長が自殺しているという。
また、城崎さんの同期も失踪しているようで、シネワイズについて調べると、社員は10人ぐらいだったにも関わらず、調べた範囲だけで5人も死亡や失踪などの不幸に見舞われていた。
また、シネワイズに出入りしていたフリーランスのディレクターによると、呪われた映像をテーマにした作品の企画が立ち上がっていたという。
事の発端は社員がある沼でキャンプし、その様子を撮影したら不可解な現象が起きたようで、社長がそれを面白がり、みんなでロケハンに行ったようだ。
その沼は巡礼僧が村人に殺されたという言い伝えがあるようで、社長の遺体発見場所もその沼だった。
また、会社は元々経営難だったらしく、社長の家が火事で焼け、奥さんの連れ子だけ亡くなり、その保険金で経営を立て直していたとか。

 

という訳で、沼や言い伝えについて調べることに。
六部殺し(六十六部の略で、巡礼僧のこと)という伝承があるようで、大まかな筋書きは以下の通り。

  • 六部に宿を提供した貧しい農家が、金目当てに六部を殺して財を成す。
  • その報いなのか、口無しの子が生まれてしまう。
  • ある日、子の顔が六部の顔になり「お前に殺されたのはこんな晩だった」と断罪する。
  • その後、主人が頓死したり、家が再び没落する。

また、この話は急に財を成した家に対する嫉妬心から生まれた、一種のガス抜きという説もあるという。

 

ここで、城崎さんの誕生日祝いの映像。
ケーキを出した後、城崎さんの顔にノイズが入り、透けたようになる。
また、明かりを消してロウソクに火をつける際、城崎さんの周りに4人の顔が現れる。
全員ハゲだから、六部の霊なのかな?
まぁ菊池演出期のメインの投稿映像はエピソードの裏付けがほとんどだから、今度はどんな探検が出てくるのか、シネワイズの遺産がどんなものかに期待と言ったところ。

 

 

 

<残留物>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
自主映画仲間とロケハンで廃ホテルに行った映像。
洗濯物が干してあったり、比較的新しい飲み物があったりと生活痕のある客室を回っていると、逆さ干しになっている赤い衣服から手と顔が垂れ下がっている。
手はともかく、顔のクオリティーがひどい、首太すぎだろ。
ってか胴体部分ぺったんこだよなこれ。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ パチンコ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
廃墟のパチンコ店に設置された監視カメラの映像。
動体検知システムが作動し、警備員がチェックしている様子が記録されている。
画面右上で、警備員の後を追うように赤ん坊を抱いた女が近付いてきて、消えた数秒後に今度は右側に現れ、また消える。
抱き抱えている赤ん坊は首から上がないように見える。
店の前の国道で乗用車の交通事故があり、若い女性が血だらけで助けを求めた事があったとか。
正直、2度目は余計な気がする。

 

 

 

<樹海>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
Youtuber?がテレビのレポート気取りで夜の樹海を探索している映像。
森の探索を済ませ、遊歩道を歩いているとレポーターが何かにつまづいたようにこけ、その付近に目をギョロギョロさせた女の生首がある。
最近、樹海には「あゆみさん」という霊がいて、何もないところでこけさせるという噂があるようだ。
よく見たら黒目超デカいし、すごい顔してるな。
怖くはないけどけっこう好き。

 

 

 

<六十六 後編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:クソ(★★★)
シネワイズの倒産前の資料が残っているという情報を得て、ビルに行ってみることに。
家賃の支払いが途切れ、パソコンや撮影機材は売り払ったが事務用品やテープ類は残っていたようで、会社に関する資料やテープを持ち帰らせてもらうことにした。
大部分は昔の深夜番組みたいな映像だったが、六部殺しの企画書らしきものを発見!
また、企画の発端となったキャンプの映像を見つけることもできた。
この映像はラストで紹介。

 

