ほんとにあった!呪いのビデオ81レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
とうとう川居も抜け、完全新体制となったパート。
実力不足が目立つが、新しいことをしようという意思は伝わってくる。

 

 

 

<ブラックバイト>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
実家に帰り、両親と焼肉屋で撮影した映像。
談笑しながら焼肉を楽しんでいると、男の生首が網の上で焼かれている。
この焼肉屋では、アルバイトの男性がブラック労働に耐えきれず首吊り自殺したとか。
事象がギャグすぎる。

 

 

 

<覗く女>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
同級生達と食事後、繁華街に住む友人の家に向かった際の映像。
この辺りは風俗街のようで、マンションの入り口に風俗営業禁止の貼り紙もある。
エレベーターで上がっていくと、5階に女性が立っているが、ボタンは押されていない。
「風俗嬢じゃね?ナンパしようぜ」というバカなことを考えたバカ一行が、1つしかないエレベーターで5階に向かうがいない。
それで終わればいいのに、バカ一行は1階にまで行って探そうとするがいないので、とうとう諦めて友人の部屋に向かう。
エレベーターから降りようとした時、エレベーターの隅にその女性が立っていたというオチ。
その後はしばらく映像の検証が続き、エレベーターの監視カメラの映像を提供できないか交渉したがダメだった。
友人はもうここに住んでいないのだが、取り憑かれたのか「一緒だよね」とよく言うようになったとか。

 

一言で言えば、舞台が整い過ぎ。
オチが丸分かりで、いつ出てくるかの問題だった。
にしても、最初の女性はエレベーターのドアに引っ付きすぎじゃない?
それ以前に、投稿者一行のバカっぷりが気になる。
菊池枠っぽいけど、本作に菊池関わっていないんだよなぁ。

 

ところで、5階の奥の方にドアを全開にして立っている男がいるけど、こいつ何か関係ある?

 

 

 

ここからはメインで、同じ事象の映像が次々投稿されたので一斉に紹介。

 

<YouTuber>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★
 エピソード:★
「さおまおチャンネル」というYouTuberが年末近くの秋葉原駅周辺でインタビューしている映像。
その最中、画面右端のガラスに反射して、白い布を被ったような人影が見える。
超分かり辛いし、画角的に余裕で自演できるハズレ。
どこ向いてるかなんて分からないだろ。

 

舞台を渋谷駅前に移してインタビューを続ける。
画面中央奥、道路の向かいの路地に入ったところにまた白い布を被ったような人影が見える。
やっぱり超分かり辛いし、底辺YouTuberの自演だな。

 

 

 

<オバケ>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
今度は友人の送別会帰りに、その友人と撮影した映像。
深夜の誰もいない公園で缶チューハイ片手に話をしていると、池の向かい側にまたあいつがいて、少しづつこちらに向かってきている。
何だこれ?戦慄投稿WORST20か?

 

 

 

<オバケ2>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
地下アイドルKIKAのライブ映像。
メッチャ歌下手なんだけど、キモオタ共は誰も歌を聞かずに暴れているだけの模様。
キモオタ共の背後、部屋の隅にまたあいつがいる。
一応これだけは、数秒の間に姿を消すといういつものギミックがある。
にしても、こんなのバズり狙いの自演みたいな映像4連発とか、こんなのがメインでいいのか?
中村さんが必死に取り繕っているのが、痛々しさを増長している。

 

 

 

<ノイズ>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
KIKAのライブの観客席側から撮った映像。
左耳側からすすり泣く女の声が聞こえ始め、絶叫に変わる。
この映像で最もインパクトあるのは、KIKAの歌が生歌ではなく口パクなこと。

 

ここでKIKAのライブ映像の投稿者でマネージャーの萩原さんにインタビュー。
ライブ中には何も起きていなかったとのこと。
KIKAに話を聞くことになったところで次へ。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 301号室>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
これもメイン。
アパートの空き部屋となっている301号室に設置された監視カメラの映像。
誰も住んでいないはずなのに、夜な夜な物音が鳴るようだ。
1日目は、手太鼓のような騒音が聞こえる。
2日目は、ふすまをカタカタ鳴らすような騒音が聞こえる。
3日目は、また手太鼓のような騒音が聞こえる。
4日目は、押入れを映していると、ふすまが激しく揺れているのが分かる。
時間は全てAM4:20だった。
にしても、ふすまを外せば応急処置になるんじゃない?

