呪われた心霊動画XXX2レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
スタッフや検証を排除した投稿映像系ホラー作品。
そういう隠しコンセプトなので仕方ないが、ネタ被り多め。

 

 

 

<傀儡>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
YouTube用に男2人がスケボーの撮影をしている映像。
その途中に男とぶつかってしまうが、男は無言のまま挙動不審な様子で立ち去っていく。
その時の映像を見返してみると、左腕から束ねた木の枝が伸びているように見える。

 

その後も撮影をしていると、同じ男が道路を歩いていることに気付き、好奇心から追跡することに。
すると、アパート2階の通路をしばらくうろうろし、ようやく入っていった。
よせばいいのに部屋の前に行き、ドアが開いていたので侵入を試みる2人。
中は予想通り散乱しており、男が畳の上で仰向けになっている。
起こそうとするが反応はなく、お面の様なものを被っていたのでめくると、木でできた人形のように見える。
それにビビって逃げようとした際、すりガラス越しにいくつもの顔が浮かび上がっているというもの。

 

後日あの部屋に行くと空き部屋になっており、隣人によると住民が亡くなったという。
あの男は呪術的なもので動かされた人形だったのだろうか。
そして、映像に映るいくつもの顔は何なのだろうか・・・

 

今後のXXXによく登場する呪術系エピソード。
リアクションに反して事象が弱いかな。

 

 

 

<タイジ>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★
定年退官する教授に向けて撮影された、ビデオメッセージの映像。
その中に、撮った覚えのない人の映像が記録されていたという。
その映像だけ16:9ではなく4:3だし、服装も一昔前のように見える。
この映像を教授に見せたところ、顔色を変えて怒り出したようだ。
どうやら15年ほど前に在籍していた学生で、教授と揉めた末に退学しているという。

 

肝心の映像は、問題の女性が言葉を詰まらせながら、捻り出すように教授への感謝の言葉を述べている。
だが、途中から教授に強○されたと思われる告白をし、「穢らわしいですよね」「先生・・・私のこと、絶対忘れないでくださいね」と自殺をほのめかす。
その直後に「モ ゲ タ」という声が聞こえ、不可解な光に包まれた女性の首が千切れたように歪んでいる。

 

インタビューは続き、この映像の冒頭に撮影者の声が聞こえるが、それが投稿者本人の声だった。
どこかシンパシーを感じているようで、「教授に嫌なことをされた」と言い口を閉ざしてしまった。
ここで改めて投稿映像を見ると、不可解な光に紛れ胎児が映っている。
投稿者が最後に「死ねばいいのに」と呟き、エピソードは幕を閉じる。

 

不気味さはなかなかのもので、筆者が超苦手な「登山家のビデオ」という怖い話を彷彿とさせる(思い出しただけで鳥肌立った)。
ただ、XXXシリーズの悪いクセである「含みを持たせすぎ」感が強く、投稿者のくだりや胎児は余計かな。
それがなければオール+1ぐらい評価上がってた。

 

 

 

<近づく声、遠のく声>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:シ⤴ネ⤵
友人らと有名ではない心霊スポットのトンネルに行き、肝試しした映像。
その1人の遊佐さんが、何かを見つけたように後ずさって転び、投稿者らを置いて逃げ出してしまった。
しばらくすると戻ってきて、何があったのか聞くと、走ってくる音が聞こえて怖くなったという。
その音は確認できなかったが、「聞こえた?」という女の声が記録されていた。

 

遊佐さんの手には古い型のiPod(音楽再生プレーヤー)があり、逃げた先で拾ったという。
車に戻り、iPodをカーステレオで再生してみると、聞くに堪えない叫ぶような爆音が収録されている。
気味が悪いため再生を止めるが、電源が切れているのに鳴り続け、運転席にいる遊佐さんにカメラを向けると、前を向いたまま音声とシンクロするように口を動かしている!
さらに、リアガラス越しに女が覗き込んでいる!!
パニックになる中、ようやく音が止むのだが、ダメ押しと言わんばかりに女が車をすり抜け突っ込んでくる!!!

 

その後、全員気絶していたようで、逃げるように帰ったという。
遊佐さんはiPodを持ち帰っており、音声を繰り返し聞いていて、聞くたびに女の声が小さくなったとか。
iPodを受け取り確認してみたが、音量は変化していなかった。
後日、遊佐さんが突発性難聴になってしまったようだ。

 

最後に、問題の音声が再生される。
長時間繰り返し聞くと霊障が起きるかもとのこと。
やっぱり聞くに堪えない叫ぶような爆音で、5%ぐらいしか聞き取れなかった。
最後に「まだ聞こえてんだろ?」と言っているが意味不明。

 

感想としては、遊佐さんのシンクロからパニックになるまではかなり良かった。
ラストは・・・ふざけんな!!!フ○ック!!!シ⤴ネ⤵!!!(ほん呪13以来2回目)
「姿見(劇場版怪談新耳袋)」のパクリか?
あと、難聴の原因が明らかに爆音の聴き過ぎなのに、それを霊障っぽくするというシュールギャグを狙っている感じで、XXXシリーズの悪いクセを象徴している。

 

 

 

