ほんとにあった!呪いのビデオ98レビュー

評価:★★★★★★★☆☆☆
3部作「ながれもの」編最終章。
投稿映像全般やりすぎで、完全にギャグ化している。

 

 

 

<案山子>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★★
 エピソード:★★
男3人で地元の有名な心霊スポットに行った映像。
そこにはマネキンの顔を使った案山子が点在し、中には顔が赤く染まっていたり、目が黒く塗りつぶされているものもあり、かなり不気味。
不気味に思いながらも、集団心理と若気の至りが勝った投稿者たちは、マネキンを使って生首サッカーをやりだす。
友人の1人が人の気配を感じ、そこにカメラを向けるとただの案山子だった。
拍子抜けして友人をイジり、もう1度カメラを向けると、同じ案山子と思われるものが頭部のない状態で数m先まで近付いている。
これにはさすがに動揺し、もう1度カメラを向けるといなくなり、完全に空気が凍ってしまう。
そしてまたカメラを向けると、顔付きの案山子が目の前まで来ており、カメラを落とす。
急いで拾い上げて逃げるのだが、落ちた先には人間の生首みたいなものが転がっていたというもの。
後日ここに来た際、あの案山子を見つけることはできなかったようだ。

 

投稿映像の派手さは藤本演出随一だが、色々と惜しい映像。具体的には、
・投稿映像が長い
→いつ何が現れてもおかしくないシチュエーションのため気を張っていたが、それが長すぎてダレてしまった。
そのせいで、肝心の事象に対しても「あーはいはい」程度しか思えなかった。

・暗すぎる
→ライトを照らした先しか見えなくて、これも上と同じ現象を引き起こしている。

・事象が予想通り
→しつこくパンするから、落ちた先の生首含めて事象が予想通りだった。

・案山子の造形www
→生首はともかく、案山子は吹きかけた。

 

 

 

<詰問>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
幅寄せをしてきたタクシー運転手に対し、警察を交えて詰問しながら撮影した映像。
・・・そもそも、警察いる前で撮影とかできるのか?
それはともかく、タクシー運転手の左肘付近に変なのがいる。
製作委員会の調査によると、このタクシー運転手は度々交通違反を繰り返しており、10年前には死亡事故を起こしたという噂があるとか。

 

変なのの造形がよく分からない。
線を引かれても???って感じで、自分が90°傾いてようやく造形が分かった。
典型的なグロ系って感じで、やりすぎて怖さは全くなかった。

 

ちなみに、残念ながらタクシー運転手にお咎めはなかったようだ。
それは多分、カメラ撮影してたせいだと思う。
しかもその後、製作委員会に送る際にモザイク入れなかっただろうし、そうするやつだって見透かされたんじゃないの?

 

 

 

<再会>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
投稿者が幼い頃に家族で旅行に行き、ゴンドラ乗り場で撮影した映像。
母親に隠れていたお兄ちゃんが映る際、背後にモノクロで怖い目をした少女がいる。
この映像が撮られる1年前、友人家族の長女が交通事故で亡くなっているという。
また、生前ここで遊んだことがあるようだ。
いつもの菊池枠乙。

 

 

 

<終・ナガレモノ 前編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
3部作の最終章で、前回までのあらすじは以下の通り。

  • 投稿者鎌田さんから、河川敷で撮った心霊映像と木箱から出てきた白い石が送られてきた。
  • 木箱を発見し開けてみると、着物、銭湯の鍵みたいな木製の雛人形、動物の骨が入っており、流し雛という風習に似ていた。
  • その河川敷では近年、子どもが犠牲になる水難事故が相次いでいる。
  • 上流の廃村で流し雛が行われていたようで、調査したところ、燈子さんという故人に行き着いた。
  • 最近連絡の取れない鎌田さんが、燈子さんを知る坂神さんという人に会いに行ったようで、待ち伏せすることにした。

 

坂神さんの自宅前で張り込むスタッフ一同。
夜になり、鎌田さんが坂神さん宅に入って行ったため、出たところで話しかけることに。
約30分後に出てきたので話しかけるが、スタッフ陣がトロすぎて速攻逃げられるのであった。

 

日を改め、坂神さんに話を聞くことに。
燈子さんは縁談を断り続けていたが、30歳を過ぎたあたりで、結婚していなかったが突然妊娠したという。
前回、燈子さんの知り合いの村井さんから聞いた証言と異なる部分があるけど、村井さんは燈子さんが亡くなる10年ぐらい前には村を出て、後は噂で聞いたぐらいなため、坂神さんの証言の方が信憑性は高いと思われる。
また、子供が生まれて間もない頃の、燈子さんの写真をなぜか持っていたので見せてもらった。
写真に映る燈子さんは幸せそうだが、子どもが1歳になったあたりで突然失踪してしまい、燈子さんが殺したのではという噂が広まったことで自殺したのだという。
写真の裏に書かれていた「私は母になれなかった」というのは、母になれなかったことではなく、母として我が子を愛せなかったという意味だったのかもしれない。

