呪われた心霊動画XXX5レビュー

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆
時空の歪みが隠しコンセプトと思われるパート。
個人的にXXXシリーズの嫌いなところが詰め合わされている。

 

 

 

<その声の結末>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:ゴミ
カップルが家で飲んでいると、隣の部屋から男女が喧嘩する声が聞こえたため撮影した映像。
彼女が壁に寄って聞き耳立てていると、少しづつシャレにならない感じになり、こちらに壁ドンをし始める。
すっかり冷えたところで、不自然に開いている押し入れのドアの奥から女が覗き込んでいて、投稿者は彼女を置いて逃げ、あろうことか閉じ込めるのであった。

 

女に関しては、位置的に実際いてもおかしくない。
閉じ込めちゃうのは、「呪いの女(ほん呪13)」が傑作すぎるから弱いかな。
ちなみに、彼女はもう1人の女の声が聞こえたと言っているようだが、投稿者には聞こえておらず、記録もされていなかった。

 

その後、彼女がすぐヒステリーや暴力を起こすようになり、骨にヒビ入れられたりもしたため、DV告発のために隠しカメラを仕掛けたという。
という訳でその映像。
1時間ほど何気ない会話をしているのだが、彼女が床に落ちていた髪の毛を見つけ、浮気を疑いキレだす。
また、その辺りからノイズ音が混じり始め、割れまくった女の声が記録される。
すると、キッチンから包丁を取り出し「殺してやるよ」と言い襲いかかってきた!
投稿者が彼女の手を必死に掴んでいると、この光景が聞き耳立ててた時と同じ状況だということに気付く。
そして、無意識に「ナムアミダ・・・ナムアミダブツ」と念じると、彼女は発狂して逃げていき、投稿者は緊張の糸が切れその場に座り込んだ。
後に検証したところ、やはり聞き耳立てたときと同じ内容だったが、あちらは最悪の結末を迎えたような感じだったのに対し、今回は難を逃れることができた。
無意識のうちに唱えた南無阿弥陀仏が未来を変えたのだろうか・・・

 

何このコント?なめてるのか?
あまり演技とか劇団とか言いたくないけどこれはひどい
第一、南無阿弥陀仏の意味どころか漢字も知らないだろうに、そんなのが通用するとかないわ。
筆者が昔読んだホラー本だと、幽霊に追い詰められた男が南無阿弥陀仏を唱えたけど「そんなの効くと思ったか」と襲われたのにな。情けない話だ。

 

 

 

<煙草の臭い>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:ゴミ
始まって3秒で、本シリーズが悪い意味で好きなキモ男が投稿者だと分かって萎える。
キモ男が倒産により職を失い、パチンコで借金を背負い闇金に手を出したことで恫喝の電話がかかってくるようになり、証拠として撮影した映像。
電話の男は運転しながら電話している様子。
そして、キレて取り立てに行ってやると言った瞬間に交通事故のような音が聞こえ、「行くからな」という声を最後に電話が切れる。
すると、キモ男が背中を蹴られて転倒し、電話の男?がすりガラス越しに現れたり、キモ男の肩越しに現れるというもの。

 

電話の男が死んで、幽霊になってすぐに来たって事だろうけど、何で1回目はリアル調なのに2回目は輪郭のぼけたモノクロになるのか分からん。
菊池演出期が低調だった頃の2段オチよりダメとしか言いようがない。

 

後はいつも通りキモ男のインタビューが続き、スタッフに対して図々しく雇ってくれない?と言い、「丁重にお断りした」という寒いテロップ芸で終了・・・ゴミ。

 

 

 

<付着物>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
女子大生2人でドライブに行き、地元の心霊スポットに行った映像。
そこは展望台で飛び降り自殺があったという、ありがちな心霊スポットのようだ。
ちなみに、友人はホラー好きで、やっぱりXXXのファンだとさ・・・コワすぎのノリなんよそれ。
映像に変なのが映っていたが、撮影時は気付かず異変も感じなかったという。
強いて言えば、投稿者が帰る途中に何もないところでコケたようだが・・・

 

その後、2枚の写真が送られてきた。
1枚目はインタビューの1ヶ月後に撮影したもので、左足首辺りに腫れや化膿ができており、2枚目はその2週間後撮影したもので、よりひどくなっている・・・特殊メイク感強いけど。
そして、投稿者と友人と連絡が取れなくなってしまった。

 

肝心の映像は警告付き。
投稿者はビデオ撮影し、友人は写真を撮りながら展望台に辿り着く。
撮影を終えて帰ろうとした辺りから、画面左下に黒っぽいモヤが映り始め、うっすらと変な声が聞こえる。
そしてコケるのだが、立ち上がると同時にモヤにピントが合い、迷彩メイクしたような顔でこちらを覗き込み、去っていった。

 

これもダメ。
レンズに貼り付いているレベルなのに全体にピント合ってるので、明らかに合成。
ってか合成じゃなかったとしたら、顔の大きさ1cmもないだろこいつ。
ノリはともかく投稿映像のクオリティーは高かったはずの本シリーズが、こんなに駄作を連発するとは・・・

 

 

 

<夜の騒ぎ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★
自宅から見える距離に救急車やパトカーが駆けつけていたため撮影した映像。
XXX4に入れようと思ったが、諸事情で本作に収録されたのもで、インタビュー中に出てくる高尾山の話にXXX3の「家族の食卓」との関連性がありそうだという・・・単独エピソードであってほしかったのに、どんどん関連性が出てくるなこれ。
家から出なかったし、次の日の新聞に載らなかったためよく分からないでいたが、妻がご近所ネットワークで聞いたところ、硫化水素による一家心中だったようだ。
投稿者は前日に会っており、家族で高尾山に行って楽しかったと言っていたため、一家心中する感じではなかったようだ。

