ほんとにあった!呪いのビデオ74レビュー

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆
3部作「おくりもの」編最終章で、予想通りの投げやりエンド。
狙っているのかは不明だが、ギャグみたいなエピソードが多い。

 

 

 

<山道>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
ヘルメットにウェアラブルカメラを付け、舗装されていない山道をサイクリングしている映像。
地面に何かある訳ではないが、急にバランスを崩し転倒してしまう!
直後に、前方から真っ黒なテケテケみたいなのが現れ、這うようにこちらに向かってくる!!
悲鳴を上げて逃げようとするが満足に動くことができず、再度前方を見るといなくなっている。
と思ったら、再度前方を向くと目の前まで来ている!!!
そのまま投稿者の上を通り去り、投稿者はその後、自力で戻った。
転倒時、何かの強い力を感じたそうで、顔面強打と両足の打撲という大怪我を負ったようだ。
また、後に調べたところ、周辺に心霊スポットがいくつもあるという。

 

1つ間違えればコントになってしまうシチュエーションだが、投稿者の悲鳴や絶望感がいい感じで、初っ端から勝負に出たのは高評価。
まぁよく見ると両手の接地感が微妙だが、それは仕方ないかな。

 

 

 

<積載車>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
自動車運送業を行なっている投稿者が、仕事の様子を撮影した映像。
居眠り防止のために配信しているようだが、ネットの私物化もいいとこだな。
こんなの見るやついるのか?そもそも会社がそれを許すのか?
それはともかく、現場に辿り着き、人が亡くなっているという事故車をトラックに積み込む。
そのまま次の現場へ到着し、カメラを止めようとした瞬間、助手席にゾンビみたいなのが座っていて、投稿者は肉眼でそれに気付き慌てて逃げる。
よく見ると投稿者は何度か後ろを気にしており、ドアを開けようとする音が聞こえていたとか。
この日はタクシーで帰り、後日お祓いをしたという。

 

事故車だからそうだろうと思ってたけど、相変わらず顔で攻めてるな。
これ投稿者視点だとどう見えてたんだろう?
それ以前に、クソみたいなネットの私物化の方が気になって仕方ない。

  • こんなの需要あるのか?画は地味だし、雑談だってろくにネタないだろうし。
  • 特に半額弁当買うところなんか誰が見たいんだ?
  • 「カメラ回してねぇで手伝えや」が正論すぎる。
  • 眠りかけてるじゃねぇか。会社に迷惑かかるから辞めとけ。

 

 

 

<ドッキリ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
バラエティー番組で行われた心霊ドッキリの映像。
だが、本物が映ってしまったためお蔵入りになったという。
ターゲットは佐野マリアという実在のタレントで、そう言えば福田演出1期に、タレントの売名に使われたエピソードがあったことを思い出した(パート19「着信」)。

 

肝心の映像は、佐野マリアを1人にして、ラップ音(何かを落とした音、壁ドン、ドアガチャ等)、女性のうめき声、照明の明滅などにより怖がらせる。
その後、後ろの低いドアから貞子風の幽霊役が登場し、へっぴり腰な幽霊役にビビりまくって画面外へフェードアウトする。
この映像をよく見ると、照明の明滅に合わせて2人のものではない影が現れており、なぜか反時計回りに動いている。
また、幽霊役用のカメラにも現れており、そちらでは顔が見える。
これは正直余計。影なのに顔ってどうなのよ?