 

木箱について調査を依頼していた研究所から、骨の解析結果が来た。
哺乳類の骨のようで、赤子の骨の可能性もあるという。
つまり、これが燈子さんの子どもの骨なのだろうか・・・というのがスタッフの推論だが、30年ぐらい前の話だよね?
ずっと流れていたら木箱ごと朽ちているだろうし、とっくに拾われていた可能性の方が高い。
最近になって廃屋で誰かが木箱を発見し、それを流した説ないか?
木箱については神社でお祓いしてもらい、然るべき処置をすることになった(その内容は後編にて)。

 

一方、パート96で友達の子が水難事故で亡くなったという人(水野さん)から、もう1人の友人(八谷さん)が失踪したと連絡が来た。
また、ちょっと前から子どもに対して冷たくなっていたようで、これも木箱の呪いが関係しているのだろうか・・・

 

ここで、八谷さんの様子がおかしくなる前に撮影された映像。
八谷さん母娘とクレープを食べていると、八谷さんの映る画面左半分にえげつないノイズが走る。
また、八谷さんの娘は異変を感じたのか、怯えるように水野さんにすり寄るのであった。

 

どうせ今回も母親にノイズだろって思っていたが、ここまで派手に来るとは思わなかった。
前回の時点でエスカレートしてる感あったが、流石にやりすぎで逆に怖くない。
ってかノイズだけで、他に心霊現象的なものはなさそう。
とはいえ、娘が異変を感じている様子は悪くない。

 

なんと、鎌田さんからメールが届いた。
あれだけ製作委員会から逃げていたのに、どんな心境の変化があったのだろうか・・・
指定された待ち合わせ場所に向かったところで次へ。

 

 

 

<掃除機の中>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
紙パック式の掃除機で虫か何かを吸い込んだのか、中からカリカリとひっかく音がしたため、友人とわざわざ公園まで行って中を確認した映像。
まぁもし奴を吸い込んでいたら・・・と思えばそこまで不自然ではないが、わざわざ公園まで行くか?
それはともかく、ビビりながら蓋を開けて中を見ると、軽い破裂音がして1度逃げる。
今度は紙パックを覗き込むと、そこから黒い手が伸びてビビり、再び掃除機を見ると黒い人影が這いずっていた。
この後、逃げてすぐに戻ったようだが、あの掃除機は無くなっていたという。
また、ネットの掲示板経由で譲り受けたものだったとか。

 

ランプの魔人かよ。典型的なビビらせ系だが、初見でも笑いの方が勝つギャグエピソード。
ところで、手が現れてからずっと「ブーン」というノイズが聞こえるが、これは何なのだろう?

 

 

 

<パーキングエリア>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
高速道路のパーキングエリアで、雨の中買い出しに行った妻と娘の帰りを待つ投稿者が撮影した映像。
車に乗り込んでドアを閉めた直後、ドアガラスに超薄い女性のような人影が映り込んでいる(スタッフ談)。
また、娘がそれに気付いたのか、人影に向かって手を振っているように見える。

 

いや、これは元SlipknotのJoey Jordison(2021年逝去)にしか見えないぞ。
その後、パーキングエリアで娘が行方不明になった母親がどうこう言っているが、全く頭に入ってこなかった。

 

 

 

<塔>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
中国の黄河に隣接する観光で撮影した映像。
山頂にある塔を登り、その中の鐘のある部屋をドアの隙間からしばらく映す。
そしてカメラを引く際、隙間から半透明の男が覗き込んでおり、ドアに手をかけている。
この辺りでは日中戦争時、日本軍の進軍を止めるために黄河をわざと氾濫させ、数十万もの自国民が犠牲になったとか。

 

正直、手が余計。
よく見ると横顔なんだけど、ぱっと見はデカい顔が正面向いている感じで、手の大きさとチグハグに見えて笑ってしまった。

 

 

 

<ミステリーボックス>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★★
ダークウェブで入手したミステリーボックスを、YouTuberっぽい人が開封する動画。
ミステリーボックスとは、遺留品や呪具などの曰く付きの品を入れたもので、近年話題になっていた。
中国、台湾から送られてきたもののようで、中には細いロープ、ビニールに入っている赤く染まった人形、長い髪が絡まった櫛、線香と赤い液に浸かった何かが入った赤い封筒、割れた鏡が入っている。
割れた鏡をどかすと、その奥に○○顔の女の生首が入っているというもの。
箱の中身は冥婚の道具に似ており、道端に落ちている赤い封筒を男性が拾うと、その女性と結婚しなくてはいけないという風習があり、これも一時期話題になっていた。

 

生首が動くところに恐怖性はあるが、○○顔はギャグだろwww
そもそも、鏡がどう見ても生首にもたれかかっているため、気付かなかったのは無理がある。
投稿者はYouTuberっぽいから、自演がバレて炎上したため垢消し逃亡、その後真面目に取り上げてくれるほん呪で1儲けしようとしたっていう経緯がありそう。