沼について調べたところ、所在地を特定できた。
また、六部殺しについては、殺しではなく嘘の道を教えられたことによる事故だという。
そして、嘘を教えた家族は、子どもが早死にしたり体が悪かったりしたようだ。
山下は相変わらず弱気だが、菊池が首突っ込んだからには行かなきゃという謎の使命感で説得し、沼に行ってみることに。

 

途中から車が入れなくなり、徒歩で進む新菊池探検隊(今回は川居も参加)。
獣道としか思えない道を進んでいくと、沼と思われる場所に辿り着いた(よくこんなとこまでキャンプしに行ったな)。
山下、またコケるの巻。
ちょっと進むと、自殺した社長を弔うように花束が置かれていた。
ここが例の場所と確信したスタッフは、夜にカメラを設置し一晩監視することに。
・・・すぐ近くにテーブル置いて全員で監視し、モニターを見て「何もないっすね」ってアホかこいつらwww一晩放置か交代制でいいでしょ。
そもそも、一晩居るのにテントも用意してないの?

 

12時近くになり、トランシーバーが何かを受信したようにノイズが流れる!
一同はスルーしていたが、どうもお経っぽい。
今度は2時半頃、今野君がトイレに行ったきり30分以上帰って来ず、トランシーバーの応答もないので探すことにした。
しばらく探すと、今野君が(30分以上見えなかったのに10m前後だけ)沼に入っていて、奥へ吸い込まれていく!!
菊池らが呼びかけても反応せずドンドン進んでいるため、(すぐ近くにいて、こんなこともあろうかと防水ズボンを履いておいた)川居が駆け付け、何とか救助できた・・・雑すぎ。
今野君は高熱になっており、数日自宅療養することになった。

 

スタッフルームに戻った一同に、今回の件に関する1通の手紙が届いた。
その手紙によると、社長が自殺したのは6人もの社員による集団退職のせいで、そのメンバーに城崎さんの名があった。
特に、集団退職の中心人物は別会社でリストラされ、それを社長が気にかけて拾っていたようで、裏切りにより失意のどん底に落ち、般若心経をつぶやいていたようだ。

 

ここでキャンプの映像。
男数人が沼でキャンプしていると、1人が黒っぽいのを見たと言い出す。
だが周囲を見渡しても何も見えなかったので、1番酔っ払ってるバカが沼に立ちションする。
その後しばらく会話し、バカが2度目の立ちションをしていると、沼から修行僧のような男たちが現れ、ビビった撮影者はカメラを捨てて逃げるのであった。
修行僧は少なくとも7人いる。殺されすぎだろ。
それ以上に、リプレイ巻戻りすぎでしょ。バカの立ちションを何度も見せんな。
最後に、菊池、川居、山下の3人で再び沼に向かい、花束を手向けて終了。
・・・結局、監視した映像には何も映ってなかったのか。

 

 

 

<総評>
★★★★☆☆☆☆☆☆
投稿映像はガツンとしたものがなく、霊の露出度の割には地味だった印象。
菊池演出に必要なのは派手さではなく斬新さだな。

 

メインはここ数作同様かなり尺が取られていて、そのテーマは倒産した映像製作会社の呪いと遺産という最高に期待できる内容だったが、六部殺しだの、社員の裏切りだのとテーマがブレ、地味に終わってしまった。
個人的には、前編の投稿映像はハゲ六部ではなくハゲ社長の方が良かったと思う。
そうすれば、城崎さんらシネワイズの元社員に降りかかった呪いの真相が、六部でなく社長によるものだったというオチをより印象付けることができたはず。

 

菊池演出期の探検は緊張感あって好きなんだけど、今回はダメ。
一晩撮影するのにテントですら用意してなかったり、今野君が沼にいることを見つけてすぐに、待ってたはずの川居が防水ズボン履いていて助けに行くなど、仕込み感が過ぎる。
トランシーバーがお経の声拾うぐらいしか撮れ高なかったから、
菊池「やれ」
今野君「はい・・・」
川居「はい(乗り気)」
という指示があったんだろうな。