ほんとにあった!呪いのビデオ 福田・川居演出期総評

 

<担当作品>

パート76 ★★★★★☆☆☆☆☆
パート77 ★★★★★☆☆☆☆☆
パート78 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
パート79 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
パート80 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

平均:3.8

 

 

 

<評価・感想>
全体的に低めの評価となった理由は、ほとんどがメインのせい。
パート76「誰がために」はどちらかというとサスペンス劇だったが、次々と発覚する事象やメッセージはホラーにうまく結び付けられており、パート71~75の流れで飽きていなかったらもっと評価できた。
問題はそれ以降で、パート77~78「ずっと一緒」は最初こそ良かったものの、後編では前編の内容の7割ぐらいが無関係でよく分からない疑似家族と洗脳がテーマとなってしまい、表向きは事象なしのヒューマンドラマを75分も見せられるという苦行だった。
パート79~80「縁恨」は投稿映像が何本かあったが大したものは1つもなく、ひたすらインタビューばかりで退屈だった。
「ずっと一緒」と「縁恨」で共通しているのは、ほとんどがただの会話劇でストーリーと関係ないノイズが多いこと。
尺自体は菊池演出期と大差ないが、菊池演出は探検などの現地ロケが多く、足し算による尺の長さだったが、こちらは無駄なインタビューが多く、引き算が出来ないタイプの尺の長さであり、余計長く感じた。
また、ストーリーや尺に対して事象が釣り合っておらず、見終わった後に虚無感しか残らなかった。

 

投稿映像に関しては、派手なのか地味なのかの両極端だった印象。
地味なのはそれこそ初期のハズレのような感じで、雰囲気がある訳でもないので印象に残っているものはほとんどない。
派手なのに関しては、ほとんどが臨場感のある映像となっており、「事象」だけをみれば粒ぞろいだった。
だが、全体的に狙い過ぎだったり、テンポや間がおざなりになっていることが多く、個人的によかったと思うのは下記のおすすめぐらいだった。
岩澤演出が斬新さと派手さに傾倒していたころと雰囲気が近く、川居が影響受けていただろうと推測できる。

 

最後に、福田演出の特徴だけど、スタッフが無駄に多かったのも気になる。
前期の時点で既に持て余し気味だったのにさらに2人増え、前期で尖っていた2人は中途半端に丸くなったものだから、川居ぐらいしかキャラ立ちしていなかった。
特に舞木と大力は完全に空気化しており、明らかに迷走していた川居に物申せたのが新入りの山本屋さんだけだったのが痛い。
阿草が製作委員会に残っていれば、もっと違う展開になっていたかもな(阿草はこの頃、バンブルマンというキャラクタービジネスのベンチャーを立ち上げていて忙しかった)。

 

 

 

<おすすめ>
・パート77「美容院」
発見系、2段オチ共にハイレベルな1作。
中村さんのナレーションもビシッと決まった。

 

・パート78「排水溝」
事象だけは素晴らしい。
バカな投稿者のインタビューはスルー推奨。

 

・パート79「中古テレビ」
ブラウン管テレビが懐かしい。
ラストにさらっと本命が来る、菊池感満載な映像。

 

 

 

<主なスタッフ・出演者>
中村義洋
シリーズおなじみのナレーター。
妙に早口なことが多かった。

 

・福田陽平
帰ってきた4代目演出。
今回もカメラマンに専念していたが、口出しする機会は少し増えた。

 

・川居尚美
とうとう9代目演出になったシリーズの顔の1人。
川居がカメラを持ったことに感動したファンも多いはず。
作中での立ち位置はあまり変わらず、仕事と責任ばかりが増えたのかだいぶ疲れている様子で、迷走することも多かった。
そのストレスを発散するためなのか、セクシー覆面筋トレYouTuberうぉんたんとして活動を始めることになる。

 

・寒川聖美
相変わらずストーカー被害に遭ったりしながら頑張る演出補。
以前から音楽好きであることが伺えたが、自室に電子ドラムがあったり、Pro Toolsと思われるDAWソフトを使いこなしたりと、音楽ファンの心をがっちり掴んだ。
何気にバンの運転をこなす、将来有望な音響スタッフ。

 

舞木ひと美
初登場時のイキりはどこへやら、すっかり丸くなり完全に空気化した。

 

・大力
空気その2。

 

・大塚
相変わらずのゴリ押し枠。
だが多少丸くなったこともあり、とりあえず出番が多いだけで大してキャラ立ちしていないという、一番つまらないポジションだった。

 

・山本屋歩
パート76より追加された演出補。
川居とは異なる女性視点を持った人物として、迷走する川居に物申せた唯一の演出補。

 

・星まおな
演出補見習いというインターンみたいな立ち位置の人。
福田演出の「走って」という命令をガン無視して歩いたことで、将来大物になることが期待されたが、2作しか出番なかった。

 

・菊池宣秀
おなじみの元演出。
演出協力という、投稿映像提供と思われる役職で裏方復帰した。
登場作では1~2作ほど菊池枠っぽい映像があるので、どれか考察してみよう。