呪われた心霊動画XXX16レビュー

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆
クニコに始まりクニコで終わった無印最終章。
全編通して、色々と雑に感じる。

 

 

 

<恋人>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
サークル仲間と3人で、肝試しとして霊が出るという噂の公園のトイレに入った映像。
特に異変はないようだが、次の日に友人が昨日ナンパした女と付き合うことになったと言い出した。
どうやら、公園の前に別の心霊スポットに行った際、友人は霊と仲良くなり公園にも憑いて来ていたという。
公園の前に行った心霊スポットは山間の川で、河童が出るという噂があったとか。
山間の川でも撮影していたが、なぜかデータは消えていたという。
投稿映像を見直してみると、友人は誰かと話しているようなそぶりを何度かしていた。
何と言うか、少しずつ話が遡っていくから分かりにくいし書きにくい。
まだ事象ないのに凝り過ぎな感じ。

 

友人から、自分で撮影していた映像が送られてきた。
確かに誰かと話している様子だが、相手の声は収録されていない。
トイレから出て数分後、次どこ行くか話し合っている際に自分の方にカメラを向けると、隣に女がいる。

 

相変わらず最初から分割するせいで、小さくインパクトがない。
よく同期系やってて、その技術は買うけど、もっと大事なことがあると思う。

 

その後、友人は大学を休むようになったという。
ナンパした女の名を聞いたところ「及川くに子」と答えたようだが・・・それ要る?

 

 

 

<鏡>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
XXX15「ドイツ旅行」「出掛ける夫」に登場した杉本さんが、「出掛ける夫」で消失していた時刻に撮影した映像。
気が付くとどこかの山林にいて、なぜか撮影をしている。
また、スマホで撮影しているようだが、しょっちゅう通信量不足で低画質化した時みたいなノイズが発生している。

 

アテもなくさまよっていると古民家の廃墟を見つけ、気配を感じたのか侵入するが誰もいない。
今度は外に気配を感じたようで、怒鳴りながら外に出るがやはり誰もいない。
そのまま歩いていると転倒し、落ちていた鏡で右足首を怪我してしまう。
すると、鏡に何かを感じたようで、鏡越しに自分の顔を映すとぐちゃぐちゃになっており発狂する。
この映像を送ってきたのは、一緒にドイツ旅行に行った友人だった。

 

2度と見たくないレベルで画面酔いする。
撮影時刻なんてこっちは見れないから確かめようが無いし、ぐちゃぐちゃになった顔なんて特殊メイクでハイ完成だから、感想思いつかない。

 

 

 

<断末魔>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
杉本さんの友人に話を聞いたところ、夫婦共に失踪してしまったようだ。
自宅に行くと杉本さんのスマホが出てきたので中を見たところ、さっきの投稿映像と右足首の怪我が残っていた。
足首の怪我は不自然に盛り上がっており、形状も日ごとに変化している。
最後の2枚は怪我を切り開いたものと小さな半透明の固体を取り出したもので、友人はエイリアン・アダブクション(寄生物を埋め込むみたいなの)ではないかとのこと・・・どこに向かってるのこのシリーズ?

 

話は変わって、杉本さんから遺言ビデオの撮影をしてほしいと頼まれ、緊迫した感じだったため仕方なく撮ったという。
序盤の内容から察するに、ドイツ旅行から起きた霊障に対して身の危険を感じている様子。
元データの方に異常はなかったが、それをコピーしたDVDには奇妙なものが映っていた。

 

その映像は警告付き。
妻に遺言メッセージを送っているとなぜかアナログテープ系のノイズが走り、杉本さんが大口を開けながらパクパクしたり、胴体部分が消えて生首状態になったりする。
途中から断末魔みたいな声が聞こえたり、杉本さんの顔が妻になったりガイコツになったりするというもの。

 

パクパク生首はギャグだろ。雰囲気台無しだわ。
XXX2「タイジ」みたいなのを期待してたらMAD動画を見せられた気分。

 

 

 

<木片>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
後輩と2人で登山に行き、キャンプ場で泊まるつもりが予約ミスしたため、登山口横の河原でキャンプした映像。
焚き火を囲みながら予約ミスの反省とか恋バナとかをしていると、火が弱くなってきたので後輩が薪を探しに行く。
持ってきた薪の中には卒塔婆があり、投稿者が何も考えずに焚き火に放り込むと、叫び声と共に赤い顔が投稿者に体当たりし、気を失ったかのように倒れる。
先に目覚めた投稿者が後輩を起こすと、後輩は投稿者の顔が変なことになっているのに気付く。
直後に撮影した写真には、投稿者の顔や首に赤ちゃんみたいな黒い手形がいくつも付いていた。

 

さすがに予測できんわ。ビビったけど出オチが過ぎる。
オミさん演出期に丸パクりされたエピソード(もちろんこっちの方が先だし上)。

 

 

 

