ほんとにあった!呪いのビデオ76レビュー

評価:★★★★★☆☆☆☆☆
あの川居が、連名ながら初の女性演出に抜擢!
その影響か、メインがいつになくドロドロ展開。

 

 

 

<インディアン水車>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
カップルで北海道旅行に行った際、川に設置されたインディアン水車を撮影した映像。
インディアン水車とは、鮭を捕まえるための水車であり、アクリル板越しに大量の鮭が泳いでいる。
するとその中に、水死体のような顔が一瞬現れる。
数年前にヒグマが人里に入り、バラバラ死体が見つかったとか。
これ、白目なところを除けばリアル水死体説あると思う。

 

 

 

孤独死
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
ボロアパートで男女5人が宅飲みしている映像。
大学時代の音楽サークルの友人がインディーズレーベルに契約したため、その祝いで撮ったものだとか。
窓全開なのに全員厚着とか、何考えてるんだこいつら?

 

盛り上がったところで、その窓の奥に違和感を感じた投稿者がズームする。
すると、顔を白く塗りアゴが外れるレベルで口開けた男が、すりガラス越しに助けを求めるようなそぶりをする。
それにビビって1人絶叫するが、カメラがブレた瞬間、友人宅の窓の上から緑の男が覗き込んでいる。
奥のアパートでは数ヶ月前に老人が孤独死し、それ以来心霊現象に見舞われ、空きアパートになっていたとか。
こいつ老人に見えるか?キノコ頭の若者が仮装しているように見えるが。
あと、2つ目は色々と余計。硫化水素自殺したのかってぐらい緑だし。

 

ところで、インタビューしてるの誰だ?演出・演出補の面々ではないよな?
何となく、ちょっと太った今野君に見える。

 

 

 

<雪道>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
珍しく大雪になり、同僚を家に送りながら撮影した映像。
どう見ても運転者が撮影してるんだが、それを投稿って何考えてるんだ?
しかもタバコまで吸ってるぞ。どうやって撮ってるんだ?
更に言うと、目的地近くとはいえ、普通運転中にルームランプ点けないでしょ。
シチュエーションそのものにツッコミどころが多すぎる。

 

同僚を下ろす際、電柱の裏に血まみれの半袖男が立っている。
その直後、同じ男がダッシュボード下にいて、同僚を睨みつけている。
この時、不自然なガソリン臭がしていたとか。
また、同僚の女性の婚約者が3年前、登山中に転落死しており、「彼女に裏切られた」と言っていたことから自殺だった可能性があるという。
カラーなのはいいけど、グロで来られても何とも思わん。

 

 

 

<誰がために 前編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
今回のメイン。
4年半前に男3:女5でカラオケをしている映像。
撮影者は稲羽さんで、友人の宇陀さんもスタッフルームに来てもらった。
その中のカップル(仲居さんと鈴木さん)が結婚し、結婚式の余興DVDを作るために見直したところ、その時にはなかった異変が起きていたという。
異変は樋口さんという女性に起きていて、病気により最近亡くなってしまった。
で、樋口さんが亡くなったことで何か曰くがあるのではと思い、結婚する2人のためにもお祓いできないかと相談してきた。
・・・何度も言ってるが、製作委員会は人助けしたことないぞ。
お祓い目的で投稿とか、エイズか知りたくて献血受けるようなもんだ。

 

ここで肝心の映像。
樋口さんは向かいの中央にいる子で、曲を選んでいる際に樋口さんがいなくなっている。
だが、鈴木さんが話しかけているから、撮影時にはちゃんといて、変化して消えたと思われる。
とはいえ、正直自演できる範囲であり、現時点では微妙。
ここで注目すべきは、樋口さんが明らかに鈴木さんに寄っているところ。

 

ここでインタビューに戻ると、樋口さんの右にいる福田さんが最近連絡取れないという。
また、結婚した2人については、変に心配させると悪いからと連絡することを断られてしまった。
・・・つまりこいつら、自分達だけお祓いする気じゃん。自分たちで勝手にしてこいよ。

 

