呪いの心霊映像8レビュー

評価:★★★★★☆☆☆☆☆
ほん呪の菊池演出補が監督になったシリーズ最終作。
今回もおとなしめだが、ラストは菊池演出感満載。

 

 

 

<植物園>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
20年前に親戚夫婦が東南アジア旅行に行き、植物園で撮影した映像。
ガイドが大木を説明している際、その大木に3人の顔が見える。
特に曰くはないようだが、この国では戦時中、数万人の死者が出たとか。

 

それほど人間の顔って感じではない。
よくあるトレント(木に顔があるオバケ全般)の顔が小さい版って感じ。

 

 

 

<徘徊>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
関東近郊の廃集落に行き、そこで拾ったミニDVテープの映像。
廃集落の外れにある廃屋の、お札が置かれたテーブルにあったという。
この映像を見た翌日から、3日ほど原因不明の高熱に悩まされたとか。

 

スタッフが廃墟に行ってみることに。
車で通れる道でないため徒歩で進むことに。
確かに、廃墟の外れでお札の置かれたローテーブルがあった。
でもそれだけのため、周辺住民に聞き込みしてみると、地元で有名な心霊スポットのようだ。
女の霊が出て、追いつかれると包丁で切り刻まれるという噂があるようで、大学生が包丁を持った女に追いかけられたという噂があるとか。

 

いつもならここで肝心の映像だが、土地の所有者を調べ、集落に住んでいた人と会うことができた。
よくあるダム建設や林業の衰退などにより廃村になったようで、女性の霊については聞いたことないという。
似た話として、集落の外れに占いや降霊を生業にしている女性がいて、降霊に失敗したのか発狂して気絶、夜に目を覚ますと娘を包丁で殺して森に逃げたが殺されたという噂があるようだ。
村の恥になるようなものは警察に届けないという村の風潮により、真偽を確かめることは出来なかった。

 

肝心の映像は、何者かが夜に森や廃墟を徘徊している映像となっている。
やたら周囲を気にしながら徘徊をしていると、何かを見てしまったのかカメラを落とす。
すると、目の周りが真っ黒の女が顔を覗かせ、映像が途切れた。

 

リアクションもなくカメラを落とし、その後ほとんど何も聞こえないため、撮影者に何があったのかよく分からない。
もうちょっと緊張感と臨場感がほしいところ。

 

 

 

<海水浴>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
投稿者が幼いころに、親戚家族と海水浴に行った際の映像。
帰り際に車の横で着替えていると、1~2才の男の子の隣にいる女性の首から上が無くなっている。
この女性はこの数年後、交通事故で亡くなったようだ。

 

男の子のモザイク無し○○○が見える件。
よくこれを投稿しようと思ったな。

 

 

 

<闇の中>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
カップルが関東近郊の温泉地に旅行し、その帰りに撮影した映像。
山道でシカを見つけたので撮影し、探しているとエンストしたという。
ボンネットをチェックし、戻った時にはエンジンがかかったためそのまま帰ったようだ。
その帰りに、ハンドルが動かなくなってガードレールに接触してしまったとか。

 

肝心の映像は、シカを探しているとエンジンの回転数が急に高くなり、そのままエンストする。
録画したままなことを忘れてダッシュボードにカメラを置き、ボンネットの中を確認し閉じた直後、彼氏の背後に血だらけの男の顔がある。
30年前に、この近辺で男性が轢き逃げに遭い亡くなっているとか。

 

ノイズは自然だけど、全く動いていないのが気になる。
とはいえ王道で悪くはない。

 

 

 

<電話ボックス>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
公園に入り口に設置された監視カメラの映像。
外面左上にある電話ボックスの明かりが点滅を始める。
するとドアが開き、女が中に入ったかと思ったら消え、ドアが閉まる。
数年前にホームレスの女性がここで凍死していたとか。
いかにも菊池監督って感じのエピソード。

 

 

 

<タイ旅行>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
投稿者の彼氏が友人とタイ旅行に行き、そこで撮影した映像。
彼氏は帰国後、頭痛に悩まされるようになり、病院を転々としても原因は分からなかったという。
それによるストレスで、無口かつイライラするようになり、会社も辞めてしまったようだ。
友人によると、撮影前に交通事故を目撃し、彼氏は轢かれた人と目が合ったと言っていたという。