 

 

 

<終・ナガレモノ 後編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
待ち合わせ先のコンビニで待機していると、鎌田さんがやってきた。
なるべく刺激しないように探りを入れてみると、呪いの念がどんどん強くなったことにより、スタッフの調査が遅くて身が持たないと思ったため、焦って独自に調査をしていたようだ。
まぁ実際、木箱と燈子さんのこと以外はノイズでしかなく、水難事故が相次いでいる事なんか鎌田さんにとってはどうでもいいもんな。
また、最初の投稿映像と一緒に送られていた、木箱から出てきた石というのは嘘で、本当は骨を拾っていたようだ。
曰く、あの時点では信用できていなかったとのこと。
じゃあテメェで勝手にやれよと言いたいところだが、とりあえず骨が赤子の骨である可能性を伝えた。

 

すると、鎌田さんが突然イタコ芸を披露し始める。
曰く、燈子さんは望まない形で妊娠したことで精神のバランスが崩れ、流し雛を見てこの子を流してしまえばと思い、首を絞めて殺したという。
その後、我が子に手をかけたことを呪い、自らの穢れを託した人形と共に川に流した。
だが、それだけでは自身の穢れを拭いきれないと思い、自らも川に流れたようだ。
坂神さんの証言とかなり近いが、これが真実なのかは分からない。

 

後日、木箱の供養のため、廃村に向かうことに。
今回はフルメンバーで、鎌田さんも同行することになった。
川に辿り着き、まずは灯籠流しを行う。
次に木箱をバラして一斗缶に詰めていき、火をかけた。
最後に、木箱に入っていた骨を燈子さん宅に埋めることで、供養を終える。
これで、呪いの連鎖は断ち切れたのだろうか・・・

 

といきたいところだが、ちょっと目を離した隙に鎌田さんがいなくなってしまった。だからさぁ・・・
骨を持っていたのは鎌田さんであり、また勝手に何かをしようとしているのだろうか。
集落を探したが見つからず、川に戻ってどうするか話し合っていると、下流からバッシャーンという音が鳴り響く。
そこに向かうと、鎌田さんの着ていた上着を発見。
だが鎌田さんは見当たらず、水位の低い川であったため、溺れたとも思えない。
鎌田さんはどこに行ってしまったのだろうか・・・

 

最後に、鎌田さんが失踪する前に撮影していた映像。
木箱が燃え尽きそうになった頃、川を眺めている鎌田さんを撮影すると、その左奥に例の不審な女性がいる。
すると、一瞬の隙に鎌田さんの目の前まで来ている他、急にセピア調のエフェクトがかかり、最初の投稿映像みたいなノイズと共に赤子の泣き声が聞こえる。
個人的にエフェクトは余計だが、不審な女性のさりげなさはけっこう好き。

 

最後の最後に、取材中に現れた不審な女性は燈子さんの霊ではないかと思い、村井さんと坂神さんに見せてみた。
だが、その回答は「燈子さんではない」とのことだった。
あの不審な女性は何者だったのだろうか・・・

 

 

 

<総評>
★★★★★★★☆☆☆
投稿映像の派手さは、歴代でもトップクラス。
だが、ほとんどがやりすぎで、1周回って怖くないどころかギャグ化しているエピソードが多かった。
他はともかく、「案山子」は本気で恐怖を描いてほしかった。

 

3部作については、「スケープゴート(パート62~64)」と全体的に雰囲気が似ていた。
あちらと比べると、検証が全体的に地味だった。
正直、エピソードに対して犠牲者が多すぎると思った。
また、不審な女性の正体が最後まで分からなかったせいで、あと1つのところでピースが繋がらなかった。

 

最後に、不審な女性について筆者なりに考察してみた。
上の方でも書いたけど、あの木箱が30年も流れていた訳ないため、燈子さんが流してから割と早くに拾われていた可能性がある。
そして、呪いに取り込まれ、燈子さんの遺志を継いだのがあの不審な女性だったのではと思う。
その後、呪いに耐え切れなくなったか、新たな呪いの連鎖を作るため、最近になってまた放流したのではないだろうか。
まぁ根拠はないけど、鎌田さんのイタコ芸をよく見ると、燈子さん本人ではなく第3者のような口ぶりをしているので、あの不審な女性が鎌田さんに取り憑いていたんじゃないかな。
木箱を燃やしたので呪いの連鎖は断ち切れたと思いたいが、肝心の骨は鎌田さんが持ったまま失踪してしまったため、今度は鎌田さんが不審者を引き継ぎ、新たな呪いを生むのかもしれない。

 

ちなみに、燈子さんの子の父親については、登場人物が少なすぎるのでどうでもいいと思っている。
なぜか写真を持っていた坂神さんが怪しいとは思うが、だったらあんな写真を撮らせないような気がするし、村全体が子供を産めみたいな風潮だったため、誰かが夜○いしたで十分じゃないかな?