呪われた心霊動画XXX4レビュー

評価:★★★★★★★☆☆☆
呪術的な要素が強くなってきた投稿映像系ホラー作品。
恐怖性は上がってきているが、エピソードは相変わらず。

 

 

 

<その部屋>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
XXX3の「家族の食卓」を見た視聴者から、昔そこに住んでいたという情報提供があり、急遽収録されたエピソード。
芳賀さんは半年前にこの部屋に引っ越し、住み始めて1ヶ月ぐらい経った頃に、自宅前で不審な男に呼び止められたことがあるという。
部屋について色々と質問をされた後、DVDの入った紙袋を押し付けて帰ったようだ。

 

という訳でその映像。
布団に潜り、隙間から室内を恐る恐る撮影していると、インターホンを連打され息を殺す。
部屋の中に侵入されたような声や音が聞こえ始め、意を決して再び室内を撮影すると、右から黒い足が見えてビックリする。
最後に、自分の足元を映すと何者かが潜り込んでいて、ビックリした拍子にブルースクリーンになって終了。

 

芳賀さんも深夜1時ぐらいにインターホンを鳴らされていたという。
また、不審な男は手首などに火傷の跡があったようだ。
その体験や、XXX3で自分の住んでいる部屋が登場したことで、今は引っ越したという。
後に確認したところ、マンションの住所も同じであったことから、不審な男は小山田さんだったのだろうか・・・

 

かなりコテコテで、ホラードラマだったら失神オチになるやつ。
恐怖性は高く、撮影者の緊張感が伝わってくるのはけっこう好き。
前回の手紙では楽しそうだったけど、ガラスに反射してた姿はうつむいていたから、本当は怯えていたのだろうか?
にしても、前回「独立エピソードであってほしい」と思った矢先に関連エピソードが出るとは・・・正直これも「意味あった?」感ある。

 

 

 

不気味の谷
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
婚活サイトで知り合ったカップルが、夜デートの帰りに撮影した映像。
車で家の近くまで送り、彼女(松岡さん)に「最後に飛び切りの笑顔ちょうだい」と頼み、スマホを下ろす。
そして、笑顔になったと同時にスマホを上げると、松岡さんの顔が二重になっており、もう1つの顔は怒っているように口を動かしている。

 

インタビューに戻り、松岡さんは用事があるということで帰る。
すると、投稿者は松岡さんがあの日以来、マネキンのように無表情になることが増えたという。
つまり、投稿映像ではなくこっちがタイトルの由来と言ったところか。
このインタビューは「死画像(2015年12月)」より前の2015年夏に撮影され、現象が霊的現象であると確信が持てず、お蔵入りとなっていたが・・・

 

XXXにしては妙に短く、次のエピソードと合わせて1つのエピソードと言ったところ。
せめて、怒っている方の顔が何て言っているのか解析してほしかった。

 

 

 

<遺失物>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
不気味の谷」の約1年後に投稿されたデートの動画で、そこに映る彼女は髪の伸びた松岡さんだった。
という訳で投稿者(花村さん)にインタビューすると、婚活サイトで知り合い、ドライブデートした際の映像だという。
その時撮っていたビデオカメラを後部座席に置いていたところ、海岸で使おうとしたら無くなっており、遺失物として捜索依頼を出したら海岸で見つかったという。
そして、ビデオカメラには奇妙な映像が記録されており、松岡さんに見せたところ連絡が途絶えてしまったようだ。

 

という訳でその映像。
後部座席に置いていたカメラを誰かが持ち、ドアをすり抜けて外に出る。
やたらぶらぶらしながら海岸を撮影し、奥に見える花村さんと松岡さんを映しているとカメラが落ちる。
空を映すように落ちた先には松岡さんがいて、カメラの方を睨むように見下ろし、下半身が半透明になったところで映像が途絶えた。
その直前のコマでは、松岡さんの右目が異様に大きく、黒目は小さくなっていたというもの。

 

さすがにドアをすり抜けるのは要らない気が・・・
不思議な映像で済ませればいいところに、松岡さんで恐怖を煽ろうとしている感じがXXXらしい(褒めてない)。

 

葛城さんに電話したところ、インタビュー後、自然消滅するように別れたという。
また、彼女の家に遊びに行った際、呪術の道具がありそれについて聞いてみると、「タルパ」という人工未知霊体を呼び出すものだという。
後に調べたところ、チベット密教の秘奥義で、無からもう1人の自分(イマジナリーフレンド)または霊体を作り出す方法だとか・・・嫌な予感がしてきた。

 

ちなみに、花村さんに「不気味の谷」のインタビュー映像を見せたところ、松岡さんが右手にコーヒーカップを持っていたが、花村さんが知る限りは左利きのはずだという。
松岡さんは、どこかのタイミングで「タルパ」と「実体」が入れ替わってしまったのだろうか・・・飲み物ぐらい逆の手で持ったりしないか?

