ほんとにあった!呪いのビデオ84レビュー

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆
3部作「静止する身体」の後編。
インパクトのある映像は多いが、恐怖度はあまり高くない。

 

 

 

<真夜中の滑り台>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
イベントで酒を飲んだ帰りに、友人と夜の公園で遊んでいる映像。
撮影者は友人で、滑り台を滑った直後に体調を崩し、救急車に運ばれたが異常はなかったという。
現在は精神に異常をきたしたのか、仕事を辞め、実家で療養しているようだ。

 

肝心の映像は、駄弁りながら公園の遊具で遊んでいると、2段式の長い滑り台に興味を持ち、撮影しながら滑る。
ってかマジで危ねぇ。事象関係なく肘の辺り擦りむいちゃってるじゃん。
友人が性懲りなく階段を登り、もう1つの滑り台から滑ると、段の辺りで痛がる。
その直後、少女のような人影が友人に向かっていき、友人は転倒してしまった。
録画はそのまま続いており、救急車が来て投稿者がスマホを回収する際、ブランコの下にモノクロで体育座りしている少女が映っている。

 

典型的なビビらせ系だけど、ゆっくり見ると滑り台の途中で四つん這いになっており、そこから飛び出すように友人に向かっていたりと芸が細かい。
まぁ2つ目は余計。

 

 

 

<野外トイレ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
ドライブ中、山道にある野外トイレに行った際に撮影した映像。
何で撮影しているのかというと、カメラモードでフラッシュを光源にしようとしたら、間違って録画していたようだ・・・どう考えても無理がある。
そもそも、カメラ起動したときって普通写真モードじゃない?
投稿者は霊感がないようだが、野外トイレには何者かの気配がしていたという。

 

肝心の映像は、何者かの気配を感じたのか、周囲を何度も見渡しながら小便器に辿り着き、壁にスマホを置いて用を足す。
その去り際に、逆さ吊りになったような状態の黒い人影が映っている。
投稿者はその後、左肩にただれるような痛みを感じたり、ガードレールに接触してしまったという。
そのことを友人に話したところ、塩風呂に入るといいとい言われて実行し、痛みが消えたとか。

 

造形がバカすぎて草。犬神家の水中バージョンかよ。
冷静に見ると、立体感ないし合成ブレしまくっているマヌケ。

 

 

 

<リフト>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
カップルで山に行き、その帰りに1人用リフトに乗りながら撮影した映像。
周囲を見渡しながら撮影していると、最初の支柱の上部に、こちらを見下ろすような女性の顔がある。
よく見ると左目が潰れているように見える。
この数日後に見知らぬ番号から電話があり、女が泣きながら「迎えに来てほしい」と言ってきたという。
こいつも立体感ゼロ。そもそも女性に見えん。

 

 

 

<終・静止する身体 前編>
 エピソード:★★★
3部作の後編で、前回までのあらすじは以下の通り。

  • 投稿者の三橋さんが友人の磯貝さん宅に行き、そこで撮影していると、普通に会話しているのに映像の中の磯貝さんはうつむいたように静止していた。
  • インタビュー中も磯貝さんが静止しており、魍魎研究所の(デキてそうな)2人組に意見を求めると、磯貝さんが誰かに呪いをかけられたか、何かをやらかしたとのこと。
  • 投稿映像や取材中に黒い服を着た女が映ったり、ノイズが発生したりしたが、ホームレスみたいな格好をしたフリーライターに言わせれば自演だとさ。
  • ノイズを頑張って解析したところ、磯貝さんが三橋さんに対して恨んでいるような声だった。
  • 磯貝さんが住んでいるマンションの本当の住民と名乗る男が現れ、クレームを入れてきた。

 

