ほんとにあった!呪いのビデオ80レビュー

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆
変則2部作「縁恨」の後編。
投稿映像が10本と多いが、1つ1つが淡白で地味。

 

 

 

<海辺>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
男友達4人で旅行に行き、立ち寄った海辺で撮影した映像。
岩場のそばに女性の水死体のようなものが浮かび上がっている。
数年前にウインドサーフィンしていた女子大生が溺死したとか。
そして、何者かに引きづり込まれることがあり、亡くなった人もいるとのこと。
ある意味懐かしいけど、やっぱり弱いとしか言いようがない。

 

 

 

<トンネル>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
投稿者が友人と2人で廃トンネルを訪れた際に撮影した映像。
廃トンネルだが照明がついており、タイヤ痕も見えるため、誰かが利用していると思われる。
また、入り口に花束が供えられていた。
中間あたりでロープが落ちていて、友人がそれでビビらせると投稿者は頭に来たのか、彼女が友人に浮気していることを責め始める。
カメラを置き、心霊スポットの中でケンカというバカとしか言いようがないことをしていると、出口の方から女性のような人影が現れる。
それに友人が気付くが投稿者は見えておらず、カメラを持ってズームするがいなくなっている。
すると、友人がいきなり消えてペットボトルだけが落ちる。
友人は出口付近に瞬間移動しており、近づいて声がけすると、首が180°回転し落ちてしまった。
ブレた一瞬の隙に友人は倒れていて、気絶しているのであった。
ちなみに、出口付近に瞬間移動した友人にカメラを向ける直前、女性の悲鳴っぽい声が聞こえる。まぁゴールデンアイの女キャラの悲鳴みたいな感じだが。

 

こういうやりすぎな劇場型は好きじゃない。
完全にホラー映画のワンシーン化してるせいで、映像の怖さよりも、脚本を評価する感じになってしまう。
それ以前に、こんなところでケンカするこいつらのバカっぷりが苦手。

 

 

 

<見知らぬ女の子>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
20数年前に撮影された映像。
この映像に映る小さい子(クミコちゃん)は当時4歳の投稿者で、母親と湖に遊びに行った時の映像のようだ。
この映像内に投稿者と遊んでいる子がいて、「サキちゃん」と言うのだが、投稿者の娘の名も「サキ」であり、顔も似ている。
それだけなら偶然で済むが、クミコちゃんがサキちゃんを指差し、そこに母親がカメラを向けると、一瞬でいなくなっている。
この子は何者なのだろうか・・・という内容。

 

正直、昔の映像風に撮影すれば簡単にできてしまうので説得力は低い。
撮影時の年齢と娘の年齢が一緒っていうのも、そんなのビデオを見た時期次第じゃんって話だし、むしろ自演説を高めちゃってる。
まぁそんなことより、ヤンママっぽい投稿者の幼(ry

 

 

 

<水面>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
カップルが池のある公園に行き、手漕ぎボートに乗って撮影した映像。
池の中腹あたりで何かにぶつかったような衝撃があり、水面にカメラを向けると、モノクロの女性が池から頭だけ出している。
この池では昔、男女の無理心中があったとか。
ハッキリ映っているだけの小粒。

 

 

 

<続・縁恨 前編>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
まずは前回のあらすじ。

  • アイドルグループのMV撮影中に、監督(渡辺)の頭部が消える事象が起きた。
  • その数十秒後にスタッフ(羽鳥さん)が転落する事故に見舞われ、奇跡的に無傷だったが、その後事故とは無関係の脳溢血により急死してしまった。
  • 渡辺も事故に遭ったが無傷だったことがある。
  • 2人の関係性を調べると同期で仲良かったようだが、その裏では渡辺が羽鳥さんの仕事を奪っており、陰で縁喰いと嫌われていた。
  • 似たような事象の投稿映像が相次いだため、そちらからアプローチをかけることにした。

 

まずは1本目の投稿者(飯塚さん)のインタビュー。
妻が肺癌を患い、抗がん剤治療を止め余生を一緒に過ごしていたという。
妻の親友と一緒に思い出の地である植物園に旅行した際に事象が発生し、その後親友が癌を患い急死したようだ。
そして、妻は少しずつ元気になっていったという。

 

という訳でその映像。
野外ベンチで休憩を取ると、ガラスに反射した妻の胸部が透けている。
偶然の範囲に見えなくはないが、前後のシーンでは透けていない。
とはいえ、これだけでは弱い。

 

今度は2本目の投稿者である女子高生(田丸さん)のインタビュー。
ショート動画(TikTok)を友人と撮影していると、自身の足が消えている場面があるという。
そして、バスケの試合中に足を怪我したが痛みがなく、後日友人が足を怪我したようだ。

 

という訳でその映像。
何が面白いのか一切理解できないクソみたいなショート動画を何本か撮っていると、ベッドの上に立つ投稿者の左足が消えている。
ぶっちゃけ自演説が濃厚。左足側全く軋んでないし。
ってか2本しかないのかよ。事象もその後の展開も共通するとは言えなくないか?

