ほんとにあった!呪いのビデオ67レビュー

評価:★★★★★★★☆☆☆
恒例の3部作「禁忌」編の序章。
ハズレ多めだが、凶悪な投稿映像が登場する。

 

 

 

<ロッククライミング
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
彼女と近くの岩場に行き、命綱なしのロッククライミングをしている映像。
マジであぶねーぞ、ベア・グリルスじゃないんだからやめとけ。
1m少々登った辺りで人間と思われるものが落下し、それを皮切りに合計5人も落下する。
地面に横たわる5人を映した後、(なぜか急に)悲鳴を上げながら頂上を映し、再び地面に向けるといなくなっている。
この岩場では終戦直後に集団自殺があったとか。

 

インパクトはあるけどそれだけ。
撮影者が色々とひどくて、そもそも離れてズームしまくっているせいで見づらいわ、なぜか5人ともほぼ正面で捉えているわ、誰もいない頂上を映してからクソダサい悲鳴上げるわで、霊よりもそっちが気になった。
落下音に関してはやたら鈍い音だけど、これこそリアルなのかな?本物知らないから分からん。

 

 

 

<奇怪な過去>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★
パート52のエピソード「奇怪な未来」の続報で、リアルタイムでは約3年ぶり。
前回のあらすじはこんな感じ。

  • 投稿者柴崎さんが友人たちと湖で遊んでいる映像に、謎の映像が割り込まれた。
  • その映像は、柴崎さんが自宅マンションで首吊り自殺をする瞬間と思われるものだった。
  • 映像に載っている時刻は撮影日のほぼ4年後であり、柴崎さんの最期を予言したものなのだろうか・・・

予告日の1ヶ月前に連絡をもらう約束だったが来ることはなく、電話番号も変わっていて連絡がつかなくなっていた。
だが1週間前になって、いとこから柴崎さんについて電話が来た。
聞くところによると、7月に入ってから失踪しているという。
そこで、スタッフといとこは柴崎さんのアパートに行ってみることに。

 

元は綺麗好きだったようだが、部屋の中は物が散乱している。
柴崎さんは投稿後、占い師に相談していたようで、占い師によると未来を予告して回避させようとした、いい霊の仕業と言われたとか。
だが投稿映像はさらに変化していたようで、血を流して倒れているものに変わっていた。
そして、今年の春あたりから様子がおかしくなり、仕事を辞め、誰とも連絡を取らなくなり、ひたすら何かを調べていたようだ。
部屋の中には、保育施設で起きた幼児が被害者となる事件・事故の記事を切り貼りされていたノートと、保育施設の監視カメラと思われるビデオテープが残されていた。

 

今度は柴崎さんの姉に話を聞くことに。
新聞記事の中に、柴崎さんが預けられていた託児所があったようで、過去に乳児の虐待と思われる死亡事故があり、それ以来閉鎖されたようだ。
柴崎さん本人も滑り台から落ちて大怪我をしたことがあり、「おばあちゃん」と呼ばれる人物が怖くて行きたくないと言っていたという。
だが託児所に年配の人はおらず、誰のことか分からなかったとか。
また、近所の人の家に食事をとらせてもらった際、おばあさんと名乗る赤の他人が柴崎さんを迎えに来たことがあったようだ。

 

柴崎さんが預けられていた託児所についてはロクな情報を得られなかったが、その近所では戦後の混乱期に、子供を殺してその肉をジビエと偽って家族に食べさせる猟奇事件があったようだ・・・関係なくね?

 

また、おばあさんと名乗る人物を見た近所の人に連絡してみたが、十数年前に病気で亡くなっており、夫も治療費とかによる借金のせいなのか失踪したという・・・だから関係なくね?

 

スタッフらの調査も虚しく、とうとう予告日が過ぎ、1日後に連絡がきた。
柴崎さんは雑居ビルの屋上から飛び降りて亡くなっていたらしく、その日付は予告日の1週間前だった。
で、今回の件について、相変わらずスタッフがファイナル・デスティネーションっぽく締めているが、だから映画見たことあんのか?
ってか、これまでの検証何の意味もなくね?変化したって映像も結局見つからなかったし。
こんなに書いて損したわ。

 

グダグダな取材はさておき、待ちに待った託児所の監視カメラの映像。
階段のカットとベビーベッドのあるメインルームのカットが、約8秒間隔で切り替わっている。
階段のカットでは、やたらフラフラした白い人影が階段をゆっくり上っている。
メインルームのカットでは、3人の子どもがまるで死んでいるかのように、ベッドや壁にもたれかかっている。
また、全編にわたって移動販売の音質をめちゃくちゃにしたような声が聞こえる。
白い人影が階段を登り切った後、メインルームの左のベッドにもたれかかっている子どもの背後から3〜4本の手が伸び、子どもを掴んだところで映像が途切れる。

