呪いの心霊映像5レビュー

評価:★★★★★★★☆☆☆
本作からタイトルが短くなった、ほん呪ライクなシリーズ5作目。
また派手なのが増えたが、ふざけてる感じはなく成長を感じる。

 

 

 

<岬>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★
カップルが岬でデートしている映像。
帰り際、車内で岬を見ながら助手席にいる彼女と話していると、車が音もなく隣に並び、男がこちらを覗いている。
慌てて飛び出すと、車は無くなっていた。
この岬は自殺スポットとしても有名で、この駐車場に乗り捨てられることがあるとか。

 

男の目が黒ずんでいる他、白い影が重なっているように見える。
掴みとしてはいい感じ。

 

 

 

<ダウンロード>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
ファイル共有ソフトでR18動画を漁っていたところ入手した映像。
廃墟を映した古い映像のようで、その動画を見た数日後に骨折してしまったという。
アパートの階段から落ちたのだが、その直前に女の含み笑いが聞こえ、背中を押される感覚があったようだ。

 

廃墟探しに1ヶ月費やしたが成果はなく諦めかけていたところ、コミュニティーサイトを通じて廃墟を知る人物に会うことができた。
そこは関東地方にあった旅館の廃墟で、10年以上前に取り壊されているという。
持ってきた写真には、投稿映像によく似たものもあった。
この廃墟では子どもの霊が出たり、その日に見る夢は悪夢になるという噂があるようだ。
実際悪夢を見たようで、廃墟の中に自分がいて、物凄い形相の女に殴られ、ついには刃物を振りかざしたところで目を覚ましたという。
また、自分の声が子どもの声になっていたようだ。
廃墟について調べたところ、若い夫婦が経営していたが、経営難により廃業し、妻の精神に異常をきたしたようで、1人息子が日夜泣き叫ぶようになり、夜逃げするように姿を消したという。
あの悪夢は子どもの追体験なのだろうか・・・

 

肝心の映像は、廃墟を映した映像にブロックノイズが紛れまくっており、やたら歪んだ泣き叫ぶような声と怒鳴るような声が聞こえる。
声が止むと、穴の開いた壁の奥を、半透明の女性が横切っていく。
その後、画面左下に首のない少年が横たわる。
最後は半透明の女性が画面中央に現れ、こちらに向かって歩いている途中で終了。
女の服は血にまみれているように見える。

 

子どものリアルさが低くて足を引っ張っちゃってる。
とはいえ派手さと不気味さはなかなかで、特に最後はどこまで近付いてくるんだとゾワゾワした。

 

 

 

<演劇>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★
 エピソード:★
演劇を撮影した映像。
メンヘラ女との修羅場シーンの最中、男の胸辺りに白い手が現れ、スーッと去っていく。
この男優とは連絡取れなくなったようだが・・・
ありがちな映像で、本シリーズの初期っぽいエピソード。

 

 

 

<マンションの自動ドア>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★
 エピソード:★★
マンションの出入り口に設置された監視カメラの映像。
このマンションでは、夜に限って子どものわめくような声や走り回る声がするという苦情が絶えなかったが、上司に行っても無駄だと言われたという。
この周辺では昔、居眠り運転の車が幼稚園児の列に突っ込み、何人か亡くなるという痛ましい事件があったようだ。
また、管理会社の社長も交通事故で亡くなってしまい潰れたという。

 

肝心の映像は、誰もいないはずの自動ドアが勝手に開閉し始める。
何度か閉じた際に、ガラスに3人の幼児が映り込む。
亡くなった児童も3人であり、その霊なのだろうか・・・

 

この手の王道は好きだけど、影がないせいか浮いている感じ。
幽霊に影は必要か議論が必要かも。

 

 

 

<鍾乳洞>
   恐怖度:★
 インパクト:★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
友人らと鍾乳洞で撮影した映像。
ふとカメラを上げて壁面を映すと、そこに顔のようなものが3つある。
直後に再びカメラを向けると、顔は無くなっていた。
特に曰くはないようだが・・・

 

