ほんとにあった!呪いのビデオ85レビュー

評価:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
変則2部作「Propagation」の前編で、演出補知花はるが暴走する。
タイトルコールが1番怖いという地味回。

 

 


<神の視点>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
ドローンを購入した投稿者が、立ち入り禁止の川沿いでテスト飛行した映像。
未舗装の道路を歩く黒い服を着た男を見つけ、興味を持ったのか上空から撮影していると、男は林の中へと入っていく。
カットが入り、テスト飛行を終えて近くに着陸させ回収する際、林の中に同じ男と思われる人影がある。
男が歩いていたのは対岸であり、短時間でここまで来るとは思えないというもの。

 

ぶっちゃけ、トリックもなく再現できるので心霊映像と言えるかは微妙。
この映像のキモは、KANEDA演出期にしばし登場する「見慣れない光景」であること。

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 簡易宿泊所
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
3畳ぐらいしかない簡易宿泊所に設置された監視カメラの映像で、2008年撮影。
この客室では不可解な現象が多発しており、原因を探るために設置したという。
いや、プライベートとか大丈夫かよと思うかもしれないが、この部屋を利用する常連客と協力して撮影したようだ。

 

肝心の映像は、深夜2時過ぎになり、テレビが放送終了してテストトーンが鳴り響く中、宿泊客が寝落ちしている。
すると、テレビが不自然に明滅を始め、それが直るとカーテンの左側に大きい人影が現れる。
そして、テレビが勝手に切れた瞬間、宿泊客を覗き込むような人影が現れて、姿を消す。
宿泊代の安さから住んでいるような人もいたようで、ここで最期を迎える人もいたという。
現在は老朽化などを理由に、売りに出しているようだ。

 

シリーズ監視カメラにしては、思ったより派手だった。
場所は不明だが、あいりん地区かそれに近い場所と思われる。
こんなカプセルホテルの高さがある版みたいな宿泊所もあるのだなと感心した。
これも「見慣れない光景」感ある。
ところで、テレビの明滅後の人影は隠し事象扱いなの?

 

 

 

<Propagation  前編>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:胸糞(★)
変則2部作の前編。
投稿映像は別タイトルで「夢遊病」となっている。
投稿者(三宅さん)の友人(今井さん)は、朝起きると言いようのない疲労を感じるため、寝姿を撮影したという。
1日目は、おもむろに起き上がり、部屋の中を3時間以上回り続けている。
2日目は、右手を上げては力が抜けたように落ちる、という動作をこれまた3時間以上続けている。
3日目は、電話が鳴り出すと今井さんがセルフ突き上げをする。また、その際ベッドが揺れるのだが、ベッドの下に何かいるとしか思えないほど激しい。
4日目は、ベランダの窓がひとりでに開き、何かが入るようにカーテンがゆらめく。直後に今井さんが起き上がり、床に座って誰かを談笑しているようなそぶりをし続け、その場に寝落ちする。
まぁ不思議な現象だけど、相変わらず簡単に自演できる範囲で、心霊現象と言えるかは微妙。
今までのもだけど、KANEDA演出期のメインは本命以外自演できるボツレベルばかりで、引き込まれないんだよなぁ。

 

まずは投稿者三宅さんに話を聞くことに。
今井さんにインタビューしようとしたが、役者をやっており、地方にロケ中とのこと。
このインタビュー中、テレビのベゼルにKANEDA演出が映り込むの草。

 

ここで、もう1本の投稿映像(こちらのタイトルは「ワークショップ」)。
スタジオで9名の俳優が講師(宮坂)の指導を受けている。
宮坂講師はパワハラを通り越して暴力を振るうクズで、何かあると投稿者の成瀬さんにカメラを止めさせ暴力を振るっている。
まぁ止めておらず、暴力の瞬間が捉えられている訳だが、その度にドアを激しく叩く音や照明の明滅、窓を激しく叩く音などの異変が起きるというもの。
だから簡単に自演できるのはやめろって。モニタリングかよ。

 

という訳で成瀬さんに話を聞くことに。
ってか、前回やたら協力的だった一般人:田中勝が松尾みのる(おそらく本名)に名を変えて演出補になってる。
それはともかく、今までも何度か現象は起きていたが、いつもはカメラを止めていたため記録できておらず、わざと止めなかったという。
で、知花さんがこの件について調査したいと言うが、KANEDA演出は事象がショボいし、パワハラと暴力なんか、ほん呪的にはどうでもいいので乗り気ではない様子。

 

結局押し切られ、成瀬さんと共に現場に行くことになった。
暴力に関しては、指導はしっかりしているという理由でギリギリ踏みとどまっており、成瀬さんも何だかんだ1年ぐらい受講しているという。
主宰に話ができないか依頼したところで、この場を後にした。

 

スタッフルームに戻り、KANEDA演出はもう撮れ高なさそうだから辞めたそうだが、やっぱり知花さんに押し切られてしまった。
ここで終わっとけばダラダラ続かなかったのに・・・

 

今度は「夢遊病」の友人(今井さん)が帰ってきたため話を聞くことに。
夢遊病は相変わらず続いているが、怖い夢を見ている気がするぐらいで全く覚えていないという。
関係あるかは分からないが、友人が1年前に自殺したとか。
まぁ撮れ高なしってこと。もうボツでいいよこれ。