その住民は相葉さんと言い、磯貝さんのことも知っているようだった。
改めてスタッフルームに来てもらい、磯貝さんとの関係について聞いてみると、大学時代に知り合った友人だという。
三橋さんについては知っているどころか元カノだったようで、大学卒業後に別れたようだ。
すると、磯貝さんから頻繁に連絡が来るようになり、それがエスカレートしてストーカーのような状態になり、婚姻届を送られたり自宅バレもしていて、今の家に引っ越したという。
だがその家もバレており、出張でしばらく離れた隙に磯貝さんが侵入し、自宅と偽って三橋さんを家に呼んでいたというのが真相だった。
このことを磯貝さんに確認取ろうとするが、電話番号は使われておらず、音信不通になってしまった。

 

今度は許可を得て、マンション周辺を調べてみることに。
一般人の田中さんが当然のように一緒にいるのは何でだ?
それはともかく、中田君がマンションの目立たないところに瓶を見つけた。
中は写真が麻紐で巻かれており、ほどいてみると三橋さんを盗撮したような写真が入っており、その目に針が刺さっている。
もう1枚も同じ写真に同じことをしており、魍魎研究所の○○2人に見てもらうことに。
丑の刻参りの呪いに似ているようだが、その手法は幼稚だし見つかってしまったため、自分に返ってしまっているのではとのこと。
磯貝さんの末路やいかに・・・つづく。

 

 

 

<手招き>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
実家に帰った際に撮影した映像。
家には野良猫が住み着いており、それをスマホで撮影している。
野良猫の親子を映していると、部屋の隅に正座をして手招きしている老婆がいる。
投稿者の親戚のおばあさんに似ており、投稿者は墓参りに行ったとか。
やたら薄く白いので分かりにくい。
まぁこれは恐怖というよりも、どこかほのぼのするエピソードといったところか。

 

 

 

<祖父の病室>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
20数年前に祖父が心筋梗塞で入院し、病室で撮影した映像。
左に映る男性の背後から、目がドス黒い女性が現れ、男性に触れそうなぐらい近付く。
この男性によると、ストーカーの同僚に似ているという。
そして、この映像が撮られる数ヶ月前に投身自殺したようだ。
血まみれというが、ほぼモノクロだからよく分からん。
多分今回の菊池枠。

 

 

 

<鍾乳洞の男>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
鍾乳洞に入り、中を撮影した映像。
電気が通っていたり舗装されているため、観光地のようだ。
30メートルもある天井にカメラを向けると、こちらを見下ろすような人影がある。
大学のサークルがここを訪れた際、1人が行方不明になったことがあるとか。
口が動いているようにも見えるが、ノイズやブレのせいかな。
こいつも立体感ない。

 

 

 

<終・静止する身体 後編>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★
相葉さんが出張から帰ってきたので、スタッフルームに呼び瓶を見せることに。
相葉さんの自宅内にもあったようで、針の位置は若干違うが同じものだった。
三橋さんと別れた後、一切連絡を取っていなかったようだが、スタッフの計らいで三橋さんに来てもらい、改めて話を聞くことに。
三橋さんの自宅前にも例の瓶が2つ見つかったようで、別の写真もあったが同じ手法が取られていた。
磯貝さんの闇は全く知らなかったようで困惑する三橋さん。
実は投稿映像を撮影するちょっと前に流産していたようで、幼稚な呪いながらある程度は効いていたということだろうか・・・

 

また相葉さんの出張中に磯貝さんが現れるかもと思ったスタッフは、相葉さんが住んでいるマンションのエントランスと玄関前に監視カメラを設置した。
・・・普通に一般人映っちゃうぞ。マンションの許可もらったか?
午後10時頃、相葉さん宅の玄関前に黒い服を着た女性が現れ、ドアを見続けている。
しばらくすると、玄関前の監視カメラがブラックアウトしてしまった。
エントランスの映像には誰もいないが、相葉さん宅は5階のため、どこかに隠れてたで説明がつく。
影がないのも特徴だが、床がテカテカで反射しているため、浮いている感がすごい。
それよりも、何で裸足なんだろう?