急にこのシリーズっぽいのが続くようになったな。
隠し事象と言えるかは微妙だけど、橋から崖下の川を映す際に頭部っぽいものがいて、引っ込むように見える。

 

 

 

<火災警報>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★
彼氏と旅行に行き、ホテルで撮影した映像。
すると、突然火災警報が鳴り、慌てて部屋を離れたという。
戻って確認すると異常はなく、フロントに確認しても警報は鳴っていないと言われたようだ。
部屋を離れた間置きっぱなしになっていたカメラを確認すると何かいたようで、気味悪くなって部屋を変えたいと申し出たら、理由も聞かずに違う部屋を用意された。

 

肝心の映像は、旅行ガイドを片手に雑談していたが疲れ、寝ようとした時に突然、火災警報が鳴り響く。
しばらく硬直した後、カメラを録画止め忘れたままテーブルに置き、部屋を後にする。
火災警報が鳴り続く中、映像にブロックノイズが発生し、画面右端に老人が現れる。
何かをつぶやいた直後にまたノイズが発生し、それが収まると老人は消え、火災警報も鳴り止んだ。
この土地には別のホテルがあったが、何人もの負傷者が出る火災が発生し、廃業して取り壊されたとか。

 

よく見ると老人が溶けていて、芸が細かい。
10年前に見ていたらもっと評価高かったかも。

 

 

 

<台風>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★
10年ほど前の大型台風が来た時に、マンションの自室から撮影した映像。
風で激しく揺れる木を映していると、画面右下に半透明でモノクロな顔が現れ、そのまま去っていく。
この日、中年女性が風に煽られて街路樹の下敷きになり、亡くなっているという。

 

目が超見開いているのでインパクトはあるが、無駄に怖くしようとしている感ある。
こういうのはあまり好きじゃないかな。

 

 

 

<話し相手>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★★★
分かりやすさ:★★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★★
今回のメイン。
友人との飲み会帰り、道端にヤバい女がいて、からかいながら撮影した映像。
その女は30代ぐらいで、薄汚れた黒い服を着ており、誰かに話しかけたりしていたという。
調子に乗りすぎて女に目を向けられた翌日、友人から「あの女が来る」というメールが来て、電話したが繋がらず、そのまま行方不明になってしまったという。

 

後日、投稿者と共に女の目撃場所に行ってみることに。
周辺で聞き込みをしていると、廃アパートに出入りしているようで、そこを張り込むことにした。
すると、丑三つ時に女が姿を現した!
アパートに入っていったため、スタッフ一同で行ってみることに。
途中、不可解なノイズによってロクに画面が映らなくなってしまったが、女に会うことを優先して前進するスタッフ。
すると、屋上手前のスペースに座る女を発見!!
ブツブツつぶやいており、スタッフが話しかけるとこちらを向き、突然発狂して襲い掛かってきた!!!
何とか逃げ、再度その場所に行くと女はいなくなっており、失踪した友人の携帯電話がボロボロになって落ちていた。
明らかに刑事事件のため警察を呼び、女の行方を追おうとしたが、何も情報を得ることは出来なかった。

 

肝心の映像は、調子に乗って数mの距離まで近付きおちょくっていると、突然スタイリッシュにこちらを向く。
すると、女から放たれたように黒い人影が現れ、発狂して襲い掛かってきたので逃げるのであった。

人影に目があるんだけど、飛び出てるぐらいパッチリしててシュール。
投稿映像よりも、スタッフが捉えた女の顔の方が怖い(笑)
白石監督作品のノリだが、あっちとは違ってふざけておらず、女のヤバさを的確に表現できていてよかったと思う。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★☆☆☆
再び派手な映像が増えたシリーズ5作目。
同じく派手な映像が多かった3作目はふざけているのかと思うようなのばかりだったが、本作は恐怖を描くことにこだわっている感じで、ようやくほん呪のパクリから肩を並べられるようになりつつある。
個人的に、メインでふざけなかったのが一番の高評価。
他シリーズだと、どこかふざけちゃうのがほとんどだから、本シリーズはある意味貴重。