呪われた心霊動画XXX10レビュー

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆
製作陣が変わったのか、色々と本シリーズらしくないパート。
これはこれで悪いクセが多く、特にラストはダメ。

 

 

 

<X(バツ)>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
沖縄出身の先輩後輩コンビが制作した自主映画の映像。
2台のカメラで撮影していたところ、後輩のカメラにだけ奥の部屋から髪の長い女?が現れ、指を差す。
何で手だけ妙にリアルなん?挙動とか容姿(若い人が老婆を装っているように見える)など、色々と違和感ある。

 

撮影した翌日、後輩の右腕にバツ印のミミズ腫れができ、その翌日に原因不明の骨折になり、ミミズ腫れは消えたとか。
また、この自主映画は中止となったようだ。

 

これで終わりかと思われたが、ここで後輩が骨折したのは自分(先輩)のせいではないかと言い出した。
前に花見の名所で桜を撮っていたところ、急性アルコール中毒で倒れた人がいて撮影したようだ。
そこに映った喪服を着た女性が、先ほどの映像に映った女性に似ているという。

 

という訳でその映像。
急性アルコール中毒で倒れた人物を救急車に載せようとしているところを、先輩が道路の向かいから撮影していると、救急車のそばに喪服の女性が現れ、カメラに向かってバツ印を切っている。

 

これも色々と違和感ある。
ピントが合っていないような、この女だけ立体感無いような。
そもそも、何で先輩は何もなかったんだろう?
もしかしてカメラに呪いをかけたとか?

 

最後に、先輩が後輩に隠してたことを謝り、後輩は治ったらまた映画を作ろうと約束する。
だが、後輩の手をよく見ると、先輩に向かってバツ印を切っていた。
「語っていることだけが全てとは限らない。」←何か今回作風が違うな。

 

 

 

<そこから見る景>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
友人が学校の図書室で借りた本の中に、片面は「殺す」、もう片面は「死ね」とびっしり書かれた封筒を見つけた。
中には2枚の便箋があり、恨みの言葉がびっしり書かれており、1枚は真ん中に穴が開いていたという。
この3週間後に友人が病気になり、2学期が始まる辺りで専門の病院に移るため転校したようだ。

 

肝心の映像は、友人が見つけた封筒を見せ、中を見ようという投稿者に対して、嫌がりながらも開けて便箋を読む。
便箋はけっこう古く、泥のような汚れがそこかしこにある。
その後、投稿者は穴の開いた便箋を取り、穴越しに友人の顔を映すと別人のようになっており、目元付近が歪んでいる。

 

時々前後の席が映るから、そっちに何かあると思ってた。
友人の顔はアプリで盛りすぎたみたいな感じになっていて、それなりに不気味さがある。
ところで、後ろの席に映っているのはバッグかな?
突っ伏して寝てる男だったら面白いが。

 

投稿者によると、あの手紙の筆跡は友人によく似ているという。
そのため、あの手紙は友人の自演で、自分に何かしようとしたのではないかとのこと。
友人との関係に何かあったのか聞いてみたが黙ってしまった。
友人は投稿者に呪いをかけようとして失敗し、自分に返ってしまったのだろうか・・・

 

改めて投稿映像を見直すと、投稿者の「(友人)が作ったの?」という冗談に対し、「なわけないでしょ」と返してた。
この2人のやり取りが一番の恐怖だったと締めるけど、それほど変じゃないし、だから何だって話。
1つ目はともかく、連続でこのオチは良くないかな。

 

 

 

<樹海で起きたこと>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
投稿者らは、富士五湖観光中に青木ヶ原樹海に立ち寄った。
そこで写真を撮ったところ、他の写真は青々としているのに、1枚だけ冬に撮ったみたいに葉が枯れている写真があり、木の奥から男が顔を覗かせている。
その夜、投稿者の藤木さんがペンションを抜け、外で泣き叫んでいたが、藤木さんはその記憶がないという。
そんなことが度々起きたため、取り憑かれているのではということで、霊感強い先輩に除霊を依頼したのが肝心の映像。

 

先輩が念を唱えていると、藤木さんが苦しみだす。
それを心配する友人に対し、先輩が「うるさい坊主」と怒るの草。
藤木さんが喉を鳴らしながら顔を上げると、樹海を歩く映像と思われるものが度々割り込まれ、先輩に乗り移ったのかイタコ芸を始める。
どうやら幽霊さんは、死に場所を求めて樹海の奥に進んでいたら古い建物を見つけ、そこに住む目の無い者たちに捕まって生きたまま食い殺されたようだ。
割り込まれた映像は証言とリンクしており、最後はブレすぎて目があるか分からない男に襲われる。
同時に藤木さんが倒れたため、友人が(メッチャいい音鳴らして)ビンタすると目覚め、除霊は終了した。
また、藤木さんを映した固定カメラの映像には、倒れると同時に口を開け目が潰れてるような男が映っていた。