 

死んでいるような子どもと書いたが、正直言うと人形に見える。ってか99%人形。
じゃあ怖くないかと言うと大違いで、むしろ人形に見えるからこそ不気味さと意味不明さが際立っている。
と言うのも、子どもが明らかに大きい。
託児所は乳児から幼児ぐらいまでが一般的だが、左の子と奥の子は目測140〜150cmあり、もたれかかっているベビーベッドに収まる大きさじゃない。
右の子も託児所に預けられるような大きさじゃないし、よく見ると背中ではなく胸からもたれかかっている。
さらに言うと毛量が妙に多いし、左の子はモザイク越しでも顔自体に違和感がある。それこそ、今回の3部作のアレのように。

 

不気味の谷現象をご存知だろうか?
簡単に説明すると、デフォルメやリアルなものは違和感を感じないが、中途半端にリアルだと違和感や生理的嫌悪感を感じるという現象で、2000年前後の映画やゲームでよく見られた。
この3人の子どもも、人形のように見えるからこそ不気味の谷に達していると思われる。
もし、筆者がこのシチュエーションで映像を作るとしたら、子役にやってもらうだろう。
ってか子役を使わない理由がない。
でもそうすることなく、あえて託児所という舞台にそぐわない大きさを人形を用意し、それも1人は胸からもたれかからせるという発想自体に、常人では辿り着けない狂気を感じる。

 

菊池演出がこの映像の「何」をメインにしているのかは分からない。
ウネウネしているアホも知れないし、某心中事件に酷似したメインルームの光景かも知れないし、終始聞こえる移動販売みたいな声かも知れないし、最後の手かも知れない。
だが、一見すると人形にしか見えない3人の子どもこそが、舞台にそぐわない不気味さと狂気を持つ本映像のMVPだと思う。

 

 

 

<合唱>
   恐怖度:★★★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★★
当時7歳の投稿者が、音楽教室の発表会で合唱している映像。
合唱が終わり一同が礼をすると、画面右上にモノクロな女の子が現れ、そのまま画面が暗転してリプレイになる。
この1年前に亡くなった子がいたとか。
「合唱」ってタイトルはパート26にもあったけど、あっちの方がレベル高いな。
悪くはないけど、ありきたりと言うか、過去作の焼き増しって感じでインパクトはない。

 

・・・と思ったら、最後だけ暗転後も少し映像が続き、砂嵐に紛れて叫んでいるような赤い顔が現れる!!!
しかもこいつ、目が完全にイっちゃってる!!!
こんなパターンは初めてだ。見事にしてやられた。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 扉>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
とある倉庫の入り口を映した監視カメラの映像。
投稿者によると、倉庫の扉が開けっぱなしになっていることが何度もあり、犯人探しのために設置したという。
業者が運搬を終え扉を閉めようとするが、何かを挟んだようにして閉めるこことができず、諦めて帰ってしまう。
その後、車が通りかかる際に、ライトに照らされて扉に挟まれている人物が映る。
何もそんなとこに現れなくても・・・この人はどんな罰でこんなことをさせられているんだろう。
ギャグと言いたいところだけど、どこか哀愁も感じる、考えさせられるエピソード。

 

ところで、何か近所で昔拷問があったみたいな曰くを語っているけど、そんな無理にこじつけなくていいと思う。
謎が残るぐらいが丁度いいのよ。

 

 

 

<人形焼>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
友人たちと、浜辺でたき火をしながら飲んでいる映像。
火が弱かったので燃えるものを探したところ、友人の1人がボロボロの服やぬいぐるみを見つけ、これを放り込むというバカ丸出しのことをしたという(これがタイトルの人形焼なの?)
この浜辺には女のホームレスがいたようで、1ヶ月ぐらい前にいなくなったようだ。
で、案の定このバカはおかしくなり、失踪してしまった。
さらに調査したところ、ホームレスの女は地元のヤンキーから暴行を受けていたという。
また、あのバカは昔、この浜辺を秘密基地にしていたようで、ホームレスの女を嫌っていたとか。

 

肝心の映像は、バカが洋服と靴と(やたらきれいな)ぬいぐるみを持ってきて、それを火にかける。
途中、悲鳴のような声が聞こえて一同はそれに気付くが、特に気にせず燃やし続ける。
その後、バカともう1人が手うちわで空気を送り込んでいると、その奥に影のない女性の下半身が現れ、約10秒後に消える。
これだけ映ってて気付かないのは鈍感すぎだろ投稿者。
なぜかもう1人は何の意味もなく顔出し&本名晒されてるし、登場人物全員バカとしか言いようがない。
この映像で唯一褒められるのは、幽霊さんがカラーなところ。