どうでもいい仮説タイムの末、現在連絡が付かず、1番危なそうな福田さんについて調査することにした。
上司によると、福田さんは現在実家に療養中で、連絡が取れないという。
だが、社内での人間関係は良かったし、試験を目前に控えやる気に満ちていたため、思い当たるフシがないとのこと。

 

スタッフルームに戻り編集していると、投稿映像の新たな事象が見つかった。
樋口さんが消えている場面で、福田さんの左肩から、福田さんを指差すような手が映っている。
また、福田さんがさくらんぼを歌っていると、その背後に重なるような女性が映っている。
指差す手については、やっぱり樋口さんの自演説ない?
幽霊については、変化して現れた樋口さんってところだろうか。
最後に、稲羽さんと宇陀さんをお祓いに連れて行ったところで次へ。

 

ところで、今回の登場人物は一応仮名なんだけど、全員ピー音無いし、読みも一致してる。
漢字違いってこと?

 

 

 

<シリーズ監視カメラ 彷徨う>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
某劇団の本番前の稽古を記録した映像。
この手の映像が寒いのはいつものことだけど、「お前の母ちゃんIBM」って何だよ。
その前後のキチムーブと言い、シラけるとしか思えないぞ。
倒れ込んで感電し、「I〜B〜M〜」と断末魔を上げながら照明がチカチカするのだが、舞台中奥から左に移動する女が現れ、そいつが消えた瞬間、舞台左奥に移動し吊っているようなそぶりをしている。
この雑居ビルでスナックを経営していたママが自宅近くの山で自殺し、それ以降不可解なことがよく起きるとか。

 

いや、これスナックのママか?金太郎みたいな服着てるぞ。
金太郎に思い入れのある劇団員の幽霊さんでは?

 

 

 

<温泉旅行>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★
彼女と海辺の旅館に行き、部屋で撮影した映像。
早朝、窓の外の海辺に知人がいると言い出し、確かに誰かいるのだが、彼女が部屋の奥に逃げるといなくなる(なぜか隠し事象扱い)。
そのことに気付かず、口論になるのが見ててモヤモヤする。
ようやく彼女が立ち上がり見に行こうとすると、その背後に女性がいて並走している。
彼女が見たという知人は会社の後輩で、1年前に自殺しているようだ。

 

こいつらの口論が見ててモヤモヤする。
そもそも顔分かるレベルの距離じゃないでしょ。視力いくつだよ。
ってか、投稿者は彼女の背後にいる霊に気付いてるよな?明らかにそっちの方にカメラ向いてるし。
あと、投稿者のクセなのか、カメラを爪でカリカリすんな。
怖いっちゃ怖いが、イライラとモヤモヤの方が強いエピソードだった。

 

 

 

<料理>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
遠距離恋愛中の彼氏に、野菜炒めのレシピを教えるためにWebカメラで撮影した映像。
フライパンの中ほとんど見えないんだが、それでいいのか?
玉ねぎを入れようとしたあたりからノイズが発生し、左奥の壁に埋まっているような男が現れたり、投稿者が消えたりする。
壁をハンマーで壊すと、中から死体が現れる夢を見ていたとか。
投稿者は現在、行方不明になっている。

 

壁に埋もれた男のクオリティーが低い。
立体感無さすぎて、そういうポスターにしか見えん。
それよりも、右奥からDEATH NOTEのLみたいな人が現れてるでしょ。
あと、エプロンに顔があるように見える。
まぁ全部小粒。

 

 

 

<誰がために 後編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:胸糞(★★★★★)
登場人物が多いのでおさらい。
稲羽さん:投稿者兼撮影者。撮影時は団子。
宇陀さん:稲羽さんと一緒に来た人。撮影時はツインテール
樋口さん:一番かわいい。消える事象が起きた人で、最近亡くなった。
福田さん:最近連絡が取れない。撮影時はポニーテールで、事象が起きている。
仲居さん:鈴木さんと結婚した。お淑やかな感じの人。
鈴木さん:仲居さんと結婚した。撮影時、樋口さんとやたら近い。
飯嶋さん:タンバリン叩いている人。空気。
加藤さん:メガネ。空気。

 