 

肝心の映像は、ホテルに着き、エアコン有りの部屋か無しの部屋かを決めるために見て回る。
すると、エアコンなしの部屋の鏡に、彼氏のに近づこうとする半透明な男が映り込んでいる。
彼氏は現在失踪中だという。

 

このシリーズらしい王道系。
悪くはないが、そろそろインパクトがほしい。

 

 

 

<投稿ムービー>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
アイドルグループのオーディション用に自室で撮影した映像。
この映像を撮影後、ドアが勝手に閉まったり、誰かの視線を感じるようになっているという。
取材の2週間後、投稿者が交通事故に遭い、頭や顔に大けがを負ったと連絡が来た。

 

肝心の映像は、特技である鳴き声のマネをした後、チャームポイント(臼歯?)を見せるためにカメラに近づく際、後ろに半透明な女性が立っている。
また、気配を感じたのか、直後に振り向いている。
投稿者はこの霊に心当たりがあるようで、交通事故で亡くなった友人に似ているという。
その子も同じくアイドルになりたかったようだ。

 

投稿者は17歳なんだけど、霊の方はもっと高く見える。
これまた王道と言った感じで、「悪くはない(誉め言葉)」エピソード。

 

 

 

肖像画
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
恒例のメイン。
友人(河村さん)の引っ越し祝いと誕生日祝いを兼ねて、男3:女1で宅飲みしている映像。
そこで幽霊を見てしまい、その日はお開きになったという。
また、翌日から河村さんの様子がおかしくなり、引きこもってしまっているという。
映像を見直すと肖像画にも異変があったようで、出処を調査することになった。

 

河村さんに肖像画を渡した生徒によると、大学の美術室がある棟が解体されることになり、卒業生が置いていった絵画を何枚か持ち帰ったものの1つだという。
特にその絵は大事にしまわれていたようで、価値があるかもよと言ったらほしいと言われあげたようだ。
また、河村さんに電話した際、河村さんは1人でいたのに女の声が聞こえることがあったという。

 

ここで肝心の映像。
肖像画は黒地に白い女が描かれている不気味なもので、それが何度か映る際、一瞬だけ苦痛に歪んでいるように見える。
ブレが激しく、スローで見ないとまず分からないが、比較用に並べてみるとけっこう不気味。
ってかこんなの価値があると思うなよ。

 

河村さんの部屋に行ってみたが、いる様子はなかった。
念のため張り込みをしたところ、カーテンが動くのを確認できたが、居留守なのか反応はなかった。

 

一方、肖像画のことを知る女性に合うことができた。
10年ほど前に同級生が書いた自画像のようで、その数日後に自殺したという。
原因はいじめの可能性が高いようで、絵については遺族が受け取りを拒否し、捨てるのも縁起悪いので倉庫にしまったようだ。
それ以来、女の霊が出るという噂が立つようになったとか。

 

ここで投稿映像の続き。
バースデーケーキを用意し、照明を落として祝いの言葉を送り、河村さんがロウソクの火を消す。
その直後、河村さんの背後から倒れ込むような女の顔があり、投稿者だけがこれに気付いてビビる。
事象はありがちなゾンビ顔で、ほん呪の菊池演出期によくある感じのやつ。
とはいえ前作、今作ではなかったタイプであり、菊池監督にしてはおとなしい映像ばかりだったのでインパクトがある。

 

 

 

最後に投稿映像募集で締めているけど、残念ながら本シリーズはこれで打ち切り。
ほん呪懐古枠としてもうちょっと続いてほしかった。

 

 

 

<総評>
★★★★★☆☆☆☆☆
呪いの心霊映像シリーズ最終作で、今回も演出補時代の菊池が監督している。
今回も意外とおとなしめだが、そのクオリティーは決して低くはなく、本シリーズらしい王道&懐古映像が揃っている。
★は低いけど、正直、パート56~60ぐらいまでの菊池演出期よりこっちの方が好みかも。