ほんとにあった!呪いのビデオ105レビュー

評価:★★★★★★★☆☆☆
全体的におとなしめなパート。
メインはしんみりする内容で、ほん呪の強みが上手く表現できている。

 

 

 

<沐浴>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
もうすぐ生まれる赤ちゃんのために、ベビードールを使って沐浴の練習をしている映像。
練習はいいとして、そんなのわざわざ撮るか?
シャンプーをしていると妙に汚れていることに気付き、タオルを取ってみると布で覆われた胴体部分から黒い汚れが滲み出ている。
驚いて沐浴練習を忘れた投稿者が、ベビードールを沈めてバシャバシャ洗って水面から顔を出すと、閉じているはずの目が一瞬開き、白目剝いている。
また、直後の鏡に紫がかった男が映りこんでいる。
ちなみに、投稿者は洗っていた手がしびれた様子。
ビードールはネットオークションで買った中古品であり、この後「私の代わりにこの子を幸せにしてあげてください」と書かれた奇妙な手紙を見つけた。
その後、人形供養をして手放したようだ。

 

何でそんなものを買った?胴体部分が布なのにそれで沐浴ってのもなんか変だし。
色々とシチュエーションに突っ込みどころが多い映像。
汚れについては、色とかしびれたと言っていることから漆かなと思ったけど、硬化すると高い防水性を持つらしいし、すぐにしびれる訳じゃないから違うかな。

 

 

 

<ケモノ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
山道に隣接した実家の周辺にイノシシが出没し、警戒しながら撮影した映像。
部屋に戻り、駐車場に設置した監視カメラの映像を見ていると、車の前にいるイノシシが少しづつ人間に変化し去っていく。
裏山のキャンプ場では、子どもが行方不明になることが何度もあるようで、地元では神隠しとして恐れられているとか。

 

骨格が曲がっていたり、ふらついてたりと、変身したてで慣れてない感じがイイ。
こいつが「バンパイヤ(手塚治虫)」だとしたら、どんな条件で変身したんだろう?
(あっちは人間→獣への変身だけど)

 

 


メインに入る前にスタッフルームの近況報告。
木勢さんは相変わらず続投で、手紙の整理中。
ってか男鹿君復活してる!!!髪を伸ばして束ねており、前よりふっくらしてるじゃねぇか(笑)
無理をしなければという条件で復帰できたようだ。
カメラを回しているのは新人の渡辺で、藤本演出含めこの4人で再始動となる。

 

 

 

<骸の知らせ 前編>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
QRコード付きの手紙が送られてきた。
QRコードの中身はあるリモート会議の録画で、そこに奇妙な現象が起きたという。
投稿者はWEBデザイナーをしており、社内会議をしていたら謎のアカウントが入ってきて、すぐに退出したという。
関係者以外が入ってくることは考えにくいし、当時は社内に1人だけだったが、背後から人の気配を感じ、振り向いたがいなかったとか。

 

肝心の映像は、投稿者含む3人でスケジュール確認していると、回線が妙に重くなったりしている。
投稿者が人の気配を感じて振り返ると、バカでかい着信音が鳴った直後に謎のアカウントが入室し、その画面が映し出されるが何も見えない。
バグかと思っていると、投稿者のいる社内が停電みたいに真っ暗になり、その間に何者かは退出する。
照明が戻ると、右奥に何者か覗き込んでいて、すぐに去っていく。
一応、ここまではリモート怪談って感じであり、ドッキリや自演の可能性も十分あるので、ここからどう話が進むかが腕の見せ所。

 

文字起こし機能を使っていたようで、そのログには何者かの文字化けした怪文章と、マップと思われるURLが残っていた。
だが、URLは開けなかったようだ。
文字起こし機能がけっこう優秀だな。うちの会社でやると10%ぐらいしか読める文章にならないのに。
その数秒前に「0サ6六郷産ヨ46さn.」というログがあったため、頑張って解析してみることに。
全て数字にすると都内の電話番号っぽいものになったが、使用されていない番号だった。
また、URLの座標などを調べてみたが、手掛かりは掴めないでいた。
投稿者に改めて聞いてみると、今回だけでなく前から何かしら起きていた可能性が高いという。
本人や職場に曰くなどは無いようで、強いて言えば前の職場がブラックだったことぐらいとか。

 