 

ディレクターはこれが原因か不明だが、現在は業界を引退したという。
幽霊役の人はこの日、朝から体調が悪かったとか。
また、普段は葬儀屋の仕事をしているようで、幽霊を連れてきてしまったのだろうか・・・

 

 

 

<おくりもの 後編>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:ゴミ
3部作の後編で、前回までのあらすじは以下の通り。

  • キチる、顔がゾンビみたいになる、物理的に襲う、「モッカになれ」と言う等の共通点を持った投稿映像や、取材中のアクシデントが立て続けに起きた。
  • この現象の発端は少女の自殺動画と見られ、2010年前後のものだった。
  • 問題の家庭(磯崎家)の母親(薫さん)は夫(茂)に襲われ、茂失踪後は娘(由美ちゃん)がキチるようになり、川居と寒ちゃんが監視することにした。
  • 当初、薫さんに言い寄っていた近藤さんがカギを握っていると思われたが、薫さんの証言と異なり、薫さんから言い寄っていた。
  • とうとう寒ちゃんが由美ちゃんに襲われ、寒ちゃんは気絶、由美ちゃんは何かを吐き出し気絶した。

 

寒ちゃんが復帰し、当時の状況を話すところから始まる。
どうやら押し倒された際に口移しされたようで、それは由美ちゃんの○○にあった幼虫と思われる。
寒ちゃんは入院中にそれを吐いたようで、それ以降元気になっていったようだ。
その虫について研究機関で調べたところ、寄生蜂の幼虫のようだった。
・・・で、わざわざコマユバチと特定してくれているが、どう見ても幼虫の形違うぞ。
見た感じミールワーム(釣り餌でよく使われる芋虫)に見えるんだが。

 

ここで、スタッフはこの幼虫を「おくりもの」と予測し、これが体内にあると上記のような状態になるのではと推測する。
また、寒ちゃんは夢の中で「母体をもらった」という声を何回か聞いていて、操られるところだったが吐いたことで助かったのではと推測するが、なぜか舞木が食ってかかる。
大力に論破されると福田演出を連れ、離れたところで「寒ちゃん、○女なんですよ。だから母体をもらったっておかしくないですか?」と言い出す。
・・・何言ってんだこのバカ女。
100歩譲って妊娠したことあるかとか初○を迎えたとかなら分かるが、○女かどうかに何の関係があるんだよ。
そもそも、由美ちゃんはまだ10歳だし、茂に関しては男だぞ。
寒ちゃんの○女バラシしただけじゃねぇか。このバカ女。
福田演出も何言いくるめられてるんだよ。
由美ちゃんなんか完全に操られてキチってたじゃねぇか。
ここのスタッフはバカしかいねぇのか?

 

その後も調査を続けていると、由美ちゃんの監視映像に気になるところを見つけた(なぜか外でインタビュー中に)。
由美ちゃんがキレながらひたすら何かを書いていると、薫さんがそれを止めに入る。
すると、「お母さんじゃないのに」とキレ、物を投げつける様子が記録されていた。
このことについて調査をしたいが、そのちょっと前に近藤さんの件について確認に行っており、そこで舞木が薫さんを逆撫でさせて追い出されていた・・・どうしようもねぇなこのバカ女。
薫さんが舞木だけでなく福田演出にもブチギレるんだけど、薫さんの言い分が100%正しいわ。
まずはスタッフの教育をしろ。

 

そんなこんなで、自殺した少女と同じ小学校に通っていたという15才の少女(Kさん)から話を聞くことができた。
自殺した少女(Rちゃん)は2011年に自殺したようで、集団いじめを受けていたらしい。
そして、あの映像をいじめてた奴らに送りつけたようで、それが原因で学校内で集団パニックになったという。
だが、そもそも自殺したRちゃんがそれを送りつけることは絶対にできない。
誰が手を引いたのだろうか・・・

 

という訳で、隣のクラスの子が撮影した集団パニックの動画。
教室や廊下、果ては階段の途中で何人もの子(動画外含めて20人以上)が頭を抱えながらパニックに陥っている。
その階段の上に、Rちゃんと思われる子(自殺動画と服が同じ)が立っている。

 

これも問題ありすぎる。
やってる事に対して事象が釣り合ってなさすぎるし、偽物だったら許されないぞこれ。
そもそも、集団パニックになる経緯が謎すぎる。

  • この子達は全員同じタイミングで例の動画見たの?
  • 50分もある動画をメールで送れなくね?
  • ってかそんなに見ていられるか?
  • 原爆ビデオみたいに授業で見させられたのか?

