ほんとにあった!呪いのビデオ103レビュー

評価:★★★★★★☆☆☆☆
恒例の三部作「鬼女の山」の中編。
前半はやりすぎでダメだが、後半はいい感じ。

 

 

 

<スキー>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
1991年に撮影されたスキーの映像。
映像に映っている親子は、母方の親戚の少年とその父親と思われる。
少年雪だるまを作っている少年を映していると、頭部から水面に溶けたかのように歪んでいき、その直後から意味不明な映像と音声がしばらく割り込まれる。
映像については、激しいノイズに紛れて発狂したような男が数秒現れ、その後はただのノイズになる。
音声については、左耳側からは怒鳴る男と泣いて詫びる女の声が聞こえ、右耳側からは泣く赤ちゃんと親戚のおばさんみたいな感じの話し声が聞こえる。
この親戚の母親は、この映像が撮られる数年前に自宅の階段で転落死していた。
さらに、この少年は父親と登山に行き、そのまま行方不明になってしまったという。

 

メチャクチャにも程があるだろ。
いくつかの映像素材を重ねまくった感じで、やりすぎは良くないという典型例。
そもそも、ほん呪発足前からあった映像なのだから、当時こんなのが投稿されてたら他のが全部吹っ飛ぶわ。

 

 

 

<消波ブロック>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
息子と海岸で海釣りしている映像。
釣果ゼロで帰ろうとした途中、息子の帽子が風に飛ばされて消波ブロックに挟まったため、釣り糸に小型カメラを付けて様子を見ることに。
帽子のようなものは映っているがそんなこと分かるはずもなく、そのままカメラを下ろし続ける。
下ろしすぎて波がかかってしまうのだが、水中に叫ぶ男が映っていた。

 

オミさん期を彷彿とさせるやっつけっぷり。
とりあえず、カメラがひたすら回転してるのと、広角になっていて隅が歪んでいるせいで、かなり目に悪い。
こういうのは勘弁してくれ。

 

 

 

<続・鬼女の山>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
3部作の中編で、前回のあらすじはこんな感じ。

  • 投稿者(壮太さん)の妻(葵さん)はハイキングで遭難し、謎の女性に助けてもらう体験をしてから、謎の体調不良に悩まされるようになり、絡みつくような黒い人影が現れた。
  • また、自身が身籠っている胎児の絵を描く、胎児の性別を当てるなどの謎の能力を手に入れた。
  • 遭難時に助けてくれた女性は、「ミヤ」という女性の若い頃の姿と酷似していた。
  • ミヤは超能力を持っており、その力で動物虐待を行なっており村八分状態となっていた。
  • ミヤの住んでいた廃墟に行くと、大量の鳥の羽が落ちていた他、幽霊に遭遇した。
  • ミヤについて調査していた大学の教授に話を聞くことに。

 

教授(江副さん)によると、松崎さんという人がミヤについて調査していたようだが、オカルトを研究している訳ではなく、あくまで民俗学の研究だったという。
そのため、個人でオカルト研究していたかも知れないが、大学としては分からないという回答だった。

 

次に、葵さんにミヤの映像を見てもらったところ、かなり似ているという。
また、最近になって動物や植物、初老の女性の夢を毎日見るようで、それを毎日描き留めていた。
これがミヤの現在の姿なのだろうか・・・
葵さんの症状は重くなるばかりで、このままだと入院も視野に入れている状態だった。

 

その1ヶ月後、研究室からミヤに関する資料が見つかったと連絡が来た。
発見者の小林さんはオカルトに興味があるようで、ほん呪のファンでもあるようだ。
見つけた資料の中にミニDVテープがあったため、その場で再生してみることにした。

 

松崎さんが古い神社に行き、ミヤについて神主から聞き込みをしていると思われるもの。
ミヤは巫女の家系で、医者のようなこともやっていたという。
「10歳の頃に・・・」辺りからノイズが激しくなって聞き取れなくなり、ノイズに紛れて目が異様に離れた仮面みたいなのが映る。
ノイズが収まると同時に、カメラがひとりでに倒れた。
ノイズ部分ではわずかに神主の声も聞こえ、「死んだ・・・」「殺された・・・」「8人・・・」「死んだ・・・」と言っていると思われる。
これが意味するものとは何なのだろうか・・・

 

去年(パート96~98「ながれもの」)と同じノリだな。
あれはどんどんメチャクチャになっていったが、今回は自重して欲しいところ。
にしても、「獣を素手で殺す」ってやる気さえあれば誰でもできるだろ。

 

他の写真を見ると、初老の女性と、5歳前後の女の子が写っていた。
初老の女性は、離れたところで撮っているカメラに指を指しており、ミヤの映像と同じことをしている。
教授によると、魔除けや呪いをかける手段とされることがあるようだ。
フロッピーディスクにはいくつかのドキュメントがあり、ミヤという名のファイルに庄司さんという人物の住所などがあったため、庄司さんについて調査することに。

 

メモにあった新聞記事を調べると、2人で登山中に事故に遭い、1人が亡くなったという新聞記事で、生存者の方が庄司さんなのだろうか。
電話は使われておらず、家に行っても住んでいる様子はなかった。
と思ったら、2階から誰かがすりガラス越しに覗き込んでいて、木勢さんマジビビり!
声をかけると移動をしたが出る様子はなく、張り紙にあった番号に電話すると、庄司さんの家族に繋がった。
今はその家に住んでいないようだが、誰かが住み着いたのだろうか・・・