とりあえず、投稿映像に映っているモブ2人(飯嶋さんと加藤さん)に話を聞くことに。
樋口さんと鈴木さんは当時付き合っていたようで、高校卒業間近に別れてしまったという。
当時のクラスメイトは何で別れたのか不思議だったようで、結婚するかもと言われていたようだ。
仲居さんは高嶺の花だったようで、2人が付き合い出したのは最近のことだったとか。

 

ようやく福田さんに会うことができた。
クソデカマスクにクソデカメガネ(多分度無し)と、具合が悪いというよりも顔を隠したがっている様子。
仲居さんは当時から鈴木さんのことが好きだったが、樋口さんと付き合っていたため、別れさせようとしたグループがあったという。
そして、その主犯は稲羽さんと宇陀さんだった。
その後、結婚式の招待状をもらって真相を知り、福田さんに恨み言を言っていたようで、「私がいなくなったら次は誰かな」というメッセージを最後に自殺したという。
福田さんは共犯ではないが、ターゲットになることを恐れて本当のことを言えず、恨まれているのではと恐怖していた。
そこで、稲羽さんと宇陀さんに会ってケジメをつけてくれないかとお願いするが、何も答えなくなってしまい、この場を後にした。

 

次に、樋口さんの母親に話を聞くが・・・お母さん泣きっぱなしだよ。やめとけよ製作委員会。
母親も娘の死の真相を知りたいようで、当時使っていたスマートフォンを受け取ることができた(福田さんからメッセージ貰えば良くない?)

 

今度は、約束を破って仲居さん夫婦(鈴木さんが仲居性になった)に話をすることに。
鈴木さん、顔違くない?当時はスポーツやってたから、色黒ですっきりしてたとか?
樋口さんとは仲良く付き合っていたが、ある時からお互いに悪口を言っているという噂が広まり、話し合ったという。
誤解は解けたが、樋口さんはちょっとでも疑った自分が許せなくなり、別れを切り出してきたようだ。
仲居さんはそのことを全く知らなかったようで、別れた後に鈴木さんの相談相手になっている内に、いつの間にか付き合うようになっていたとのこと。
そのため、別れさせた後のことは考えていなかったのだろうか・・・
最後に、鈴木さんが樋口さんについて「感謝してる」と言うのに違和感ある。
樋口さんが亡くなっていることを知らないんだろうけど、いかにも含みを持たせた感じ。

 

ここで、稲羽さんと宇陀さんをスタッフルームに呼び、別れさせようとした件について尋問する。
当然ながらしらばっくれていると、スタッフが福田さんを乱入させて直接対決開始!!!
福田さん、クソデカメガネを外すが、クソデカマスクはそのままの様子。
ここからの胸糞ドロドロ劇は、Special1の「続・タイムカプセル」並。
まぁあっちとは違って時間の無駄ではなく、物語の核心に迫る重要な場面なので、しっかり見届けよう。
双方の記憶が食い違っていたり、曖昧な答弁をしたり、なすり付けを続けていると、大塚が痺れを切らし怒る・・・お前邪魔、帰れ。
誰もこいつの味方しないのが、ゴリ押しっぷりと嫌われっぷりを物語ってるわ。
ここで樋口さんが病気ではなく自殺だったことを知り、ようやく自分たちがしたことを自覚する2人。
最後は涙ながらに後悔を語り、このドロドロ劇は一旦幕を閉じる。
スタッフは、マスクを取った福田さんとお祓いに行った。

 

しばらく経ち、樋口さんの日記を手に入れ、スマホのパスワードの解読に成功した。
パスワードは鈴木さんと付き合った日であり、別れたことを後悔していたと思われる。
メールを見ると、4年ぐらい前から最近まで、福田さんがヨリを戻させようとしているメールがいくつも見つかった。
それを励みにしていたのか、樋口さんはつい最近までヨリを戻せるつもりでいたようだ。
なぜ福田さんは、嘘をついてまでそのようなことをしたのだろうか・・・
まぁどう考えても、お互い未練タラタラで別れてるからね。
それで福田さんが嘘ついてるって事にはならないと思うが。

 

