呪われた心霊動画XXXレビュー

評価:★★★★★★★★☆☆
ほん呪とNot Foundのスタッフがタッグを組んだ「死画像」の後継作品。
インパクトは業界全体で見ても随一だが、悪いクセも多いのが玉に瑕。

 

 

 

<いない姉>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
大掃除の際に、押し入れの奥から見つかったSDカード(1GB)に入っていた映像で、前の住民が残したものと思われる。
この映像を見た数日後に友人とカラオケに行った際、奇妙な出来事に遭遇したという。

 

という訳で、まずはカラオケの映像。
選曲していると、マイクがハウったような音と笑い声が響き渡る。
また、カメラがモニターを映していると、黒背景に薄汚れた女性がこちらを見るような映像が割り込まれる。
しばらくすると元に戻ったが、怖くなった投稿者らは部屋を抜け出すのであった。
声はけっこう不気味だけど、映像の方は要らないかな。
カメラアングルがわざとらしいし。

 

ここでインタビューに戻る。
夢の中で謎の女が出てくるようだが、一人っ子なのになぜか姉と認識しているという。
話はそれだけで、ここで肝心の映像。
霊能者によると繰り返し見るのは禁物なようで、早速警告付き。

 

カップルが一室で談笑していると思われる映像で、SDカードに記録されたのは2011年3月14日のようだが、元映像はどう見てもアナログテープ系となっている。
終始テープを引っ張ったようなノイズ音が鳴っており、映像も位置ズレや色がおかしくなりまくっている。
中盤辺りから画面右に就活生って感じの女性が現れ、次第にカメラの方を向くが、撮影者も男性も気付いていない様子。

 

とりあえず、ノイズ音がうるさいし不快なので注意。
映像のノイズも取ってつけた感があり、事象を引き立たせられていないのが残念。
カラオケ店のノイズ音が一番不気味だったかな。

 

 

 

<首を絞める>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
北海道の実家に帰省し、生け簀に妻と子供と一緒に行った映像。
その後首周りに発疹ができたようで、原因不明と診断され、痛みは消えたがカサブタとなって残っており、室内でもマフラーをしている。
それ以外にも不幸が続き、妻と子供に逃げられ、競馬やパチンコに負け続けているようだ・・・お前のせいだろ。

 

肝心の映像は、生け簀を泳ぐ魚を撮影していると、水面に反射した投稿者の首を掴もうとする人影が見え、ブレた隙にいなくなっている。
よく見ると影が重なっており、投稿者の後ろではなく水面にいて、投稿者の影を狙っていたのだろうか・・・
事象は悪くない。
本人ではなく影を狙ったというのも個人的にいい。

 

インタビューは続き、無理を承知の上で発疹を見せてもらった。
首を後ろから掴んで引っ掻いた感じで、4本の跡がくっきり残っている。
これについて霊能者に見せたところ、発疹は霊障だが、妻子が逃げたのは別の原因だという・・・寒い。

 

 

 

<目的地 クニコ、再び>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
2015年12月にニコ生限定で放映したエピソード。
元々は前作「死画像」に収録しようとしていたが、当時はなぜか取り込めなかったという。
幾度に渡るお祓いによりニコ生で放映するに至り、本作にも収録されることとなった。

 

まずは投稿者のインタビュー。
友人カップルと、一家惨殺があったという噂のある廃墟に行こうとしたという。
住所を入力すると、どう考えても違う場所が案内されるのだが、好奇心が勝りそこに行ってみることに。

 

案内された場所は森の一角で、ナビの示す場所まで歩くことになった。
ふと横を見ると、木に白いものが見え、近付くとしめ縄がかかっており、根本には人形や縄跳び、ロウソクや線香がある。
友人が調子に乗って木に抱きつくと、その背後にモノクロな少女が立っていた。
また、ニコ生で放映したときの映像と比べると、少女の顔周辺にノイズが追加されていたというもの。
でも、そもそもが立体感無さすぎて説得力ない。

 

インタビューは続き、友人はその翌日、たばこの不始末と思われる火事により大やけどを負ったという。
しばらくして面会できるようになったが、とても話せる状態ではなくなっていたようだ。
ここまでがニコ生で放映したもので、投稿者より再び連絡が来たため話を聞くことに。
友人はやけどの感染症で亡くなり、彼女も自殺してしまったようだ。
彼氏が亡くなったショックと言われていたが、その死の直前に「クニコが来る」と言っていたという。

 

という訳で、「死画像」に収録されたクニコの映像。
もちろん警告付きで、最後の約9分に渡るノイズはカットされている。
内容や評価は「死画像」の方を参照(本エピソードの評価対象外)。

 

友人の彼女からメールも来ていたようで、肝試し時に撮影していた写真が添付されていた。
その中で、友人が木に抱きついている写真を見ると、腕や顔が透け、木に同化しているように見える。
また、その部位はやけどした箇所と同じだという。
よく見ると写真の中に板みたいなのがあり、そこには「くに子の墓」と書かれている。
だが、投稿映像の方はそのようなものはなかった。

 

最後に、インタビュー映像を見直すと、「木の下に板みたいな・・・」と言った辺りからピンボケし、それが直ると奥の木にモノクロな少女が立っており、ゆっくりと消える。
投稿者にも霊障が及んでいるのだろうか・・・引き続き調査を継続する。

 