<石を積む>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
カップルで河原に行き撮影した映像で、彼氏は現在、精神を病んでいるという。
進入禁止の立て札があるが、ガバだったため無視して侵入することに。
向こう岸に何かの気配を感じてカメラを向けると、半透明の男女がいて消える。
それに気を取られているうちに彼氏がいなくなり、進みながら探すと彼氏が何かをしている。
周辺にはいくつもの石積みがあり、彼氏も彼女を無視して石積みに熱中している。
無視されていることに怒ると彼氏がうめきながら襲い掛かり、押し倒された際、こちらを見ている着物姿の男の子がいる。
数分後に戻ってみると、石積みは無くなっており、彼氏は気絶していた。

 

半透明の男女は杉本夫妻だな。
子どもはよく分からないけどいい笑顔している。
で、これが怖いか?全然。
ってか賽の河原の石積みについて、説明ですらないんだな。
最初のエピソードに無駄に時間かけ過ぎて、無理矢理カットした感じ。

 

 

 

<百物語>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
100番目にして無印のトリを務めるエピソード。
ついに、「クニコ」のニュース映像を見たことがあるという連絡があり、その女性に話を聞くことに。
ちなみに、インタビューは1年以上前に行っていたが、直後から連絡が取れなくなっていた。

 

女性によると、高校時代にいじめを苦に自殺を図り、母親によって命は助かったが、今いる世界に違和感を感じるようになっていたという。
そして、自殺未遂をしたときにクニコの映像を見た記憶があり、当時の映像を片っ端から調べたところ、実家に自殺未遂する直前に撮影した8ミリビデオが見つかり、それを投稿したようだ。
インタビューは続き、自殺未遂をしてからの違和感は、自分が本当は別の世界の人間で、クニコの映像も別の世界のものだったのではないかとのこと。

 

その後、投稿者について調べてみると20年以上前に自殺していた。
そして、投稿映像は投稿者の最期の姿を映したものだった。

 

肝心の映像はもちろん警告付き。
薄汚れた鏡に若いころの投稿者が映っており、幼児退行したみたいに意味不明なことを言っている。
また、背後からクニコのニュース映像が聞こえる。
すると、いきなり後頭部からショットガンで撃たれたか爆発に巻き込まれたかのような衝撃と血飛沫が舞い、投稿者は即死する。
その後も映像は続き、ノイズに紛れて真顔のクニコが現れたり、真っ黒な画面に投稿者っぽい顔が浮かび上がったり、解析不能な子どもっぽい声が聞こえて終了。

 

最後の2コマぐらいだけサブリミナル映像が割り込まれている。
再生ボタンを連打してピンポイントで止めたところ、公園で遊ぶ家族4人と思われる写真で、霊が映っている感じではなさそう。
女の子がくに子さんかは不明。

 

にしても、「クニコ」をトリにするのは本シリーズらしく妥当だと思うけど、えらく雑に処理された感ある。
そもそも、投稿者の平行世界説とか何言ってんの?感あるし、この映像は自分の自殺する瞬間を持ってきたってことなの?ってかどうやって死んだ?自殺というかテロに遭った感じだが?
結局、中盤ぐらいから増えたグロに最後まで頼り続け、待ちに待ったクニコもいつもの手法でとりあえず出しただけって感じで、最後まで「死画像」のインパクトは越えられなかった印象。

 

 

 

<総評>
★★★★☆☆☆☆☆☆
無印シリーズ最後の作品で、前作に登場した杉本夫妻とシリーズの顔であるクニコ関連のエピソードで埋め尽くされている。
杉本夫妻関連のエピソードについては、投稿映像はともかく考察の捗る内容だったとは思う。
ただ、最初のエピソードに時間をかけ過ぎて、最も考察が必要な「石を積む」があっさり終わってしまったのが惜しい。
あの石積みについて調べたところ、親に先立った子供が賽の河原で石積みすることで親の幸運を祈ろうとするが、何度やっても鬼に崩されるという苦しみを味わうものだという。
そのため、あの子どもは先立った子だと思われるが、杉本夫妻は子どもがいなかったようなので親が何者かは謎となっている。
他シリーズだったら現地調査してただろうし、本シリーズでも尺があれば投稿者が都合よく調べてくれただろうにもったいない。

 

クニコはもっと良くない。
XXX1「目的地 クニコ、再び」の時点で無理矢理な関連付けが見られたが、「恋人」ではただ名を挙げただけだったし、「百物語」は端から見ればただの電波女の戯言で、投稿映像もクニコを取って付けただけって感じであり必要性を感じなかった。
本シリーズはやたら伏線とか関連付けをしているけど、それで満足しちゃって「だから何?」ってなっちゃうことが多すぎる。

 

投稿映像については、出オチの「木片」だけはびっくりしたけど、他は既視感が強すぎてあまり恐怖を感じなかった。
特に「断末魔」や「百物語」は、過去作と比べて恐怖を履き違えている感じがして、悪いクセがありつつも怖かった初期の頃のような映像はもう出てこないのではと危惧している。
次回からXXX_NEOに名を変えるけど、どうなっていくのだろうか・・・