 

 

 

テーブルゲーム
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
友人と雀荘で麻雀している映像。
またタイトルがズレてるな。
それはともかく、満貫振り込んでしまい点棒を渡す際、股下に白目剥いた子どもがいて、こちらを覗き込んでいる。
ここの常連の息子が、育児放棄により餓死したという噂があるとか。
子どもの顔に頼っただけで、絶望的に華がない。

 

ところで、リプレイ直前で対面の人にノイズが発生してるけど、これは偶然なのかな?
別に霊らしきものは見えないから、何かあるわけではなさそうだけど。

 

 

 

<禁忌 前編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
3部作の序章。
投稿者(戸松さん)が同僚数人と八幡さんの家で宅飲みをしたようで、その映像に不可解な現象が起きたという。
八幡さんはそれが原因で隙間恐怖症になり、家中の隙間を塞ぐようになり現在は引きこもっているようだ。
・・・何で戸松さんの職場でインタビューしてんの?戸松さんサボりか?

 

という訳で八幡さんのアパートに行くことに。
確かに窓全面に新聞紙が貼られており、玄関ですらガムテープが貼られていたが、出てくれたので中で話すことにした。
当初は問題の部屋への隙間だけを塞いでいたが、誰かに見られているような気がして、エスカレートしていったらしい。
インタビュー中も玄関の隙間を開けたことが気になっているようで、ひとまず後にし、近隣住民に聞き込みを行った。
すると、1ヶ月ぐらい前に見覚えのない無表情な男性が立っていて、婚約者と名乗っていたという。
だが、八幡さんに恋人はないとのことで、八幡さんについて調査を行った。

 

久々に登場した阿草によると、八幡さんは過去に隙間恐怖症になるような体験をしていたようだ!
子どもの頃、夜に寝室のドアの隙間から、父親が母親に乱暴する姿を見たことがあるという!!
その時のトラウマが蘇ってしまったのか!!?
・・・って○○○じゃんそれ。ナメてんのかこいつ。
しかも川居に振るなアホ。川居キレ気味じゃねぇか。

 

川居によると、八幡さんに異性間の問題は起きておらず、恨みを買うようなこともなかったという。
一方、川居個人の感覚では、投稿映像の事象や事象婚約者にどこか不快感を抱いているようで、男性側のエゴのようなものを感じるそうだ。

 

さらに調査を続けたところ、大学時代の先輩(石川)から話を聞くことができた。
前半は何の意味もない下世話なのでどうでもいい。
約2ヶ月前、知り合いの写真家(下村さん)に、20代後半で○女っぽい女性の写真モデルが欲しいと言われ、八幡さんがピッタリだと思い、写真とプロフィールを勝手に渡したようだ。
・・・こいつ今回の戦犯確定じゃん。
よくこいつ顔も名前も出せたな。
スタッフは謝礼として警告映像よくばりセットでも見せてあげて。

 

下村さんに電話したが切られたため、とりあえず肝心の映像。
チーズフォンデュを楽しみながら飲んでいると、問題の部屋のドアが少しずつ開いていく。
そして、何かを唱えているような声が混ざり、ドアの隙間から男の顔だけがこちらの部屋に入ってきている。
唱えている声が加工されちゃっているのが惜しい。
顔については何ともないが、見る人によっては川居みたいに嫌悪感湧くのかな?

 

後日、八幡さんが近所の雑木林で首吊り自殺を図り、病院に搬送されたという連絡が来た。
八幡さんはどうなってしまうのか、下村さんが八幡さんの写真を使って何をしたのか・・・次回に続く。
・・・とりあえずあの先輩をどうにかしようぜ。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★☆☆☆
投稿映像に関しては、一部の凶悪なものを除くとインパクトはあるが華がなかった印象。
一方で、一見すると地味だった「合唱」は最後の最後にサプライズがあり、そのギャップが素晴らしかった。

 

本作ではパート52ののエピソード「奇怪な未来」について3年越しの続報があったが、正直結果だけ分かれば良かった。
取材パートが20分以上あったのに結局何も分からずじまいだったし、そもそもが自身の末路を暗示した事象だったのに、その事象が変化しただの幼児虐待だのとブレまくりだったし、視聴者が一番見たかったであろう変化した映像は入手できなかったりで、託児所の映像がダメだったらゴミ判定間違いなしだった。
その映像についても、見る人によってはただの人形って思った時点で萎える可能性が高く、他のレビュアーであの狂気に気付いたのは、筆者が知る限り1名しかいない(その人は筆者が2番目に尊敬しているレビュアーでもある)。
この感性を大切にして、今後もレビューしていきたい。