評価:★★★★★☆☆☆☆☆
3部作「静止する身体」の中編。
KANEDA演出期特有の「見慣れない光景」が登場する。
<地鉄>
恐怖度:★
インパクト:★★
分かりやすさ:★★
不気味さ:★
エピソード:★★
中国出張した投稿者が、家族に見せるために撮影した映像。
ガラス張りのホームで電車が来た際、線路上に半透明の男が現れ、衝突音が鳴り響く。
だが誰もそれに気付いていないというもの。
投稿者は帰国後、電車の接触事故に巻き込まれたようで、命に別状はなかったが、お祓いの意味も込めて壊れたスマートフォンごと投稿してきた。
ぱっと見はガラスに反射した誰かにしか見えなかった。
にしても、製作委員会がするお祓いって、投稿映像そのものじゃなくて製品のマスターだったり、一種の願掛けみたいな感じだと思うんだ。
だから、その内また霊障起きるかもな。
<長いトンネル>
恐怖度:★★★
インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
不気味さ:★★★★★
エピソード:★★★★
先が見えないほど長いトンネルを歩行中に撮影した映像。
残業によって深夜に通ることが増え、何者かの気配を感じることが多くなったため撮影したという。
後ろから足音が聞こえたため振り向くが誰もおらず、足音も聞こえなくなる。
再び歩き始めると再び足音が鳴り響き、早足で逃げようとするがどんどん大きくなり、振り向くとまた音が止む。
再び前を向くと奥に女性のような人影が見え、ただならぬ気配を感じた投稿者は逃げるように逆走するのであった。
十数年前、このトンネルで仕事帰りの女性が通り魔に刺殺される事件があったとか。
事象自体は遠くて小さいが、シチュエーションが素晴らしい。
先が見えないほど長いトンネルを深夜に1人で歩く、それだけでも十分怖いのに、定期的に無機質なガイド音声が鳴ったり、あちこちにカビがあるように見えるため、絶対通りたくないと思うこと間違いなし。
事象についても、後ろから足音が聞こえ、早く抜け出そうと早足になるのがいい緊張感となっている。
そして、本命の霊もヘタに目の前に現れたりせずあえて遠くに現れているのが、異質感とこれ以上進んでは行けない感を漂わせている。
<従姉妹の家>
恐怖度:★★
インパクト:★★
分かりやすさ:★★
不気味さ:★★
エピソード:★★
投稿者が小学生の頃に、従兄弟の家に遊びに行った際に撮影された映像。
従兄弟の部屋を見て回り、クローゼットの中を見ると、その上段に女に生首のようなものが転がっている。
この映像が撮影された翌年に、その従兄弟は自殺してしまったようだ。
数ヶ月前からノイローゼになっており、自室にいたくないと言って釘を打ちつけ、リビングで過ごしていたとか。
正直、霊には見えない。
女性というよりはROCKERって感じで、従兄弟の兄ちゃんの趣味が関係してそう。
ちなみに、事象が起きたカットと次のカットの間に、数コマだけ別のカットが入っているが、特に事象はなかった。
また、事象の前にパンする際、押入れの奥に顔に見えなくもない巨大なものがある。
まぁ勘違いだと思う。顔だとしたらカイジよりアゴ長いし。
<続・静止する身体 前編>
恐怖度:★★
インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
不気味さ:★★
エピソード:★★
3部作の中編で、前回のあらすじは以下の通り。
- 投稿者の三橋さんが友人の磯貝さん宅に行き、そこで撮影していると、普通に会話しているのに映像の中の磯貝さんはうつむいたように静止していた。
- また、静止している際に女性のような人影が現れた。
- インタビュー中も磯貝さんが静止しており、後に2人とも同じ日に事故にあったため、自宅での取材交渉をするが断られてしまった。
- 三橋さんは勤務先の大学で霊のようなものを見たようで、そこを取材中、監視カメラに女性のような人影が映っていた。
自宅での取材を断られたため、マンションの周辺について調査をすることに。
大した情報が得られないまま時間が過ぎたが、中田君が田中勝(仮名)という周辺に住む住民を連れてきた。
田中さんによると、電柱の影に黒い服を着た女性がいて、あるマンションの5~6階部分をずっと見ており、その場所は磯貝さんの住んでいるマンションだった。
また、何かをぶつぶつ呟いており、手には何かを持っていたという。
一方、例の大学で撮影された投稿映像が送られてきた。
友人の誕生日祝い用に撮影されたもので、あまりにも簡素だったため他にないの?と話していると、階段下に黒い人影を見たと言い出す。
確かに、階段下の隅に黒い人影がいるが、撮影者は気付いていない。
そのまま撮影者が見に行くのだが、録画を停止し忘れてそのまま下ろしてしまい、逆さ&後ろ向きという非常に見辛いアングルとなっている。
リプレイは180°反転するのでそっちを見ること推奨。
