ほんとにあった!呪いのビデオ100レビュー

評価:★★★★★★★★★☆
中村さんが22年ぶりに演出を担当。
ドキュメンタリー色が強い作風で、中村さんによるほん呪節が炸裂。

 

 

 

※赤い映像以外は仮タイトル

 

<赤い映像>
   恐怖度:★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
投稿者(鷲巣さん)のiPhoneにいつの間にか映像が記録されていた。
鷲巣さんにリモートでインタビューしてみると、友人たちとの初詣中にAir Drop(無線のファイル共有機能)でこの映像が送られており、友達以外受信しない設定だったのを貫通していたことになる。
映像はママさんバスケを撮ったもので、その後半に奇妙な映像に差し替わるという。
その映像を見た直後から、誰かの視線を感じるようになったとか。

 

2022年4月、この映像をパート96に収録するつもりで中村さんにナレーションを録ってもらっていると、中村さんがこの映像見たことあると証言する。
だが、問題の部分は今回のより赤くなく、ダルマの部分がもっと長かったようだ。
当時の投稿者は高校生で、諸事情により採用できなかったという。

 

ここで鷲巣さんの投稿映像。
問題の部分は5カット、たった16秒ほどの映像であるが、それから約1年間も製作委員会に様々な怪異が現れたため危険と判断、残念ながら5カットの部分は静止画で流れる。
全体的に赤みがかっていて、

  • 神棚?と2本のロウソク
  • 人がいるようにも見えるよく分からないもの
  • 真ん中に小さい顔があり、上に大きな目?
  • ダルマをズームしたもの
  • 魚の目?

と続いている。
怖さはないが、呪術や儀式めいた雰囲気の映像。

 

 

 

<長野県へ>
 エピソード:★★★★
当時の資料を漁ってみたところ、パート3製作中の1999年に送られた手紙を見つけた。
それによると、映像はもっと長く、お赤飯や牛の人形、顔を白く塗った男と続いているようだ。
この映像は投稿者(杉田さん)の母親が所属するママさんバスケの試合を撮ったもので、母親に無断で送ったことがバレ、返却したようだ。
また、このビデオの持ち主は和子さんという方らしい。
撮れ高大好きな藤本演出は興味ありげだが、当時製作途中のパート96に収録するのは間に合わないと判断し流そうとする。
一方、中村さんはすぐ行こうよと言うのだが、人員が足りないため、ここで木勢さんが新規採用!
杉田さんの自宅に行ってみたが、1999年ごろに引っ越しており、別人が住んでいた。

 

今度はパート97の収録中、杉田さんの転居先に関する情報が届いた。
そこは鷲巣さんと同じ長野県であり、近所と言っていいほど近いためすぐに行きたいところだが、藤本演出らは「ナガレモノ」の取材等で忙しいため、プロデューサーの岩村さんは、中村さんが行くのはどうかと提案!
中村「俺が行くの!?」
岩村「元はと言えばパート3の頃からですし・・・」
中村「今はナレーションじゃん。今行ったら「私は・・・」とか言うようになっちゃうよ(笑)」
後日、長野県に向かう1台の車があった。
助手席には木勢さん、そして運転しているのは中村さん!!!(笑)
「私は、忙しいスタッフに代わり、杉田家の転居先である長野県へと向かった」って、スタジオで言ってたことそのまんまじゃんwww

 

杉田さんの転居先に到着したが、2年ぐらいで引っ越してしまっていた。
大家さんによると、杉田さんだけは大学近くのアパートに住んでいたようで、その大学は鷲巣さんと同じだった。
色々と繋がってきたところで鷲巣さん宅へ。
視線について当初は大学付近だけだったが、最近は自宅付近にまで近付いており、そこに行ってみると、アパートの中から誰かがこちらを見ている。
鷲巣さんによると、隣に住んでいる三上さんという先輩のようだ。
にしても、三上さんの声ボイスチェンジャーかけすぎでしょ。この時点でうさん臭さしかない。
三上さんに異変は起きていないようで、最近大学に行っていない鷲巣さんを心配していた。

 

 

 

