呪われた心霊動画XXX13レビュー

評価:★★★★★★★☆☆☆
初っ端からシリーズワーストクラスの映像が登場。
それ以降は持ち直しており、総合的には良作。

 

 

 

<歩く自殺者>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:ゴミ
2018年4月にカップルで遊園地に行き、帰りに撮影した映像。
駅のホームのそばを通る歩道橋で彼女と話していると、電車が来るのに合わせて女子高生が飛び込む。
だが、彼氏以外気付いておらず、電車も通常通り発進する。
動揺しながらも見なかったことにすると、目の前にさっき飛び込んだはずの女子高生がいるというもの。
ちなみに、彼氏が動揺してカメラがブレてる際、歩道橋の下から覗き込んでいるやつがいる。

 

個人的にXXX無印のワーストエピソード。
この世界の重力加速度はどうなってんだ?たったこれだけの落差ですらロクに描けないのかよ。
そもそも、駅のホームは高くても1.1mぐらいなのに対して、女子高生は見えなくなるまで落ちたりと、何もかもがメチャクチャ。
怖さはともかく映像技術は高いと思っていた本シリーズがこんなザマを晒すとは。
XXXなら「落下する霊(ほん呪10)」に対抗できるエピソードが出てくるかもと、わずかに期待してたんだけどな。

 

 

 

<0時>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
これまた2018年4月に撮影された映像で、YouTuber気取りの2人組が、怪奇現象が起きるという道路を検証したもの。
大学で噂になっており、その道路に0時ちょうどに通ると何かが起きるようだ。

0時になり、L字になっている曲がり角を曲がって雑談しながら進む。
すると、後ろを向いた隙に友人がいなくなり、後ろを向くとさっきまでなかったはずの車が停まっている。
カメラを下ろして再び上げると着物姿の女が立っていて手招きをしており、逃げながら友人を探していると、曲がり角で黒い男がいて転倒する。
直後に友人が現れ、お互いどこ行ってたんだよ状態のままリプレイになる。

 

映像を検証したところ、友人が消えた辺りから空間が左右反転しており、車の奥のL字が逆方向になっている。
また、友人を探して走っていたはずなのに、転倒したときには友人が消えた場所に戻っていた。

 

この男、本シリーズだけで5回ぐらい登場してない?
着物姿の女は左前になっているように見える。
そもそもの浮きっぷりが残念だけど、左右反転している異空間はけっこう好き。

 

 

 

<尋ね人>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
2018年5月に「0時」の道路から比較的近い場所で撮影された映像。
友人カップルと宅飲みし、酒を買い足そうと缶チューハイ片手に散歩していたという。
偶然立ち止まった背後に地域の掲示板があり、尋ね人や大きく「0」と書かれた貼り紙がある。
すると、尋ね人の女性が消え、その実体っぽいのが友人の彼氏の背後に現れるというもの。

 

「0時」とほぼ同時期に投稿されており、噂については知っているという。
だが、特に関連性は分からず、尋ね人もその時限りで、後日見に行った時には無くなっていた。

 

本シリーズにしてはかなり分かりにくい。
「0」の貼り紙については、XXX11「0チャンネルの幻想」で言ってた貼り紙と思われる。
どう考えてもこっちの方がインパクトあり、シリーズファン向けのエピソードといったところ。

 

ちなみに、投稿者が「おっちゃんおっちゃん」言ってる時に「おーい」とうおっちゃんの声が聞こえ、歩き出す直前に投稿者が平謝りしている。
友人の視線的に偶然映らなかった可能性もあるけど、もしかしたら肉眼でしか見えない霊だったのかも。

 

 

 

<上階の住人>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
2018年5月に彼女と自宅で遊び、バイト先の飲み会での一発芸用に、トランプマジックの練習をしている映像。
この時もだが、上階に奇妙な人物が引っ越して以来、おかしなことが相次いでいるという。

 

肝心の映像は、投稿者がトランプマジックを披露しているとチャイムが鳴る。
投稿者が応対する際にスマホを置くが、録画を止め逃して天井を映している。
すると、天井から顔が浮き出てくる他、何かを唱えるような声が聞こえる。
そして、浮き出た顔が消えた直後に、画面右から黒い男が覗き込む。

 

天井の顔が失笑ものだったのでギャグエピソードかと思ったら、ドアップの顔が現れるものだからかなりびっくりした。
本シリーズでは久しぶりに恐怖を感じたけど、さすがに邪道。

 

上階の人については男の一人暮らしだったようだが、男女判別不能な叫び声や呪文のような声、物音が聞こえることがあり、管理会社に苦情を入れたら半年経たずに引っ越したという。
引っ越してからは平和になったようだが、今度は彼女の方に異変が起きてきているようで・・・

 

 

 

<占い師の予言>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
2018年6月、彼女の自宅近くにある「0時」と同じ道路で不可解な体験をした投稿者。
彼女はカーブミラーに白い人影が見えたため怯えており、投稿者はそれを面白がって撮影したという。
にしても、カーブミラーに霊が現れたって話に対して、運転してて見てないってダメじゃね?

