ほんとにあった!新・呪われたビデオレビュー

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆
坂本演出と福田演出がタッグを組んだ正統派パチモン作品。
当時(2017年)から見ても10年ぐらい古臭く感じる。

 

 

 

<みんなの進級式>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
90年代後半に撮影された、幼稚園の進級式の映像。
画面左下、左から3番目の子の目の前に女の子が現れ、歪んだ顔でこちらを見つめている。
この子は病気により出席できなかった「みきちゃん」に似ており、園児には伏せられていたが、この時すでに亡くなっていたという。

 

初見で見つけるのは難しいが、よく見ると右目は真っ黒だし、左目付近に別の顔があるように見えるためそれなりに不気味。
つかみとしてはいい方。

 

 

 

ここで、本作のコンセプトの紹介。
2016年(本作は2017年製作)に心霊ブームを牽引してきた制作会社が倒産し、元スタッフが玩具会社の倉庫で、大量の撮影素材が隠されていることを発見した。
社長が密かに収集していた曰く付きの映像であり、それらを編集したものが本作である。
本作の特徴として、投稿者名ではなく会社の管理番号がクレジットされている。

 

 

 

<窓の外>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
長女が窓の外に誰かいると言いだし、撮影した映像。
指差す方向にスマホを向けるが見つからず、長女にスマホを向ける際、ベランダに何者かの膝から下が映りこんでいる。
娘によると、ベランダにも来ていたようだ。
また、長女の視力に異常が生じ、公開中止になったというメモが見つかった。

 

何となく、スカート&サンダル姿のように見える。
よくある映像と言ったところだけど、タイトルが出る直前に長女の右目が歪んでいるカットがあり、これが視力の異常に繋がったのでは?という隠し要素がある。

 

 

 

<選ばれしモノ>
 エピソード:★
無人の電話ボックスが鳴り響き、電話に出ようと挑戦している映像。
6年前、遺失物として発見されたスマホに残っていたようで、撮影者はMさん(33歳)だそうだ。
ちなみに、電話ボックスは自宅から見える位置にあり、その近くには墓地がある。
何度も寸前で切られてしまうが、電話に出ようと躍起になっている様子が映し出され、中編につづく。
旭日旗チェ・ゲバラのイラストがあったりと、撮影者のクセが強い。

 

 

 

<深夜の鐘音>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
ある廃小学校で、深夜になるとチャイムが鳴るという噂があり、調査した映像。
チャイムが鳴ったため、とっさに撮影を行い周囲を見回していると、約15分後に再びチャイムが鳴る。
すると、2階の窓に2人分の人影が見える。
また、よく見るとヘドバンしているかのように頭部が動いていた。
後日再び撮影を試みるが、人影はおろかチャイムも鳴らなくなってしまった。
その後、郊外にも頭部が変形する不審者の目撃が相次ぎ、公開中止になったようだ。

 

1本目からそんな感じはしていたが、派手さよりもじわじわくる怖さを狙っている感ある。
とはいえ、全体的に小さく分かりずらいので、物足りなく感じてしまうのが惜しい。
それにしても、なんで公開中止なん?むしろ特集組んでやるべきでしょ。

 

 

 

<観覧車の男>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
地方の遊園地で撮影した映像。
メリーゴーランドに乗る家族を外から撮影していると、ゴンドラ左側のガラスに男性の顔が映っている。
この顔は亡くなった叔父に似ているとか。
帰路で複数台を巻き込まむ事故に遭遇し、特に息子2人が長期入院する事態になったとか。
その後も親族に不幸が続いたようで、合意を得られず公開できなかったようだ。

 

ちょっとダレてきた。
それなりに新しい映像もあるんだから、そろそろインパクトがほしい。
事象よりも、初っ端のゴーカートに興味持っちゃった。

 

 

 

<黄昏流星動画>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★
デジタル一眼レフを購入し、年代物のレンズと組み合わせた撮影者が、恋人と神社を参拝しながら撮影した映像。
階段に恋人を立たせて記念写真を撮る際、2枚を近付いて撮ろうとしたら、背後に睨む女の顔が映り、慌てて背後を確認するがいなくなっていた。
撮影者は年代物のレンズに何かあると仮定し、数百枚の試写によりこの現象の再現に成功したようだ。
だが、肝心の映像は見つけられなかった。

 

マニュアルフォーカスの関係で、最初はピントがズレまくっており、当初は恋人にモザイクかかっているのかと思った。
安物カメラばかりの本ジャンルにおいて、ある意味珍しく興味深い映像。
でも、立体感が足りないかな。

 

 

 