<スタッフを襲う怪異>
   恐怖度:★★★
 インパクト:★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★
 エピソード:★★★
車で移動中、木勢さんも視線のようなものを感じるようになっているという。
また、藤本演出はダルマの目のようなものが見え、岩村さんは無言電話がかかりまくり、久木さんは1人なのに隣に誰かいた?と言われたりと不可解なことが相次いだため、全員カメラを持っていつでも撮影することになった。

 

まずは木勢さん。
最近、誰もいないのに自宅にチャイム鳴らされまくっている。
次は藤本演出。
団地付近を歩いていると人の気配を感じたようで、その先をズームすると男が立っている。
だが、近付く最中に視点がブレると消えてしまった。

 

また、鷲巣さんもモノが別の場所に移動していたり、風呂場が濡れていたりと、それストーカーじゃね?って感じの異変が起きており、玄関に向けて監視カメラを設置するようだ。
ちなみに、この映像で浴室から部屋に戻る際、電子レンジの奥に背を向けて立っている男がいる。
これは劇場で気付かなかった。
そんなところにいる!?と言う意外性もあって思ったより怖い。

 

パート98の収録中に赤い映像の怪異について話していると、中村さんとカメラマンの川島さんは特に異変が起きていないという。
どうやらどっちも見ていないようで、実験のため川島さんに映像を見てもらうことになった・・・藤本演出が被害者増やそうと張り切ってて草。
だが、その映像は投稿映像を見やすく加工したものだったためノーカン。
赤みがかっていた頃より分かりやすくなっていて、2つ目はお面、3つ目はお面とロウソクだった。
また、1枚目に赤い御幣があり、これらについて調べると、疱瘡神天然痘を見立てた悪霊)を払うのに使われたとか。

 

ここで、偶然パート98の編集画面に映っていた研究所の人から、疱瘡神について詳しい人を紹介してもらった。
映像に映るものは疱瘡除けとして使われているもので、魚は鯛で、疱瘡神は赤い物が苦手とされていたとか。
そのため、この映像は呪いではなく、厄除けに作られた物ではとのこと。

 

ここで再び木勢さん宅の映像。
木勢さんが赤いTシャツ着てて草。
相変わらずチャイムを鳴らされており、外に出て確認するが誰もいない。
ドアホンには映像が記録されており、木勢さんの頭部に赤いモヤがかかっていた。
また、外に出た木勢さんの背後の階段に、男が立っている(後に言及される)。

 

今度は久木さん宅。
こちらもチャイムを鳴らされており、その間隔がどんどん短くなる。
すると鍵を開け、誰かが入ってきた!と思ったら夫で安心する久木さん。
夫によると、外から久木さんと男が見えたという。
これ、浮気と勘違いされてないか?大丈夫かな。

 

また、鷲巣さんの仕掛けたカメラが、誰もいないのに何かが落ちる音と衝撃を記録していた。
藤本演出が音にビビってて草。
また、キッチンのステンレスパネルにうごめく影と腕のようなもの、押し入れの戸に影のようなものが記録されている。
鷲巣さんは引っ越しても憑いてくるかもと不安げな様子。

 

 

 

<24年前の映像>
 エピソード:★★★★★
スタッフ会議により、中村さんが無事なことから、24年前の映像を見ればいいのではという仮説のもと探すことに。
これ以降赤い服着てる人増えてて草。
また、鷲巣さんは例のウイルスにより重症化し、入院したとか。
さらに、投稿映像に数コマだけ男が映っていることを発見・・・いや、普通に一発で分かるレベルでしょ。オリジナル見せてほしいわ。

 

なんと、杉田さんから連絡が来た。
どうやら、ダビングしたら途中で止まったことがあるようで、その映像が鷲巣さんに送りつけられたものかもしれない。
また、オリジナルを見たら具合が悪くなり、当時ほとんど根絶されたはずの結核と診断されたようだ。
ダビングしたものは捨てたが、オリジナルは見つかるかもしれないため、映像に映る和子さんという人物を探すことに。
と行きたいところだが、男鹿君、藤本演出、岩村さんらが例のウイルスでダウン。
男鹿君は赤い服を着なかったせいか、集中治療室行きだった。
さらに、久木さんは夫の強い希望により退所となり、取材できないまま数ヶ月が過ぎた。

 

