呪われた心霊動画XXX3レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
各エピソードの関連性が強い投稿映像系ホラー作品。
前半がワンパターンなのが惜しい。

 

 

 

<告白の相手>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
友達(七海さん)がバイト先の先輩に告白するところを隠し撮りした映像。
1人だと不安だからと付き添ったが、もう1人の友達と面白半分で隠し撮りすることになったようだ。
先輩から電話がかかり、迎えに行く七海さん。
しばらくすると戻ってくるのだが、誰もいないのに会話しているようなそぶりを見せている。
その様子を不審がっていると、七海さんが急にこちらを睨むように振り向き、びっくりしてブレると、七海さんの横に男が浮かび上がる。
その直後、七海さんは発狂したようにこちらに向かって全力疾走して襲い掛かり、投稿者らが突き飛ばすと気絶してしまった。

 

先輩は白目で恐怖を煽っている感あるが、立体感なくてそれほどでもない。
七海さんが襲いかかってきたところは、初見ではビックリするけど、流石に距離がありすぎたり、突き飛ばされるところがシュール。

 

投稿者は撮影したことについては悪いことをしたと思っているようだが、自分達がいなかったら危なかったかもという事もあり、ついて行ってよかったと言う。
七海さんは電話がかかったあたりから記憶がなく、着信自体が消えており、先輩の顔や名前も思い出せないようだ。
また、告白場所の公園は先輩が指定した場所で、バイト先の近くだったようだが・・・

 

 

 

<実話怪談本に載っていた話>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
まずは、投稿者が怪談話を聞いてほしいという事で、その話から始まる。
何年も会っていない友人に自分が電話をかけている履歴が残っており、その頻度は数日おきで、バイト中や就寝時など、そもそもかけること自体不可能な時間だった。
また友人は一度も電話に出ておらず、申し訳なくなって電話をかけたところ、出たのは母親で、友人はすでに亡くなっていたという話。
投稿者はこの話を実話怪談本で知ったが、どの本なのかは覚えていなかった。
この話を、友人とその同僚である中谷さんの3人で飲んでいる時に話したところ、中谷さんが自分の体験談だと言ったようだ。
中谷さんとは、この日初めて会ったようだが・・・

 

肝心の映像は、飲み会の席で友人が撮影したもの。
動画内での中谷さんの証言によると、大学3年の時の体験談で、誰にも話していないはずだというが、前に同僚と飲んだ時に話したことがあり、その時に奇妙なことが起きたという。
そんな話をしていると投稿者のスマホに着信が入り、誰なのか分からず戸惑っている投稿者に対し、中谷さんが目の色を変え、スピーカーフォンにして出てみてよと言い出す。
電話に出てみると、ノイズに紛れて喉を鳴らすような音が聞こえ、最後に「ココニイルヨ」という声が聞こえ電話が切れる。
真剣な表情になる投稿者と中谷さんに対し、状況を全く理解していない友人がチャチャを入れていると、友人の足元に男がいて、直後にノイズが発生してリプレイになる。
後日、スタッフがこの番号に電話をかけてみたが、使用されていない番号だった。

 

友人が状況を全く理解していなくて痛々しい。
オチはありがちって感じで、この男はさっきのヤツの黒目ある版に見える。

 

インタビューは続き、投稿者はこんな偶然があるのかと不安な様子。
さらに、かかってきた電話番号は実話怪談本に載っていた番号だったようで、追い打ちをかけるように事務所に電話が入り、そのまま次のエピソードに移行する。
電話番号が載っている点については、平成初期ぐらいなら普通にあっただろうし、最近でもプロモーション用の録音音声が流れるサービスがあるからそこまで不自然でもない。
それよりも、なんで電話番号を覚えているんだ?ってところにツッコミが入らないのは、製作陣の感覚がマヒしていると思う。

 

 

 