<予兆>
   恐怖度:★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
本作では珍しく、当時のインタビュー付きのエピソード。
インタビューを受けた撮影者が亡くなったことでお蔵入りしたと思われる。
撮影者は元鉄道職員で、飛び込み自殺についてその実態を語っている。
その中で、飛び込もうとしている人の気配や、その背後に奇妙なものが見えるようになったようで、この日もそれが見えたため撮影をしたようだ。

 

肝心の映像は、地方の駅のホームで、女性が1人電車を待っている。
その背後に黒いモヤが現れ、次第に2つの真っ赤な目が浮かび上がり、こちらに気付いて睨む。
撮影者は恐怖によりこの場を離れてしまった。
この女性がどうなったのかは定かではないが、人身事故は起きていなかったようだ。
これはさすがにギャグ。

 

 

 

<墜落>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
ドローンによりダムを撮影した映像。
字幕やBGMなどの編集を行いYouTubeにアップしたところ、視聴者により不可解なものが映っていると指摘されたようだ。
引きの画を取る際にミスって木の枝に引っかけてしまい、脱出を試みようとしていると、画面左上から何かが現れ、まばたきをしている。
YouTubeはアカウントごと削除されて連絡が取れず、ドローン関係の事件が相次いだため公開中止したようだ。

 

コイツの造形どうなってるんだろう?
近すぎて逆に分かりずらい現象起きちゃってるのが惜しい。

 

 

 

<選ばれしモノ 中編>
 エピソード:ゴミ
最初に遺失品であるスマホの紹介。
9ヶ月経ってもまだ電話に出ることができないでいて、イライラしながら撮り続けている様子が記録されている。
満月の日になっているという法則にようやく気付き、次は1月4日なのだが、午後になって急なバイトが入ってしまう。
カメラを設置し確認してみると、仮説通り公衆電話が鳴っていた。
次こそ電話に出ることができるのだろうか・・・つづく
何だこれ?

 

 

 

<母校訪問>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
大学OBが母校の学園祭を撮影した映像。
一通り見て回った後、自身が所属していたサークルの部室棟を歩いている。
階段を上る際、窓からの光に紛れてバカ長い顔?が映る。
また、楽器練習の音が急に不協和音になるのだが、その中に悲鳴のような声も聞こえる。
この部室棟で焼身自殺した人がいるとか。
その影響か、投稿者宅も火災により焼失してしまったようだ。
どちらもハズレ。

 

 

 

<廃墟デート>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
廃墟ブームの影響か、カップルが廃墟探索デートしている映像。
その場所は放棄された結婚式場で、明らかに関係ないものが不法投棄されまくっている。
彼女は入るの自体嫌がっているが、彼氏はイキってふざけたりしている。
1時間以上かけ、辺りがすっかり暗くなったところで天井の抜けた大広間に辿り着く。
相変わらずイキって回し撮りしていると、彼女の奥の部屋の2隅にうつむいた男が映り、それに即気付いた彼氏は、彼女と共に逃げ出すのであった。
こんな目に遭った2人だが、無事入籍したようで、親族の希望により公開中止となったようだ。

 

紹介されているのは彼女の奥にいる男だけだが、その直前の隅にもう1人いるように見える。
とはいえあまりインパクトがなく、10年遅い感ある。

 

 

 

<選ばれしモノ 後編>
 エピソード:ゴミ
その後も都合が合わなかったのか、約1年かけてようやくチャンスがやってきた。
電話ボックスの前で待機していると予想通り鳴りだし、無駄に実況して「早く出ろよ」と視聴者をイラ立たせながらようやく電話に出る。
だが、Mさんの声が数秒遅れで聞こえるだけで返事はない。
諦めて帰ろうとするが電話ボックスが開かず、閉じ込められてしまう。
電話を切った辺りから聞こえていた警報音みたいなのがどんどん大きくなり、「助けて」「誰かー」「お母さーん」といった悲鳴を最後に姿を消し、スマホだけが取り残されていた。
この公衆電話は東日本大震災津波により消失したようで、スマホの台頭により消えゆく運命にあった公衆電話がMさんを巻き込んだのだろうか・・・

 

何エコーかけてんねん。ってか叫びがクサすぎる。
どう考えてもこれを分割&トリにしたのは失敗だな。

 

 

 

<総評>
★★★★☆☆☆☆☆☆
坂本演出と福田演出がタッグを組んで製作されたほん呪パチモン作品(演出はもう2人いる)。
どちらもほん呪で演出経験があるため、メイン以外は全体的にほん呪っぽい雰囲気がある。
とはいえ、彼らが演出をしていたのは10年以上前であり、当時のセンスのまま2017年に出してしまった結果、全体的に古臭くインパクトがなかった印象。
個人的に、メインを分割にせず半分ぐらいにして、他のエピソードもダレないように並び替えれば、内容はそのままにもう+★1~2ぐらいは行けたんじゃないかと思う。