パート99の収録中、パート100は中村さんによる赤い映像を巡るドキュメンタリーか、藤本演出による通常作のどちらかとし、先にできた方を101にするという話になった。
だが、木勢さんは藤本演出チームに入っいるがそれでも手一杯のため、中村さんがと川島さんで杉田さんの元へ向かった。

 

施設にいる母親と会うことになったが、親族以外は入れないため、杉田さんに任せることに。
和子さんのことを聞いていると、中村さんが窓の隙間から指示し始めて草。
その後、とうとう母親と直接話してるwwwそしてそれを介護士が黙って見てて草。
母親は記憶が曖昧な中、和子さんについて「かんえん」「かんべ」といい、監督兼お坊さん(シゲモリさん)については「鬼」という意味深な言葉を残した。

 

シゲモリさんについて調査するが、寺が多くなかなか見つからない。
一方、杉田さんからママさんバスケのチームメイトを紹介してもらい、会うことができた。
監督がダビングして配っていたようで、持参してもらったものを見たが異変はない。
どうやら、和子さんの映像にだけ異変が起きていたようで、和子さんはあの試合の半年後に肝炎で亡くなっていた。
また、夫も亡くなったようで、今は空き家となっているという。
一方、監督については鬼監督と呼ばれるような人ではないようで、お坊さんではなく雇われ神主で、1年ぐらいで消えたという。
映像を見せると、赤い映像に映る男と雰囲気がよく似ているようだった。
和子さんを病魔から守るために、あの映像を作ったのだろうか・・・

 

 

 

<和子さんの家へ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★★★
ここでパート101制作中のお話。
中村さんは日本映画監督協会の理事を務めており、それによる週3の会議やブラック労働改善の見本として無茶はできないため、調査が停滞していた。
一方、藤本演出チームがようやく手が空いたため、代わりに和子さんの家の管理人を探すことに・・・と思ったら速攻見つかった。
藤本演出の「チョロッwww」って表情草。
鍵も貰ったため、いつでも探しに行ける!
だが、そのことを岩村さんに報告すると、中村さんに花を持たせたくて誘うことに。
ここからは撮れ高の為に今夜行きたい藤本演出と、日本映画監督協会の理事として(本音は怖いから)昼に行きたい中村さんの攻防で草。
行きたくなくて「夕方仕事入ってる」とあからさまな嘘ついて苦笑いされてるwww

 

結局、日を改めフルメンバーで長野県へ。
途中で立ち寄った飲食店で、偶然にもママさんバスケやシゲモリさんを知る人物に会った。
どうやらシゲモリさんは和子さんのストーカーだったようで、家の外から見たり、中に入ろうとしたこともあったという。
そして、シゲモリがいなくなった1ヶ月後に和子さんが急性肝炎で亡くなり、夫もインフルエンザで亡くなったようだ。
これまでの経緯をまとめると、この映像を見た人は感染症にかかり、中には亡くなった人もいることになる。

 

今更、赤い映像は厄除けではなく厄寄せじゃない?ということに気付き、専門家に確認することに。
すると、「厄除けじゃなくて神迎えだったわwwwしかも赤を嫌うんじゃなくてむしろ好むという話もあるよ」と言い出し、中村さんが慌てて真っ赤なジャンバー脱ぐwww
木勢さんも真っ赤なセーター着てるけど、着替えなくて脱げないの草。

 

ようやく和子さんの家に着いたが、結局夜になってしまった。
ここからはビビり一行の廃墟探索をお楽しみください(笑)
相変わらず撮れ高重視の藤本演出と、心霊スポット巡り系YouTuberみたいなことしなくていいと咎める中村さん(1番ビビってる)の攻防で草。
にしても、部屋の隅にマネキンは流石にビビるわ。パッと見、首吊ってるように見えるし。
長時間の探索の末、最初の部屋の埋もれていたテレビ台の中に例のビデオを発見した。

 

映像を確認したところ、やはり1999年に投稿されたもので、赤い映像ほど赤くはなっていない。
魚の目の映像の後に、

  • 赤いお膳にお赤飯と徳利
  • お赤飯のアップ
  • 牛の人形(赤べこ
  • 赤御幣

と続いている(残念ながら今回も静止画)。

 

 

 