<紙幣の番号>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
公園で男女3人が酒を飲みながら撮影した映像。
酒がなくなって買い出しに行った友人が戻り、金を返そうとすると、夏目漱石の千円札があり、隅に電話番号が書かれている。
そこで、興味本位で電話をかけてみると、少し離れたところからiPhoneの着信音が聞こえる。
再びかけてみると間違いないようで、その着信源は後ろにある公衆トイレだったため、3人で見にいくことに。

 

音は個室の中から鳴っており、ドアは閉まっているが鍵はかかっていなかったため開けると、中に誰もおらず着信音も消える。
すると、友人の電話に出たようで、男の声がするという。
直後に個室の方を見ると、ドアの上部に真っ黒な男がいて目が合い、パニックになって逃げ出す。
落ち着いた頃には電話が切れており、電話の内容については「知らない方がいい」と話してもらえなかった。

 

目力と眉が強い男で、さっきのとは別人っぽいけど、多分同一人物ってことだろうな。
このパターン多すぎる。
ちなみに、投稿者のインタビューでトイレに行く際に女子高生とすれ違うのだが、この子七海さんだな。
リュックとストラップが一致してる。
多分、この公園も同じ場所なのだろう。

 

 

 

<影が行く>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
友人と2人で、謎の声がするという場所で撮影した映像。
この道には探し人(行方不明者の情報提供を求める貼り紙)があり、薄暗くて不気味だという。
投稿者はここを通って帰るのだが、深夜残業した帰りに謎の声が聞こえ、それ以降2~3回に1回ぐらいの頻度で聞こえるようになったようだ。

 

肝心の映像は、投稿者と友人のカメラの2本立てで、まずは友人の撮った映像。
投稿者が謎の声を聞いた辺りから、友人のスマホの映像にノイズが起き始め、犬が吠え出す。
すると、投稿者が「見えるよな!?」と言い出し、(演技にしか見えない)変な倒れ方をして(カメラを持ったまま変に)もがき、そのまま気絶してしまう。

 

今度は投稿者の撮っていた映像。
人間が獣みたいにうめく声が聞こえ、犬が吠えた辺りで這いずるような黒い人影が現れる。
その後、(速度的にどう考えてもまだ追い付いていないのに)足を取られて転倒し、もがいている際にそいつの顔が一瞬映る。

 

いくつもの縫ったような跡や、それによって左目が開いていないように見えるが、なんで正体表しちゃったの?黒い影のままの方が絶対よかったのに。
ってか上で書いたようにツッコミどころが多すぎてダメだ。

 

その後、近隣住民に助けられ、その道の奇妙な噂を聞くことができた。
奇形の子供が生まれ、家族はその子を監禁していたが、その恨みで一家を惨殺し自身も自殺したという。
それ以来、あの辺りで子供が行方不明になることが相次いだようだ。
また、投稿者自身も、幼少時にあの付近で風貌の変わった子と遊んだことがあるという。
投稿者だけに聞こえ、姿が見えたあの男は、その亡霊なのだろうか・・・
最後に意味深なシーンがあるけど、どうでもいいや。

 

 

 

<家族の食卓>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★★
去年の夏に再開した旧友(小山田さん)がメールで送ってきた動画。
久しぶりに会ったその姿は痩せ細っていたので心配したが、10歳前後の子がいる女性と結婚したという。
その人との馴れ初めは、投稿者らと2年前に行った高尾山観光の時のようだが、投稿者はそんな女性がいたことは覚えていない。
そこで小山田さんがこの人だよと送ってきたようだ。

 

肝心の映像は、小山田さんだけ別のリフトに乗り、山を降りる様子を撮影していると、左側からうめくような声が聞こえ、カメラを向けると母子が浮いている。
また、その前から画面左の木の隙間にこの母子がいる(隠し事象)。
怖いものではないけど、やっとワンパターンを脱却してくれて良かった。

 

この映像を見た投稿者は小山田さんのことが心配になり、連絡を取ろうとしたが繋がらず、両親に話を聞いたところ、高尾山に行った頃から連絡が途絶えたという。
また、結婚についても知らなかったようなので、投稿者は事件性も考え、小山田さんの自宅にカメラを持って凸撃したようだ。