許可を得て、職場を取材することになった。
覗き込んでいる人影が現れた場所はロッカーとなっており、隣接するロッカーは出っ張っているため、人影はロッカーをすり抜けたしか思えない。
ってか、人影が現れた場所はロッカーではなくすりガラスで、その奥に現れたと思ってた。
投稿映像にもあったが、インタビュー中に投稿者のスマホが鳴る。
だが、メッセージはおろか通知ですら残っておらず、修理に出してみたが異常なしと判断されているとか。
投稿映像の輝度をいじってみると、謎のアカウントの映像には何かが映っていた。

 

後日、投稿者から新たな投稿映像が送られ、怯えた様子で電話をかけてきた。
という訳でその映像。
ドアをドンドン叩かれており、怯えながら玄関に近付く。
のぞき穴越しに見るが誰もおらず、ドアをおそるおそる開けると誰もない。
だが、振り返ると玄関から奥の部屋まで謎の水たまりができていた・・・漏らしてないよね?

 

事象のターゲットは投稿者だと仮定し、部屋をリモート会議で繋いで監視することに。
すると、例の着信音とともに謎のアカウントが現れ、すぐに退出した。
その後もチェックしていると、ハンガーにかけられた服が落下したり、わずかに開いていたドアが動いたり(そもそもなぜ閉めない?)などの奇妙な現象が相次ぐ。
そして、謎のアカウントの映像の輝度を上げてみると、ピースしている女性の写真と思われるものが映っていた。
これを投稿者に見てもらうと、映っているのは自分だという・・・つづく

 

 

 

<回転>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
友人と関西地方の旅の途中で撮影した映像。
海の入り江みたいな場所を見て回り、日が沈みかけたので戻ろうとすると、投稿者の左側(柵があり、足場がない)を半透明の女性が横切る。
その直後、足元に女性の生首が転がっている。
この付近では、戦国時代に敗走した戦国大名の焼き討ちが行われたとか。

 

今回の菊池枠っぽい映像。
足元の生首は余計だと思う。
ってか最初の横切った女性がどうみても現代的で、補足情報要らんでしょ。
ところで、最後らへんの中村さんのナレーションに声っぽいのが被っているけど、これは収録ミスか?

 

 

 

車中泊
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
投稿者親子が冬の天体観測に行き、車中泊をしていると子どもの声が聞こえたため撮影した映像。
父親は気付いていない様子だったが、窓を開けると確かに声が聞こえたため、車で近付いてみることに。
父親がカメラを持って1人で探しに出ると、声がはっきりと聞こえ、山道を歩くにランドセルを背負って通学帽をかぶった少女のような姿が映るが、近付くと消えてしまった。
何かを感じ取ったのか、父親が引き返して帰ろうと車を走らせると、何かを轢いてしまう。
外に出て確認すると赤いランドセルであり、どかして車内に戻る際、フロントガラスの先に通学帽をかぶった少女が映っていた。
この付近では、16年前に少女が行方不明になっており、現在では廃校になった小学校へ通学途中だったという。

 

あまり派手にせず、どこか哀愁感じるエピソードで個人的に好き。

 

 

 

<残影>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
20数年前に撮影された恐竜や歴史を扱っている博物館での映像。
日本家屋の内部を見て回っていると、鏡に白い着物を着た女性が映っており、少年が横切りながら凝視している。
この日本家屋は、実際に使用されていたものを移築しているという。

 

ある意味久しぶりの王道。
こういうのは毎作1本ぐらいほしい。

 

 

 

<骸の知らせ 後編>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★★★
投稿者がスタッフルームに来た。
元の写真と比べると確かに同じで、当時の恋人と海に行き撮ったものだった。
別れてからは着信拒否をしており、こちらから掛けてみたが繋がらない。
当時の恋人について聞いてみると女性であり、同棲もしていたが元カノが親の介護で実家に帰り、その後上手くいかなくなって別れたようだ。
実家の住所を知っているため、スタッフと共に実家へ向かった。
呼びかけても返事はなく、郵便が貯まっているため、しばらく帰っていない様子。
母親と2人暮らしだったようだが、近隣住民によると母親が亡くなり、それからほとんど見ることがないという。
日が沈むのが早く、薄暗くなってってきたため、藤本演出が住民票を使って現住所を特定しようと提案。
聞こえていないとはいえ、元カノも亡くなってるかもと口走った藤本演出を男鹿君が咎めており、信頼関係がうかがえる。
まぁ第三者が受け取れるわけなく失敗。聞き込みも大した成果が得られずにいた。
偶然、肝試しに来た若者達を発見して心霊スポットの情報を聞くけど、これ伏線か?