 

 

 

<ホラールーム>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
サークル仲間の誕生日祝いに、サプライズとしてレンタルルームでホラードッキリをするという話になり、その様子を撮影した映像。
ちなみに、そのサークル仲間である杉本さんは大のホラー好きでXXXシリーズのファンでもあり、このインタビューにも出たがっていたとか。
それはともかく、投稿者の岩下さんは隠しカメラを持って杉本さんらと同行し、友人の望月さんはレンタルルームに先回りしビデオ撮影していたという。
段取りとしては、レンタルルームに入った杉本さんらの背後から、クマのぬいぐるみを投げつける。
このぬいぐるみは音を拾って反復する機能を持っており、それでビビらせ、最後に望月さんが白装束姿で飛び出す予定だったようだ。

 

クマのぬいぐるみを投げつけ、予想通り怖がっていると、ぬいぐるみが奇妙なことをしゃべりだす。
 杉本さん「いや、だってさ、これ録音したやつでしょ」
ぬいぐるみ「いや、だってさ、これ録音した声じゃないから
 岩下さん「しゃべったやつに反応するはずなんだけど」
ぬいぐるみ「お前ら、ここから出ていけ
場が凍ったところで、追い打ちをかけるように椅子が倒れ、望月さんを呼ぶが反応はない。
すると、外から笑い声が聞こえ、ドアを閉められたため、岩下さんがキレて追いかけるが逃げられてしまう。
後はいつものパニックとヒステリーを起こし、望月さんを置いて靴も履かずに逃げたところで終了。
その後、望月さんの様子を見に行ったところ気絶していたようだ。

 

今度は望月さん視点の映像。
ぬいぐるみを投げつけ、飛び出す予定が金縛りによって動けなくなり、同時にノイズが発生する。
3人がレンタルルームを脱出後、階段を下りる音が聞こえ始め、1人取り残された望月さんは満足に声も出せずうめく。
最後は真っ黒な顔が覗き込んできて、それを見て転倒し、そのまま気絶してしまった。

 

これみたいな、真っ黒で目だけ白いのって流行ってるの?
顔部分は立体感無くて、輪郭がぼけてるのもありがちで、オチが弱かったかなというのが正直なところ。
また、いつも通りインタビューが続くが、どうでもいいことしかしゃべらないのでカット。

 

 

 

<落下する友人>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
先生(友人)と宅飲みしていると、UFOの様なものが見えたので撮影した映像。
だが既に消えてしまい、適当に先生をいじりながら撮っていると、再び発光体が現れる。
すると先生がうめき声をあげ、そちらにカメラを向けると、枝分かれしたような無数の手が先生のもとに近づき、一瞬ブレた隙に先生ごと消える。

 

これ、モザイクかかっているけど先生ア○ってない?
手については造形的に斬新だけど、別に怖いものではない。

 

状況を理解できていない投稿者が部屋中を見渡すがどこにもおらず、靴も無くなっている。
そこで電話をかけたところ、先生は電話に出たが、一日中家にいたはずだという。
その次の日、先生は公園で遺体となって発見され、数十mの高さから落ちたような外傷を負っていたようだ。

 

 

 

<ラブホテルの鏡>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
カップルが千葉旅行に行き、偶然見つけた廃墟を撮影した映像。
すると、途中からノイズが発生し、謎の映像が割り込まれたという。
それは最後に見せるとして、その後ラブホテルに行ったところ、彼女(飯沼さん)が突然叫んだため見に行くと、浴室にある鏡が、割り込まれた映像に映る鏡にそっくりだったようだ。
飯沼さんに異変が起きているようで、ラブホテルに誘ったのは飯沼さんだが記憶にないし、物の配置が変わったり購入した覚えのないものもあるという。
そもそも、飯沼さんとの出会いは都内の歓楽街だったようで、ホテルの場所を決めていたかのように直行したようだが・・・

 

後日、XXXの事務所前の監視カメラが破壊されていた。
前後の映像を確認したところ、深夜に飯沼さんが事務所を訪れていたのでその映像。
エレベーターが開くと、飯沼さんがうつむいたまま事務所前まで歩き、最初はドアに頭を当て、手でバンバンし始める。
うめき声を上げながら、ドアをバンバンしたり開けようとしていると突然止め、ゆっくりとカメラの方を睨む。
すると、カメラのレンズがひび割れ、飯沼さんは帰っていった。
飯沼さんはこの時の記憶がなく、その後精神に異常をきたし入院したという。

 

ようやく肝心の映像。
いつもながら警告付きで、特に女性は注意とのこと。
廃墟を探索しているとノイズが発生し、浴室と思われる場所で丸鏡を撮ったような映像が割り込まれる。
その丸鏡に、女が3人(コピペみたいに所狭しと)映り込み、消えたり赤くなったり「バラバラ(XXX2)」のラストみたいな顔になったりする。
また、奇声がドンドン甲高くなっている。

 

顔については、何でコピペ?という笑いや、取ってつけたような木みたいな顔が余計なのでどうでもいい。
明らかに奇声の方が怖く、かなり不快なレベルまで甲高くなるのは高評価。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★☆☆☆
相変わらず関連性のあるエピソードが多く、「不気味の谷」と「遺失物」は過去作だったら2本立てになっていた。
個人的に、前作で1番好きだった「家族の食卓」の関連エピソードが登場し、怖かったものの「関連付ける意味ある?」という印象の方が強かったのが残念。
「ラブホテルの鏡」のラストでアレっぽい顔になるのも余計としか思えなかった。

 

投稿映像については「ホラーハウス」以外シンプルなエピソードが多く、(恐怖度は低いけど)変に凝りすぎて恐怖性を薄めてしまっていた過去作よりも良かった印象。
ただ、本シリーズのラストの警告物がいつも通り過ぎて、「クニコ」の衝撃を超えることはもう無いんじゃないかという不安が残る。
1番の問題はワンパターン感にあると思うので、そろそろ違ったパターンの警告物が欲しいところ。