 

という訳でその映像。
チャイムを鳴らしても出てこないが、鍵は開いていたので恐る恐る侵入する。
すりガラス越しに夫婦で談笑する声と人影が見え、声をかけると照明を消されてしまう。
部屋の中に入り照明を点けると、食べかけの3人分の食事はあるが誰もおらず、部屋の中を探す際、窓に反射して友人と連れ子?が映っており、妻?が見切れている。
その後、小山田さんの捜索願いが出されたが、今のところ進展はない。

 

1人は見切れているところにこだわりを感じる。
これまでの4つよりも、これみたいなのの方が好きかな。
まぁ、霊に魅入られた系は今のところ毎作のようにあり、特にここ2作はキモ男が出てきたのでハードルが下がってるだけ感あるが。

 

 

 

<死に際のアッコさん>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
XXX2に収録予定だったが、不可解な霊障が続いたため、度重なるお祓いによって収録できたエピソード。
警備会社に勤める投稿者が、警備室にある奇妙なビデオテープを投稿してきた。
その映像を見た先輩によると、不気味なものが映っているから見るなと言われたようだ。
その後、勤め先のビルが欠陥建築により取り壊しとなり、捨ててこいと言われたが、罰当たりなことをして祟られるのも嫌だったため、しかるべき場所にということで(なぜか)ここに投稿してきたという経緯だった。

 

投稿者はその他にも映像を送ってくれていた。
どうも、火災報知器が鳴り出したり、焦げ臭くなることがあるようで、特に非常階段にはアッコさんという霊が出るという噂があるようだ。
という訳で非常階段の監視カメラの映像。
女性がタバコ休憩を取っていると、急に背後を振り向き、タバコの火を消して中に逃げる。
逃げる直前、女性の足を掴むような手が現れていた。
別日の映像では、照明が急に明滅を始め、四つん這いの屍人みたいな女が階段を上る。
これはギャグになっちゃってるから要らん。

 

このビルは昔火葬場だったとか、前に建っていたビルが火災により何人も亡くなっているという噂があり、ビルの目立たないところに御札を見つけたという。
先輩によると、有名な霊能力者が除霊した時のものだと思われ、それによって霊は出なくなったが、誰かが剥がして別の場所に貼ったことで再発するようになったとか。
また、その御札に書かれている絵柄はビデオテープに書かれていたものと酷似していた。
スタッフが調査したところ、角大師という鬼の姿を描いたもので、主に魔除けとして用いられるとか。

 

ビデオテープの映像はいつも通り警告付き。
状況の分かりにくい不明瞭な映像で、地面を映していると、真っ赤な女の生首と思われるものが転がる。
目が見開いていて口を動かしており、不明瞭なことを言って映像が途絶える。

 

本シリーズにありがちな映像といった感じで、今回はそれにグロ要素が増えた感じ。
単体で見ればヤバい怖いって感じだけど、本シリーズのラストは毎回こんな感じだから、早くも耐性付いちゃった感ある。

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
今回も本シリーズらしい要素がいくつもあり、特に前半エピソードの関連性が強い。
それが恐怖に繋がっていればいいが、事象がワンパターン感あるし、いくら伏線を撒いたところでスルーするか匂わせるだけで終わるため、むしろ足を引っ張っている。
シリーズを通して、ほとんどのエピソードが多くを求めすぎている印象。

 

ちなみに、筆者が今作で一番良かったと思っているのは「家族の食卓」だったりする。
小山田さんが前2作みたいなキモ男って感じではなく、キャラの濃さに頼らなかったのは高評価。
さりげなく隠し事象があったり、普通なら3人揃っているところを1人だけ見切れさせるというこだわりを感じる、地味ながら印象に残るエピソードだった。
このエピソードは、他との関連性のない独立エピソードであってほしい(どうせフラグ)。