 

新体制のスタッフ一同(KANEDA演出、中田君、知花さん)は、アパートの管理人と共に部屋の中を調査することに。
ってこの管理人、Not Foundに出てきたA○男優じゃねぇか。
この部屋で自殺した人がいて、一時的に別の人が住んでいたが今は空き部屋だという。
ってこの部屋、心霊パンデミックに出てきた部屋じゃん。呪怨の家じゃないんだからその辺りうまくやってよ。
自殺したのは、大学生ぐらいの若い女性だったという。
この取材中にも、左耳側に「ノイズ」と同じ女の声が記録されていた。
左耳側しか聞こえないのも含めて、製作委員会主導で自演しているとしか思えん。

 

ここでスタッフルームに戻りノイズの検証をするのだが、音声確認しているマスク&帽子の人がおそらくKANEDA演出。
今度はフリーライターだというホームレスみたいな格好をした瀬羽氏に、これらの映像を見せて意見を聞いてみた。
バズり狙いで都市伝説化しようとしたのではとのこと。だろうな。
全く同じこと考えてたから思わず笑っちまった。いや笑えないが。

 

今度はオネェみたいな女性霊能者:四方田よもださんに意見をもらうことに。
霊感は働かないみたいで、仮装の可能性が高いとのこと。だからさぁ・・・
それよりも、KIKAに違和感を感じるようだ。

 

取材中に萩原さんから電話が入り、最近KIKAと連絡が取れないため家に行くという。
それに同行すると、その場所はあのアパートの301号室だった。
という訳で管理人A○男優を呼んで部屋に入ることに。
KIKAはかつてここに住んでいたのか確かめるため、どうにか説得して前の住民の名前を教えてもらえることになった。
待っている間に萩原さんに話を聞くと、KIKAの本名は知らないようで、この家に来たのは2年ぐらい前の話だった。
管理人A○男優が戻り、前の住民は「オバケ」の投稿者で、その前の自殺した住民は小林千佳というようだ。
色々と繋がってきたところで、萩原さんがいないことに気付く(管理人A○男優が戻った直後からいなくなっている)。
周辺を探すがどこにもいないため、この場を後にすることにしたところで次へ。

 

 

 

<気づいて>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
これと次はメインと関係なし。
インスタのストーリーにアップされたカップルの動画。
まず10本の動画が紹介されるが、その3本でスーツ姿の男性がこちらを見ている。
自演できる範囲ではあるが、男性の存在が微妙に浮いていて、影がないように見える。

 

これとは別に撮影した動画があり、駆られるように何かを探す彼氏を彼女が追いかけるところから始まる。
頂上に着いて周囲を見渡すと、崖下にまたスーツ姿の男性が立っている。
それに気付かず少し移動すると、地面に横たわる死体と思われる男性を発見したというお話。
・・・ここで終わり?結局、死体だったの?

 

 

 

<物置小屋>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
祖母の家の物置小屋から動物の声が聞こえ、確認のために撮影した映像。
猫の悲鳴のような声が響き渡っているが、中に動物はいない。
また、小屋に入ってから、犬の「グルルル」みたいな声が聞こえる。

 

一旦逃げ、しばらく経って再び撮影を試みる投稿者。
姿は見えないが気配を感じ「何かおる」と言った直後、ナイフを持ったおっさんがこちらに向かってくる。
後日、物置小屋内で猫の変死体が見つかったようだ。
このおっさんは昔近所に住んでいた男性に似ていて、猫をたくさん飼っていたが、その猫を虐殺し自身も川で死んだという。
ナイフを持ったおっさんが襲撃してくるんだからインパクトは十分だけど、どうも1枚絵を近付けているような感じに見える。

 

それよりも、このおっさんがナイフを持っていることが重要。
筆者がひそかに提唱している「霊界、思い入れの強いものを何か持っていける説」を裏付ける貴重なサンプルだと思う。
今までの幽霊さんは何も持っていないことが多く、せいぜい服装が反映されるぐらいなケースが大半だった。
だが、思い入れの強いものであれば、服以外も何かを持ち込めるのかもしれない(パート90「子供用カメラ」では、これが重要な要素となる)。

 

 

 

<301号室2>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
再びメイン。
萩原さんと連絡取れない状態が続いていた。
ここで、知花さんがKIKAとさおまおチャンネルのさおが同一人物ではないかと指摘する。
という訳でさおまおに映像を見せるが別人だという。
一方、小林千佳については知っているようで、さおの元カレの元カノだったようだ。
小林千佳は元カレにブスと言われてフラれたようで、その後付き合ったさおを妬んだり、整形を繰り返した末に、押入れの中でシーツにくるまって自殺したという。
その後、元カレに電話するが、出ることはなかった。

 

ここで、管理人A○男優が301号室を撮影した映像。
各部屋を撮影して回っていると、押入れの前に女性が立っている。
だが気付いておらず、次に映した際にはいなくなっている。
これが小林千佳なのだろうか・・・

 

また、萩原さんが消えた際に周囲を撮影している場面で、向かいのマンションに「オバケ」のあいつがいた。それだけ。
ってかドア開いてない?この部屋の住民説ないかこれ?