 

最後に写真の撮影場所に向かった。
元カノがサーフィンをしていたという思い出話をし帰ろうとすると、投稿者が何かに気付く。
少し離れたところに、元カノの面影がある人影を発見!
するとピントがずれてしまい、直った頃にはいなくなる。
と思ったら移動しており、藤本演出と渡辺が追いかけるが、曲がり角を曲がるといなくなってしまった。
なぜか藤本演出がダウンしてて草。そこは男鹿君だろ。

 

日を改めて海に行ってみると、望月さんを知るサーファーに話を聞くことができた。
元カノは今年(2023年)の夏に、サーフィン中の事故により亡くなってしまっており、その前から急激に痩せたり目が見えにくくなったりと体調不良だったという。
引き取り手がいないため、無縁遺骨として役所で保管されているとのこと。
投稿者と役所に行き、数年ぶりの再会を果たすが、保管期間が過ぎるまで親族しか引き取れないという。
投稿者はモザイク越しでも分かるほど複雑な表情をしているが、遺骨を引き取り、思い出の海に散骨したいと思っているようだ。
ここで、WEBミーティングの文字起こしにあった六郷産=653は、元カノの無縁遺骨のナンバーと一致していることが分かった。
元カノは、自身の死を投稿者に気付いてもらうために、霊となって現れたのだろうか・・・

 

後日、元カノの遠方の親戚と連絡がつき、送骨サービスによって遺骨を引き取ってもらったと連絡がきた。
そのことを投稿者に話すとかなり精神的に参っている様子で、未熟だった当時の自分の後悔と、たとえ霊現象でも会えなくなるのは寂しいと打ち明けていた。

 

投稿映像の前に、WEBミーティングの文字起こしにあった謎の文字列「0サ6六郷産ヨ46さn.」の考察。
全て数字にすると「0366534463」となる。
653は先の通り元カノの遺骨のナンバーであり、036は女性同士が付き合っていることを隠すために、お互いに「オサム=036」という男性と付き合っていることにしていたという。
そして、4463はヨウジロウさんというあの海で行方不明になった男性がいて、海中でオレンジのジャンパーを着たヨウジロウさんと目が合うと引きずりこまれるという噂があるとか。
・・・「さn」をそのまま「さん」で良くね?

 

最後に、元カノがサーフィンしている映像(投稿者はおそらくサーファーの男性)。
カメラを海中に入れると、海底に半透明の男性が左手を挙げながら仰向けになっている。
この人がヨウジロウさんで、目をつけられてしまったのだろうか・・・
これ自体は怖いものではないけど、しんみりするエピソードや、少しづつ明らかになってくる展開が見事で、ほん呪の強みをうまく生かせていたと思う。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★☆☆☆
藤本演出期にしては、かなりおとなしめの作風となっている。
怖い映像はないが、どこか哀愁漂うエピソードが多く、特にメインはシリーズ初期にあったようなしんみりする内容となっている。
それだけに、「沐浴」と菊池枠っぽい「回転」がかなり浮いて見えた。

 

今回のハイライトはメインで、最初は謎のアカウントによる霊障かと思われたが、元カノが自身の死を伝えるためのアピールやダイイングメッセージだということが少しづつ解明していく点や、ケンカ別れしてそのまま2度と会えなくなってしまったことを後悔し、遺骨を引き取ることも叶わなくなってしまって寂しそうではあるが、前向きに生きていこうとしている様子も伺える、しんみりしたストーリーが見事。
ほん呪ならではの強みが上手く表現できていると思う。

 

開けないマップのURL&文字化けした文章の内容は謎のままだったが、マップのURLは順当に考えれば自身の亡くなった場所と遺骨が保管されている市役所だと思う。
文字化けした文章は、より具体的なダイイングメッセージか投稿者に向けた手紙みたいな感じだと思われるけど、その内容は本編のスタッフの見解とは全く違う可能性もある。
投稿者はケンカ別れしたことを後悔していたが、元カノはただでさえ親の介護で神経すり減らしていたのに、ケンカが絶えなかった上に別れたら別れたで着信拒否され、母親を亡くしてしまうというという不幸の連続であり、投稿者のことを恨んでいてもおかしくない。
2本目の投稿映像のドアドンはアピールにしては明らかに悪意あるし、引き取り手が急に見つかったのも、引き取られたくなくて遠方の親戚のもとへ化けたのかもしれない。
そのため、あの文字化けをエンコード変換してみたら・・・ということも考えられる。
こういう考察ができるところも含めて、やっぱ俺は断然ほん呪派だな。