ほんとにあった!呪いのビデオ104レビュー

評価:★★★★★☆☆☆☆☆
恒例の三部作「鬼女の山」の後編。
ありがちなのとオチが読めるのが多く、全体的に弱め。

 

 

 

<発表会>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
大学の文化祭でオペラと思われる発表会を撮影した映像。
序盤から映像にズレが発生しており、それがひどくなると色彩が変わり音も歪む。
すると、ピアノ伴奏している女性が消えて、その奥に黒いドレスを着た女性が背を向けて立っている。
そして、少しずつ独唱している男性の方を振り向いたところでノイズが収まり元に戻る。
当時、ピアノ専攻の女生徒が担当教諭との不倫の末、自宅マンションから投身自殺したという。

 

始まって3秒でオチが読めたためガッカリ感が大きい。
もうちょっと、アッと言わせる何かが欲しいところ。

 

 

 

<形代>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★★
ストーカー被害に遭っている投稿者が、就寝中に人の気配を感じ撮影した映像。
半年前に喫茶店でアルバイトをしていた時からストーカー被害に遭っており、警察に相談の上、店長から注意をしたことで解消されたはずだったという。
だがその2週間後、自宅のバルコニーに人型の紙を見つけ、数日後にも落ちていたため証拠として保管していたところ、今回の映像につながったようだ。
そして、現在は引っ越したという。

 

肝心の映像は、カーテンの隙間からバルコニーを映していると、センサーライトが何かに反応して点滅を繰り返している。
その4分後、センサーライトが反応しなくなったため部屋の照明をつけ、恐る恐るバルコニーに出て周囲を確認する。
何もいなかったため部屋に戻る際、窓ガラスに反射した自分の背後に男が立っており、ビックリして振り向くが誰もいなかったというもの。
よく見ると、男は首元に血のようなものが付着している。

 

日本では古来より人型のものに思念が宿ると言われており、厄除けのために穢れを託す、形代と呼ばれるものに似ている。
証拠として大切に保管していたことで、皮肉にもストーカーの邪念を招いてしまっていたのだろうか・・・

 

エピソードや、バルコニーに出る際に緊張感はなかなかで、けっこう好きなエピソード。
だけどこれも、窓を開ける際に自分が反射しているため、後ろにいるんだろうなと読めてしまった。
投稿映像系ホラーの見過ぎかな俺。

 

 

 

<NY市街>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
仕事でNYに行き、夜の市街を撮影した映像。
当時の日本とは違い、誰もマスクせず、夜でも活気に溢れていたため撮影したという。
馬に乗る警察官に並走して撮影していると、交差点前の植え込みに生首のようなものが転がっている。
よく気付いたなとしか言いようがない。

 

 

 

<終・鬼女の山 前編>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
3部作の後編で、前回までのあらすじはこんな感じ。

  • 投稿者(壮太さん)の妻(葵さん)はハイキングで遭難し、謎の女性に助けてもらう体験をしてから、謎の体調不良に悩まされるようになり、絡みつくような黒い人影が現れた。
  • 遭難時に助けてくれた女性は、「ミヤ」という女性の若い頃の姿と酷似していた。
  • ミヤは超能力を持っており、その力で動物虐待を行なっており村八分状態となっていた。
  • ミヤについて研究していた松崎さんは山での転落事故で亡くなっている。
  • 松崎さんの調査資料にあった庄司さんという人物も同じく転落事故を経験しており、会いに行ったが話は通じず、いつの間にかいなくなってしまった。
  • 葵さんが急にヒステリーを起こし、スタッフルームに突撃したかと思ったら泣き崩れてしまった。

 

葵さんを落ち着かせ、壮太さんに来てもらったところ、体調は悪くなるばかりだったので付き添っていたが、疲れによりケンカになってしまい、その衝動でこちらに来たという。
葵さんに話を聞いてみると、お経のような声が聞こえるようになっているようで、病院に行ったり薬をもらっても改善がなく、どうしていいか分からないようだ。
という訳でいつも通り監視することを提案し、合意を得たので設置することに。
一方、藤本演出はミヤを追うことばかりで、葵さんのことを考えられていなかったと反省の様子。

 

3日間記録を録り、葵さんに声が聞こえた時間や内容をできるだけメモしてもらったところ、夕方に聞こえることが多く、その回数は184回にも及んだ。
聞こえた箇所を重点的にチェックしたが、それらしき声は聞こえない。
だが、映像に映る葵さんを見ると声に反応している様子のため、全データをくまなく調べてみることに。
すると、奇妙な現象を発見した。

 

という訳でその映像。
懐かしの4分割で、葵さんは左下の寝室で眠っている。
寝室の照明が明滅を始め、スロー再生したような低い女性の声が聞こえる。
さらに、画面を覆い尽くす(目ん玉飛び出た)老婆の顔が現れ、4画面全てにフリーズのようなノイズが発生するというもの。
また、リビングの映像にも、フリーズ中に何かが浮かび上がっているように見える。

 

藤本演出期のメインはこのネタばっかだな。
前回の3部作も取材中の事象以外ノイズ物だったし、バリエーションが欲しいところ。
あと、リビングルームのやつは全くわからん。むしろ分かる人いるのか?