<赤い映像の正体>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★
  不気味さ:★★★
 エピソード:★★★★
改めて専門家に聞いてみると、映っているものは疱瘡の病人の枕元に供えるものであり、疱瘡は確かに致死率が高いが、治ってしまえば免疫ができるため、毒をもって毒を制すように感染をコントロールしていたという。
また、神迎えには続きがあり、疱瘡神を大晦日に迎え入れ、元旦の夜が明け切らぬ内に村の外れまで送っていく、そしてお供物を川に流すのが正しい方法のようだ。
そのことを踏まえると、シゲモリは和子さんを呪い殺そうとしたのではなく、あえて感染症にさせることで免疫を持たせるという歪んだ愛情を向けたが、やり方を間違えて亡くなってしまい、その負い目から自殺してしまったのかもしれない。
そして、お供物を流さなかったため、そのまま和子さんの家に居着いてしまったのだろうか。

 

取材映像を見直してみると、3つの事象を発見した。

  • 中村さんと木勢さんがキッチン横の部屋を見た後、木勢さんが立ち上がる際、奥の廊下に男が立っていて、逃げるように去っていく。
  • 一同が家の中に入りマネキンがある部屋に入る際、奥の廊下から頭部がチラッと見える。
  • VHSを見つけて中村さんらを呼び、マネキンの部屋に入る際、左の部屋のコタツに男が座っている。

これらは木勢さんや中村さんが見たという証言と一致している。
やっぱり霊感強いなこの2人。
ちなみに、1:18:54の部分でドアに手がかかっているけど、これ中村さんの手なのかな?

 


<エピローグ>
   恐怖度:★★
 インパクト:★★★
分かりやすさ:★★★
  不気味さ:★★★★
 エピソード:★★★
問題のVHSはその後、風習通り川に流し、回収してからさらにお祓いを行った。
お祓いが済んだため、今度こそオリジナル版の通常再生を見ることができる。
さっきの静止画から更に続きがあり、

  • 神棚が開いている
  • 布団とその奥に男が座っている
  • 男が編集により消え、次現れる際に鬼のお面のようなものを被っている
  • 男が立ち上がり、カメラを止める

と続いていた。
さすがに今見るとそうでもないけど、けっこう雰囲気あって怖さもある。

 

最後に、鷲巣さんとのリモート会議。
なぜかNot Foundの杉本劇場みたいなBGMで草。
鷲巣さんは元気になっており、視線を感じることもないようだ。
そして、その隣には三上さんが!どうやら、倒れてたところを助けてくれたことがきっかけで付き合うことになったようだ。
祝福ムードの中、木勢さんだけは疑いの目で三上さんを見ており、最後に三上さんをズームして終了。
やっぱり三上さんが黒幕だったのだろうか。

 

 

 

<総評>
★★★★★★★★★☆
パート55以来約10年ぶりの劇場公開作であり、初代演出で現在までナレーターをしている中村さんが約22年ぶりに演出となった。
中村さんらしくドキュメンタリー寄りな作風となっており、投稿映像の恐怖度やインパクトはそれほどでもないが、隠し事象が多く、恐怖度も思ったよりある。
何より、筆者がほん呪好きな理由の1つであるシュールな笑いが随所に組み込まれており、撮れ高重視な藤本演出と保身に走る中村さんの攻防は見てて面白い。
また、パート96から101までの製作と密接に関わっており、木勢さんの加入や久木さんがいつの間にかいなくなっていた理由、編集画面に偶然映っていた専門家を通して真相に近付いたりと、最新作を見ているファンがニヤリとする場面も多かった。

 

敢えて短所を挙げるとしたら、せっかく劇場で公開したのだから、パート55の凶悪な投稿映像みたいなインパクトも欲しかったと思う。
また、今回の呪い(と言い切れない部分もある)は感染症だった訳だけど、それが天然痘結核のような致死率の高いものから、現代になるにつれてどんどん弱まったのが気になる。
特に今回は例のウイルスに何人も感染したわけだが、それ自体は特別なものではないし、そもそも今回だけ犠牲者いなかったからね。
とはいえ、専門家が言うようにあえて感染させて免疫を付ける、その過程で棚ぼたを狙うというのも一理あるため、そのために例のウイルスが選ばれたのはある意味合理的なのかも。
それに巻き込まれたほん呪スタッフ一同は・・・ドンマイ。