クニコ関係の取ってつけた感が惜しい(特にくに子の墓)。
そもそも、霊とニュース映像のくに子さんがあまり似てなかったり、お供え物が小学生のセンスだったりと、チグハグ感が残る。
とはいえ、やっぱりクニコの映像のインパクトが凄まじいので、総合的には良エピソード。

 

 

 

<浴槽X>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
自宅マンションの浴槽に設置した監視カメラの映像。
3ヶ月ほど前に相場より安いこの物件に引っ越したが、1週間ぐらい経ってから湯沸かし器が勝手に動き、業者に見てもらっても原因は分からなかった。
で、カメラを設置したところ奇妙なものが現れたため、現在は風呂場をガムテープで封印していた。
中を開けて見せてもらったところ、今日はお湯が出ておらず、「今日は出てこないと思いますよ。恥ずかしがり屋なんですよね」と意味深なことを言うのだが・・・

 

肝心の映像は、カメラを設置した約4時間後に、湯沸かし器が作動しお湯が貯まったいく。
そして、お湯がある程度貯まったタイミングでノイズが入り、裸の女性(○輪見えてる)が風呂に沈んでいる。
よく見ると、3回目だけカメラの方を向いているように見えるが、まぁ怖いものではない。
後述の理由により、むしろラッキースケベと言うべきか。

 

投稿者が調べたところ、このマンションでは10年ぐらい前に、女子高生が殺害されて浴槽に遺棄されたという。
で、スタッフは「引っ越した方がいいのでは」と聞くが(テロップのみ)、投稿者は「だって、女子高生ですよ?」とニヤニヤするのであった・・・これも寒い。

 

 

 

<赤いキャップ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
女友達と飲んでいるときに、心霊写真が撮れたことがあるという話になり、そこに行った映像。
写真を見せてもらったところ、女友達2人の背後に赤いキャップを被った黒い人影が写っている。

 

という訳で肝心の映像。
投稿者は動画を、女友達は写真を撮りながら撮影場所周辺を探している。
撮影場所に辿り着き、当時の様子を再現していると、ふとカメラを離した隙に赤いキャップをかぶった男が現れ、ドリフみたいなスローモーション走りで迫ってくる。
その後、投稿者が女友達を置いて全力疾走するのであった。
この男は写真とは違ってカラーだが、顔が黒く陥没していくように見える。
この走り方はギャグか?

 

この次の日、写真に写っている別の女友達が何者かに刺され、意識不明の重体になっているという。
また、投稿者が撮影中に白いキャップを被っていたが、逃げた後に見てみると血だらけになっていたようだ。
そして、その血は刺された女友達のものであったという。
後に投稿者は自首したようだが、投稿者は本当に犯人なのだろうか・・・

 

投稿映像がふざけてる時点で萎えまくり。
色々な要素を詰めすぎて変になっているし、血まみれのキャップが本物ではなくイメージというのも何だかなぁ。

 

 

 

<ヒンナ神>
   恐怖度:★★★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★★
富山出身の投稿者が、地元の人形屋敷と呼ばれている建物で、ビデオカメラとテープを拾い、こちらに持ち込んできた。
この屋敷はヒンナ憑きと呼ばれており、ヒンナについては長いので省略。
人形屋敷は去年火事になり、家主が亡くなっているという。
そこに友人と肝試しをしたところ、このカメラとテープを拾ったようだ。
映像を見たせいか奇妙な体験をしているようで、友人を泊めると子どもの鳴き声が聞こえると言い、その後交通事故に遭ったという。
また、母親が来た時も同じ体験をし、後に脳梗塞となり、一命は取り留めたが後遺症が残っているようだ。
投稿者は怯えているが、霊能者によると先祖の霊により霊障を免れたようで、それでも危なかったため除霊し、元気に暮らしている。

 

ビデオカメラとテープを預かり、カメラとマイクを4セット用意して、声が聞こえるか検証を行った。
ここから先は警告2連発。
4台設置したカメラの内、3台目が容量、バッテリー共に残っているにもかかわらず停止する。
その直後、1台目のカメラにだけ、ラップ音と複数の赤子が泣くような声が収録されていた。

 

テープの映像は、撮影者がふすまを少し開け、奥の部屋を覗き込むと、50cm程度の人形のようなものが複数体歩いている。
撮影者が不意に物音を立ててしまうと人形のようなものが停止し、足元を見ると1体いて、顔が渦を巻くように歪む。
その後はノイズにまみれ、映像が終了していた。

 

これはかなり怖い。
特に音を立てちゃって停止した瞬間とか、足元に1体いるところとかでゾクゾクした。
ノイズも不気味さを煽るのに有効だったと思うけど、無駄に人形をズームする所とプツプツ音は余計かな。
XXXに多いんだけど、爆音ノイズは嫌いだ。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★☆☆
「死画像」がXXX(トリプルエックス)に名を変えてシリーズ化された。
よく見ると、各エピソードに割り振られた番号が「死画像」から続いている。
今回も6エピソードしかないと思いきや2本立てだったり、取材や検証中に事象が現れたりするため、前回の欠点だったボリューム不足は感じない。
投稿映像については、斬新さこそ落ちたものの「赤いキャップ」以外ふざけてる感はなく、「クニコ」の再掲や「ヒンナ神」があったりと、恐怖度はほん呪全盛期と同等以上。
寒いテロップ芸など欠点はあるが、ほん呪が18年君臨し続けている金字塔の地位を脅かすシリーズがようやく生まれた。