 

田丸さんのインタビューはまだ続き、「見えたらいいねを押して」という変な動画を父親に見せられたという。
特になにかあるようには見えなかったが、怪我をした友人は何かが見えたようだ。
その映像をもらえないか福田演出が交渉するのだが、星まおな、ガンマイクを左右に振るな。わろてまうわ。
映像について調査することになったところで次へ。

 

 

 

<熱唱>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
地元の友人たちとの再会でカラオケ店に行き、ハメを外したという映像。
ソファーに座る友人たちの中に、スーツを着て首が折れているレベルで曲がっている男がいる。
佐官職人になった友人が、強風により足場から転落し亡くなっているとか。
ってか顔デケェ。マスコット感満載すぎる。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 散乱>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
スーパーに設置された監視カメラの映像。
どう見てもコンビニだが、まぁ都会にはコンビニサイズのスーパーもあるからそういうことにしとくか。
クソガキがお菓子コーナーにダッシュで入り、お菓子を次々と懐に忍ばせる。
そして、出口へダッシュした瞬間に透明になって消え、お菓子がばら撒かれる。
ばら撒かれたお菓子を、ローソンのパチモンっぽい制服を着た店員が拾い上げたところでリプレイ。
このクソガキは万引きの常習犯で、別の店で逃げる際に車に轢かれて死んだとか。

 

お菓子の飛び散り方がヒドい。
まだスピードが乗っていない内にばら撒かれるから、手で投げたとしか思えない。
このばら撒かれ方って意外と難しくて、胸に物抱えて走ると結構上下に揺れるため、真下に転がすのも不正解。
物理学の勉強と検証不足としか言いようがない。
それ以前に、クソガキの自体存在が浮きまくってる。

 

 

 

<積乱雲>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
積乱雲が発生し、とっさに撮影した映像。
雷がバチバチ光り、「これ売れるんじゃない?」と彼女に話しかけると、彼女の左肩に黒い手があり、這い上がるように動く。
このハンドくんはかわいくない。ハズレ。

 

 

 

<続・縁恨 後編>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
例の動画について飯塚夫妻に見たか聞いたところ、見たことあるという。
この映像は癌患者が作った闘病ブログにあったもので、当時癌が進行していた妻は強く共感していたようだ。
だが、その闘病ブログはすでに閉鎖されていた。
一方、スタッフにもこの映像を見たことある奴がいた。どうせ分かると思うのでカット。
ってかあいつが怪我したのはパート76ではなくパート77だ。ちょっと前のことを忘れるな。

 

田丸さんの父親に動画を誰からもらったか聞いたところ、渡辺からもらっていた。
また、渡辺は長文ポエムを大量投稿する恥ずかしい奴で、ロクに見てる奴はいないんじゃない(笑)とのこと。いいぞもっとやれ。
渡辺に聞いたところ、羽鳥さんがロケハンで撮った資料の1つだったようで、最近、フリーメールでその動画が送られまくっているという。
その犯人は羽鳥さんの妻と思われたので確認すると否定されたが、羽鳥さんはある癌患者のドキュメンタリーの編集をやっており、そこの映像資料ではないかとのこと。
だが、何かが理由でポシャったようだ。

 

という訳で当時のプロデューサーに話を聞くことに。
映像に映っている人物はカオルさんという末期癌患者で、病気と戦う多くの人に勇気付けしたいとブログなどで活動しており、ドキュメンタリーを撮ることになったようだ。
だが、撮れ高のために意識高い系代替治療に力入れ出したり、デリケートな部分にも踏み込んだりしたことで夫のヒロシさんと口論になり、もめている内にカオルさんが亡くなったことで中断することになったようだ。
また、羽鳥さんの前任は子どもが事故で腕切断したという。
最後に例の動画について聞いてみると、ドキュメンタリー素材だった場合はブログに載せることはあり得ないので、自分たちで撮ったものでは?とのこと。

 

ここで例の映像を見たことによる影響が紹介されるが、法則性とかトリガー謎じゃね?
飯塚夫妻や田丸さんは、違和感を感じなかった人→違和感を感じた人に入れ替わりが起きたけど、大塚と渡辺は逆っぽいし。
その辺りは運ゲーなのか?