メールの件について福田さんに話すと、全てを教えるとスタッフルームにやって来た・・・フルメイクで。
樋口さんと鈴木さんが別れたことで、別れさせた当事者達ですら樋口さんが心配になり、福田さんにフォローさせたという。
当初こそヨリを戻すことはできただろうが、仲居さんと付き合ってからも引くに引けなくなり、結果的にトドメを刺してしまったのではないかと後悔していた。
そして、軽い気持ちで別れさせ、そのフォローを自分に押し付けた友人達を恨んでいるという。
・・・この間、新入りの山本屋さんが終始白い目で福田さんを見てる。同じ女性として思うところがあったのかな。

 

結局、やってる側は誰が何のためにやっているかという自覚がなく、やられている側はいつまでも記憶に残る。
また、当初は関係なくても、同調圧力や自分が巻き込まれないようにと、逃げたり加担してしまう。
そんな些細なことがきっかけで事は大きくなり、取り返しのつかない事になってしまうという、今もどこかで起きているような主体性のないドロドロ劇だった。

 

最後に、福田さんがさくらんぼを歌った後の場面。
樋口さんが不自然にうつむきながら、稲葉さんを指差している。
また、その前に宇陀さん、加藤さん(メガネ)、飯嶋さん(タンバリン)の順に指差ししている(かなり微妙だけど、仲居さんには指していないと判断した)。
これが変化したものかは分からないが、加藤さんと飯嶋さんも加担していて、順に不幸が訪れるという暗示だろうか・・・
仲居夫婦がターゲットじゃないのは意外。何もしなかったからかな?

 

事象は弱いけど、1本の投稿映像に隠されたメッセージが少しづつ明らかになっていく構成は良かったし、隠し事象もあるので考察が捗った。
まぁ、福田さんに起きた事象がちょっと余計に感じたのと(1番恨まれていたと考えれば許容できる範囲)、指差し部分はラストだけでなく最初の時点で一緒に流しても良かったと思う。

 

 

 

<総評>
★★★★★☆☆☆☆☆
パート44から登場し、今や中村さんに次ぐ出演数を誇る川居が、とうとう演出になった。
愛憎劇を得意とする福田演出と初の女性演出というタッグの影響か、メインはかつてないドロドロ劇だった。
テーマは、どこかで起きているような主体性のないいじめであり、初期のようなリアルさと煮え切らない感じが絶妙だったと思う。
このエピソードは、誰が一番悪いか、誰が真の黒幕なのかは視聴者によって解釈が変わるだろうな。
正直、筆者も誰が一番悪いかは判断できない。
強いて言えば、樋口さん視点で指を差していた5人ってところだろうか。
だが、仲居さんだけは得しただけだったし、鈴木さんも「樋口さんに感謝してる」という発言を考えると、本当は鈴木さんが別れたくて仕組んだ可能性がある。
考察が捗るエピソードだが、悪い点を挙げると、さすがに4年の歳月は長すぎる。
1~2年間とか在学中ならまだしも、4年も経ってみんな進学や就職してる訳だし、今さら同調圧力とかどうでもいいだろと思う。
樋口さんも樋口さんで、4年も福田さんから励まされて気持ちよくなってただけで何もしなかったの?って感じだし。

 

と、ここまで★7ぐらいあってもいいような評価をしたが、★5なのは理由がある。
今回も大塚が出しゃばるけど、★を落とす程ではない。
稲羽さんと宇陀さんに対して思うところはあるが、それも許容範囲ではある。
エピソードが長いのも、菊池演出で鍛えられたから問題ない。
ではなぜかというと、4年ぐらい前に本作を初めて見た時、最後のテロップを見ながら「またか・・・」と思わず呆れたんだ。
この路線はパート71~75で既に飽きているので、かなりしんどかった記憶がある。
菊池演出期(具体的にはパート65~66辺り)にやってほしかったエピソードで、パート71~75の後にやるべきではなかったと思う。

 

余談だけど、本作から演出協力という謎の役職が登場した。
演出協力がどのような役職かは明かされていないが、筆者の予想では投稿映像提供と思われる(製作委員会が作ってるって表立って言えないからね)。
特に登場頻度の高い菊池元演出については、いかにもなエピソードが度々登場する。
本作にも菊池枠っぽい投稿映像があるので、考察してみるのも一興(筆者の予想は「孤独死」か「雪道」)。