三橋さんが霊を見た場所付近まで行き、何もなかったので戻ろうとすると、近くに黒い服を着た女が立っていた。
まぁ前回の投稿映像と同一人物なのだろうけど、そもそもが弱いのであまり印象に残らない。
スタッフルームに戻り、田中さんの取材中に雑音が入っていることに気付いた。
車通りも多いのでなんて言っているのか不明だが、磯貝さんの住んでいるマンションを映した時にだけ女性のような声が収録されていた。
頑張ってノイズ音を拡大してくれるが、音声解析のプロ:寒ちゃんがいないとなんて言っているのか分からんな。
早くも寒ちゃんロスの影響が出てきた。
<ポンプ車>
恐怖度:★
インパクト:★
分かりやすさ:★★
不気味さ:★
エピソード:★
消防団の訓練で、ホースを取り出して放水する様子を撮影した映像。
放水担当の隊員がホースを持って走る際、ポンプ車の下から真っ黒な人影が這い出ている。
この数年前に民家が火事になり、男性が亡くなっているとか。
等速で見ると色々と浮いているハズレ。
<不気味な彫刻>
恐怖度:★★
インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★
不気味さ:★★★★
エピソード:★★
演出によりしばらくナレーションはなく、不気味な彫刻が延々と映し出されている。
詳細は不明だが、どこかの外国にある地獄絵図を表現したもの思われる。
3つ目のカットで、全裸で首絞めされている女性の彫刻を映した際、その目が一瞬カメラを方を向く。
彫刻のインパクトに全てを持って行かれていて、事象自体は大したことない。
今後も出てくるんだけど、「長いトンネル」みたいな、日常生活ではまずお目にかかることのない「見慣れない光景」がKANEDA演出期ではしばし登場する。
<メリーゴーランド>
恐怖度:★
インパクト:★★
分かりやすさ:★★
不気味さ:★★
エピソード:★★
遊園地に行った際に撮影した映像で、撮影日は1998年。
メリーゴーランドに乗った夫と娘(投稿者)を撮影していると、奥の鏡に女性の後を追うような女性が映る。
また、メリーゴーランドが動き出した直後に、鏡に映る夫の背後に同じ女性と思われる人影がいる。
この年に、ゴーカートに乗った女性のマフラーがタイヤに絡まり、窒息死するという事故があったとか。
メリーゴーランドを楽しんでいるし、悪い霊ではなさそう。
<続・静止する身体 後編>
恐怖度:★
インパクト:★
分かりやすさ:★
不気味さ:★
エピソード:★
「静止する身体」の投稿映像について、またフリーライターの瀬羽氏に意見をもらうことに。
簡単なトリックで作れる自演じゃない?とのことだが、何のためにコイツに聞いてるんだ?
コイツのインタビューは約5分あるけど、役立つものは何もない。時間の無駄。
知花さんが頑張って音声解析をしたところ、3つの音声が重なっており、その内の1つを逆再生すると磯貝さんのような声で「お前がいなければいいのに」と聞こえることが分かった。
また、残り2つの声は、三橋さんの名を呼んでいるものだった(本名のため紹介なし)。
前にも書いたことある気がするが、逆再生を吹き込むってどんな技術だよ。
それこそ自演説を強めてるとしか思えないぞ。
ってか何回再生するねん。
通常→ノイズ拡大→ノイズ抽出→ノイズ分解→ノイズ逆再生って手順分けすぎだ。
前編でも再生しまくってたし、時間稼ぎ感が半端ない。
田中さんに磯貝さんの取材映像を見せると、黒い服を着ていた人物と同じだという。
だとすると、これまでに現れた黒い服の女性は磯貝さんの生霊なのだろうか・・・
ここで、アジア
何でうさん臭そうなのばっかりに意見をもらおうとするんだ?時間稼ぎか?
コイツの話は回りくどいだけで、的を射ておらず退屈。
とりあえず、磯貝さんに何者かが呪いをかけたのか、本人が何かをやらかしたのではとのこと。
スタッフルームで業務をしていると、中田君がマンションの調査中に何者かともめてしまい、責任者を出せをクレームの電話が入った。
その人物によると、磯貝さんの住んでいる部屋の本当の住民だという。
また、磯貝さんのことを知っていた。
磯貝さんの正体や目的は何なのだろうか・・・
最後に次回予告が入り、今回ばかりはお薦めできないと締めるが、皮肉にしかなっていないぞ。
<総評>
★★★★★☆☆☆☆☆
今回も地味。
一方で、シチュエーション自体にインパクトのある「長いトンネル」や「不気味な彫刻」は良かったと思う。
KANEDA演出期ではこれらのような「見慣れない光景」の投稿映像がしばし登場しており、事象はそれほどでもないが、印象深いものとなっている。
今回の3部作は中だるみしやすい中編で、例に漏れずひたすら地味だった。
ぶっちゃけ、今回のエピソードは全カットでも影響がないレベルであり、うさんくさい奴らに意見をもらったりと時間稼ぎ感が強い。
まぁ今回のラストでどんでん返しになることは確定なので、ラストにそれなりのものが来れば評価できるかな。