 

肝心の映像は、霊を見たとヒステリー気味な彼女に対して、投稿者はあろうことか車を降りて確認する。
すると、背後から蹴られたような衝撃を受けて転倒し、起き上がると同時に車が走り出してしまう(彼女は運転できない)。
追いかけるがまかれてしまい、愚痴を言いながら戻ろうとすると白い影がこちらに走ってきて、すれ違いざまに顔が見えるというもの。

 

本シリーズでは意外とあまりない襲撃系で、出オチ感強いけどインパクトはある。
まぁ投稿者がよく見てなかったのか、リアクションが低くて他シリーズみたいな怖さではないが。

 

数日後に車は見つかったが、彼女は乗っておらず今も行方不明だという。
投稿者は数か月前に占いをしてもらった際、誕生日に車に乗ってはいけないと言われていた。
撮影日は誕生日の前日で、あの時は12時を回っていたかもしれない。
また、占い師からお守りをもらっており、彼女が持っていたはずだが・・・
ちなみに、そのお守りと同じっぽいものを「歩く自殺者」の女子高生が持っている・・・あっちがゴミエピソードだからどうでもいいが。

 

 

 

<死人合わせ>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
実家に帰った投稿者が祖父の部屋を片付けていると、奇妙な写真を発見した。
着物姿の女が映る白黒写真で、着物を死人合わせ(左前)で着用しており、左目周辺が削れている。
その写真を見てからチャイムを鳴らされるようになったようで、ドアホンの録画機能に加えて監視カメラを設置したようだ。

 

まずは監視カメラの映像で、撮影日は2018年8月。
誰もいないのにチャイムが鳴り、投稿者が呼びかけるが返事はない。
その後、約50秒後にチェーンロックをかけたまま外の様子を見て、ようやく外に出る。
誰もいなかったので部屋に戻るのだが、ドアが閉まると投稿者にそっくりな女性が立っており、直後に録画が切れる。

 

ドアが閉まる際に、ドアの取っ手付近に変なのが見える。
明らかに浮いていて、ポリゴンのテクスチャ貼り忘れか、何かの消し忘れみたいな・・・そっちが気になって事象はどうでもよくなっちゃった。

 

投稿者はこの直後、部屋に無数の黒い足跡があり、直後に気絶していたという。
また、着物姿の女について父親に聞いてみたところ、ある宗教団体の教祖で、投稿者家族は先々代まで入信していたようだ。
その教義は不死の魂を得るというもので、30年ぐらい前には消滅していたという。
このインタビューの後、投稿者の両親は事故で亡くなってしまい、投稿者とも連絡が取れなくなってしまった。

 

ドアホンの映像は警告付き。
投稿者が呼びかけてからドアを開けるまでの間に激しいノイズが入り、不鮮明で白黒な映像が差し込まれ、数秒だけ着物姿の女が現れる。
ノイズがしばらく収まり、投稿者が外に出て辺りを見回していると再びノイズが入り、着物姿の女がドアップで覗き込む。
ノイズが再び収まると投稿者は部屋に戻るが、黒い足跡を見つけたのか悲鳴を上げ、倒れたような音と共に「フハハハハ」という女の笑い声が聞こえて終了。

 

本シリーズの警告物は古いVHS映像率が異様に高くて、それだけで飽きによる減点をしてたから、今回は違っててよかった。
でも、覗き込むのはやり過ぎだって。
ビクッとしたけど、目が真っ黒なのはむしろ余計だった。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★☆☆☆
今回もいつも通りエピソードが繋がっていたり、さりげなく関連性を匂わせるアイテムがあったりするが、事象は本シリーズではあまり登場していないパターンが多かった。
ここ数作の本シリーズに対する低評価はほとんどが飽きによる減点であり、冷めた目で見ることが多かったけど、本作はある意味新鮮で、久しぶりに最後まで楽しめた。
それだけに、最初のエピソードがシリーズワーストの駄作だったのが惜しい。
他作品のレビューで何度も書いているけど、落下系は合成技術が向上した現代において唯一明確に劣化したもので、今回のも重力加速度を知らねーのか?と言いたくなるような超速度落下だった。
クソみたいな事故、自殺シーンを描いてきていたNot FoundスタッフがXXXで技術を磨いたかと思っていたが、こういうところは全く成長していないんだなと失望した(偏見入っててすまない)。

 

個人的には、本作では反転(鏡)世界が登場していたから、着物姿の女が左前なのは我々が見ている世界の話であり、あちらの世界では右前になっているみたいなこだわりが欲しかった。
例えば、「0時」で現れた時は反転世界だったから右前にするとか、ドアホンの映像で現れたときは全体を反転させていたら、本シリーズがよくやる「伏線」をより際立たせられたと思う。