 

再び霊能者:四方田さんに話を聞くと、KIKAは暗い部屋の中で最期を迎え、怨霊化したのだという。
お察しの通り、小林千佳=KIKAという事だろう。
何で怨霊が地下アイドルやっているのかは不明だが。
ここでまた割り込みが入り、投稿映像の1つが変化したようだ。
また、その映像を確認中に電話が入り、さおがいなくなったという。

 

ここで肝心の映像。
なぜか警告付きだが、今までで1番謎。
「メッチャ怖いよ!?見ても知らないよ!?(ニチャア」感ある。
変化したのは301号室の4日目の映像で、ふすまがガタガタしない代わりに「ノイズ」と同じうめき声が聞こえる。
押入れの下側からシーツに包まった人物が姿を現し、消えたりしながらカメラの前まで来る。
するとシーツが消え、まるで整形失敗したかのように顔が割れ、目の位置が異様に離れた小林千佳のアップで終了となる。

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
とうとう川居も抜けたことで、中村さん以外新体制となったパート。
色々とゴタゴタがあったのか、演出協力(おそらく投稿映像提供者)が4人いて、メイン以外のエピソード数と一致しているため、新体制が関わっているのはメインだけと思われる。
そのメインに関しては、演出が変わると作風が変わるのはいつものことだが、今回はその傾向が特に強い。
パート55のような1つの物語となっているが、それに「ライブ感」を強調したような内容で、実力不足を感じるところも多いが、ほん呪デビュー作でここまで攻めた内容だったことは評価できる。

 

意欲作ではあるが、気になる部分がかなり多かったので羅列してみる。


・事象が弱すぎる
→「301号室2」の2本以外は、取材中の事象含め大したトリックがなくても簡単に再現できる範囲であり、クオリティーが低い。
特に音声は、カメラの内蔵マイクの片側にしか収録されないなんて、よほど近付けでもしない限り不可能なので、これを事象とするのはかなり苦しい。

 

・狙い過ぎな「ライブ感」
→今回、取材中に事象や割り込みが何度も入っていた。
特に専門家の意見を伺っているときに電話が入ったり、映像が変化したと割り込まれたりしていたが、明らかに狙い過ぎだし失礼だった。
映像が変化したなんて、後で言えばいいじゃん。
あと、マネージャーがその場で消えたのもやりすぎ。そもそも消えたこと自体やりすぎ。

 

・KIKAは何で地下アイドルしてた?
→正直これが一番謎。
せっかく妬み憧れの対象だったさおの容姿になれたことで、やりたかったアイドル活動をするようになったとか?
それにしては歌声がアレだったし、KIKAが映っている映像にオバケが映っているのも気になる。
KIKAとオバケ(小林千佳)は別の存在という意図があったのか?

 

・最後の映像が変化した意味
→変化したのは「301号室」の4日目の映像だが、明らかに別物レベルで変化していた。
再び苦情がきたからまた設置してたでよくね?
変化系自体無理ゲーと思っているのもあるが、変化したのはマスターか編集用にコピーしていたものかも気になる。
普通に考えたらマスターだけど、編集用にコピーしたらマスターを見ることなんてないよな。

 

・必要性の分からない専門家の意見
→霊能者はまだ分かるとして、ホームレスみたいなフリーのライターは必要だったか?
しかも意見を聞くどころかやらせを疑われていたし。これは笑えなかった。
一応、ラストでオバケの正体が分かることで、あれは本当に霊だったという裏付けをする意図は見られたが、霊能者のお墨付きもあったし、やっぱ仮装じゃない?

 

最後に、「さおまおチャンネル」は一応実在していた。
とはいえ1本しかアップされてなかったし(内容は見ていないので不明)、KANEDA演出期が終わった後にいつの間にか消えていたので、そういう意図で作られたのが丸分かり。
事象含め、全体的に説得力不足だった。