 

ここで投稿映像。
最初は2階で撮っていたが、より近づくために1階に移動する。
救急車を撮っていると、赤い回転灯に照らされて黒い女性の人影が現れ、少しずつこちらに近づく。
投稿者は気付いておらず、最後はズームと合わさってドアップになるというもの。

 

今作の中では一番いい。
確かに「家族の食卓」の女性に見えなくもないが、これだけで終了だから関連付けるのは明らかに無駄。
せめて映像とか見せて、父親が似てるか確認してくれ。

 

 

 

<アルプス一万ジャック>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
カップルが上信越方面の温泉地に行こうとするが道を間違えて林道に入り、当てもなくさまよっている映像。
携帯電話の電波も入らず、Uターンできる場所を見つけても進み続けていると、ルーフに何かが落ちたような衝撃音が鳴り、車を出て確認する。
すると、進行方向からアルプス一万尺を謡う女性の声が聞こえ始め、少しずつ近づく。
しばらくボーっとして、ふと後ろを向くと彼女がいなくなっており、周囲を見渡すが姿は見えない。
この時、彼女は女に手を引かれて歩かされていたようだ。

 

仕方ないので探しに行くと、ちょっと進んだ道路脇で彼女が正座をしている。
声をかけるが反応はなく、顔を振り向かせると灰色でのっぺらぼうのようになっており、彼氏はビビッて逃げる。
すると、彼女は助手席にもたれかかるように倒れており、上着はズタズタにされ血のようなものが付着していた。

 

このタイプは「ベティの誕生日」で鍛えられているからそれほど怖くなかった。
このエピソードで好きなところは、倒れている彼女(本物)の顔を確認する際にビビりまくっているところ。
ちなみに、逃げる途中で一瞬、崖からやたらデコの広い顔が覗き込んでいる。
次のエピソードのラストのやつと同一人物と思われる。

 

その後は逃げるようにしてUターンしたという。
彼女の服はボロボロだったが本人に傷はなかったようだ。
旅館について事情を説明すると、十二様という山の神様がいて、毎月12日は山に踏み入ってはいけないとされているという。
また、一説には女の神様で、醜い顔をしているとか。
でも、その日は12日ではなく、アルプス一万尺との関連性もよく分からなかった。

 

 

 

<鬼国>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
「アルプス一万ジャック」と関係ありそうなエピソード。
投稿者の義弟から送られた映像で、義弟は山登りが趣味だという。
日付を見るに、山登り中に撮影したと思われるが、勝手に撮影されたのか大部分は真っ暗だったようだ。

 

という訳でその映像。
ポケットの中で撮影されたような映像で、時々光が差すぐらいでロクなものが映っていないが、白目を剥いた女の顔と山並みのような風景が重なる。
割り込み系かと思いきや、半透明で差し込まれるというある意味レアな映像。それだけだが。
義弟はこの顔に見覚えがあるようだが・・・

 

その後、義弟が「あの顔、やっと思い出した。ちょっと行ってきます。」というメールを最後に行方不明になったという。
そして、年明けにやたら黄ばんだ手紙とVHSテープが送られてきた。
手紙の内容は急な引っ越しをし、こっちで楽しくやってるから遊びに来てという内容だった。
切手は1994年発行のもので、住所はでたらめだったため、義弟は行方不明のままである。
ちなみに、義弟が昇った山は「アルプス一万ジャック」の林道近くのようだが・・・

 

という訳で、肝心の映像は警告付き。
いつも通り劣化が激しく、派手に位置ズレしたり色味が劣化している。
木々を映した後、神社のしめ縄っぽいカットが入った辺りから、左耳側にだけアルプス一万尺を謡う女性の声が聞こえ始める。
その後はしばらく「狂死のビデオテープ(ほん呪39)」みたいな感じで何者かが画用紙に絵を描いている。
ちなみに、その内容は小学生レベルの画力で倒れている男を女が切り刻んでいるというもの。
最後にノイズが入り、それが収まると(ヘタな絵を描いていた)人物がこちらを覗き込んで終了。
その顔はSlipknotにいそうな感じだった。

 

ただでさえ「狂死のビデオテープ(ほん呪39)」の劣化なのに、相変わらずのワンパターン感なので怖くない。
そろそろ、本シリーズによくある劣化したVHSのピッていうあの音にイライラするようになってきた。
そもそも、義弟が過去に行ったのでは?っていうエピソード自体無駄としか思えず、最後の映像をVHSにしたかっただけじゃないかこれ?

 

 

 

<総評>
★★★☆☆☆☆☆☆☆
今回は時空の歪みが隠しコンセプトだと思われる。
そんなのどうでもいいレベルで、クソ演技、キモ男、雑コラ、無駄なエピソードの関連付け、ワンパターンな警告物など、筆者にとって本シリーズの嫌いなところが詰め合わされたような内容だった。
なんとなく、ほん呪でいうところの岩澤演出末期のような飽きを感じている。
このレビューは3回目ぐらいの視聴だけど、初視聴時でも本作辺りからXXXシリーズの悪いクセが目立ってきて、このシリーズは好きじゃないなと思うようになったことを覚えてる。