ほんとにあった!呪いのビデオ 児玉演出前期総評

担当作品が多いので、岩澤、菊池コンビが抜けるまでを前期として総評します。

 

 

 

<担当作品>

パート22 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
パート23 ★★★★★★☆☆☆☆
パート24 ★★★★★★★☆☆☆
パート25 ★★★★★★★☆☆☆
パート26 ★★★★★★★★★
パート27 ★★★★★★☆☆☆☆
パート28 ★★★★★☆☆☆☆☆
パート29 ★★★★★★★★★
パート30 ★★★★★☆☆☆☆☆
パート31 ★★★★★☆☆☆☆☆
パート32 ★★★★★★★★☆☆
パート33 ★★★★★★★☆☆☆
パート34 ★★★★★★★☆☆☆

★平均6.5

 

 

 

<評価・感想>
ほん呪でどの演出が一番好きかと聞かれたら、筆者は迷わず児玉演出を挙げる。
★平均だけで言えば坂本演出の方が上だし、リング編を除いて★6以上をキープしていたが、それは本ブログがリリース順に相対評価で採点するという方式をとっているためであり、児玉演出作品後に坂本演出作品を見ていたら結果は大きく違っていたと思う。
デビュー作こそ残念だったが、それ以降はこなれてきたのかコンスタントに名作を生み出し続け、驚異の安定感を誇っていた。
ほん呪だけで19作品も演出として作品を生み出してきたし、その後も封印映像シリーズや闇動画シリーズなども手掛けていて、モキュメンタリーホラー界のレジェンドと言える。

 

児玉演出のほん呪に与えた影響は多い。ざっと思いつくだけでも、

  • 今まではあったりなかったりした、おことわりやオープニングタイトル、シリーズ監視カメラや前後編などを確立させた。
  • 10周年記念作であるパート32から始まった夏の3部作は、現在まで変則こそあれど続いている。
  • 直属の部下から演出を2人も輩出したし、その2人は独自の色を出しつつも、その基本は児玉演出路線を継いでいた。

特に演出2人を輩出した影響は大きく、実に50作近くも児玉演出路線の作品が製作されたことになる。
まぁ、短所としてどちらもパワハラ演出と化してしまったり、シリーズのマンネリ感を与える遠因にもなっているが、それだけ影響力のある演出だったということだろう。

 

児玉演出の凄いところは、歴代演出の長所をうまく生かし、自分のものにしたところだと思う。
王道である怪談話の映像化は今までも多く生み出されてきたが、児玉演出のは特に完成度が高く、多くの決定版を生み出した。
また、発見系を発展させた襲撃系をコンスタントに製作し、視聴者に更なる恐怖を与えることに成功している。
メインのエピソードについては半分が駄作だけど、これも中村演出、坂本演出、福田演出の要素を取り入れてながら様々なタイプの「呪い」を描き、ついにはスタッフ自身に呪いが降りかかるという禁断の領域に踏み出した。
また、伝承や都市伝説の要素を取り入れたエピソードが多かったと思う。
まぁ現在だとググられて「そんなのないじゃん」ってなってしまうギリギリのものが多かったけど、作品の世界観に入り込む十分な説得力があり、見ている間に気になることはなかった。

 

 

 

<おすすめ>
・パート22 キャッチセールス
胸糞系の代表作。
キャッチセールスの女が一番恐い。

 

・パート23 廃神社
検証、映像共にレベルが高く、満足度が高い。
よく見ると合成ブレしているのはご愛敬。

 

・パート24 ダビング
吉田さんと岩澤の絡みは伝説級。
投稿映像はまあまあ。

 

・パート25 不気味な女
言わずと知れたシリーズ代表作の1つ。
補正なしでオール★5を獲得した唯一のエピソード。

 

・パート26 合唱
劣化して色味やキーが狂ったテープと、事象の背後霊が超不気味。
鳥肌が立ちっぱなしになった。

 

・パート27 シリーズ監視カメラ 製作委員会スタッフルーム
スタッフに降りかかった呪いがテーマという、禁断の領域に手を出した力作。
あの吉田さんの意外な過去が明らかになる!

 

・パート28 面接
テレビで有名な重力に逆らっているアレ。
AVの面接だったというのも意外性があっていい。

 

・パート29 白面の女
少しずつはっきり分かる女のインパクトが抜群。
初見で隠し事象に気付けば怖さ倍増。

 

・パート30 夢遊病
ポルターガイストを描いた力作。
どこかもの悲しいエピソードもいい感じ。

 

・パート31 冥界へとつながる森
Special5の「井戸」に並ぶ割り込み系の傑作。
でもスタッフルームのアレはないと思うぞ。

 

・パート32 タクシー
幽霊さんの気迫に脱帽。
ずり落ちるのがどこかマヌケで、1度で2度おいしい。

 

・パート33 シリーズ監視カメラ 女子寮
エレベーター物の代表作。
王道の良さを再確認できる。

 

・パート34 念写
斬新な手法と、人によって意見の分かれる娘の霊が印象的。
両親を見守るいい霊なのか、それとも悪霊になりかけているのか・・・

 

 

 

<主なスタッフ・出演者など>
中村義洋
シリーズおなじみのナレーション。
児玉演出の趣味なのか、やたら解説しまくったり、変な発音を連発していた。

 

・児玉和士
5代目演出にして初代パワハラ上司。
基本的にカメラを回していて自分が映ることはなく、演出補に指示を出していた。

 

・岩澤宏樹
パート23から登場した名物演出補の1人。
出始めは少々頼りない感じの好青年だったが、吉田さんとの出会いや取り憑かれた経験から、徐々に演出補のリーダーとして頭角を現していった。
坊主頭から伸ばしっぱなしだったが、一時髪をオレンジにしたり、サングラスを掛けるようになったりとオラついていた。
大谷君がサボった辺りから兆候が見えていたが、菊池がいなくなったことでブレーキが利かなくなり、児玉演出をも凌駕するパワハラ上司へと変貌していく。

 

・菊池宜秀
パート24から登場した名物演出補の1人。
元常連の投稿者で、10周年記念作品であるパート32~34では物語のメインになった。
例のビデオを持ち出す際に上半身裸になったことで、腐っている人の心を鷲掴みにし、岩×菊を増殖させたとか。

 

・大谷直樹
ザ・下っ端といった感じの演出補で、上司の児玉演出だけでなく後輩であるはずの岩澤にもいびられていた。
廃神社の老婆のヤバさにいち早く気付いたり、ダビングの呪いを回避したりと危機管理能力が高く、製作委員会に残っていれば覚醒したかも。

 

・横田則幸
2代目横田。
初代より更に太く、2Lペットボトルがよく似合うギャグ要員。

 

・渡邊利枝
ザ・下っ端その2。
観察力が鋭く、例の印に気付いたり山荘跡地で何かに気付いたりしていたが、菊池のことで感情的になった岩澤によりいびられていた。
ついには発狂して見事なローリングを披露し、ローリング渡邊の異名を持った。

 

・吉田さん(仮名)
ほん呪が誇る伝説の○○○○。
岩澤との絡みは伝説で、筆者はこの回以降演出補目当てにほん呪を見るようになった。
実は中学時代彼女持ちだったり、テレビでもよく流れて有名な「卒業式」の首から上が無くなっているあいつだったりと、意外な経歴を持っていた。