 

 

 

<手筒花火>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
地元の伝統行事でる手筒花火を撮影した映像。
クライマックスの爆発の煙に紛れ、アゴが外れそうなレベルで悲鳴を上げているような顔が現れる。
花火を持っていた男性は、爆発の花火が首から肩にかかり、ひどい火傷を負ってしまった(写真付きなので注意)。
この男性は妹が数年前に自殺しており、男性の家庭内暴力が原因だったとか。

 

パート10「煙に浮かぶ顔」の現代版って感じ。
あっちもだけど、事故が起きてしまうとそっちに持っていかれちゃうんだよなぁ。

 

 

 

<監視者>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
大学生グループが山奥の廃墟に肝試しに行った映像。
周辺に電灯はなく、手持ちのライトでは数mしか照らせない中、廃墟を目指して進む一行。
石垣のある坂道をしばらく進むと廃車があり、その奥にトタンの物置小屋を見つけて入る。
小屋を通り抜けると行き止まりで、もっと見て回るか話し合っていると、中年男性のような「おーい」という声が聞こえ、謝りながら逃げる一行。
逃げる途中で追いかけてくる男性が一瞬映るのだが、その首から上がないように見える。
また、車に乗り込み発進させる前に何度も後ろを振り返るが、バックライトに照らされて真っ赤になっている男性の姿が一瞬だけ映っている。
この男性は、この廃墟に住んでいた住民の霊なのだろうか・・・

 

怖そうなシチュエーションなんだけど、不思議とそれほど怖くなかった。
「おーい」という声が、怒っているというよりも単に声がけしている感じだからか?
追いかける男性が2回とも一瞬しか映らないからか?
よく見ると顔の輪郭が見えるからか?
なぜかなかなか車を発進させない運転者にイラついたからか?
どこかモヤモヤするエピソードだった。

 

 

 

<七夕>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
娘の通う幼稚園で行われた七夕のイベントを撮影した映像。
映像の中盤で壁に整列する児童を映した際、青い着物を着た男の子の後ろにある棚に、顔のようなものがある。
投稿者の妻によると、幼稚園近くに住んでいてよく挨拶をする男性に似ており(こんなので分かるの?)、撮影日の約3ヶ月前にひき逃げに遭い亡くなっているとか。

 

よく気付いたなとしか言いようがない。
あと、角度的にはその前にも見えているはずなんだけど、モザイクのせいで分からないようになっている。
もうちょっと上手く編集してくれれば、もっとはっきり見えたかもしれないのに・・・

 

 

 

<Propagation  後編>
 エピソード:胸糞(ゴミ)
今井さんのインタビューの続きから始まる。
亡くなった友人は大橋さんといい、同じく役者だという。
で、例のワークショップに在籍していたようで、今井さんはすぐに辞めたが、大橋さんは宮坂講師と関係を持つようになったという。
その後妊娠したが中絶させられてしまい、そのショックから酒に溺れるようになっていたとか。

 

主宰への電話と、神社でのインタビューはどうでもいいのでカット。
撮れ高あるとしたら、知花が暴走しかけている所ぐらい。

今井さんも連れて、ワークショップの部屋を再び調査することに。
すると、今井さんが床の一部に違和感を感じるという。
まぁ霊感持ちではなく。見た目や触感も特におかしいところはないので、勘違いの可能性もある。
その後、成瀬さんと大橋さんについて話していると、今井さんが違和感を感じたという場所で脳震盪を起こし気絶してしまった。

 

後日、今井さんから大橋さんが生前ワークショップを受けている映像が届いた。
相変わらずクズが暴力をしており、大橋さんがターゲットとなりいたぶられている。
そして気絶してしまうのだが、その場所は今井さんが違和感を感じた場所だった。
にしても、こんなやつの指導を受けようと思うか?散々暴力振っておきながら、いざ気絶したらパニクるヘタレだし、結託してわからせてもいいと思うぞこんなやつ。

 

とうとうクズとレストランで話をすることに。
知花が暴走しかけるが、まぁレストランなのでそこまで踏み入った話はできなかった。
つまり撮れ高なし。
元々ボツレベルの投稿映像から始まった話だけど、撮れ高なしが多すぎて退屈。
何より、同じ話を何回するんだよ。
後、クズの名を呼ぶときのピー音有り無しの差はなんだ?

 

 

 

<総評>
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
投稿映像が全体的に弱い。
インパクトは充分にあるけど、それを恐怖に結びつける力が足りないと感じた。
まぁ相変わらず演出協力が多くて、どれがKANEDA演出担当か分からないので、KANEDA演出に言ってもしょうがないかも知れないが。
100%KANEDA演出が関わっているメインの投稿映像がアレなので、これが本来のKANEDA演出の実力なのかも。

 

問題は変則2部作。
作中でも言われている通り事象が弱く、人助けをしていない(できない)製作委員会が干渉するような内容でも無いため、最初からボツにするべきだった。
特に、知花の暴走を全く制御できていないのが痛い。
3代連続パワハラ演出だった過去から、最近は演出が干渉することは減ったが、やっぱりそれなりに発言力がないとダメだなと思う。