 

民俗学の研究がてら、ミヤについて調査していた松崎さん(故人)の母親に話を聞くことができた。
息子を失ってから寂しかったのか、いつものスタッフ(+いつの間にか演出補になった大学生の小林さん)を歓迎し食事まで頂くことに。
遺品はそのままにしていたようで、後日送ってもらった資料を見ると、ビデオカメラにSDカードを発見。
だが認識してくれなかったため、業者に修理依頼をした。
調査メモのファイルはバラバラになっており、それを解読してみるとミヤと思われる人物が山にいた痕跡を発見し、地点をメモしていたようだ。
そして、亡くなる直前までメモを取っており、その下部が不自然に切り取られていた。
その地点はまだ見に行っていない場所であり、ここに何かあると仮定し行ってみることに。

 

松崎さんのメモが夜に途切れていたこと、葵さんの幻聴が夜に集中していたこと(と撮れ高)を考慮し、夜に現場を目指すスタッフ達。
早速、木勢さんが人のような気配がしたと言い出す。
追いかけたいところだが道のりは険しく、藤本演出が「これ、男鹿君やったら無理やな」とイジるの草。
今度は小林さんにも見えたようで、庄司さん(前回いつの間にか消えちゃった人)に見えたようだ。
よく見ると撮れていたのでリプレイ。
確かに歩くような人影が見えるけど、リプレイが入った直後の画面右奥から、着物を着たような人影がこっちに向かってるぞ。

 

探索を続けるとビニールハウスを発見し、中に入ったところで次へ。
マスカットが普通に実ってるけど、バレたら泥棒と勘違いされて捕まっちゃうんじゃないか?

 

 

 

<続・海を歩く足>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
パート102「海を歩く足」について、視聴者から情報提供があった。
どうやら、筆者が隠し事象として紹介していた2~3回目の割り込み映像について、「3mnk」というYouTubeチャンネルのある動画にそっくりなシーンがあるという。
という訳で、3mnkさんに映像提供を得て、元映像の冒頭部分が流される。
3mnkさんのTwitterにDMで届いた映像で、T県のK海岸に落ちていたVHSを復元したものだという。
夜の海岸を撮影しているものだが、テープの劣化なのか、白色が青と赤に分離している。
次第に何者かの声のようなものが大きくなり、撮影者が海の方に走ったところで途切れる。

 

ここで、3mnkさんのインタビュー映像になる。
この映像を受け取った3mnkさんが現場に行き、そこで拾ったPXL2000(カセットテープを媒体とした映像記録装置)に収められていたのが今回の割り込まれた映像のようだ。

 

という訳でその映像。
YouTubeでいうところの144p並に粗い映像で、最初はカメラを置いて海岸を映したような映像だったが、カットが入ると草地に程よく鍛えられた生足が映る映像に切り替わる。
ノイズなどにより奇妙な動きをしながら去っていき、画面手前に何かが落ちる。
また、生足カットに入ってから民謡かマーチのような音楽も聞こえる。
元ネタはこれなので興味ある人はどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=HhlvBSjAyR4&ab_channel=3mnk

 

BDレコーダーでほん呪DVDを再生していたら、生足の解像度が違って見えたけど、アプコンのせいだったみたいで元ネタはちゃんと低解像度だった。
だけど、元ネタは2年前にアップされた動画で、映像素材が分かっちゃった以上「合成じゃね?」って話になっちゃうと思うが、そこらへん分かっているのか?

 

ちなみに、「海を歩く足」と今回の映像は別県の海岸だが、どちらも波が激しいようで、呪いが流れ付いたのではとのこと。

 

 

 

<ロープウェイ>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
妻とその母親と旅行に行き、山間部の観光地で撮影した映像。
ロープウェイを登りきった先に神社があり、スロープから雪化粧を撮影していると、スロープの下から口元が損傷した女性(スタッフ談)が映っている。
また、位置からすると、異様に背が高いか浮いているとしか思えない。

 

どう見てもアメリカのメタラー男だろ。
口元も損傷なんかしてなくて濃いだけだ。
あと、こいつが映っている最中なのに、不自然にカットが入るのが気になる。
そんな訳で、この山に曰くがあるようだが、どうでもいいのでカット。