 

情報が出揃ったところで、渡辺(とその女)VS羽鳥さん妻の直接対決。
状況証拠で疑う渡辺と、そもそも映像自体知らないと言う羽鳥さん妻。
ってかさっきの電話だと知ってる感じだったけど、完全にミスリードしてた。
ツマランのに整合性合わせるの面倒だし、話もただの平行線だしで退屈。
ちなみに、犯人は前回渡辺の悪行をバラしたワークショップ生のようで、渡辺の女と化したあの女優は渡辺の子を妊娠しているとか。
・・・どうしようもないクズだな渡辺。

 

ここで肝心の映像。
実害出ている人がいるので警告付き。
カオルさんが病室かそれっぽい内装の部屋でインタビューを受けている。
一見すると末期癌患者が胸中を語る内容となっているが、やたら音質が悪く、所々ノイズのようなパルス音が鳴ったり、カオルさんの顔にモザイクのようなノイズがかかる。

 

この映像を寒ちゃんが解析したところ、ノイズは人工的に追加されたものであり、ノイズだけを繋げてみると「かわって、かわって、奪ってやる」という男の声が聞こえる。
これはサブリミナル効果の一種だろう。
映像が有名で、1コマだけ別の映像を混ぜると通常は認識できないが、深層心理ではその映像が強く印象に残るという広告効果で、世にも奇妙な物語で題材にされたり、某アニメで○○○の宣伝に使用されたことがあった。
今回のパターンでは、通常ではノイズにしか聞こえないが、深層心理では上記の声が聞こえてしまうため、誰かと入れ替わるように誘導されてしまうと言ったところか。
まぁ寒ちゃんがトリックを暴いたから、我々には通用しなくなったはず。寒ちゃんGJ!

 

にしても、タチの悪い映像だな。
おそらく声を吹き込んだのは夫のヒロシさんだと思われるが、妻の生前最期に近いであろう映像を利用してサブリミナルメッセージを吹き込むだけでなく、妻の顔自体にもモザイクのようなノイズをいちいち入れていることに悪意を感じる。
そうまでして妻の無念を晴らしたかったのか?

 

という訳で、この映像が作られた経緯を考察してみた。
この映像の出どころは、本人のブログか羽鳥さんが渡辺に送ったロケハン資料のどちらか。
ということは、羽鳥さんが撮影に参加後、渡辺に仕事を奪われたことなどの境遇からヒロシさんと仲良くなり、この映像制作に1枚噛んだのではないだろうか。
羽鳥さんならサブリミナルメッセージを吹き込むくらい簡単にできるだろうし、ヒロシさんもこれを拡散することで妻を救うことができると思ったのかもしれない。
こうして製作した映像は、ヒロシさんは自身のブログに、羽鳥さんはロケハン資料と称して渡辺に送ったのではないだろうか。
そして、渡辺にサブリミナルを吹き込むところまでは成功したが、トリガーが不正確だったため影響はなく、逆に自分が人を呪わば穴2つ理論で亡くなってしまったのかもしれない。
そう考えると、ヒロシさんの末路もお察しなのかも。

 

最後に、羽鳥さん妻が不妊治療により妊娠したという。
どうやら○子を冷凍保存していたようだ。
んなことあるか?とは思うが、まぁなかなかできなかったから色々手を打ってたんだろう。
もしかしたら、この子こそが羽鳥さんがやろうとした入れ替わりになるのかもな。
とりあえず、おめでとうございます。

 

 

 

<総評>
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ほん呪シリーズは毎作7~9エピソード、投稿映像は7~8本が相場だが、今回は9エピソードに投稿映像10本と多め。
だが、劇場型の「トンネル」以外はやたらあっさりしていて、怖くもなければ印象に残らないエピソードばかりで退屈に感じた。

 

メインがより拍車をかけている。
投稿映像の弱さもだが、起承転結のないインタビューをダラダラ垂れ流している感が強く、体感時間がかなり長く感じた。
福田・川居演出体制になってから顕著だが、ヒューマンドラマとか伏線にばかり力を入れていて、恐怖を描こうという意志を感じないのが致命的。
60分ぐらいのシンプルなホラーを見たくてウズウズしてきた。