ほん呪をはじめとした投稿映像系のホラー作品では、「これ作りもんだな」とか「そうはならんだろ」となるような萎え要素が結構ある。
今回は、そんな萎え要素の代表例といえる「合成ブレ」について語ってみる。
合成ブレとはその名の通り、合成で幽霊さんを貼り付けた際に位置関係がブレていて、細かく振動しているように見える現象と定義している。
これはかなりの映像で起きている現象で、評価の高い映像でも結構起きていたりする(特に福田演出~児玉演出期辺り)。
何で合成ブレが起きるのかについては、まぁ予算や時間、技術が足りないからだろう。
あと、王道パターンであるパン(カメラを左右に振ること)と併用することが多いため、位置関係をうまく合わせるのが難しいと思われる。
近年の作品では合成ブレは減ってきていたが、オミさん期ではまた合成ブレだらけになっていたから、技術の発達とかよりも制作者の技量や撮影手法が大きく関係しているのだろうか?
また、合成ブレは他の萎え要素と併用してしまうことがよくある。
特によくあるのは立体感が無くなる、遠近感がおかしくなる、霊だけくっきりしてる、逆に霊の輪郭だけやたら滲んでいるなどで、初見時は怖く感じても、ほん呪みたいに何度もリプレイしたり、ズームやスローが入ることでそれに気付いてしまい、萎えてしまうことがよくある。
本ブログでも、「余命(パート21)」や「廃神社(パート23)」、「セミナー・キャンプ(パート26)」辺りは、レビューを書くためにしっかり見た結果合成ブレに気付いてしまい、恐怖度を落としている。
超速度落下も合成ブレの派生として挙げられる。
これは飛び降り系でよくある現象で、通常ではありえない速度で落下する人間や幽霊さんがしばし登場している。
これは技術の発達でクオリティーの高い映像が作れるようになった昨今で、唯一明確に劣化したといえるもので、いまだにパート10の「落下する霊」を超えるものを見たことがない(個人的にあれは本当に飛び降りてると思っているけど)。
さすがに重力加速度を知らないなんてことはないよな!?
あと、あの違和感は何なのだろう?
1コマ単位で動いているから、動画にすると滑らかになるはずなのに、実際見るとカクカクしてるんだよな。
現実の落下速度との差が錯覚みたいに見えるのかな?
そんな萎え要素満載の合成ブレだが、個人的に成功例が1つある。
「コワすぎ」シリーズ2作目の「震える幽霊」がそれで、この霊は尋常じゃない速さで振動しながらこっちに向かってきている。
これは合成ブレを逆手に取った見事な手法で、雑コラみたいな怪異ばっか登場するコワすぎシリーズで数少ない怖いやつだと思う。
白石監督はまだ怖いものを作る才能があるのだから、開き直ってギャグに走ってもいいけど、その中でも怖いものを作り続けてほしいところ。