 

 

 

<サッカー観戦>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
友人達とサッカー観戦に行き、その帰り道で撮影した映像。
他のファンやサポーターと共に広場を抜ける際、柵を越えた直後に友人の足が映ると、その影が異様に曲がっている。
また、投稿者が柵を越えようとしている最中に「落ちろ」という女の声が聞こえる。
この1週間後、友人は仕事中に高所から落ちて、左足を複雑骨折してしまったようだ。
何もかもがありがち。

 

 

 

<終・鬼女の山 後編>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
敷地が広いため木勢・田中チームと藤本・小林チームに分かれて探索することに。
どう見ても現役で使用されているのだが、何で平気で入っていくんだこいつら?
ってか新入りの小林さんがベソかいてるが大丈夫か?何でただの大学生がこんなに頑張る?
藤本・小林チームがやたら臭い布を発見し、中を見ると朽ちた人形が!
包んでいた布は着物のようで、ミヤが関わっているのだろうか・・・

 

今さら不法侵入のことを気にした藤本演出が撤収を宣言し、戻ろうとすると人影を発見!!
バレないようにライトを消し、小林さんが過呼吸になりそうな中、ビニールハウスで待機する不審者4人。
「不審者だったらやばいですよ」「何してんのよ、この時間にライトつけずに」って完全にブーメランだわ。
ようやく気配が消えたため、ライトをつけて帰ろうとした矢先、奥にまた庄司さんが!!!
絶対来ると思ったわ。やっぱりビビり散らすスタッフ陣が超失礼で草。
残念ながら普通に逃げられ、危険と判断した一同は帰ることになった。

 

後日、ビニールハウスの所有者を探してみることに。
所有者は若松さんという50~60代の女性で、昔巫女をやっていたという。
家を教えてもらい、そこに行ってみることに。
事情を説明するために、不法侵入したことを話さざるを得なくなって気まずくなるの草。
すると、若松さんがトーンを変え「どこまで知っているのですか」と言い出す。
どうやら、ミヤについて知っているようだ。

 

昔ヤバいやつだったのはその通りだが、女の子(血縁関係は教えてもらえなかった)と過ごすようになって丸くなっていったという。
その後、ミヤは川で流されて亡くなったようで、女の子が持っていた人形も見つかったことから、女の子も亡くなってしまったのではとのこと。
若松さんは遺留品を受け取り、2人を供養するために家に帰したようだが、なぜ着物と人形がビニールハウスにあったのか分かっていない様子。
そこで、スタッフが供養をすることに。
人形と着物(と似顔絵)を祠のような場所に供えて礼をし、これで葵さんに降り掛かった呪いは解消されるのだろうか・・・
壮太さんによると、葵さんの体調は良くなったようだが、子どもは死産してしまったようだ。
霊障なのか、それとも度重なる体調不良やストレスによるものだろうか・・・

 

最後に、SDカードが修復され、松崎さんが転落する直前まで記録していたと思われる映像が入っていた。
という訳で霊障ではない警告付き(ご丁寧に英訳付き)。
1人で夜の山を歩く松崎さん。
例の人形を発見し拾い上げると、女の悲鳴のような声が響き渡る。
そして、遠くに人影が見えズームすると、ミヤと思われる赤い着物を着た女性が近付いてくる。
カメラがブレた隙に距離を縮められ、逃げるが追いつかれてしまい、松崎さんはカメラを落として闇に消えてしまうのであった。
ミヤの魂が若い頃に姿を変え、一連の事件を引き起こしたのだろうか・・・

 

怖いかというとそれほどでもないが、緊張感とかはいい感じ。
エピソードに関しては考察の余地を残しまくった感じで、特に中編のエピソードに関しては考察しがいがありそうではある。
でもパート102~103は手元にないので、CS放送されてからじっくり考察してみようかな。

 

 

 

<総評>
★★★★★☆☆☆☆☆
投稿映像に関しては、ここ数作似たようなのが多かった関係でオチが分かりやすく、完全初見だったのに新鮮さを感じなかった。
特に1本目は何度目だよってぐらい頻発しているので自重してほしいところ。

 

3部作については、前回の「ナガレモノ」と雰囲気が似ており、ワイルドカードがいることで分かりにくくなっているのも共通している。
正直、視聴者的に葵さんはどうでもいいし、松崎さんや庄司さんも尺稼ぎ感が強かったため、ミヤに集中してほしかったところ。
とりあえず、この2年で藤本演出のメインの特徴が掴めてきた。
基本的には菊池演出期に似ており、狂気を無くしてビビり芸を入れている感じ。
ただ、一番欲しいのはヤバい映像や探索なので、そろそろ刺激のあるエピソードが欲しいかな。