やってることがめちゃくちゃすぎる。コワすぎでやれ。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 二階の和室>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★★
インターネット上に配信されていた監視カメラの映像。
一般家庭の和室に設置されたもので、海外のサイトに配信されていたようだ。
この手のWebカメラにはインターネット上でデータを送っているものもあり、普通はパスワードなどにより他者が受信できないようになっているが、それを破って配信されている可能性が高いという。
そのサイトを見ると、街中や店にある監視カメラや、個人宅のものなどがいくつもヒットしている。

 

肝心の映像は、和室のふすまに人影が現れ、ダンスするように動いたり変身している。
また、別日の映像では、画面左から同じようなのが現れ、カメラの目の前まで近付く。
さすがに幽霊さんの動きがギャグすぎる。

 

その後、監視カメラの場所を特定し、スタッフはその家に向かうことに。
住民によると、亡くなった主人がいるかもしれないと思い設置していたようで、事象には気付いていたようだ。
・・・あれ夫でいいの?ダンサーみたいに動いたり、TS(性転換)したりしてるんだよ?
インターネット上に流出していることは知らなかったようで、寺内演出がパスワードについて教え、いつの間にか見れなくなっていた。

 

 

 

<カメラ機能>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
部屋探しのために上京し、友人と久しぶりに再開した際に、ライブフォトという機能を使って撮影した映像。
簡単に説明すると、シャッターを押した前後1.5秒、計3秒の動画を記録する機能で、1秒あたりのコマ数は15枚。
また、シャターを押した瞬間の画が最初と最後に2秒ほど流れている。
これも福田演出1期に似たようなのがあったな(パート16「体育館に唸る音」)。

 

肝心の映像はわずか7秒!
1コマ(実時間にして0.067秒)だけオレンジ色の光が映っており、他の動画にも同じようなものがある。
また、1本だけ顔がはっきりと映っているのもがあり、その顔は友人を逆恨んでいる人物に似ているとか。
友人はその人物に怯え、現在は仕事を辞め地元に帰っているという。

 

スカイフィッシュ(肉眼では見えない速度で飛んでいるとされるUMA)に顔はギャグとしか思えないって。
こんなに高速なのに顔がはっきり映っているのもアレだし、今回はネタに走ったエピソードが多いな。

 

 

 

<続・おくりもの 後編>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:ゴミ
Kさんとのインタビューはまだ続き、パート72を見て薫さんがRちゃんの母親に似ていると証言する。
そこで、製作委員会が持っているモザイク無しの取材映像を見せたところ、間違いないようだ。
薫さんはRちゃんが自殺する1年ぐらい前に再婚し、継母として育てていたという。
そして、新学期からRちゃんが奇行を起こすようになり、それがいじめの原因になったとか。
・・・これに関する問題点は後で書くとしよう。

 

取材拒否状態が続いていたが、この件について問い詰める必要があると判断したスタッフは磯崎家に向かうことに。
インターホンを押しても返事はなく、明かりもついていない。
鍵が開いていたので侵入すると、電気は止まっており、家具などはそのままだが誰も住んでいない様子だった。
そこで最初の投稿者に聞いたところ、2年程前に薫さんは茂と再婚し、由美ちゃんは茂の連れ子だという。

 

ここで、薫さんについて時系列でまとめると、以下のようになる。
2010年春頃:Rちゃんの継母になる
2011年春頃:Rちゃんが奇行をするようになる
2011年9月:Rちゃん自殺
2011年10月:離婚?し行方をくらます
2015年夏頃:磯崎家に嫁入り
2016年9月:近藤さんと浮気
2016年12月:茂がキチる
2017年2月:茂の失踪、由美ちゃんキチる
2017年5月:行方不明になる
やはり薫さんが全てのカギを握っているのだろうか。

 