 

車で移動中に小林さんから電話が来て、松崎さんが亡くなっているという報告を聞いたところで次へ。

 

 

 

<山道のトンネル>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
サークル仲間と共に心霊スポットのトンネルに行った映像。
助手席にいる人も撮っていたようだが、データが破損し見れなかったようだ。
トンネル前で一時停止した後、準備をして通過する。
通過中に後ろを映すと、入り口付近に何者かが立っている。
また、通過後に後ろを向く際、ふくよかな女性が映り込んでいる。
この付近は昔行楽地で、若いカップルを狙った暴行事件があり、女性がハンマー
のようなもので潰されて亡くなっているとか。

 

1つ目はズームしないと分からない。
2つ目は立体感なさすぎだし、なんかスライドしているハズレ。

 

 

 

<運動会>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
投稿者の親戚が通っている幼稚園で行われた運動会の映像で、2000年前後と思われる。
終始、映像に波状のノイズが入っているが、事象と関係あるかは不明。
シートに座って観戦している子どもの背後から老婆が現れ、肩に手をかけて顔を近付けたところでノイズとなり、収まったころにはいなくなっている。
よく見ると、その前のカットでも保護者に紛れて覗き込んでいた。
この子が生まれて間もない頃、自宅マンションで火災が発生し、両親と祖母が亡くなっているという。
また、祖母による無理心中の可能性があったとか。

 

肩に触れていないのは、幽霊さんなりの優しさなのか、技術の問題なのか気になる。
保護者に紛れる老婆は怖いものではないが、初見だとまず分からないため、気付いたときはあっぱれだった。
多分菊池枠。

 

 

 

<岬>
   恐怖度:★★★★
 インパクト:★★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
カップルが週末デートで海岸に行った際に撮影した映像。
約4分半、平凡なデートをご覧ください。
高台の立ち入り禁止の柵に、日付と相合傘みたいな感じのイタズラ書きを見つけ、それを撮っていると貼り紙を見つける。
それには「ひとりで抱え込まないで」という自殺防止のようなことが書いてあり、強風でめくれ上がると女性がいて、びっくりして後ずさる。

 

正彦シネ(パート42)と同じタイプで、ニカっとした表情に思わずゾッとした。
左半分が消失している手品系だが、貼り紙の意味深な感じのメッセージなど、個人的にかなりの当たり。

 

 

 

<続・鬼女の山 後編>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★★
小林さんからの電話の続きで、松崎さんは例の山で事故に遭い亡くなったようだ。

 

スタッフは庄司さんの兄に話を聞くことに。
あの家にいたのは庄司さんで間違いないようで、あの家に1人で住んでいるという。
一緒に登山した2人が亡くなったショックなのか、幻聴、幻覚、記憶喪失などになり塞ぎ込んでしまい、家庭内にも不幸が続いたようだ。

 

庄司兄と共に、庄司さんに会いに行ったが留守にしていた。
すると、藤本演出がどういう人なのか気になる(撮れ高欲しい)から家の中を見たいと言いだし、田中は呆れ、庄司兄は苦笑いする(笑)
それぞれ分かれて探索するが、田中が初手グチってて草。
約5分間の探索の末、田中が日記を見つける。
最初の頃は山に行ったことを後悔している内容だが、徐々に字が汚く取り消し線だらけになり、精神の異常が進行している様子。
藤本演出がふと右側を見ると、そこにはなんと庄司さんが突っ立っている!!
生きてる人間なのに2度もマジビビりすんなって(笑)

 

話しかけるがガン無視されてる・・・と思いきや飲み物をもらい、話を聞くことに。
だがこちらの話はガン無視され、兄が来た一瞬の隙にどこかに消えてしまった。
映像を確認すると、庄司さんの背後に真っ白な老婆が現れていた。
庄司さんはこの老婆に取り憑かれているのだろうか・・・

 

その1ヶ月後、葵さんが急にヒステリーを起こし、製作委員会にクレームの電話を入れてきた・・・藤本演出、思わず苦笑いしてるじゃねぇか。
ってか小林さんがさらっとスタッフルームにいるな。
壮太さんによると、精神的に追い込まれて家出しているという。
今後どうする?と話し合っていたら、ドアをドンドン叩かれ、恐る恐る開けると葵さんが泣き崩れている!
葵さんに何があったのだろうか・・・次回完結!!!

 

 

 

<総評>
★★★★★★☆☆☆☆
前半はパート97~98を彷彿とさせるやりすぎっぷりであり、かえって恐怖を感じないどころか呆れていた。
後半は持ち直し、特に「正彦シネ」を彷彿とさせる「岬」はデート部分が長いとはいえ、久々に素晴らしいと思える完成度だった。

 

メインについては、これも前編はわざとらしいが後編はいい感じだった。
取材中の事象って初見では分からないことが多くて、初見で見つけると「今いたよな!」となってテンション上がる。
後は葵さんのヒステリーと今回の騒動の真相がどうなるか、1ヶ月後が楽しみ。