 

笑えたからまだよかったけど、こういう演技力が必要なのはXXXシリーズでは無理だ。やめとけ。

 

どうやら、先輩は「付着物(XXX5)」の投稿者の除霊をしたこともあり、その噂から本シリーズに投稿したようだ。
当時は化膿が進み連絡が取れなくなっていたが、除霊により元気となり、もう心霊スポットには行かないと言っているとか。
・・・だからコワすぎとかのノリなんよそれ。

 

 

 

<窓>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
残置物(引っ越した人の残したもの等)処理業者の投稿者が、夜逃げ同然で出て行った会社の残置物処理をしていたところ、ビデオカメラと三脚が倒れていたという。
その映像は向かいのビルの窓を映しているようで、その期間は数週間にも及んでおり、女性がこちらを十数秒見ては去っていく光景が繰り返されていた。

 

最後に記録された映像では、女性が去った後にズームアウトすると、こちらのビルの窓から口の裂けた女が覗き込んでいて、三脚が倒れる。
また、向かいのビルの窓は細長く、スタッフの目測では女性が浮いているか3mぐらいないと説明が付かない。

 

ある意味王道系で、本シリーズでは意外とあまり多くないパターン。
そっちはいいとして、向かいのビルに現れる女性も霊なのかが気になる。
まぁ暗いだけでは説明付かないレベルで彩度低いから霊なのだろうけど。

 

 

 

<七不思議の欠番>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
投稿者の高校の時の同級生から、2年ぶりにラインが来たという。
その同級生は2年の頃から急に暴力的になり、投稿者も暴力を振るわれたため関わらないようにしていたところ、いつの間にか不登校になっていたようだ。
ラインの内容は「七番目の不思議が分かった、今度教えてやるよ」というもので、その高校では七番目の不思議だけ誰も知らず、それを知ったら不幸になるというものだという。
また、動画も送られてきていた。

 

という訳でその映像。
映像はやたらブロックノイズだらけとなっており、同級生が段数を数えながら階段を上っている。
22段上ったところで屋上への扉に辿り着いており、今度は数えながら下りる。
そして再度数えながら上ったところ、ノイズという名の編集点を挟むと22段上ってもまだ続いており、30段上ったところで女の含み笑いが聞こえる。
その先を映すと女子高生が宙に浮いており同級生はビビッて逃げるのであった。

 

何コレ?コワすぎ4(花子さん回)か?
上にも書いたようにノイズという名の編集点があるし、ふざけてるとしか思えん。
多分、「そこからみる景」の制服と同じだけど、相変わらずだから何?感の方が強い。

 

その後、同級生は自殺したようだが、その日はラインが送られる前日だったという。
また、同級生の四十九日の日に、約束と書かれた紙とカセットテープが郵便ポストに入れられていたようだ。
亡くなったはずの同級生が七番目の不思議を教えるという約束を果たそうとしたのだろうか・・・

 

肝心の音声はいつも通り警告付き。
「浜辺の歌」のピアノと女性の鼻声を再生し、それをマイクで収録したようで、途中でテープが巻き戻され、また最初から再生される。
これをスロー再生すると、女性の含み笑いと

そうなんだ
ふーん
私はねえ
○○○(ノイズまみれで聞き取れない)
帽子?が天敵なんだ
じゃあ行くね

という声が聞こえ、足場を踏み外して首を吊ったような衝撃音が聞こえる。
そこから約30秒はほぼ無音で終了。

 

結局何て言ってたんだ?帽子だと変だけどそうとしか聞こえないような・・・
正直内容はどうでも良くて、浜辺の歌の不気味さとかで勝負してほしかった感ある。
それにしても、同級生のくだりとか宙に浮いている女子高生とか、コワすぎ4のパクリ感が強いのが気になる。

 

 

 

<総評>
★★★☆☆☆☆☆☆☆
今回は製作陣が変わったのか?と思うぐらい作風が変わっており、それがパッケージにも表れている。
全体的に違和感のある事象、テロップによるオチの明示、放送禁止やコワすぎのパクリと思われるエピソードなど、これまでとは別の意味で悪い要素が多い。
個人的に、現時点のワーストであるXXX5といい勝負だった。
本作で評価できるのはキモ男がいない、警告がワンパターンじゃないぐらいで、どうせなら意味のない関連性もなくしてほしかったが、本作はむしろ無理矢理感が強くなっちゃってたのがなぁ。