由美ちゃんは現在、祖父(茂の父)の元に預けられているようで、会うことができた。
由美ちゃんは5月末に預けられたようで、現在は元通りになっていた。
当時のことを聞いてみると、何かに操られているような感覚があったようだ。
また、祖父によると、茂の前妻は由美ちゃんが幼い頃に病気で亡くなっており、いつの間にか薫さんと再婚していて、薫さんのことは何も知らないという。
最後に、元に戻った由美ちゃんと寒ちゃんが仲良くなり、これで終わりかと思われた。

 

7月に入った頃、本件に関係する新たな投稿映像が届き、納品していたパート74を差し戻し、急遽追加する事になった。
ある小学校で行われた授業参観の映像で、生徒の1人の顔がゾンビみたいになっている。
その直後に教師?に心配されているから、キチる寸前だったのかも。
この映像はまだ続き、その子の母親の顔が映るのだが、それが薫さんだった。
妖怪ウォッチ(2012年始動で、ヒットしたアニメは2014年〜)の話をしていることから、磯崎家に入る前か最近撮影されたものと思われる。
そんなのどうでもいいレベルで、5/6が同じ事象とかワンパターンすぎてつまらん。

 

それ以上に、時系列に問題がありすぎる。
ストーリーを時系列に並べると、
2016年11月29日:悦子さんがキチる、直後にT子さんの電車事故
2016年12月3日:T子さんの葬式、悦子さんが茂にキス
2016年12月18日:最初の投稿映像(茂がキチる)
2016年12~1月:製作委員会が調査開始
2017年2月?日:茂の失踪、由美ちゃんキチる
-- ここまでがパート72 --
2017年2~4月:人員増加、悦子さんの部屋捜索、近藤さんにインタビューなど
2017年4月:寒ちゃん、由美ちゃんに襲われる
-- ここまでがパート73 --
2017年4~5月:薫さんがキレ、取材拒否になる
2017年5月末頃:由美ちゃんが祖父の家に行く、薫さん失踪
2017年6月2日:パート72発売
2017年6月?日:Kさんのインタビュー、5本目の投稿映像、磯崎家への無断侵入
-- ここまでがパート73に収録された次回予告 --
2017年6~7月:元に戻った由美ちゃんと再会
2017年7月5日:パート73発売
2017年7月初旬:6本目の投稿映像(パート74の納品を戻して急遽追加)
2017年8月2日:パート74発売

 

このように、パート72発売時点では後編の1/4ぐらいしかストーリーが進んでいなかった事になる。
特に、Kさんのインタビュー→磯崎家への無断侵入まではパート73の次回予告に入っており、作中の発言から約1ヶ月前には納品しているはずのため、時系列的にどう考えても無理がある。
ストーリーそのものもだけど、そういう整合性もメチャクチャで、「失われた仔ども達」編(パート52~54)よりもダメだったと言わざるを得ない。

 

 

 

<総評>
★★★★☆☆☆☆☆☆
投稿映像に関しては、新しいパターンが多く見られた。
斬新さはあるが、狙いすぎてギャグ化しているエピソードが多かった印象。
ホラーとギャグは紙一重というのが良く分かる。

 

問題は3部作で、上にも書いたように時系列がメチャクチャとしか言いようがなかった。
それ以外にも、無能や足を引っ張るばかりの演出補達、時間かけた割にはほとんど意味なかった近藤さんの存在、ほとんどの主要人物が見つからずじまいなど、ストーリー自体にも問題が多い。
第一、薫さんが黒幕だとしても、そのメリットがほとんど見当たらない。
Rちゃんの自殺に絡んでいるとしたら、動画が流出している以上、洗脳や自殺教唆として捕まる可能性がある。
磯崎家に入ってからも、茂の最初のターゲットは薫さんだったし、由美ちゃんもあの時は偶然寒ちゃんが止めに入ったから狙われただけで、本来のターゲットは薫さんだったと思われる。
ちょっと飛躍して、寄生蜂を持ったままだと最後に死ぬと仮定すれば、保険金目当てという可能性もあり得るが、失踪じゃあ入らないだろうし、どう考えてもリスクの方が大きい。
個人的には、最後は物理というのもマイナス。
最初から最後まで???としか思えない内容だった。