 

出張中の相葉さんに電話すると、磯貝さんの件について警察に相談していたが動いてくれそうにないため、自力で現場押さえると言い出す。
死亡フラグ立ちまくっているが大丈夫か?
後日送ってきたドアホンの画像には、例の黒い服を着た女性が映っていた。

 

また魍魎研究所の○○2人に意見を求めるが、相変わらず回りくどいだけで、3秒で思いつくことしか言わねぇ。
簡単に言えば、磯貝さんは呪いのかけ方を誤り、自身が呪いに取り込まれたのではとのこと。

 

その後、相葉さんと連絡が取れなくなり、会社に問い合わせたところ、しばらく療養することになったという。
そんなこんなで話をしていると、相葉さんから動画が送られてきた。

 

という訳でその映像。
ベランダから黒い服の女を発見し、証拠を掴むためにマンションを出た辺りから撮影をする相葉さん。
女がいた場所は田中さんが見た電柱と同じで、そのまま奥の方を探し続ける。
女を見つけたが見失い、アテもなく探し回っていると、背後に黒い服の女が立っていて、転倒してしまう。
直後から元の音声が消えて例のノイズが鳴り響き、黒い服の女が見下ろすように近付くと、映像がバグったようにループする。
最後に、最初の投稿映像の別視点の映像が割り込まれて終了となる。

 

別視点の映像というのは、最初の投稿映像を黒い服の女視点で撮ったようなもので、見失った直後にも一瞬割り込まれている。
この映像で気になるのは、縦画面動画なのに最後だけ全画面になっている点。
スマホで撮った映像ソースが横9:縦16なのに、動画ファイルが横16:縦9になっているということは映像加工されている証拠であり、そんな悪趣味なことを相葉さんがするとは思えない(そもそも、割り込まれた映像を持っている訳ない)。
この女の正体は最後まで分からなかったが、呪いに取り込まれた磯貝さんの成れの果てで、この映像を編集し、メールで送ったのは磯貝さんだったのだろうか・・・
どうでもいいけど、何で裸足じゃないの?そここだわってないの?

 

 

 

<総評>
★★★★☆☆☆☆☆☆
いくつか派手なのはあるが、地味なのが多かった印象。
派手なのは臨場感を意識している傾向があり、「真夜中の滑り台」はその典型だが、怪我とかアクシデントが入ってしまうと霊的な「怖さ」を評価するべきか事故の「恐さ」を評価するべきかで悩む。
この辺りは、シリーズ自体のマンネリとXXXみたいな派手さを売りにした作品の台頭もあるのかな。

 

3部作については、今回のエピソードだけを考えると悪くないが、前回、前々回と合わせて評価すると微妙。
2エピソード使った大学の下りはほぼ関係なかったし、役に立たない変な奴らから意見をもらうのも時間稼ぎとしか思えなかった。
何より、黒幕である磯貝さんの行動が意味不明。
三橋さんが自分が好きだった相葉さんと付き合っていたことで恨んでいたようだが、とっくの昔に別れており、三橋さんに関しては別の人と結婚している。
相葉さんが未練残ってていつまでもなびかないという説もあるが、インタビューの様子から察するに、別れた後は全く連絡とっていない様子だったし、そもそもストーカーになびかねぇって。
相葉さんの自宅を勝手に使って友人を呼ぶのも意味不明だし、投稿許可しながら自宅の取材NGだったりと言動がメチャクチャ。
こう言っちゃ悪いが、結論ありきでストーリーを考えたときに陥りがちな、その場しのぎの辻褄合わせ感が強かった。
もう1つの問題点として、ラスト以外の事象が弱すぎる。
それどころか、大したトリックもなく再現できるものばかりだ。
パート81もそうだったけど、つかみが弱いとあまり興味持てないんだよなぁ。
せめて自演感だけでも無くなってくれればいいんだが。