<親近感>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
ラブホテルに廃墟探索している映像。
投稿者は廃墟趣味があり、いつきさんという人物とTwitter上で知り合い、センス良いと親近感を沸かせていたという。
ある日、いつきさんからお会いして嬉しかったというDMが届くが、その廃墟にいつきさんとは行っていない。
また、いつきさんアカウントがいつの間にか削除されていた。
その時居たのが投稿映像の撮影場所で、動画の他に撮っていた写真には発光体がいくつも写っている。
どうやら、ここに行く直前にいつきさんに知り合ったようで、再度廃墟に行った際は取り壊されていた。
近隣住民によると、取り壊されたのはDMをもらった日だという。
いつきさんは廃墟に住み着いていた霊だったのだろうか・・・
ところで、時々投稿者の薄毛をアップするのは狙ってるな。

 

肝心の映像は、友人と廃墟を探索していると、ベッドがある一室にランドセルを背負った少年がいる。
何でこんなとこに住み着いちゃったの君?
そもそも合成ブレ丸出しなのでクオリティーは低い。
この後インタビューに戻るけど、いつものキモいノリが余計。
モテないからって女の子の幽霊を所望すんな薄らハゲ。

 

インタビューの約4ヶ月後、差出人不明のSDカードが送られていた。
内容からして、差出人は薄らハゲと思われる。
廃墟で撮った写真(持ち込まれなかったもの)をビデオで8時間撮り続けたもので、その終盤に薄らハゲと子どもが遊んでいるような声が聞こえ、写真に横目で写る子どもがこちらを向くところで容量が一杯になり終了。
子どもの顔は、写っていなかった右半分が歪んでいるように見える。
現在、薄らハゲとは連絡が取れなくなってしまった・・・勝手に仲良くしてろ。

 

 

 

<次はお前だ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
女子高生が友人(佐々木さん)とキラキラ(笑)ショート動画を撮っている映像。
最後の映像で、電柱の影から半透明のハゲが恨めしそうに睨んでいる。
だが女子高生基準でもショボく、夜に再訪問したようだ。

 

それが2本目の映像。
問題の電柱を発見すると、そこに枯れた花が添えられている。
すると映像にノイズが走り始め、佐々木さんのスマホが勝手に動き出し動揺している。
直後にモヤのような人影が見え、上に向けると白目向いたハゲがこちらを睨んでいた。
ハゲのせいで怖くない。
ってかなんで顔だけ色濃いんだこのハゲ?

 

これ以来佐々木さんは不登校になり、リスカや飛び降り未遂などを繰り返し、現在入院しているという。
あの時、佐々木さんのスマホに異変が起きていたようなのでアカウントを調べたところ、同時刻に奇妙な動画がアップされていたようだった。

 

という訳で3本目の映像。
佐々木さんがカメラ目線で「お前だ、次はお前だ」と言っている映像がループされている。
2000年代初頭のガラケー画質に白黒なのが特徴だが、「タイジ」の下位互換。

 

 

 

<バラバラ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
投稿者の友人の小野寺さんが中国旅行に行き、露店で買った海賊版DVDの映像。
エンドロールの最中に、4種類の映像が数秒おきに切り替わっている。
この脈絡のない映像は、約2分30秒に渡り収録されていた。
てんかんを誘発しそうなのと、サブリミナルっぽいのがあって目に悪い。
ほんとこのタイプ好きだなTeam XXX。

 

その後、小野寺さんは飛び込み自殺をしてしまったようだ。
そういうことをする人間ではなかったので両親が部屋を調べたところ、部屋の中が荒れており、精神状態に異常があったと思われる。
また、付けっぱなしのパソコンに4本の動画が開かれており、その内容は上記のバラバラな動画を編集し、順番通りに繋ぎ直したものだった。
また、部屋の隅に「傀儡」を彷彿させる木の人形があったようだが、それはどうでもいい。

 

問題の映像は定番の警告付き。
特に4本目が危険だとか。
また、映像中に聞こえる音声はタイ語朝鮮語などが混在しているという。

 

1本目は、アジアの屋台街を撮影したようなもので、筆者は何も見つけられなかった。
2本目は、てんかんを誘発させるノイズ系。マジでやめてくれ。
3本目は、男がコンクリート塀に閉じ込められており?黒い人影に怯えまくっている。
幽霊さんが瞬間移動を繰り返してて草。
4本目は、ノイズだらけの黒背景に女がユラユラしており、顔につけたリアルマスクを剥ぐと、昆虫のように巨大な白目が現れるというもの。
多分木製ということだろうけど、不明瞭だし「だから?」程度なのでどうでもいい。
本作だけで似たようなの何回もしたところで、ただ飽きるだけ。
ってか全部足しても2分30秒ないけど残りは?

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
投稿映像単体で見ると高クオリティーなのが揃っているが、色々とネタ被りが多く飽きを感じた。
特に大トリである「バラバラ」に関しては、似たようなのを直前にやったり、もっと不気味な「タイジ」があるため、相対的に弱くなってしまったのが痛い。
インタビューに関しては、前回までの(寒い)テロップ芸はなかったが、相変わらずキモい投稿者やシュールギャグと思われる描写があった。
正直、ギャグはリアクションがあって初めて成立することが多いので、スタッフを排除している本シリーズとは相性が悪く、ほぼ全部寒いからやめてほしいところ。

 

前作の時点で他のエピソードとの関連性を匂わせるものがあったが、今回はその傾向がより強くなった。
特に木の人形に関しては、前作「目的地 クニコ、再び」とも関連性があると思われる。
前にも書いたけど、筆者は考察は好きだけど伏線は好きじゃないため、どうでもいいと判断したら分かっていてもスルーしていく。